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DAZN観戦 2021年J2リーグ第3節 レノファ山口FCvsアルビレックス新潟

2021-03-15 18:15:07 | サッカー視聴記(2021年J2)

開幕から連勝で好スタートとなった新潟。
それでも、舞行龍ジェームズの出遅れ(2節から復帰)や、本間の退場→今節出場停止とベストメンバーを組めない故の試行錯誤を強いられる戦いを繰り広げています。
この日は本間の代わりに星が左サイドハーフでスタメンに。

前半のキックオフとなった山口、いきなり楠本のロングパスを右サイド奥で高木大輔が収め、コーナーキックをゲット。
先制攻撃したものの、前半3分に新潟もやり返し。
右サイドでパスワークののち高木善朗から中央→左へと渡り、島田縦パス→高木善スルーパスでエリア内へ。
中央で鈴木が受けてシュート、ゴールネットを揺らしたもののオフサイドとなりノーゴール。

双方とも最初の攻撃で相手守備を脅かす入りとなりましたが、ここから主導権を握ったのは新潟。
最後方でのビルドアップを下地に、パスを散らして幾度も好機を作っていく立ち上がり。
そして山口のビルドアップを前線から果敢なプレスで遮断し、攻撃権の支配に成功します。

そこから先制点が生まれたのが13分。
敵陣深め右サイドでロメロ・フランクがボール奪取、鈴木→高木善→島田という流れで中央へ渡り、ラストパスを受けた星がエリア内からシュート。
綺麗なショートカウンターで先制に成功、星の移籍後初得点という運びとなりました。

尚もゲームを支配し、反撃したい山口の気勢を削いでいく試合展開に。
そんな新潟のサッカーを支えるべき最後方には、新戦力とも言うべき選手が2人。

大卒2年目となるGKの阿部(前年は出場無し)、開幕節からスタメン出場を続けて見事レギュラー定着の運びとなっています。
エリアを飛び出してのショートパスでビルドアップに関わるのはポゼッションスタイルの生命線ですが、その役目を担い続け「11人目のフィールダー」として貢献。
そして一列前のセンターバックには、10年ぶりの復帰となった千葉。
近年故障続きでJ1(広島・名古屋)で出場機会を失いつつあったベテランが、カテゴリーを落とした今季はレギュラーとして輝きを取り戻し。
段違いの足元の技術で、新潟の攻撃を円滑にする役割を演じていました。

フィニッシュに関してはあまり狙いにいかず、どちらかというとハイプレスによる「相手のミス待ち」な感じの展開。
それでも先制点によるプレッシャーは相当なもので、山口は同点どころか、攻撃機会を作る事すらままならない状況を強いられていきました。
そうしてから徐々に2点目を狙いにいく意識を強めていく新潟。

31分、左サイドで千葉の縦パスから、高木善・星を経由し中央から右サイドへ展開されて攻撃。
右サイドバック・藤原がドリブルからクロスを入れ、クリアされたのち高木善がエリア手前中央からダイレクトでシュート。(ゴール右へ外れる)
尚も好機を連発し、そして38分でした。
ここも左サイドで攻める姿勢ののち、GK阿部まで戻されてから右へフィード、そして藤原から攻撃。
中央へ流れてから、右へのスルーパスにロメロが走り込み、エリア内へ進入して中央へ横パス。
これに走り込んだ高木善がシュート、ゴール左に突き刺して追加点。
弟(山口・高木大)の目の前で得点を挙げる事に成功した高木善。

43分にも決定機、千葉左へミドルパス→堀米受けた後戻される→千葉右へロングパスと、再度左から右への展開での攻撃。
島田のエリア内へのスルーパスを受けた藤原からのグラウンダーでのクロスに、またも高木善が合わせてシュート。
しかし今度は枠を捉えられず。

止めは刺せなかった新潟ですが、依然として山口は攻撃の手段が無い、という状態。
45分に敵陣でボール奪取後、岸田が遠目からシュートする(GK阿部キャッチ)という、強引にフィニッシュに持ち込んだぐらいに終わり。

0-2のまま前半が終わりを告げ、一向に反撃体制が整わずといった山口。
ハーフタイムで2枚替えを敢行(岸田・佐藤健太郎→梅木・田中陸)し、ネジの巻き直しを図る事となりました。

今季から山口の監督に就任し、初のJ2での戦いに挑む事となった渡邊晋氏。
日本におけるポゼショナル・フットボールの推進者として名高い人物で、2014(途中)~2019年の仙台での監督業が何よりも有名です。

仙台時代は基本フォーメーションを選手編成に合わせて変えつつ、最終的には原点の4-4-2で終えました。
そして山口では、その時と同様のフォーメーションを選択。
開幕節(松本戦・0-0)は善戦し、アディショナルタイムにゴールネットを揺らしたものの、ハンドでノーゴールとなり勝利に辿り着けず。
これでリズムが乱れたのか、前節(琉球戦・1-2)は前半戦で2点を奪われたうえ、反撃の糸口が掴めず。
後半に盛り返したものの敗戦、そして挑んだこの日も、殆ど前節の焼き直しのような展開となってしまった前半戦。
そしてHTに2枚替え、という所まで同様となってしまい、迎えた後半戦。

最初に攻撃権を得たのは新潟で、右サイドから藤原のクロスを鈴木が収めてゴールを脅かし。(シュートは撃てず)
後半も同じ展開かと思われた入りでしたが、その後は山口がペースを掴む事に成功します。

前半の新潟の攻撃は阿部・千葉によるビルドアップの巧さ、そこからの右サイドによる好機もさる事ながら、左サイドでのポジション取りが絶妙という点も見逃せず。
左SBの堀米が前に出る代わりに、左SHの星が降りて出口役となったり。
堀米が中に絞った際は、ボランチの島田がサイドに出たりと、巧妙なポジションチェンジで山口を攪乱していました。
これで目線を釣りつつ、逆の右サイドで突破するという形が好循環の一因。

そんな相手の動きでヒントを得たのか、後半の山口はSBの動きが一変。
逆サイドからボールを受ける形をとるべく、中央に張る事で前半のようなどん詰まりを防いでいました。
そしてボールとともに自身も前進していく両SB。(右・澤井、左・石川)

後半6分、CB・渡部のドリブルから石川→草野と経由し、草野が左→右へとサイドチェンジ。
受けた高木大がエリア手前でカットインから中央へ送ると、走り込んできた石川がエリア内でシュート。(ブロック)
11分には左サイドから、中央で澤井が受けて右へ展開の後、高木大のスルーパスに走り込む澤井。(その後クロスもブロックされ上がらず)
17分にも高井のロングパスに左サイド奥へ走り込む石川がクロス、クリアされたのち池上から再度クロスが上がり、クリア後の空中戦を経て高木大の落としに草野が合わせにいくもGK阿部に防がれ撃てず。
両SBをサイド奥まで進入させる攻撃を見せていきます。
それでも直後に、澤井が燃料切れのためか交代。(橋本へと交代・左SBに入り石川が右SBへシフト)

一方、12分にロメロがヘディングシュートを放った(枠外)ぐらいの、後半の新潟。
上記の山口の交代直後、こちらも動きロメロ→谷口へと交代。(18分)
以降も山口の圧力に押され気味で、その意識故か、25分には自陣のフリーキックでGK阿部が遅延行為で警告を受ける事に。

28分には左サイドで橋本がボールカットしてのドリブルから、高井がエリア内へカットインしてマイナスのクロスが入るも繋がらず。
新潟のお株を奪う、敵陣でのボール奪取からの攻撃を見せたものの、それでもフィニッシュには繋がらない山口。
良い流れは出来ていましたが、シュートという爆撃は中々浴びせられず、ここら辺はまだ始まったばかりのチームという印象を抱かせました。

受けに回る新潟でしたが、ベテランの千葉がここでもチームを落ち着かせ。
直後の29分、最後方でパスワークを経て右サイドへミドルパスを送ると、高木善落とし→藤原スルーパス→高木善走り込んでマイナスのクロス(カットされる)とやり返し。
攻撃権を握られる中でも、泰然自若としつつ自身のサッカーを貫いていたようなこの日の新潟。
対する山口は以降も攻撃を仕掛けるも、惜しい所まではいくもシュートを放てず時間を浪費していきます。(37分に高井・池上→浮田・神垣へと交代)

終盤を迎えるに辺り、新潟は星→早川へと交代。(33分・早川が左SBに入り堀米が左SHへシフト)
守備を固める方策なのは明らかで、その通りに要所でのボールカットで目立ったこの日の早川。
そして新潟が2点リードを保ったままATを迎え、攻め疲れが見え始めた山口に対し、新潟がパスワークで時間を使う体勢に。
無理にカウンターを狙わず、はたまた相手コーナー付近で時間を稼ぐという姿勢でも無く。
山口のプレスをいなし続け、ポゼッションを高める事で攻撃機会を減らしていくその戦いぶりは非常に好感を持てました。(個人的に大好き)

最後は敵陣でパスカットされて山口の攻撃となり、そこから橋本の縦パスを受けた浮田が遠目からシュート。
これが舞行龍のブロックでループの軌道となり、GK阿部を越えていきゴールに吸い込まれ。
終了間際に1点を返した山口でしたが、及ばずそのままタイムアップ。

ミソは付いてしまいましたが、それでも無事に開幕3連勝となった新潟。
前年はポゼッションサッカーというよりは、中盤以前での強度の高さで勝ち点を得ていたような感があり、終盤はビルドアップのミスが目立ち不振に。
それ故放送席で言われていた「前年からのサッカーの継続」という点にはやや違和感もありました。
それでも阿部・千葉のスタメン定着で、前線の強度を保ったうえで、後方のビルドアップ能力を向上させるという両得なチーム強化を果たしつつあるようです。
昇格候補に名乗りを上げる、リーグの滑り出しとなったでしょうか。


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