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TV観戦 天皇杯 第102回JFA全日本サッカー選手権大会準々決勝 アビスパ福岡vsヴァンフォーレ甲府

2022-09-09 18:29:09 | サッカー視聴記(2022年その他)

<福岡スタメン> 4-4-2
GK 村上
RSB 前嶋 CB 熊本 CB 宮 LSB 輪湖
RSH 田中 DH 北島 DH 森山 LSH 金森
FW 城後 FW ジョン・マリ
<甲府スタメン> 3-4-2-1
GK 河田
RCB 須貝 CCB 浦上 LCB エドゥアルド・マンシャ
RWB 関口 DH 石川 DH 山田 LWB 荒木
IH 宮崎 IH 長谷川
FW 三平

前回の天皇杯の記事 - ラウンド16・栃木vs京都

GKのフィールダー出場・紳士協定違反と、サッカーの内容以外の面で何かと話題を振りまいている今季の福岡。
そんな凸凹ぶりは、リーグ戦で残留争い・カップ戦で勝ち残りという成績面にも表れており。
この日勝利すれば、天皇杯・ルヴァンカップともにベスト4という実績を残す事が出来るとあれば、いかに残留争いの渦中といえど露骨なメンバー落としは出来ない状況。
それでも9人入れ替えと厳しいやり繰りのなか、幸い?次節出場停止の宮が居る事で何とか箔が付いたようなスタメンで挑みました。

一方の甲府は、前節(徳島戦・0-2)出場停止の山田も加わりほぼベストメンバー。
ジェトゥリオと入れ替わったFW三平もスーパーサブという事を考えれば、万全のメンバーで勝ち抜けを目指す姿勢なのは明白であり。
そして試合が始まると、両者の置ける状況がモロに内容に現れる事となります。

リーグ戦同様に、多彩なポジションチェンジを駆使したパスワークで攻め上がる甲府。
しかも入りでロングボールの多用に軸を振るという、二重三重にも相手の目線をずらした上での攻撃とあっては、メンバー落ちの状態の福岡では対処は厳しいといった感じでした。
特にJ2ではお馴染みの、右センターバック・須貝のオーバーラップに対して対処法に乏しさを見せる福岡。
前線には大ベテランの城後が入ったため、最終ラインへのプレッシングにも甘さが見られた事も拙かったでしょうか。

ともかく甲府のビルドアップに対し、前から行こうとすると城後が付いていけず。
2トップがボランチの側で構える体勢を採っても、須貝・石川の多彩な動きを切る事が出来ずという悪循環。
またドイスボランチの森山・北島が経験不足故に、相手のボランチに対して前に出られないというのも、プレスを嵌められない一因となり。

そうして良い様に甲府に攻撃権を支配され続け、迎えた16分。
石川の自陣でのパスカットから素早い攻めを見せる甲府、左ワイドの荒木を経由して宮崎へパスが出されると、福岡・前嶋がカットかデュエルかで迷ってしまったのか結局どちらも出来ず。
そして中央の三平にボールが渡ると、放たれたシュートがゴール左へと転がり。
ジャストミート出来ず綺麗なシュートでは無かったものの、その得点力を福岡に見せ付けた三平により、甲府が先制に成功しました。

福岡はリードを奪われたのちも、甲府のショートパス主体の攻撃に振り回され続け。
一向に反撃の機運を高められずにいたのを受けて、20分過ぎ辺りからフォーメーションを3-4-2-1、つまり5バックシステムへと変更して凌ぎに掛かります。
<前半20分以降の福岡> 3-4-2-1
GK 村上
RCB 前嶋 CCB 熊本 LCB 宮
RWB 田中 DH 北島 DH 森山 LWB 輪湖
IH 城後 IH 金森
FW マリ
これにより何とか甲府の流れを堰き止め。

しかし攻撃の形は作れない状態。
立ち上がりからマリ狙いのロングボールを中心としていましたが、フアンマ・デルガドや山岸の収めに比べると対処可能というレベルであり、甲府ディフェンスに跳ね返され続け。

メンバー落ちのため展開力も足りずという状況のなか、26分に右ハーフレーン手前から森山のクロス、ファーサイドに金森が走り込んだ事でクリアされてコーナーキックに。
この左CKから、今まで良い所の無かったボランチ2人が魅せる福岡。
キッカー北島のクロスが良い所に入り、GK河田にパンチングされるもこぼれ球が絶好のシュートレンジに落ち、金森が詰めにいってさらにクリアされた所を森山がダイレクトでミドルシュート。
GK河田のセーブも及ばず、ゴールへと吸い込まれ。
ワンチャンスをモノにした福岡、試合を振り出しへと戻しました。

甲府は追い付かれた事で、福岡の5-4-1ブロックをどうこじ開けるかという課題に取り組む事となり。
29分に石川の縦パスをエリア内右で受けた長谷川、ワイドに流れてからヒールパスをエリア内に通し、受けた関口が奥からマイナスのクロスを入れるも誰にも合わず。
エリア内の左右を突いて崩す姿勢を貫きましたが、以降はスペースが無くなった事もあり尻すぼみとなっていきます。

守備を建て直した福岡、これで何とかカテゴリの差を見せられるようになり。
甲府の攻撃を冷静に跳ね返しつつ、能力の差で押し込むという立ち回り。
次第に堅さが取れて来た事もあり、甲府がサイドにボールを出すとすかさずウイングバックの選手が前に出て距離を詰めるといった、プレッシャーを与える守備も出来るようになります。
しかしメンバー落ちという状況もあり主体的な攻撃は中々出来ず、主な好機は1点目同様にセットプレー頼みとなりました。
39分にはサイドでのフリーキックからの二次攻撃、右サイドからの田中のクロスをマリが中央でバイシクルで合わせましたが、ゴールには向かわず逸れていき。
42分には右CKから、キッカー北島のクロスをファーサイドで宮がヘディングシュート、しかしゴール右へと外れ。

結局1-1のまま動かず前半を終え。
ハーフタイムの交代は共に無く、そのままの布陣で後半に臨んだものの、巻き直したのは甲府だったでしょうか。

福岡はミラーマッチにする事で互角の戦いが出来るようになったものの、プレスを嵌めたという場面はあまり無く。
甲府は2CBへと可変してビルドアップを行うので、1トップ2シャドーにすると前線のマッチアップは逆に難しくなったという印象であり。
そのため甲府は修正を施したというよりは、意思統一を図って後半に挑んだでしょうか。
自信を持って最終ラインからビルドアップを敢行し、再び立ち上がりのような攻勢に入る事に成功します。

すると後半3分に決定機が訪れ、右サイドから前半同様に攻め上がる甲府、奥で溜めを作ったのち上がってきた須貝からクロス。
ファーサイドでフリーになっていた三平が合わせましたが、ヘディングシュートはジャストミート出来ずゴール左へと外れてしまいます。
続く4分にも三平の上空へ素晴らしいクロスが関口から上がったものの、今度は落としを選択した三平、山田がダイレクトでシュートしましたがブロックされて枠外に。
チャンスが訪れながらも、後半はそのゴールゲッターぶりに陰りが見られた三平。

しかし依然として流れは甲府であり、福岡は自陣でボールカットされての危機も多く招くなど、その圧を受けて押し込まれ。
また後半からは、攻撃時4-4-2・守備時5-4-1という可変システムを採用していた節があり、その所為でトランジションの増大により可変する田中への負担も気になる状況となります。

どちらが上位カテゴリか解らなくなってきた状況を受け、最初に福岡ベンチが動いたのが19分。
目立つ所が無かった城後に代え、ルキアンを投入して強化を図ります。

するとその効果がハッキリと表れるようになり、甲府の攻勢を逆手にとっての好機も作り始めます。
23分ロングパスを収めたマリがさらに裏へ浮き球を送り、走り込んで受けたルキアンがシュートを放つも、ブロックに当たった末にGK河田がセーブ。
前線に脅威を残して甲府サイドにプレッシャーを与えますが、甲府も24分に動き宮崎→鳥海へと交代。
パワーを補填して締め直し、26分には関口の低いクロスをニアサイドで収めた鳥海がシュート(ブロック)と、その効果を自ら示します。
29分にはセットプレー(右サイドからのFK)から、マンシャが際どいヘディングシュートを放つ(ゴール左へ外れる)など、依然として勝ち越し点の匂いを保つ甲府。

両ベンチとも2度目の交代を敢行し、福岡は30分に前嶋・金森に代え、湯澤とジョルディ・クルークスを投入。
甲府は31分に石川・三平→松本・ジェトゥリオと、ともに2枚替え。

その後も福岡はシステムを変えなかったため、クルークスは本来の右に入り田中が左に回った事で、WBを務める事となったクルークス。
しかし嵌らず、すぐに田中が元の位置に戻りクルークスは左に回りました。
それでも後半の終盤には再びクルークスは右に回っており、その際はルキアンと入れ替わっていたようであり。

布陣でやや迷走気味の福岡を尻目に、果敢にゴールを脅かしに掛かる甲府。
36分にはマンシャのミドルパスをエリア内で鳥海が収める絶好機となるも直ぐに撃てず、右へと流れたのちに放たれたシュートはブロックに阻まれ。
続く37分にはショートパス攻勢から、長谷川がエリア内右を突いてシュートを放ちましたが、ジャストミート出来ず枠外に。
長短織り交ぜて好機を作るも、フィニッシュの部分で甘さが見られ勝ち越し点は奪えず。

それでも気丈にペースを保つ甲府。
迎えたアディショナルタイム、エリア内左をスルーパスで突いて荒木からマイナスのクロスが送られると、合わせたのは長谷川。
しかし福岡・宮がスライディングでのブロックで防ぎ、上位カテゴリの意地を見せ付け。
するとその後福岡に決定機が訪れ、ロングパスを中央エリア手前で収めたマリがシュート、ブロックされた跳ね返りを尚もルキアンが追撃。
放たれたシュートは甲府・浦上が顔面でブロックと、こちらも寸での所で防ぎます。
多彩かつ手数の多い甲府と、直線的でワンチャンスを活かす福岡とのぶつかり合い。
ともに譲らず、スコアが動かないまま後半終了を告げる笛が鳴り響き、勝負は延長戦にもつれ込む事となりました。

延長開始の前に福岡ベンチが動きを見せ、輪湖とマリに代え、ドウグラス・グローリと渡を投入。
グローリがCBに入る(中央)事で、湯澤がWBに回ります。
しかしここでも湯澤は本職とは逆の左を務める事に。

先に押し込んだのは福岡で、FWに入った渡がグローリのロングパスを足を延ばしてエリア内で収め、そのままシュートを放つも枠外に終わったのが延長前半3分。
直線的な攻撃は変わらずといった福岡に対し、甲府は4分ジェトゥリオ狙いのスルーパスがクリアされた所を長谷川が拾い。
そして前進した所を福岡・グローリのスライディングを受け、倒れて反則となりFKを獲得。
右ハーフレーンからのFKをキッカー松本が直接シュート、無回転のボールがゴール左を襲いましたが、GK村上がセーブして防ぎ。
尚も左CKで甲府の攻撃は続き、キッカー長谷川のニアサイドへのクロスを、浦上がフリック気味にヘディングシュートを放ちましたがゴール上へと外れ。

セットプレーで好機を作った甲府は、続く7分でした。
自陣で松本がボール奪取すると、福岡のゲーゲンプレスでこぼされるも拾った関口がスルーパス、これが裏を完全に取る形となります。
抜け出した鳥海がエリア内へ進入し、溜まらず後追いした福岡・グローリが反則覚悟のショルダーチャージで止めに掛かり。
倒された鳥海ですが、すかさず起き上がってシュートを放つと、前に出たGK村上の左を破ってゴールに突き刺さるボール。
値千金の勝ち越し弾となり、歓喜に沸く甲府ベンチ。

リードを許してしまった福岡、過密日程なうえに120分を戦う事となったとあれば、このタイミングでのビハインドはガクリと落ちても仕方ない状況。
特に何度も可変を強いられた田中の運動量は最早無きに等しく、マイボールになっても上がれないシーンが目立ち。
その代わりに甲府の須貝よろしく、右CBの熊本が盛んにオーバーラップを見せる事で何とか補わんとします。
さらに11分に残された最後のカードを使い、森山→田邉へと交代する福岡。
しかし甲府の前線のディフェンスに阻まれるシーンが目立つなど、その影響は甚だしく。
結局最後は甲府にボールを持たれたまま、延長前半終了を迎える事になりました。

延長後半を前にして、甲府も交代カードを使い長谷川→フォゲッチへと交代。
最後の15分に望みを託す事となった福岡は、湯澤を本来の右へと移す策を施し、田中が左へと回る布陣で挑みました。

しかしいきなりの延長後半1分に、鳥海のパスカットから攻め上がる甲府。
左サイドで前進して荒木のクロスが上がり、ファーサイドでフォゲッチが折り返した所を、中央のジェトゥリオの手前でGK村上が何とか抑え。
何とか凌いだ福岡、以降はセットプレーを交えて押し込むという、マンパワーを活かさんとする立ち回り。
その過程でグローリも常時前線に残るという、完全なパワープレイ体制へと移ります。

6分、グローリの落としから左サイドへ展開して前進、ルキアンがカットインでエリア内左を突いてマイナスのクロスを入れる決定機。
しかしニアで合わせた渡はジャストミート出来ず、クリアに跳ね返されます。
直後に甲府は残っていた交代枠を使い、関口→北谷へと代え須貝が右WBに回り。

再びの決定機は7分で、ここもGK村上のフィードをグローリが合わせ、浮かんだボールをルキアンが落とすという強引な好機の作り方。
そして拾った渡がシュートを放ち、GK河田にセーブされるも尚もCKと、ひたすら押し込み続ける福岡。
しかし10分、グローリの折り返しをクリアした甲府、拾ったフォゲッチからのスルーパスがジェトゥリオに繋がって逆に決定機を迎えます。
GKと一対一という完全な1点もののシーンでしたが、放たれたジェトゥリオのシュートはGK村上にぶち当たるという結果に終わり、止めを刺し損ね。

この影響は甚大といった感じで、再び攻勢に入る福岡を前に、(浦上が)反則を犯してしまいほぼ中央からの直接FKに。(13分)
北島が放った直接シュートがゴール左を襲いGK河田がセーブと、際どい凌ぎ方が続いた甲府も決して盤石では無く、やはりジェトゥリオが決めていれば……と漏らしたくなる程の守勢を強いられます。
しかし前掛かり故に甲府のカウンターの機会も膨れ上がり、その度にアフターチャージを敢行する福岡、北島と湯澤がそれぞれ警告を受け。

そしてATに突入し、最後の決定機が。
クルークスの手前からのクロスを田邉がヒールでフリックして混戦が生まれ、グローリがシュートするもGK河田がブロック。
最後まで河田のビッグセーブが冴え渡る事となり。

そして試合終了の時を迎え、凌ぎきった甲府が準決勝へとコマを進めました。
2018年の山形・2019年の長崎(レギュレーションは違うが2020年の徳島)に続くように、J2クラブのベスト4という快挙を達成。
このまま決勝まで行ってもらいたいものですが、次の相手は鹿島というあまりにも高い壁がそびえており、果たしてその決戦の行方は。


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