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DAZN観戦 2023年J2リーグ第12節 ジェフユナイテッド千葉vs大宮アルディージャ

2023-05-02 16:00:31 | サッカー視聴記(2023年J2)

※前回の千葉の記事はこちら(5節・大分戦、1-2)
※前回の大宮の記事はこちら(10節・秋田戦、1-2)

<千葉スタメン> ※()内は前節のスタメン

  • DAZNのスタメン予想は4-2-3-1(試合中ではさらに4-1-4-1と言っていたが……)で、yahooスポーツナビは4-4-2。風間が様々な場所に降りるため、セカンドトップっぽい4-4-1-1と推測。
  • 呉屋が累積警告のため出場停止。
  • 小森が8節(徳島戦、2-2)で負傷交代し、以降ベンチ外が続く。
  • 田口が負傷により離脱との事。(放送席の談)
  • 特別指定の久保庭が初のベンチ入り。
  • ユース所属の谷田が2種登録選手に。

<大宮スタメン>

  • 故障離脱していたアンジェロッティが復帰し、いきなりFWでスタメンに。
  • 例によって小島がセカンドトップの筈だが、アンジェロッティの方が様々な位置に降りたりするのでどちらがセカンドトップか判別し辛い。
  • 大澤の負傷が発表され、前節(清水戦、0-3)に発生して全治8週間との事。

開幕節に勝利して以降、ズルズルと低迷していった千葉。
節目の10節(ヴェルディ戦、1-0)で何とか2勝目を挙げ、浮上の狼煙を上げている現状です。

しかしそのスタイルは、売りとしていたはずのハイプレスは影を潜め。
守備を第一に置く意識へシフトしたようで、ベタ引きでは無いものの、現実路線へと舵を切って何とか勝ち点を稼ぐような感じに。

思い出させるのが、2017年シーズンのフアン・エスナイデル氏のサッカー。
ハイライン・ハイプレスをチームに落とし込むも、裏を取られたりビルドアップのミスによる失点という構造上の欠陥の方が目立ち、中々浮上の兆しが見えず。
終盤にそれを改め、リスク管理重視へと切り替えて連勝街道に乗り。
その結果6位に滑り込みプレーオフ進出を果たしたものの、翌年以降はその成功体験を追い掛けるようにハイラインとリトリートの挟間をウロウロし、サッカーの軸が定まらないシーズンとなってしまい。
結局以降上位に絡む事は無かったエスナイデル氏時代。
その二の足を踏む、つまり理想と現実がぶつかり合った末に無茶苦茶なサッカーとなってしまう危惧を感じさせる状況ですが、現在舵を取る小林慶行監督はその制御が出来るでしょうか。

千葉のホームゲーム(フクダ電子アリーナ)にも拘らず、アウェイ・大宮のサポーターも数多集まって開催された一戦。
入りに千葉が敵陣深くに切り込み、西久保がロングスローを入れるシーンを作った(前半2分)ものの、以降は大宮の跳梁が目立ち。
様々な位置に降りて受け手を務めるアンジェロッティにボールを集め、流れを呼び込みます。

そんな立ち上がりの時間が過ぎると、大宮は最終ラインでショートパスを数本繋ぎながら、裏狙いを窺うというお馴染みのビルドアップのスタイルに。
それに相対する千葉の前線は、やはりハイプレスは捨てる格好で、2トップは相手ボランチの位置でパスコースを切りつつ待機。
大宮がショートパスでの前進を図った所を阻みつつ、裏を狙われた際にいつでも戻れる体勢を作る、という守備意識。

しかし大宮の、距離間を長めに取ってのパスワークは阻むのに一苦労という感じで、15分にはワイドからのパスを受ける大山に対しブワニカがチャージしてしまい反則・警告。
17分には一旦は岡庭の縦パスをカットするも、こぼれ球を繋がれ柴山の右→左へのサイドチェンジで一気に左ポケットを突き、受けた山崎が奥へ切り込んで低いクロス。
ニアサイドにアンジェロッティが入り込むも、GK新井章の跳び出しもあり撃てず。
この際新井章がアンジェロッティと交錯して痛むという具合に、取った守備対策が中々嵌らずに苦難を滲ませる千葉。

22分には痺れを切らしたのか、一転して大宮最終ラインにハイプレスを掛ける千葉。
しかし左サイド(千葉から見て右サイド)での素早いパスの運びでいなす大宮、スルーパスを受けた山崎がドリブルで一気に左ポケットを突く状況に。
そして今度はシュートを選択した山崎ですが、股を狙われたGK新井章は閉じてセーブし何とか防ぎます。

ここまでは目も当てられないといった千葉のサッカー。
それでもハイプレスに舵を切る事は無く、当初のスタイルを維持。
それにより大宮の攻撃も、次第に裏狙い一辺倒へと傾いていき、アンジェロッティがボールタッチする回数も減少していき勢いを失います。
すると千葉の攻撃も、ボールポゼッションを増していき徐々に形になり始め。

36分の千葉、自陣で西久保のボール奪取から素早く前に運び、大宮ディフェンスはそのパスワークを前に出て阻まんとするも際どい所で果たせず。
そして椿が左ポケットを突く絶好機が生まれたものの、シュートにはいかず風間への横パスを選択した結果、フィニッシュに辿り着けず終わります。
それでも前に出て来る相手をかわしていっての素早い前進と、先程(22分)のお返しのような攻めを見せ付けたのは大きく、攻守交替が果たされたというようなシーン。

既に30分に田中のドリブルを大山が反則で止めて警告を受けるシーンがあり、大宮は持ち運びに脆さが見られたこの日。
以降椿が敵陣でドリブルするシーンを増やし。
大宮のプレッシングが控えめになってくると、それに伴い千葉はセンターバックの選手がドリブルで持ち運ぶ場面も増え。
決定機は作れなかったものの、大宮は32分以降攻撃機会は皆無(自分の集計です)という状況に陥る、ほぼワンサイドゲームと化した終盤戦。

それでもスコアレスのまま終えた前半。
ハーフタイムでの選手交代は無く、ともにバランス維持を重視する格好で後半に臨みました。

その入りの後半1分、GK笠原のロングフィードを跳ね返したボールが直接裏に通り、ブワニカが走り込むシーンとなり。
直後の2分には大宮陣内で奪い合いの末に、拾った椿が細かいタッチでのドリブルで左ポケットを突く(シュートにはいけず)など、やや偶発的な好機を作っていく千葉。
それにより大宮はどうにも流れが悪く、千葉ペースは変わらずという印象を強めます。

そしてスコアが動いたのも、切欠は千葉の少ない手数での攻撃からでした。
ゴールキックを直接西久保が落とし、収めたブワニカがエリア内へスルーパスを送り、大宮はコーナーへと逃れ。
この右CKから、キッカー日高のクロスがニアで跳んだ西久保を越えた所に、中央で鈴木大がヘディングで合わせ。
ボールは見事にゴールネットを揺らし、千葉に先制点を齎しました。

流れの悪さを改善出来ない大宮に対し、尚も千葉は攻勢。
11分に最終ラインから左への展開を受けた日高は、すかさずアーリークロスともいえるスルーパスをエリア内へと送り。
そこに風間が走り込んで合わせましたが、シュートはゴール上へと外れ。
手数を掛けない攻めで脅かすと、13分には右サイドで一転して溜めを作りながらの前進で、右ポケットへのスルーパスに走り込んだ西久保がシュート。
GK笠原のセーブでCKとなったのちも、クロスのクリア後の二次攻撃で、やはり左ポケットを突くスルーパスで好機。
日高のマイナスのクロスを受けた新井一がシュート(枠外)と、フィニッシュを放ち続けます。

何とか展開を変えたい大宮、14分に最初に交代カードに手を付けます。
柴山・小島→泉澤・富山へ2枚替え(山崎が右SHに回る)と、中心選手の柴山・小島を代える采配はその表れだったでしょう。
それを示すかのように15分の千葉、前半有効だったDFの持ち運びを見せるものの、それにより右サイドで詰まり状態となり新井一のパスがカットされ。
ここからの攻めで左からのスローインに持ち込んだ大宮、茂木のロングスローがエリア内でこぼれ、拾った泉澤がシュート(ブロック)と流れを変えるフィニッシュへと辿り着きます。

しかしこのタイミングでGK新井章が足を痛めて(前半にアンジェロッティにチャージされた影響か)試合が止まると、その僅かな好循環も繋げられない大宮。
以降ラフな裏への蹴り合いというシーンが長らく続きます。

どちらでも無いという絵図を経て、22分に千葉のカウンターが発動。
右サイドでスルーパスを受けた田中がカットインを経てミドルシュート(ブロック)と、膠着状態を破りにかかり。
その意識はベンチも同様だったようで、24分に交代カードに手を付けて風間・田中→高橋・末吉へと2枚替え。
ボランチだった見木が風間の居たセカンドトップ(トップ下?)を務めます。
対する大宮も、26分に大山・山崎→高柳・室井へと2枚替え。

以降大宮が泉澤の左サイドでのドリブルを軸とし、何とか同点に追い付かんとする体勢に。
それに対し千葉は、クロスは仕方無いと割り切りつつ、最も怖いエリア内へのカットインだけは許さない守備体制。
逆に28分にこちらも左サイドで椿がドリブルでカウンターを仕掛けんとした所、反則で阻止した高柳が警告。
31分には左サイドを前進したのち、見木・椿・小林祐で三角形を作り繋いだのち、左ポケットを突くスルーパスを受けた日高が低いクロス。
ファーサイドで完全フリーとなっていた末吉が収め、そのままシュートを放ちましたが右ゴールポストを直撃してしまい追加点はならず。
大宮の前掛かりな体勢を凌ぎつつ、逆に決定機を作る流れを迎えた千葉。
逆に33分、椿のドリブル突破がエリア内で阻まれると大宮のカウンターとなり、泉澤が左からカットインしてのミドルシュート。(GK新井章キャッチ)
椿・泉澤の両左サイドのドリブラーが、ひとしきりゲームを掻き回す展開に。

34分に最後の交代を使う大宮、石川→三幸。
これでピッチに入った三幸が指でディフェンスの枚数を示すようなしぐさをしていたので、3バックになったのかと錯覚する自分。
実際に以降岡庭が上がる回数が減るとともに、茂木が内側を取って上がるという、これまでサイドバックだった選手の攻め方が変化します。
それを見て茂木が左ウイングバック・岡庭が右CBになり、シャドーの泉澤がワイドに張る所に、その内側に茂木が入るといった形なのか……と妄想を膨らませ。
しかし最終盤には4-4-2のままのような節も見られ、結局形自体は変えていないという結論に落ち着きました。

そんな自分を余所に、同点を狙う大宮。
実際千葉の目線を変える効果はあり、終盤も近付き体力の問題も露わになる中、押し込んで何度もクロスに辿り着き。

しかし43分にそれを断ち切るような千葉のカウンターが発動、見木のドリブルから、右へのスルーパスを受けた末吉の前方に高橋とブワニカが走り込むという完全二択に持ち込み。
末吉はブワニカを狙ったファーサイドへのクロスを選択するも、流れてしまいフィニッシュには辿り着けず。
続く44分にも千葉はカウンターに持ち込みますが、今度はアタッキングサードで減速した末に戻して作り直し。
逃げ切りを意識しての立ち回りを見せたものの、直後の45分にはスルーパスを受けた見木が左ポケットを突いてシュート(ブロックされCKに)と、結局フィニッシュを放つ千葉。
今季ここまで無得点の見木だけに、何とか初ゴールを挙げて殻を破りたいという意識の方が強かったでしょうか。

そして迎えたアディショナルタイム。(千葉は椿→矢口へと交代)
大宮は袴田が前線に上がりパワープレイに入るものの、やはりシュートを放てず。
逆にまたも千葉のカウンターが生まれ、見木のドリブルが高柳の反則チャージに阻まれますが、拾った矢口がさらにドリブルで左ポケットを突き。
そしてエリア内でシュートを放つも、必死に戻った高柳がブロックして防ぎます。
このアドバンテージ、高柳が警告相当そして2枚目で退場なのではと思った自分を余所に、最後の攻撃を仕掛ける大宮。
ラストプレーは右からのスローインで、アンジェロッティがクロスを入れるも、ファーサイドで跳び込んだ袴田には合わず。
そして試合終了の笛が鳴り、ウノゼロという結果で千葉が逃げ切りました。

苦しみながらも今季3勝目を挙げた千葉。
そこには理想のスタイル云々という余裕は既にありませんが、現実を受け入れる事によって研がれて洗練され、結果を出せるサッカーへと変貌出来るのならば当然良いものであり。
果たしてその着地点はどうなるでしょうか。

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