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DAZN観戦 2024年J1リーグ第4節 東京ヴェルディvsアルビレックス新潟

2024-03-20 16:30:27 | サッカー視聴記(J1)

<両軍スタメン>

16年ぶりにJ1の舞台に足を踏み入れたヴェルディ。
彼らを待ち受けていたJ1リーグは、既に勝手知ったるものでは無かった……というものでも無く。
むしろ、黎明期に存在していたヴェルディというブランドを積極的に利用しようとしたJリーグ側の、作為的に組まれた日程でした。
開幕節で初年度と同じ開幕カードを実現すべくマリノスと、2節で同じくオリジナル10かつ世界を目指すクラブである浦和との対戦。
興行的においしい対戦であるものの、クラブ規模的に決定的に差が付いている2クラブとの対戦では、満足に勝ち点を得られるものでは無く。
2戦とも死闘の末に勝利出来ず終わり、3節(セレッソ戦・1-2)でもそれを引きずるような敗戦。
残留を果たすにはまず流れを変えなければならない、そんな状況に追い込まれて迎えた4戦目。
相手は新潟であり、最後方から細かく繋ぐクラブに対し、持ち味のハイプレスをどう生かすかという噛み合いが重要な一戦となりました。

入りから果敢にプレスを掛けるヴェルディに対し、いつもの繋ぐ姿勢を取りながらも、その裏を取るロングパスでの立ち上がりを多く混ぜるこの日の新潟。
4戦連続スタメンとなったボランチ・秋山の組み立ても、普段より勝負が速いという印象で、前半4分には自陣で相手のパスミスを拾うとすかさず裏へとロングパス。
右の松田を使うフィードを出したものの精度を欠いてラインアウトと、その振る舞いはやや焦っている風にも見え。
5分には敵陣でのゲーゲンプレスで(堀米が)奪い返し好機を作る(左ポケットを突くもシュートは撃てず)など、チーム全体やや前掛かりな感じでした。

そんな絵図がスコアに直結する事となってしまったでしょうか。
7分、染野が前線でボールキープを果たす所に宮本がチャージしてしまい反則、ヴェルディの直接フリーキックに。
中央やや左寄りでゴールまでの距離もややあるという位置で、キッカー山田楓は左足で果敢に直接シュート。
外から曲げて来たボールが綺麗にゴール左上を突き、飛び付いたGK小島も触れるのが精一杯というフィニッシュでネットを揺らします。
開幕節のような、目の覚める直接FKを決めて見せた山田楓。

その衝撃は新潟にとってどれほどだったか。
とりあえずは普段通りに、ショートパスを重視しての攻撃へとシフトする事で冷静さを取り戻しに掛かり。
ヴェルディ2トップのプレッシャーに対し、ボランチ1人(主に秋山)が降りる3枚の最終ラインでの組み立てという典型例で安定したボールポゼッションの体勢を採ります。

それでも、崩しには両サイドの裏を突くフィードを選択する事が多く、サイドハーフを走らせてもヴェルディの戻りが速く決定打を生み出せず。
やはり肝となるのは地上での攻めで、18分に宮本の縦パスから細かく繋ぎ、右サイドに人数を掛けてのパスワークに持ち込み。
そして高木のスルーパスに走り込んだ松田が奥からマイナスのクロスを送ると、ディフェンスに阻まれたボールをさらに藤原が(同サイドから)折り返し。
これもクリアされるも、跳ね返りを堀米がミドルシュート(エリア内でブロック)と、ようやく1本フィニッシュの矢を放ちます。

ヴェルディサイドに全く攻撃機会を与えていなかった10分台ですが、次の20分台でにわかに動き出し。
22分のヴェルディ、最終ライン左から中央へ出されたミドルパスを木村がフリック、更に染野が合わせるという所でチェックにいったデンが転倒。
その隙に裏に出された染野の落としに抜け出した木村、そのまま持ち上がり決定機を作り上げます。
エリア内へ送られたスルーパスを染野がシュートと、一対一の状態で放たれたフィニッシュでしたがGK小島がこれをセーブ。

非常に痛い決定機逸となったヴェルディですが、その後も24分にゲーゲンプレスで舞行龍のパスミスを誘うなど勢いは生まれ。
そして25分にカウンター、パスカットした森田が技ありのドリブルで新潟ディフェンスをかわし、スルーパスで抜け出した見木がエリア内を突いてシュート。
しかしこれもGK小島がセーブと、立て続けに迎えた決定機で追加点を奪えません。

寸での所で凌いだものの、冷や汗を掻く破目となった新潟。
その後は好機を生み出せない時間が長く続く事となりましたが、基本のスタイルを持ち併せたチームは立ち直るのも早く。

31分、例に漏れず最終ラインから細かく繋ぎ、サイドチェンジも交えながら揺さぶった末に右からの攻め。
秋山のディフェンスの間を通す縦パスで奥を突くと、尚も繋いだ末に高木のクロスが上がり、クリアされるもコーナーキックに持ち込み。
この左CKから、キッカー高木はファーサイドへ高いクロスを選択すると、谷口海がヘッドで合わせ。
角度が無い故に折り返しと思われましたがシュートを選択、ゴール前でバウンドしたボールを同じ苗字の谷口栄がクリアにいくも及ばず、ゴールネットを揺らします。
基本に立ち帰った末のゴールで、試合展開も振り出しに戻し。

同点となった事で展開も乱戦風へと流れたか、34分にヴェルディ・山越が、36分に新潟・藤原が反則で警告を受け。
前者による新潟のFKでは、自陣からという位置ながらもキッカー堀米は直接裏へと放り込み、走り込んで収めた谷口海が左ポケットを突いてシュート。(オフサイド)
試合様相が移り変わるなか、リスクを掛けずに好機に持ち込みたいという色が強くなったでしょうか。
ヴェルディサイドも39分に敵陣でのボール奪取から、齋藤のスルーパスを左ポケット奥で受けた染野は、デンに当てて出す事でCK獲得を選択。
この左CK、キッカー見木は先程の新潟同点のシーンの如くファーへ高いクロスを選択し、胸で収めた齋藤の戻しを経て深澤がミドルシュート。
ブロックでこぼれたボールをさらに齋藤が追撃のシュートを放つも、枠を捉えられず。

お互い持ち味を出す中でも、セットプレー一発で仕留められればそれに越した事は無い。
終盤の新潟、デンの裏へのロングパスで堀米を走り込ませ、左CKを得たという所で時間は既にアディショナルタイム。
キッカー高木はまたもファーへクロスを上げ、藤原が折り返す好機となるもシュートは撃てず。
そして2本目のCKとなるも、これがクリアされた所で前半終了の笛が鳴り響きました。

ヴェルディの方がハーフタイムで動き、故障明けの宮原を投入。(山越と交代)
同時に齋藤→翁長へ交代という2枚替えで、後半に臨みました。

決定機という点では勝っていたものの、受けに回る時間帯が長かった前半のヴェルディ。
挽回したいという状況のなかのファーストシュートは後半4分で、センターバックの谷口栄が左へ流れながら持ち運ぶという得意手のビルドアップから前進。
スルーパスを受けた木村が奥へ切り込んだ末にマイナスのクロス、エリア内では合わずも流れたボールを拾った宮原がシュート。(堀米がブロック)
こぼれ球を尚も右サイドで細かく繋ぎ、二の矢は撃てずに終わるも、新潟から主導権を剥がすという狙いが伺えました。

その後も最終ラインから、主体的に攻撃を組み立てに掛かるヴェルディ。
その能力は相手の新潟には劣るものの、染野のポストワークを交える事でカバーしながらボールポゼッションを取り戻し。

その立ち回りは、相手に専守を強いるとともに、相手の余裕を奪う効果もあったでしょうか。
8分敵陣で宮本のボール奪取から矢印を反転させる新潟、松田のドリブルが翁長に倒されて反則。
これで右サイドからのFKとなりましたが、CBを上げずに放り込みという中途半端な姿勢に終わり。(谷口海が中央で収めるも直ぐに奪われる)

5分の小見のシュート(枠外)以降、双方フィニッシュを放てずに推移する展開。
同点の時間を長くするという、J2時代でもお馴染みのヴェルディの立ち回りが冴え渡っている後半の印象であり。
18分、GKマテウスフィード→染野落としからボールキープするヴェルディ、左サイドでショートパスを前後させて揺さぶり。
染野の奥からのクロスが流れたのちも、細かく繋いだ末に再び左サイド奥へ持っていくと、痺れを切らしたか秋山の(深澤への)反則を誘発。
相手から時間と余裕を奪う事に成功していたものの、これで得たFKはキッカー翁長のクロスが精度を欠いてしまう結果に終わります。

一方ペースを喪失していた感の新潟、ベンチワークで打開に掛かり。
22分に3枚替えを敢行、高木・松田・谷口海→長谷川元希・太田・長倉へと交代します。(小見が右SHに回る)

その後も翁長のロングスローを駆使しながら、新潟に専守を押し付けに掛かるヴェルディ。
しかし落とし穴が待っており、24分に一旦最終ラインに戻し攻め直しという状況で、新潟のプレッシングを受け。
そして出された谷口のバックパスに林が反応できず、その隙を突いた長倉がボールを掻っ攫う絶好機が訪れた新潟。
長倉はそのまま右ポケットへと進入しシュート、ゴールネットを揺らして無事これをモノにします。
決して流れが良くなかった中、相手のミスに付け込んで勝ち越しに成功しました。

悔やむヴェルディを突くように尚も攻め上がる新潟、27分にはパスワークの末に長谷川元が持ち上がってミドルシュート。(ブロック)
そして28分には長倉がドリブルでバイタルエリアを急襲、エリア手前でカットインを仕掛けた所を谷口栄に倒されて反則・警告。
惜しくもPKとはならずも絶好の直接FKを得、直接シュートを狙ったのはまたも長谷川元。
壁の間を通してゴールを襲うも、GKマテウスのセーブに阻まれて追加点はなりません。

その後も新潟が好機を作り続けるなか、今度はヴェルディが流れを変えるべくの交代に。
31分に木村→食野へ、さらに33分には山田楓→山見へ交代(翁長が右SHへ回る)と、矢継早にカードを切っていきます。

当然ながら前掛かりな姿勢を強めるヴェルディですが、同時に新潟のボール保持能力も冴えを見せ始め。
最終ラインを中心に、躊躇無くヴェルディの選手間を通すパスを徹底し、ボールを奪わせません。

その中で気になったのが長谷川元の振る舞いで、先程のミドルシュートのシーン然り、結果を求めて焦っているようにも見え。
36分ヴェルディのロングパスを宮本が跳ね返し、敵陣から攻撃する新潟、太田のパスを入れ替わって前を向いた長谷川元がそのまま右ポケットへ。
絶好機を得たものの、放たれたシュートはブロックに阻まれます。
ここはブロッカーが視界に居たためクロスを選択して欲しかった所ですが、渇望感に囚われていた感があり。
新加入で攻撃の目玉的な選手だけに、早くチームに馴染みたい立場故にその不安は杞憂に終わればいいのですが。

交代以降、食野が後方に降りてビルドアップに加わるという組み立てを見せていたヴェルディ。
それに従うように、最後の交代(深澤→山田剛綺・37分)でボランチに回った食野。
同時に翁長が左サイドバック・見木が左SH・山見が右SHへシフトと大きく動いた末に最終局面へ。
一方の新潟も38分に藤原→新井直人へと交代。

ビハインド故に、ボール保持しながら隙を窺う姿勢を強めるのは必至なヴェルディの状況。
その姿は前年末のJ1昇格プレーオフ決勝戦さながらで、食野が最終ライン付近へと降りてのパスワークで、ゴールを目指さんとします。
新潟を見習うように、相手選手間を通すパスを送る事で崩しを図り。

そして45分、その姿勢が実を結びます。
右サイドからショートパスで運ぶ姿勢を取ったのち、戻しを経てのミドルパスを宮原に通すと、ワントラップから宮原が低いクロス。
待ち構える染野の前に走り込んだ見木がフリックすると、ファーへ流れたボールを翁長が足で合わせシュート。
二重に目線をずらした末のフィニッシュが、起死回生のゴールを齎しました。
これで同点に追い付いたヴェルディ。

残されたATという短時間で、お互い3点目を狙う展開に。
焦りも隠せないという状況で、新潟サイドは(染野に対し)反則を犯した舞行龍がボールを運んでしまった事で遅延行為で警告。
一方のヴェルディは、宮原の転倒によるボールロストから新潟にショートカウンターを浴びる、再び致命的なミスを犯してしまい。
拾った太田が左奥からカットインし、ボックス内で横パスを選択すると、中央で合わせにいったのは長谷川元。
しかしミートしきれず逸れてしまい、最後に訪れた決定的なシーンをモノに出来ず終わりました。

結局2-2のまま試合終了の時を迎え。
貴重な勝ち点1、となるのは今後の戦い次第というヴェルディの試合だったでしょうか。

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