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1月15日:2024年宇宙ステーションの成果

2025年01月15日 06時00分00秒 | 天文・宇宙

NASAの2024年国際宇宙ステーションの成果

NASAは24年以上にわたり、国際宇宙ステーションに米国人が継続的に滞在することを支援し、科学知識を進歩させ、人類の利益のために地球上では不可能な研究のブレークスルーを実現してきた。宇宙ステーションは、アルテミスの下での月への将来のミッション、また最終的には火星の有人探査を含む、NASAの次の大きな探査の飛躍への出発点である。
2024年にステーションで行われた画期的な作業について記す。

 

1、ロボットが遠隔模擬手術を実施
長期のミッションでは、クルーは単純な縫合や緊急の虫垂切除術などの外科的処置が必要になる場合がある。2024年2月上旬に行われた「Robotic Surgery Tech Demo」では、小型ロボットが宇宙ステーションで模擬手術を行い、2つの「手」を使って組織を模した輪ゴムをつかんで切断するシミュレーション手術を成功させた。研究者達は、ステーションと地球で行われた手順を比較して、微小重力の影響と宇宙と地上間の通信遅延を評価する。

 

2、宇宙での3Dメタルプリント
2024年5月30日、ESA(欧州宇宙機関)の金属3Dプリンターの調査により、宇宙で初めての金属3Dプリントである小さなステンレス鋼のS字カーブが作成された。将来のミッションでは、クルーは機器のメンテナンスのために金属部品を印刷できるため、打上げ時にスペアパーツやツールを梱包する必要がなくなる。この技術は、地球上の積層造形を改善する可能性も秘めている。

 

 

 

3、地球よ、こちらがあなたを見ている宇宙ステーションは、地球の約250マイル上空を周回し、地球の人口の90%以上を通過するために、この惑星を撮影するためのユニークな視点を提供する。宇宙飛行士達は、地球の変化する風景を監視するために、地球の530万枚以上の画像を撮影してきた。第71次長期滞在クルーは630,000枚以上の画像を撮影したが、これは1回のミッションの平均約105,000枚をはるかに上回っている。今年は、太陽の11年間の活動サイクルがピークとなる4月の日食やオーロラなどの画像が撮影された。また、ハリケーンを含む14以上の災害への対応を支援した者もいた。さらに、機械学習を使用して80,000枚のイメージがジオロケーションされ、公開検索機能が向上した。

 

4,何マイルにもわたる完璧な繊維
2024 年 2 月中旬から 3 月中旬にかけて、Flawless Space Fibers-1 システムは、宇宙で 7 マイル以上の光ファイバーを生産した。半マイル以上のファイバーの引き込みは、宇宙で製造された最長のファイバーの以前の記録である82フィートを上回り、軌道上で商業的な長さのファイバーを製造できることを示した。微小重力下で作られるファイバーは、地球の重力下で作られるものよりも優れている可能性がある。これらのファイバーは、従来のシリカベースのものの10倍以上の伝送能力を提供する可能性のあるガラス合金であるZBLANから作られている。

 

5、テルテールハート
2024年5月、Redwire BioFabrication Facilityを使って、3次元のヒト心臓組織サンプルのバイオプリントに成功した。宇宙ステーションの微小重力下でバイオプリントされた組織は、人工の足場を使用せずにその形状を保持している。これらのバイオプリントされたヒト心臓組織は、最終的には、心臓発作などのイベントによって損傷した組織にパーソナライズされたパッチを作成するために使用できる。これらの組織サンプルは、地球上でさらなるテストを受けている。

 

6、アルテミスIで飛行するステーションテスト済み放射線技術
オリオン宇宙船は、2022年11月に月を周回するアルテミスI無人ミッションで、5,600個のパッシブ放射線検出器と34個のアクティブ放射線検出器を搭載した。これらのデバイスの一部は以前に宇宙ステーションでテストされ、太陽フレアなどの放射線の出来事を検出している。ESA(欧州宇宙機関)のアクティブ線量計は、個々の放射線量に関するリアルタイムデータを収集するウェアラブル・デバイスである。AstroRad Vestは、放射線に敏感な臓器や組織を保護するための衣服である。2024年、研究者達は、オリオン宇宙船が月面ミッションの宇宙飛行士を潜在的に危険な放射線から保護できることを示す、これらのツールによって2022年に収集されたデータの評価を発表した。軌道を周回する研究室は、地球の軌道を越えたミッションの技術をテストするための貴重なプラットフォームであり続けている。

 

7、第5回ロボプロチャレンジへの出場記録
第5回「きぼうロボプロチャレンジ」は、9月に最終ラウンドを終えた第5回「きぼうロボプロチャレンジ」に、13の国と地域・団体から過去最多の661チーム、2,788人の応募者が参加した。JAXA(日本宇宙航空研究開発機構)が実施する教育プログラムでは、宇宙ステーションに搭載されたアストロビーロボットの自走をプログラミングすることで、さまざまな問題を解決する。参加者達は、宇宙ロボット技術やソフトウェアプログラミングの実践的な経験を積み、世界中の人々と交流している。

 

<ひとこと>: 大判のリンクは省略しました。下記ページからご覧ください。

<出典>: International Space Station Research Communications Team

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