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1月6日:ハッブル、外惑星追跡の10年を祝う(1)

2025年01月06日 06時00分00秒 | 天文・宇宙

ハッブル、外惑星追跡の10年を祝う(その1)

<前書き>: これは昨年末に「ハッブル宇宙望遠鏡」のコーナーに掲載した記事の再掲です。ハッブル宇宙望遠鏡・ジェームスウェブ宇宙望遠鏡などの観測は、掲載頻度が比較的多いこと及び内容がやや難しいことから、本サイトでは「独立したコーナー」を設けています。ハッブルの観測は、天文学にとって極めて先進的かつ基礎的なものであり、注視する必要があります。また、ジェームスウェブ宇宙望遠鏡は、“ビッグバン後の初期の宇宙を調査する”ことを第一の目的としてきましたが、定点配置間もなくの観測で、初期の宇宙での銀河等の発達が、これまでの理論に反してかなり進んでいることが観察されました。そのためもあってか、この望遠鏡の記事は、今のところ、所期の目的とは異なる、望遠鏡の精度を使った「初期宇宙以外の観測記事」が多くなっています。 

この記事は分量が多いので、4回に分けて掲載します。

<左の図の解説>: NASAのハッブル宇宙望遠鏡が太陽系の四つの巨大な外惑星(木星、土星、天王星、海王星)を撮影したモンタージュ。それぞれが強調された色で示されている。イメージは、2014年から2024年までの約10年間にわたって撮影された。この長い基線により、天文学者達は、1980年代の、NASAの惑星近接飛行探査機の鋭さで、各惑星の乱流大気の季節的変化を追跡することができる。これらのイメージは、外惑星大気遺産(OPAL:Outer Planet Atmospheres Legacy)と呼ばれるプログラムの下で撮影された。

1989年に海王星と遭遇したNASAのボイジャーミッションは、人類初の太陽系の四つの巨大な外惑星のクローズアップ探査を完了した。1977年の打上げ以来、双子のボイジャー1号とボイジャー2号の宇宙船は、木星、土星、天王星、海王星が、科学者が想像していたよりもはるかに複雑であることを発見した。学ぶべきことはまだまだ多くあった。

 

NASAのハッブル外惑星大気遺産計画は、木星、土星、天王星、海王星の大気の力学と進化を理解するために、木星、土星、天王星、海王星の長期ベースライン観測を取得している。

ハッブル宇宙望遠鏡のイメージの鮮明さは、ボイジャー宇宙望遠鏡が外惑星に接近したときのイメージに匹敵し、ハッブル宇宙望遠鏡は、紫外線から近赤外線光までの波長に及ぶ。ハッブル宇宙望遠鏡は、雲の色、活動、大気の動きを一定の時間ベースで全球的に調査するための高い空間分解能とイメージの安定性を提供できる唯一の望遠鏡であり、気象や気候システムの基本的な力学を把握するのに役立つ。

四つの外側の惑星はすべて深層大気を持っており、固体の表面はない。その渦巻く大気には独自の気象システムがあり、色とりどりの雲の帯が描かれているものや、神秘的な大きな嵐が出現したり、何年も続くものもある。それぞれの外惑星には季節もあり、何年も続く。ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡の赤外線の機能は、この計画の観測を補完するために、外惑星の大気の深部を調査するために使用される。

複雑な振る舞いを追うことは、長年にわたって追跡されてきた地球のダイナミックな天気と、太陽が太陽系の天気に与える影響を理解することと似ている。また、遠く離れた四つの世界は、他の恒星を周回する類似の惑星の天気や気候を理解するための代理としても機能できる。

惑星科学者達は、ハッブル宇宙望遠鏡の1年間のデータが、それ自体は興味深いものの、外惑星の全貌を語っているわけではないことに気づいた。ハッブル宇宙望遠鏡のこの計画では、年に一度、地球に最も接近する惑星を定期的に観測している。

以下は明日以降、3回に分けて掲載します。

<ひとこと>: 大判はイメージをクリック(タップ)。左上のイメージのリンク先は動画 .mp4 です。

<出典>: Hubble Space Telescope

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