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2月23日:アポロ計画のサイト選定に役立てた月面写真

2025年02月23日 06時00分00秒 | 天文・宇宙

60年前:レンジャー8号の月面写真がアポロ計画のサイト選定に役立てる

アポロの宇宙飛行士が月に足を踏み入れる前は、月面については多くのことが知られていなかった。ほとんどの科学者達は、月の表面が宇宙飛行士とその着陸船を支える堅固な表面を持っていると考えていたが、一部の科学者達は、訪問者を飲み込むような深いダストの層が月を覆っていると考えていた。1964年まで月面のクローズアップ写真は存在せず、地球の望遠鏡で撮影されたものだけだった。

NASAのジェット推進研究所は、月面に衝突する前にクローズアップイメージを送り返すように設計された一連の宇宙船、レンジャー計画を管理していた。レンジャー7号は、1964年7月に初めてその目標を達成した。1965年2月17日、その後継機であるレンジャー8号が月に向けて打上げられ、3日後には月のイメージが戻ってきた。このミッションの成功によって、米国は、ジョン・F・ケネディ大統領の目標である10年以内の人類の月面着陸を達成することができた。

レンジャー8号は、1965年2月17日にケネディから離陸した。アトラス・アジェナロケットは、宇宙船を地球軌道に乗せ、翌日、途中で軌道修正を行い、2月20日に月に到着した。探査機の6台のカメラは高度1,560マイル(2,496キロメートル)で最初の写真を撮り、最後の23分間の飛行で、月面の7,137枚のイメージを送り返した。最後のイメージは、レンジャー8号が秒速1.67マイル(2.67キロメートル)で衝突する0.28秒前の、高度1,600フィート(488メートル)で撮影され、解像度は約5フィート(1.5メートル)であった。宇宙船は、意図した目標である「静かの海」から16マイル(25キロメートル)の地点に衝突した。科学者達は、将来の有人着陸のための着陸地点として、月のこの地域に関心を持ち、実際に、アポロ11号は、1969年7月にレンジャー8号の衝突地点から南東44マイルに着陸した。

1965年3月には、レンジャー9号が続いた。テレビネットワークは、レンジャー9号がアルフォンサス・クレータとその周辺地域のイメージを「生中継」し、探査機がクレータ内の衝突地点に近づくと、何百万人ものアメリカ人が月を間近で見ることができた。これによって、科学者達は、自信を持ってロボット月探査の次の段階、ソフトランダーのサーベイヤーシリーズへ進むことができた。レンジャーの写真は、月面が軟着陸を支えることができ、静かな海が最初の人間が着陸するのに適した場所であるという確信を与えた。レンジャーの最終イメージから4年余り後、アポロ11号が人類初の月面着陸に成功した。

<図左>:高度1560マイルから初撮影
<図中>:レンジャー7,8,9号の衝突地点
<図右>:1966年に月軌道船2が撮ったレンジャー8号の衝突跡

<ひとこと>: 記事は要点のみ抽出しています。イメージの大判は省略しました。

<出典>: John J. Uri(著者名です)

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