あすか塾

「あすか俳句会」の楽しい俳句鑑賞・批評の合評・学習会
講師 武良竜彦

あすかの会  11月 2024年 令和6年

2024-11-25 11:19:13 | あすかの会 2024年・令和6年

      あすかの会  11月   兼題「枯野 転」

 

野木桃花主宰

ひそやかに黄菊白菊母は亡し 

地の微熱小春日和のつづきをり    

小春凪離岸の船の汽笛鳴る

石蕗咲いてひつそりかんと路地の奥

  

野木主宰特撰

雲の翳走りて枯野動き出す         玲子    最高得点句

 

 武良特撰

冬の薔薇あの一言を転機とす        玲子    最高得点句

 

最高得点句

万の根の生命ひそかに大枯野        玲子

転勤の辞令一枚おでん鍋          礼子

火星にも川の痕跡枯野原          英子

土踏まず枯野の温み持ち帰る        典子

 

準高得点句

枯野にも老にもありや明日の夢       礼子

鼻唄の津軽じょんがら枯野中      かづひろ

色のない夢を見ている大枯野       さき子

このあたり落人伝説枯野行く        孝子

白足袋の一日の疲れはたきけり       孝子

 

準々高得点句

考読みし本を開けば木の葉髪        礼子

冬銀河忘れたきこと夢に見る        尚

施設へと転居のうはさ室の花        孝子

    

       ※       ※

   

日の匂ひ残る草枯三輪車          悦子

冬あたたか転校生の国訛         ひとみ

薄氷や水屋の柄杓伏せしまま        英子

たゆたゆと自転してゐる水蜜桃       英子

訛なき赤きマントの転入生         典子

枯野来て素つぴんの顔並びをり       典子

サルビアの赤の向ふの転轍手      かづひろ

立読みは婦人公論秋袷         かづひろ

寂として踏み込む隙のなき枯野       尚

トロッコの音の消えゆく霧襖        玲子

雲水のふっと消えたる初時雨       さき子

ゴーギャンのパレットもあり柿落葉    さき子

夫逝けり夫を知らぬ児七五三        孝子

句にならず舌に千転冬日和         市子

 

 

小春日の回転木馬高く高く         典子

肩で押す回転ドアや冬の月        さき子

凩一号回転ドアに木の葉舞ふ          尚

雲奔り枯野に転(まろ)ぶ草の毬          尚

枯野原風生み八方まぶしめる        市子

磴ひらけ眼下に枯野一望す         市子

耕運機の音転げくる枯野かな        市子

冬ざれの回転扉にある不安         悦子

秋日傘傾げて海を振り返る         悦子

晴れわたる信濃の河原渡り鳥        悦子

翠玉の湖の吊橋小六月          ひとみ

水子地蔵ぐるりと石蕗の花灯る      ひとみ

枯野行く果てはもうすぐもうすぐと    ひとみ

目印の転びバテレン秋薊        かづひろ

口裂けの女役請け文化祭          礼子

これほどに咲いてゐたとは椿の実      英子

 

武良竜彦

言葉から棘抜いてゐる枯野かな

輪転機ことば吐出す冬真昼

葉を落す木は木のこころ初時雨

 

 

 

 

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« あすか塾 67 2024年 平成6... | トップ |   
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

あすかの会 2024年・令和6年」カテゴリの最新記事