センター突破 これだけはやっとけ 鳥取の受験生のための塾・予備校 あすなろブログ

鳥取の受験生のための塾・予備校  あすなろ予備校の講師が、高校・大学受験に向けてメッセージを送るブログです。

冬が痛い

2011-01-25 13:03:50 | 洛中洛外野放図
 京都の冬は、痛い。
 築数十年の木造日本家屋で迎える冬の朝は、寒いという形容で事足りるほど生易しいものではない。がたがたいう木製の窓枠は乾燥による収縮で曇りガラスとの間に隙間ができているらしく、部屋の中の温度は外気温と変わらない。布団に包(くる)まって眠っていても外に出ている鼻と頬はもう感覚を失っていて、時には冷気で肺に痛みを感じて目を覚ますこともあった。顔を洗おうと共同炊事場に向かうと、両側に部屋が並んでいる分廊下のほうがぬくかった。こんな悲しいことはない。特に冷え込んだ朝などは掛け布団の襟元がカバンカバンになっていて、どうやら自分の呼気で凍り付いているらしいと気づいたときには涙が出るかと思った。
「人間に一番悪いのは腹がへるのと寒いゆうことですわ」
『じゃりン子チエ』のおばあはんによる至言である。おばあはん曰く、「ひもじい寒いもお死にたい 不幸はこの順番で来ますのや」だそうで、四六時中腹をすかした貧乏学生はさすがに「もお死にたい」とまでは思わなかったが、しみじみと不幸を噛みしめる朝を迎えたものである。その寒い部屋にある暖房器具といえば電気コタツのみ。京間四畳の部屋にコタツ布団を広げるとそれだけで場所っぷさぎになる。コタツの各辺に二人ずつ、あぶれた者が何人か部屋の隅に陣取るとこれはもう狭苦しい息苦しい暑苦しいの三重苦の状態となり、文字通りに「ヒトのあたたかさ」を思い知るのである。

 松須先輩に「お前今日何か予定あるか」と訊かれた。授業がすんだら何も予定はありませんよ。
「おぅ、ほんならメシ食いに行くか、石地とここで待ってるから」『ここ』とはBoxと呼ばれるサークルの部室のようなもので、実は社会学系の学術サークルに籍を置いていた。だいたい、この面子でメシを食いに行くとなるとメシで終わったためしがない、というかあまり食い物が並ばないまま空いた徳利が林立する。それでいて最終的にはそこそこの量を食べてはいるという、胃袋にも財布にも優しくない飲み方になる。まあそれはそれで望むところではあるけれど。授業が終わって顔を出してみると件の二人はいない。そこにいた古邑さんと佐宗さんのどちらかが「ちょっと用事ができたって、なんか家で待っとくようにってよ」という伝言をしてくれた。はぁ、そうですか。軽く呑みに出ようかというBox内での話を尻目に、しょうがないのでひとまず帰ることにした。下宿の玄関には見覚えのある靴が2足、2階に上ってみると部屋の扉の端から明かりが漏れている。鍵といっても柱と扉にねじ止めした蝶番に南京錠を引っ掛けるだけなので、盗られて困るような高価なものが置いてあるわけでなし、帰省など長期の不在でない限り部屋に鍵をかけることはなかったけれど、その習性はよく知られるところであったので、まぁそういうことがあってもしょうがないか。と思って部屋に入るとコタツをはさんで対座する松須、石地の両御大、真ん中ではカセットコンロの上で鍋がイイ感じにことこと湯気を噴いている。用って、コレかい。
「おぅ、お帰り」
「待っとったんや、水炊きでええやろ」
まぁずいっと、上座へずいっと、と勧められるまま東側の出窓を背にした部屋の奥側の辺に座る。
「帰りを待ってもらうって、ええもんやろ」
ええモンかいな。まままま、ひとつ、ぐいーっと。と缶ビールを渡される。「ぼちぼち、ええんと違うか」、「やっぱり寒いときは鍋やろ」などといいながら取皿と割り箸を用意して甲斐甲斐しく取り分けてくれる、のはいいが、準備された食器類は十人分に近い。ウチにこんなにあったか?ふと気づくと石地さんの脇に具材が山盛りになっている。どう見てもこのメンバーの三人前ではない。ちょっと待ってください。
「まぁ気にすんな」
「お前、今日はもうドーンと構えとったらええんにゃて」
ドーンって、えぇ?そうこうしているうちににぎやかな人声がして、さっきBoxで呑みに行こうかなんどと話していた連中さんがどやどやとなだれ込んできた。呑みにって、ここかい。なにせコタツが1つだけ、さらに真ん中にカセットコンロが据えてあるので、テーブルとして使えるところはごくわずかしかない。それで十人近い人間が飲み食いしようというので、コタツの周りでは缶ビールと皿と箸を持った数人によるローテーションが行われている。「お前はええから、ドーンと、ほら」と言われても落ち着いて座っていられるものではない。まぁええから、みんな落ち着いて食べましょ、もうここ空けるから。ビールを片手に傍からながめていると、見ていて気持ちがいい程の食いっぷりで、山盛りの具材が綺麗になくなった。まぁまぁまぁまぁ、といいながら手分けして鍋や食器類を洗いに立つもの、カセットコンロを片付けてコタツの上を綺麗に拭くもの、酒を買いだしに行くものと、まるで事前にリハーサルでも行われていたかのように実に手際よく進んでいく。なんや、今日に限って、普段からたのむでコレ。日本酒とバーボンとズブロッカとチンザノと、だいたいそんなものが準備され、それから後はお決まりで、思い思いに好みの酒を呑んでいろんな話をしている。いつの間にかもう一間の三畳の部屋には布団が延べられて、つぶれた奴の仮眠室となっている。宝饒さんの姿が見えないと思ったら布団の中から「ふっかーつ!」という雄たけびが聞こえ、皆のいる方に踊りこんでくる。会津さんは「わたし、体柔らかいよ」と両足をまっすぐ前に伸ばしたまま二つ折れになって、ひざにオデコをくっつけて「ほら」と言ったままピクリとも動かない。どうかと思ったらすうすうと気持ちよさそうな寝息が聞こえてきた。寝とぉんねん、コレ。あまりのことに古邑さんとしばらく眺めていると、「んあ」と言って起き上がって何事もなかったようにグラスを取る。石地さんはCDケースから歌詞カードを引っ張り出してアカペラで何か歌っている。薄い壁を隔てた隣人に「迷惑やろなぁ」と思いながら自分も酔いに任せて乱痴気している。

 集まった人のおよそ半分が4回生で、就職活動も終わって卒論もひと段落、あまり大学にも用はなし、久しぶりに顔を合わせて、じゃぁどこかで、となったときに白羽の矢が立てられたのが我が下宿と、こういうことだったらしい。自分が気に入られているんだか、部屋が気に入られているんだか。それでも気を使った(だろうと思われる)サプライズ加減にちょっとありがたいようなうれしいような、ほっこりした気分になった。でも、こんだけおったら暑苦しいねん。

 嵐電組が帰り、夜半をすぎて残りの人たちもポツリポツリと帰って行き、石地さんと綿部さんと三人、少し外を歩いた。あまり自分の気持ちを表に出したがらない石地さんから感謝と共に後輩に対する様ざまな思いを告げられ、ちょっとジンときた。その分、一人戻った宴のあと地はいつもにも増して冷え冷えとするようで、いろんな意味での「ヒトの温かさ」を恋しいと思った。

2011センター 予想平均点

2011-01-19 10:12:43 | 特集「センター突破これだけはやっとけ」
データリサーチもそろそろ終盤、大手予備校の合計点速報が出ました!
代ゼミを除けば確定の予想平均点になっています。こちらを分析してみましょう。


大手予備校発表 センターリサーチ合計平均点

【河合塾】
201120102011-2010
6教科7科目文系型563545+18
5教科7科目理系型570542+28
http://kaisoku.kawai-juku.ac.jp/nyushi/center/11/average.html


【代々木ゼミナール】
201120102011-2010
6教科7科目文系型574546+28
5教科7科目理系型585551+34
http://www.yozemi.ac.jp/nyushi/center/recent/heikinten/index.html


【ベネッセ・駿台】
201120102011-2010
6教科7科目文系型572551+21
5教科7科目理系型574547+27
http://dn.fine.ne.jp/dn/b/002/center/yosou/yh_index2.html



予想通りの平均点アップとなりました。

センター試験の現行課程の最終年&昨年まで2年連続の平均点ダウン

を考えれば当初の予想通りの結果と言えそうです。


ただ、予備校各社によって平均点上昇のレンジにはばらつきがありますね。

文系では18点~28点
理系では27点~34点

数学ⅠA・物理・化学の平均点上昇が理系の合計点を押し上げているとの見解を予備校各社が持っているようです。


さて、ここからは谷川的私見で2011入試を斬ります!

いつもならセンター平均点が上昇(前年に比べて易化)すると現役生を中心に強気の出願が増えます。
しかし昨今の受験生の保守傾向(地元・国公立・資格系)を考えると、思っていた以上に点数が取れていても予定通りの出願が多そうですね。

となるとセンターリサーチの結果と実際の入試結果が大きくずれることは少ない気がします。
いわゆる、「荒れない受験」に久々になる年かと。

さらに、平均点は上昇しても、おそらく6割→7割の上昇が多くて、8割→9割の上昇はそこまで多くはないかと思います。
基本的な問題が多く出されたので、平均点付近の受験生は点数を1割近く押しあげる可能性は高いですが、全教科そろえて点数を取っていくのは難しいのが今年のセンターです。

ならば医学部医学科・難関国立大は平均点上昇のあおりをそんなに食わないかと思います。
難しかった2010センターだって成績上位層はきちんと点数を取っていましたからね。


どちらにしても

国公立入試はセンターだけでは決まらない
このことは肝に銘じてください。
終わったしまったセンター試験をアレコレ考えるより、これからの二次試験対策に照準を合わせよう!

これから国公立前期試験が行われる2月25日までの約1ヵ月間は、皆さんの学力が最も伸びる時期です。
蓄えた知識を記述の形で表現する、ということを考えれば、受験勉強の中でももっとも「真のお勉強」らしい勉強をしていく時期です。

自分の書いた答案をなるべく多く先生に見せるようにして、自分を磨いていってください。
この時期の添削は死ぬ気でやりますよ!


なんにしても受験はやっとこれからが本番、まだまだ頑張れ、受験生!

◇◆◇◆ 告 知 ◇◆◇◆


2011センター データ分析セミナー

対 象:高3・高卒生および保護者

日 時:2011年1月21日(金)14時~15時
会 場:ワシントンホテルプラザ 2階
内 容・2011センター試験の最新データ分析
・国公立大学の志願状況
・私大センター利用入試の出願状況
・国公立大学出願決定時のポイント

参加は無料となっています。校外生の方もお気軽にご参加ください!
(詳しくはhttp://www.asunaro-yobiko.com/download/54.html



谷間の期間

2011-01-18 10:49:50 | 特集「センター突破これだけはやっとけ」
自己採点も終わり、気持ちもやっと落ち着いたところでしょうか?

これからセンターリサーチの結果が返ってくるまで約4日、リサーチ結果が気になって気になって仕方がない人もいるかと思います。

気になるのはわかるけど、気持ち切り替えて次に向かおう。

自分の点数で志望の大学に手が届くのかどうか、谷川にも気になる気持ちはよ~く分かります。
ですが、ヤキモキしている間にも時間は過ぎていく = 勉強に残された持ち時間は減少し続けています。

とくに私大受験生、もうすぐに関西私大の入試が始まるよ!
東京の私大にしても2月に入ったら受験スタートだ。

過去問解かなきゃ!
抑えで最低2年分、本命ならば3~4年分!


データはほっておいても返ってきます。今一度切れかかった「緊迫感」をかき集めて勉強に向かってください。
特に今年みたいにセンターの点数が取れた現役生は要注意!

浪人生の地力を舐めちゃいけない、彼らは1年間必死に勉強をしていますから、二次力は相当なものを持っています。
ひっくりかえされないように!


さて、そんな谷間の期間を一刻でも早く抜け出せるように、あすなろ予備校では今年も大学進学ガイダンスを開催します。



2011センター データ分析セミナー

対 象:高3・高卒生および保護者

日 時:2011年1月21日(金)14時~15時
会 場:ワシントンホテルプラザ 2階
内 容・2011センター試験の最新データ分析
・国公立大学の志願状況
・私大センター利用入試の出願状況
・国公立大学出願決定時のポイント



参加は無料となっています。校外生の方もお気軽にご参加ください!
(詳しくはhttp://www.asunaro-yobiko.com/download/54.html

センターの次に向けて、一歩を踏み出そう!
がんばれ、受験生!

センター一日目、終了!

2011-01-15 18:25:28 | 特集「センター突破これだけはやっとけ」
センター試験1日目終了、お疲れ様!


緊張はしたでしょう、だけど1日目は乗り切った!
しんどいところも半分はおしまいですよ^^


さて、今日おうちに帰ってきてからやるべきことは。。。

まず、ネット等で問題講評を探すのはやめましょ
終わったことはくよくよ考えず、明日に備えて次の準備をしましょうよ。
分析・難易判定は2日目が終わってから!

次に、暖かいお風呂に入ってゆっくり疲れを取ろう!
かなりの緊張と寒さで筋肉も凝っているはず。
暖かいお風呂に入ってしっかり身体をほぐしてください。
明日の準備をするにしてもまずは疲れを取ってからにしてくださいね。


残り半分、今日の夜遅くまで理系の科目の準備に全精力を傾ける、ということもないと思います。
高ぶる気持ちを静めつつ、軽めの見直しをして今日は早めに寝よう!



朝には鳥取大学まで早朝激励に行きましたが、心配していた雪も降らずにほっとしました。


ただ、心配なのは明日なんですよ。
気温、これからの積雪を考えてもかなり積もりそう。
明日はくれぐれも早めに試験会場に向かってください!
大丈夫、JRの方々もセンター試験受験生のために全力の除雪作業をしてくださいますから、明日も行ける!

帰っている最中の受験生の皆さん、暴風雪警報が鳥取で発令されましたので十分気をつけて!


お疲れ様&あと一日がんばれ、受験生!!


がんばれ受験生!

2011-01-14 10:55:00 | 特集「センター突破これだけはやっとけ」
いよいよ明日、勝負の日!


受験生の皆さん、今の気持ちはどう?
不安な人、自信ある人、神に祈りたい人、開き直っちゃった人、今も必死にやっている人、いろいろだと思います。

それでいいですよ、今の気持ちのまんまで明日を迎えてしまえば。

前にも書いたと思うけど、100%の準備ができた、という人はいません。みんな何かしら不安なところはあるものだから、そのままの自分でぶつかっていくしかない。

でも、今まで頑張ってきたでしょ?夏や冬や、しんどい中をあれだけやってきたでしょ?

多分、多くの人が、今まで生きてきて初めて「頼れるのは自分だけ」という状況に直面することになると思います。
それがセンター試験です。
これからも似たような状況に直面することはたくさんあると思うけど、まずは自分で自分を信じてあげてください。
それで難局に立ち向かっていこう!


現時点で谷川より言えるのは一つだけ、

難易度変化に一喜一憂するな!

細かい傾向変化は各教科で毎年のようにあります。
見たこともないような新傾向問題、きっと何かで出されます。

しかし

何かが難しくなれば何かが易しくなっている
全体のバランスはそんなものです。

センターリサーチの結果を見ないことにはボーダー変化はわからないから、ある教科の試験が終わったらすぐに気持ちを切り替えて、次の試験の準備をして!


さて、国語について。

前回も書きましたが、国語は前年よりもさらに難化、はチト考えにくいです。
予想されるのは

評論→やや難化?(長文化しそう)
古文→文章は長い、和歌も出る、でも話は取りやすい


というところでしょうか?
フタを開けてみなければわかりませんが、あれだけの対策をした皆さんならきっと難関を突破できるはず。

時間配分に十分に気をつけて取り組んでください。


明日の鳥取の天気予報は雪、少し荒れそうです。
時間には十分に余裕を見て試験会場の鳥取大学に向かってください。
JRでは臨時増発便 (ダイヤはコチラ) が出ますので、なるべく鉄道を使って行くこと!
公共交通機関のほうが試験時間の繰り下げ等の救済措置が取られやすいですよ。
それから、替えの靴下もできたら持って行ったらいいと思います。


さあ、胸を張って、大きく振りかぶって、頑張れ、受験生!!

センター国語 最終調整

2011-01-10 13:21:32 | 特集「センター突破これだけはやっとけ」
1週間後の今頃は、センターの自己採点をしながら平均点発表を待っている時期ですね。

もうセンターまであと5日。泣いても笑っても残された時間はあとわずか。

できることを淡々とこなしていく最終調整期間です。



国語では最低あと1回は通しの問題演習がしたい!

一度解いた問題でもかまいません。

要は、80分の中で現代文・古文・漢文を解き切るというペース配分をつかんでほしいんです。

センター国語は本当にクセもので、相当の実力のある受験生でもパニクると失敗します。

いわば、実力相当の結果がなかなか出しにくい試験だということ。

一つの大問で25分以上の時間はかけないでください。

これをやっちゃうと、別の大問を15分以下で解くハメに・・・。

難しい問題はみんなにとって難しい、各大問の最後の問題となる問6の配点は多くても10点です。

最後までこだわって10点を狙い、結果として別の大問の満点分50点を落としてまう。

すごく不経済だってことはわかりますよね?

「パニクったら負け、最後まで冷静に!」

がセンター試験のすべての教科に共通する合言葉。

あくまでも落ち着いて試験に臨んでください。



さて、各大問の難易度設定はどうなるか?

一番気になるのは古文でしょうが、まさか去年のような「読めない古文」にはならないと思います。

ただ、長文であることは十分予想されるので、時間配分に気をつけて!

どの問題から手をつけるにしても、自分の中の時間をしっかり守ってください。


センター国語、我々の予想と期待を斜め45度で裏切るものに今年もなるはず。

イレギュラーはあるはずですが、今までやってきたことを信じればどんなイレギュラーにも対応できるはず。


あともうちょっと、頑張れ、受験生!

明けましていよいよ勝負!

2011-01-03 17:38:26 | 特集「センター突破これだけはやっとけ」
いくらなんでも降りすぎだろ、オイ
な年越し&元旦でしたね、鳥取は・・・

車も鉄道も飛行機も動かない陸の孤島と化したワケですが、今のところなんとか機能してるかな?

ナニハトモアレ

皆様、明けましておめでとうございます。
今年もあすなろ予備校と当ブログをなにとぞよろしく、お願いいたします。

この仕事をしていると年末年始という今の時期が一番の仕事のピーク。
「万全の態勢でセンターに臨んでほしい」という気持ちに突き動かされて、授業にいそしむ毎日を過ごしています。

みんなも一緒だよね?
「万全の態勢でセンターに臨みたい」
そのために一生懸命努力していることと思います。

しかし
準備が100%完了して受験に臨めるような人はまずいません。
何かしらやり残したところを持ちつつセンター当日を迎えるのがほとんどのの人のはず。

ですから、この時期になったらこう思ってください。
「慌てたり、焦っちゃった人から負ける」

やらなきゃいけないこと、淡々とこなしてください。
今まであれだけやってきたんだもの、もう少し、頑張ってください!


同時に。

年明けと同時に私大入試の出願も始まります。
とくにセンター利用はセンター試験前に締め切る大学が増えました。
センター直前になっての出願は精神衛生的に非常にワルいですから、
(自己の体験を踏まえたうえでの率直なアドバイスなのだ)
早めに早めに出願しちゃおう!

写真もキリリといい顔で撮って、万全の準備体制を取ってくださいね。


さて、あともう少し!
最後まで応援するから、頑張れ受験生!


としのはじめのためしとてと

2011-01-01 00:00:01 | 洛中洛外野放図
 暮れから正月にかけて、何度か郵便仕分けのバイトをした。期間は年を跨(また)いで2週間、ド短期だけども時給が高いのでそこそこの実入りがある。夜郵便局に行って朝方まで、配達区域別になっている箱ごとに年賀状をまとめていく。途中仮眠の時間があるが、そうそう眠れるもんでもない。1時間かそこら眠っても足りるわけがない。何人かいたバイトがかたまってだべっていた。夜が明けるのが遅い時期なので、帰る頃でもまだ暗い。寒いわ周りの連中は大概帰省しているわでどこかに出かけるのも億劫になって、日が暮れるまで眠って風呂屋に行って飯を食ってバイト、という面白くもなんともない何日かを過ごす。3日から5日ごろには帰省組もぱらぱらと帰ってき始めるので、それからメシ食いに行こうの酒呑みに出ようの、どっか行こか、ということになる。ごくたまに初詣でに、という殊勝なことを言い出すのがいるけれど、とりたてて神頼みするほど切羽詰った困りごとを抱えているわけでもない呑気な顔ぶれなので、集まって出かけるというイベント以上のものにはならない。

 受験のとき、知り合いの損保会社の人に社割で斡旋してもらったホテルが祇園にあって、一週間連泊して三校を受験した。朝一番の高速バスで京都入りしたのがお昼前、チェックインは15時以降と聞いていたので、荷物だけ預けて受験校の下見に行くことにした。バスの乗継など、フロントのお姉さんが親切にいろいろと教えてくれて、路線図をもらった。出かける前にお昼を食べようと近所をうろついて、四条通からちょっと南に下がったところで見つけたお好み焼き屋は5~6人も掛けると満員になる。一人で切り盛りしているおばさんが目の前の鉄板で焼いてくれることになっているようだ。たのんだイカ玉焼きそばをちゃかちゃかと焼きながら、おばさんが「学生さん?」と話しかけてきた。受験をしに来て、これから大学の下見に行くところだというと、「イや、しやったらがんばってもらわんとあかんなぁ」と言って豚肉をぼそっと入れた。イカ玉が…頼みもしないミックス焼きに出来上がったそばが、食べてみるととても美味い。壁に掛かった品書きを見ながら差額を気にして食べていると、ごはんとみそ汁が置かれた。「これ食べて、元気出してがんばってくださいね」それまであまり経験のなかったカーボン食に戸惑わないでもなかったが、なにしろありがたいことである。おばさんは路線図と首っ引きになっていろいろと教えてくれた。「ここで降りて、北野の天神さんは学問の神さんやから、しっかりお参りしとき、ほしたら大丈夫」ほんまかいな。結局イカ玉分の代金しか請求されず、「しばらくいてるんやったら、またたべに来てね、応援してます」と暖かい言葉をかけてくれた。お言葉に甘えて滞在中何度か顔を出したが、晩方に行くと常連だというおじさんが「受験生か、そぉらがんばらなあかん」と、「アレ出したげて」の「コレ出したげて」の、さらには「呑めんことないにやろ」とビールをついでくれて、申し訳ないようなありがたいようなことになった。それが嬉しかったので入学決定後、引越し荷物を整理するとすぐに合格の報告に行った。のだが「はぁ、そぉですかぁ」と、まるで「あんた誰?」とでも言うようなつれない返事が返ってきた。まったく覚えてなかったようで悲しいやらアホらしいやら、それから二度と行かなかったけれども。それはともかく受験のときには「がんばってや」と言う声に送られて機嫌よく店を出ようとするともう一声かけられた。「ぁ、お参りいうたら、ここもうちょっと南のほう、こっちのほうに金比羅さんいう神社があるから、行ってみたらええよ、おもしろいから」わかりました、行ってみます。いろいろとご親切にありがとう。

 言われたとおりに東大路通の西隣の、北向きに一方通行の通りを南に下っていくと「悪縁を切り良縁を結ぶ」という安井金比羅宮がある。何を思って受験生にこんな場所を勧める?祭神は崇徳天皇、大物主神、源頼政で、縁起を辿れば天智天皇の御世(661 ~ 671)にまで遡るという*。隔月で桂米朝一門の落語勉強会が行われていて、勉強会だけに出演者の数も多く、普通の落語会ではありえないほど安い料金のおかげで、金のない学生でも通うことができた。それで場所になじみもできたけれど、初回のその日はただぶらぶらと境内を見て回った。回ってみたら、どうやら「良縁を結ぶ」よりも「悪縁を切る」方にスポットが当たっているようで、いろいろな「縁切り」を願う絵馬が掛かっている。曰く、「××と別れられますように」だの「酒/煙草/博打と縁が切れますように」だの「今の会社を問題なく辞められますように」だの、そらあんたの問題や、自分で何とかせぇ。芸妓さんらしい名前で「三年間男断ち」と書かれているものもある。そうですか、それはそれは。「○○と一生関わることのないように」書かせた○○が悪いのか、書いたそ奴(いつ)が悪いのか、まぁそんなもん、どっちもどっちやろ。同じ内容で複数の連名になっているものもある。自分の名前を見つけたらイヤやな。「△△と□□が別れますように」ほっといたれ。これは男の書いたものも女の書いたものもあった。妬(や)くなみっともない。挙句の果てには「夫の浮気相手が死んでしまいますように」とすでに「呪い」になっているもの、さらには「夫もろとも」というのまである。願掛けするより丑の刻参りにでも行って来い。と、そんなのが一つではなくあっちにもこっちにもぶら下がっている。何が恐いって、世の中で一番恐いのは人間だってね。人の心の暗黒面が渦を巻いているようなところで、おもろいっちゃぁおもろい。ここは祇園から徒歩数分なので、食事をするにも映画を観るにも、その後で呑みに行くにも何かと都合が好い。京都といえども松の内を過ぎると神社参りの人出も随分と落ち着いているので、初詣でを名目に「新作」絵馬ウオッチングに出かけることもあった。みんなでなんのかんの言いながら絵馬に書かれている願い事に突っ込みを入れているうちに、絵馬を書いた方ではなく書かれた方に知った男の名前を見つけた。名指しで結構えげつない内容が書いてある。クリスマスに恋人と別れたという話は知れ渡っていたので、その場に居合わせた全員が考えたのが『あいつなにしやがったんや』ということ、同名異人の可能性などはコレっぽっちも考えてない。これは白黒はっきりつけとこ、ということになってその後の居酒屋に呼び出そうとしたがまだ帰省先から戻ってきてないのか居留守を使っているのか、連絡が取れない。「まさかひどく落ち込んで…」とか心配する者もないまま欠席裁判のようなことになって「とにかくあいつは了見がよくない」という結論に落ち着いた。

 そんな悲喜交交(こもごも)な人間模様に思いを馳せつつあらたまの年を寿(ことほ)ぎ、だだらに過ごすめでたくもありめでたくもない正月が終わると、もうじき後期試験の時期がやってくる。

*参考:安井金比羅宮公式サイト http://www.yasui-konpiragu.or.jp/index.html