「あれ、どうや」
「えー、あれはちょっと…、せやったらあっちの方がええかなぁ」
「ほぉ、そうくるかぁ」
「ちょっと!」
講義室に行くと開講5分前だというのに誰一人いない。校舎の前まで戻って掲示板を覘いてみると休講と大書してある。どうやら数日前から貼りだされていたらしいということ込みでそのときに気づいた。その後の講義も取っているし、下宿に帰ったりどこかに出かけたりすると戻ってくるのがもう面倒くさい。どうしてくれようかとベンチに腰をかけてぼんやり周りを眺めていると佐川さんが通りかかったので声をかけたら何かの約束の時間まで同じく暇をもてあましているらしい。話をしているうちにどういう経緯(いきさつ)でそんな話になったものだか、男であろうが女であろうがお構いなしに目の前を行き交う学生たちの出で立ちについて選り好みをしていた。明るめの色の軽装でいつでも小奇麗にまとめている佐川さんと並んで選り好みをしている当の本人はといえば洗ったままアイロンを当ててないシャツに草臥れたチノを穿き、古ぼけたデッキシューズのかかとを素足で履きつぶした上からこれまたクタクタになったロングコートを羽織って剃刀の替え刃を買い忘れたまま数日間ほったらかしにしてある無精髭をこりこりと搔いている。新緑が萌え立ち薫風の吹き渡る爽やかな朝にそぐわないそんな格好をしたのに選り好まれては立つ瀬もなかろうが、二人してやれあの組み合わせはないだろうの、やれマラリアを患ったトラフグみたいの、髪型似合(にお)てへんぞー、だのと好き勝手に言っていたら、これまた通りすがりに二人の会話を聞きとがめたらしい皆川女史に怒鳴られてしまった。
「なんちゅうことしてんの!佐川さんまで一緒になって、やっていいコトと悪いコトとあるでしょ!」二人して不意を付かれたようになって唖然と聞いていたら、どうやら皆川女史は容貌によって女性のランク付けを行っていると思ったらしい。男女同権について、ともすればジェンダー・フェミニズム寄りに傾きそうな、どちらかというとラジカルな考え方を持っていることを鑑みれば彼女の怒りも無理からぬものではあるのだが、今回のは誤解に基づくものである。二人で謂れのないお叱りを受けながらそれを是正するのもままならず「おあずけ」をくらった狆コロのように大人しく聞いていた。「頭を下げてたら小言が上を通り過ぎてっちまう」というアレである。
「もう!こんなこと二度としないでくださいよ!松っちゃんも、わかった!?」
「「すいませんでした」」二人揃って頭を下げたものである。
「…キョーレツやったなぁ…」
「ねぇ…」
プリプリと小さくなっていく皆川女史の後姿を見送って、約束の時間だという佐川さんも見送って、あらぬ誤解を受けたまま気分転換が急務である。少し前から気にかかっていた調べ物をするために府立図書館に向かうことにした。もう授業なんかに出てらんねぇ。
グランドの脇を通って正門を抜けて、その前に飲み物を買って行こうと時計台の付いた校舎の地下に降りていった。外の階段から降りていくと、食堂の大きな窓の前を通った先にソフトドリンクコーナーの入り口がある。窓の前を歩いているとどんどんとガラスを叩く音がする。見ると鞍多で、食堂のテーブルで友達と喋っていたらしいのが大きなサッシ窓を開けようとしている。いやそれは迷惑では?と思うまもなくガラス戸をはり開けて「どこ行くのー」と、目の前にいるのに道の向かいに呼びかけるような大声を出す。「おぉ、ちょっとなぁ」と答えながら、食堂にいる全員の目が向けられてどうにも居心地が悪い。そのまま素通りして反対側の階段に向かっていくと背後から「またねぇ!」と、これまた大きな声をかけられた。気分転換の必要性を重ねて感じながら正門を出て、向かい側のバス停から59系統のバスに乗る。結構長くかかるけれど好きな路線なので、ぼんやりと外を見ながら右側のひとり掛けの席に座ってうつらうつらと、終点の三条京阪前まで気持ちよく揺られていった。バスを降りて東へ向かい、東大路通を越えて三筋目を北へと折れる。小さな川に沿った小路を抜けて、そちらからだと国立近代美術館の向こう側に当たる府立図書館へは平安神宮の大鳥居を潜っていくことになる。
図書館の中は静かだとは言っても人が多いとその気配だけでなんだかせわしない感じがするが、平日の昼下がりのことで閲覧室にいる人数はそれほど多くない。ゆったりと落ち着いてことに臨むことができる。目当ての本を借り出していくつか必要なメモをとっている最中に何かの気配につられて目を向けると、少し離れた席に女性が座るところだった。耳が出るほどのショートカットとかけている黒いセルフレームの眼鏡が中性的な雰囲気を作り出している。白い、ゆったりとした開襟のブラウスの袖を軽くまくって厚さ10数センチはあろうかという冗談みたいにバカでかい古びた本のページを繰り始めた。右手にペンを持っているから右利きなのだろうけれど、腕時計を右腕に着けている。その細い革ベルトも黒い。よほどメイクが巧いのだろう、不自然でなく目立っている唇の色が厭味のない女性らしさを醸し出していた。それを除けばぼんやりと明るい午後の光の中にモノクロの絵面が出来上がっていて、時代も場所も自分のいるところとは切り離されているかのような様子を面白く眺めていたら、彼女が顔を上げかけたので慌ててメモに戻った。
帰りのバスの中で彼女はああやって自分と周りの雰囲気を演出しているのだなと思ったらなんとなく物悲しく感じられて、授業の終わっている大学に戻っていつものメンバーで呑みに出かけた。
GWの最終日、今年のGWはガンダムウィークでアニマックスを見続けてました!
というのは勿論真っ赤な嘘ですが(でもダイバーシティには早く行きたいです)、
今日は予備校で最初の模擬試験がありました!
第1回全統マーク模試!
みなさんの出来はいかがでした?
国語の問題をザッと見てみましたが、
- 評論は抽象的で難解
- 小説はフツー
- 古文は長いが話は簡単。ただ、現役でこれを読むのはチト骨が折れるか
- 漢文は評論っぽい内容
で、トータルすると結構難しいものだったと思います。
平均点は3ケタいかないのではないかな?
今までもたくさん言い続けてきましたが、模試は
受ける前、受けているときよりも受けた後処理が重要!
もちろん、
「受けっぱなしにするのではなくて受けた後の問題の見直しが重要なんだよ」
ということなんですが、イマイチ模試後の処理の仕方をわかっていない人が多いので改めて説明。
まずはノートを1冊作ってください。
そこに各教科で自分の間違えた問題、解説を書いてたり、切り抜いて貼るなりしてください。
そこで自分の失敗の足跡を残していくのですが、大事なのは
「同じ問題が出たらもう絶対二度と間違えない!」
という意識をしっかりと持つこと!
今間違えるのはいいんですよ、むしろどんどん間違えたらいい。
そうやって自分の間違いに気づいて、知らなかったことを新たに覚えてください。
あるいは、自分の間違って覚えている知識に正しい知識を上書きしてやってください。
前者は簡単ですが、後者は難しいです。
難しいからこそ、毎回毎回の模試でしっかりと覚えなおすクセを身につけておいてください。
その意識があるかないかで、来年のセンターまでに驚くほどの差が付きますから。
おそくとも、模試を受け終わった1週間以内で必ずやること!
現役生は特に気を付けて、「模試間違いノート」、上手に活用してくださいね!
模試をひとつずつ消化して、頑張れ受験生!
PS.最近パソコンがサクサク起動しなくなりました。
マグネットコーティングが必要かしら。。。。
わかる人にだけ、わかればいいです。
5月5日のこどもの日、GW中の数少ない晴れの日でしたがCM撮影をしました!
中学・高校現役コースのCMで、
6月から毎週日曜日、山陰中央テレビの「ちびまる子ちゃん」枠で放映します。
あすなろの卒業生にお願いして、GWの帰省中を狙って撮影!
久々?の制服に着替えてもらいました。
みんな全然違和感ないけどね。
季節感のあるようなCMを目指して、夏服や冬服Verなどいっぱい撮影しました!
男の子モデルがちょっとヤンキーぽいのは気のせいです。
さすが大教のANGELと呼ばれるだけあるお方。かわいいね!
写りがちょっと小さいけど、それは谷川のカメラの腕のせいだ!
こちらも透明感あります。いいね!
カメラリハ待ちの時間に。視点はバラバラの方向ですが。
撮影は大したNGも出ずに順調に進んで、5時間余りで終了!
暑い中、お疲れ様でした
最後に、もう2度と着ることのないであろう制服でもう1枚!
ん~、やっぱ昔のヤンキー漫画みたいに見えるのは気のせいか??
後は制作会社さんに映像の編集と、谷川の方でBGM作りをしてMIXで完成!
出来上がったらYOU TUBEにもUPします!!
このブログでも紹介するので、楽しみにしていてくださいね~♪
日曜日はバンドのライブでした!
ワタクシ谷川は予備校講師でありながら、かつ、鳥取一のイロモノ&オールディーズバンド、
セクシー☆ドッグスのキーボードセクシー谷川
という一面も併せ持っております。
毎回毎回ライブの時にはオールディーズ&ロックンロールを中心に演奏するのですが、
その中にイロモノ曲を忍ばせるのがバンドの定番になっており、
今回はコレ!
コパカバーナ!!
Copacabana コパカバーナ (Sexy dogs)
春らしい(のか?)、とってもラテンなノリのこの曲”コパカバーナ”なんですが、
歌詞はちょっと悲しいんですよね~。
以下はWikipediaから転載。
この曲はローラという女性についての物語が歌われている。コパカバーナで踊り子をしていたローラには、トニーという恋人がいた。ある日、来店したリコという客がローラに手を出そうとし、それに怒ったトニーはリコに殴りかかった。椅子が砕け、血が飛び散り、一発の銃声が響き、トニーは死んでしまった。 それから30年後、ローラは同じ場所にいたが、コパカバーナはディスコになっていた。そして、トニーと若さを失ったローラは正気も失っていた。
この歌の最後は「コパカバーナでは恋に落ちてはいけない」という言葉で閉じられている。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B3%E3%83%91%E3%82%AB%E3%83%90%E3%83%BC%E3%83%8A_%28%E6%9B%B2%29
う~ん、ローラもトニーも可哀想(´・ω・)カワイソス
しかしそれを感じさせない陽気なナンバーなんだなあ。
お客さんもノリノリだし!
壹岐先生、どうもありがとうございました!!
生徒諸君も大学生になったら観に来てね!!