センター突破 これだけはやっとけ 鳥取の受験生のための塾・予備校 あすなろブログ

鳥取の受験生のための塾・予備校  あすなろ予備校の講師が、高校・大学受験に向けてメッセージを送るブログです。

卯年は跳ねる

2010-12-31 11:11:35 | あすなろ予備校

2010年もあとわずか!

 

毎年毎年、12月31日までお仕事をしておりますが、

「大みそかにこの雪はどうよ?」

ってくらい盛大に降り積もっていますね。

 

そんな中でも頑張る受験生たち!

最近いい顔してきたね、大一番に向かう勝負師の顔になってきました。

 

今年一年、頑張った自分へのご褒美は来年の春にきっとあるはず!

タイトルにもある通り、「卯年は跳ねる」

大きな飛躍を目指してください。

 

センターまで残り15日、よいお年を&頑張れ受験生!

 

年始は1月3日より授業再開です!


さわらぬ神に罰当たりな行いを

2010-12-27 12:39:44 | 洛中洛外野放図
毎月25日は『天神さん』の縁日で、北野天満宮で市が立つ。下宿からも大学からも徒歩10分足らずで、しょっちゅう足を運んだ。下宿から行くときは中立売通沿いに今出川通まで出て(中立売通は七本松通を過ぎたあたりから北に向かって湾曲し、北野天満宮の正面で今出川通にぶちあたる)、正面の大鳥居から、大学からの場合は西大路から平野神社を通り抜けて天満宮北側の門から境内に入る。千本通沿いの市バスのバス停に、毎月25日には北野天満宮前を通るバスを増発する旨のお知らせが貼られ、最後は「せいぜいご利用ください」と結ばれている。京都では「せいぜい」という言葉が「目一杯」の意味をあらわすようで、使い方が面白い。毎月21日には東寺で『弘法さん』と呼ばれる縁日が開かれ、こちらはメディアでも多く取り上げられて広く知られているようだが、東寺は普段の生活圏にないので縁が薄かった。それよりも天神さんのほうが馴染み深い。

 平日は授業が済んでから午後遅く出かけたが、ごくたまにお昼休みに覘(のぞ)くこともあった。正面の鳥居をくぐる手前のところに大きな天幕が張られてテーブル席が並べられており、毎回そこのおでんとビールでスタートする。昼間のビールは効くので、平日の昼に連れ立った連中は一蓮托生、午後が自主休講となった。参道に沿って楼門まで、りんごあめだの焼きイカだの風船釣りだの、ごく普通の縁日屋台が並べられる。毎回お約束のように誰かが何かを食って、「なんかこんなところで食う焼きそば/焼きイカ/たこ焼き/その他諸々は不思議と美味い」かなんか言って、それか銀玉鉄砲とかシャボン玉とか、何すんだそんなもん、というものを買っている。この楼門をくぐると本殿があるのだが、楼門のところで東に折れ、参道の東側の店を見てまわる。そこと天満宮の東側に接する御前通に並んでいる露店が面白い。古着、古本、古い調度類、それらが渾然一体となって店ごとのジャンル分けがあいまいで、とにかく「古道具」を扱う店が並んでいる。中にはラッパのついた蓄音機、耳に当てて聞く部分だけ別になっていて本体に向かって話しかけるようになっている電話機など、店のおっさんに「ちゃんと使えるでぇ」と言われたところでソフトがない、モジュールが合わないといった理由で使い道のない家電を扱っているところもある。ある25日、忠馬だったか樽尾だったか、一緒に行った奴が道具屋のおっさんと火鉢の値段交渉をしていた。
「なんや、そんなん買うのん?」
「おぉ、お前の部屋に似合うやろ」
「わしトコかい!」
あぶないところだった。下宿の契約条項に石油ストーブを始め火気を使う暖房器具を使用しないことが盛り込まれている。すんでのところで契約違反をするところだったが、その前にあれだけ酔っ払いが出入りするところにそんな扱い慣れんもんを置いといたらどんなことになるか。「それもせやなぁ」一応納得してくれたようだ。

目を離すと何を持ち込まれることやらわからない。上着の襟首を摑んで引っ立てていった。その後も「あんなん似合うと思うねんけどなぁ」とかぶつくさ言っている。そら似合うけども、ちゅうかどっちか言うたらハマりすぎやけども、そういう問題とちゃうわ。ただしこれが自分の部屋でなく他人の部屋のことだったら、無理にでも買って帰っただろうけれど。

 明治、大正期の販促ポスターだとか、当時の日用品のパッケージやマッチ箱を額に入れたものを並べている店がある。当時はそういったものが復刻されたり、廉価な画集・写真集としてまとめられたりすることがまだ珍しかった。使われている字体や色使いなどが新鮮でほしい物も少なくなかったが、どれも結構な値段がするのでいつも物欲しげに眺めるだけだった。他に、店のおばちゃんによると「使わんほうがええ」そうだが、パッケージだけではなく缶入りの粉末歯磨きとか石鹸とか、昔の日用品そのものを売っているところもあった。その中に、鮮やかな青をバックに下着姿の女性のモノクロ写真がプリントされ、たぶん『カルミン』の商品ロゴと同じフォントで『衛生乳バンド』と書かれた箱がある。『ちちばんど』、身も蓋もない直球勝負の商品名にちょっと心がざわつきかけていると、横にいた裏鋤(女)が「つけてみようかなぁ」とつぶやいた。いややめときて。

 この縁日で竹久夢二の詩画集文庫の初版本や創刊当時の現代用語の基礎知識など、面白い古書をびっくりするような安値で手に入れた。ある日陶器を扱っている店で、食器類や壺に囲まれて白いゴジラがぽつんと立っている。大きさは30センチほど、純白と言うよりごく薄い灰色で、上薬がかかった焼き物特有ののめのめとした感じの光沢があって、見た目涼しげで上品なたたずまいがある。ゴジラなのに。その横手のかごにこれまたイイ感じのぐい飲みがごろごろと入れてあって、手にとってみるとしっくりなじんで呑みやすそうである。値段を聞くとゴジラが3,000円、ぐい飲みは元々揃いのものの一部で「3つ1,000円でええわ」だそうです。交渉の末、ゴジラの言い値でぐい飲みを3つつけてもらうことになった。「これ今はもう手に入らんモンやから」ゴジラを新聞紙で包みながらおっさんが言った「ニィちゃんエエ買いモンしたな」。その後メディアショップだかソニープラザだかに行ったら同じモン売っとったぞ。でも値段が5,000円くらいだったから、まぁ、よしだ。

 このゴジラが呼び水となったか、いつの間にやら我が家にはもう1体ゴジラが増え、本物の藁でできた蓑(みの)をまとった信楽焼の狸が大福帳を下げてボーとつっ立っている、福助がお辞儀している、なんかどっかの飲み屋で見たぞ、というものを含めて買った覚えのないフィギュア類が増殖していった。うちに来た奴がぽつぽつと置いて帰るらしい。どれも30cm~50cmくらいの大きさでかさばってしょうがない。テレビの上も本棚の上も統一感のないままいろんなものが所狭しと犇き合っている。エエ加減にせぇ。

 毎年12月25日は終(しま)い天神、1月25日は初天神と呼ばれる。落語『初天神』の中では「はってんじん」と発音されるが、同じ大阪でもキタの露天神社の通称『お初天神』は「おはつてんじん」と読まれる。人の名前だからか。京都では「はつてんじん」と言われていた。いつもより露店の数も種類も増え、参道は立錐の余地もないほど人で埋まる。両脇の屋台を取り除けたらヒトのバッテラができていそうで、とてものことに身動きが取れないのでこの2回は遠慮したが、学問の神様でもある天満宮は、年末年始にかけて受験生の参拝も多い。毎年、この時期のニュースで取り上げられる北野天満宮の盛況ぶりを見て、毎月のように通いながら一度も参拝をしたことがないと気づいて年の瀬を迎える。

代ゼミ センター試験プレテスト

2010-12-23 14:33:27 | 特集「センター突破これだけはやっとけ」
世間的には祝日ですが、もちろん受験生は休まない、休めない!

センターまで残り23日、頑張ってるよね、もちろん!
最後のラストスパートに全力をかけてください!!


この時期はほんとに更新が滞ってスマヌ。。。
三者懇談・冬期講座・広報活動といろんなことが重なる時期ですので、筆不精なタニガワをお許しください。
センター終わったら分析情報をバンバン流すので、そちらを期待して下さい!


さて、学校でも予備校でも代ゼミのセンタープレの成績を返却していることと思います。
代ゼミセンタープレは成績資料が新聞みたいな大判の形式になって、大学別のボーダー公表しないのかなあ、と思っていました。

志望校として記入した大学・学部・学科はいいけど、それ以外のところの判定は見えない、と思っていたのですが・・・

いあ、探せばあるジャン。

ネットにて公開しているようです。
気になる方は是非ご確認を!
http://www.yozemi.ac.jp/test/index.html

弱点補強をしつつ、あともう少し、頑張れ受験生!

Le Tour de Senbon

2010-12-09 08:59:44 | 洛中洛外野放図
 以前の京都をご存知の人に住んでいるあたりを説明すると、必ずといっていいほど『千中ミュージック』に行ってみたかどうか尋ねられた。千本中立売の少し北にあったストリップ劇場で、大学に入学する前年に火事があってなくなってしまったそうなのでどんなところなのか知る由もない。話に聞いてたぶんこのあたりだろうと思われるところをぶらついてみると劇場があって、看板には『薔薇族ショー』の文字、表の掲示板にはエナメルのホットパンツ姿のにいちゃんやらおっさんやらのステージ写真が貼ってある。扉の向こうには未知の経験が約束されているのだが、いかんせんその一歩を踏み出す勇気がない。思わず後ずさりをして横歩きのまま路地を抜けた。千本通の東側一筋目の細い道に出てみると1個20円から80円くらいで地鶏の卵をばら売りしている卵屋があって、同じ筋には銭湯もあったと思う。また千本通に面して小さな焼肉屋があって、その裏手の方にも小ぢんまりとした店が並んでいた。それらの店のどこに用があってもかまわないんだけれど、一時期、千本通から細い路地へと姿を消していく男の人を見ると、妙に勘繰るようになった。下宿の近所に古い食堂があって、ガラスケースの中に入っている惣菜をとり、ごはんと汁ものを注文する。京都風の淡い味付けで、値段は安くておいしいときた。ただし問題がある。物腰の柔らかいおじいさんが二人でやっておられるのだが、片方が柔らかすぎるのである。奥の厨房が見通せるテーブルがあって、料理人が調理をしているところを眺めているのは好きなのでずっと見ていると、仲睦まじい感じで立ち位置の距離が近い。もう触れ合わんばかりに並んで立ち、調理をしながら耳打ちをしてくすくすと笑い合ったりもする。どうやらめくるめく深い世界をお持ちの様子だったが、おちおちメシ食てられへん、ええ歳して客の前でイチャつきなっちゅうねん。

 下宿には個人の洗濯機があるが、物干し台が共同なのでそうそう独占するわけにもいかない。すぐ近所、六軒町通から一筋東の通りにコインランドリーがあって、洗ったものを持って行って乾燥機にかけた。その斜め向かいに千本日活という映画館がある。常時ロマンポルノを3本立てで上映していて、ビデオレンタルショップにいけばえげつないのがたくさんあるし、もっとえげつないのを持ってる奴もいたので今更ポルノ映画もないもんだが、入場料は文庫本1冊分くらいのもので、石井隆監督とか神代辰巳監督とか、名の知れた監督の作品は名画座でのリバイバル上映ともなるとその3倍ほどの値段を取られる。乾燥を待つ間何度か入ったけれど、平日の昼間でも必ず何人かおっさんがいる。中には営業の途中かと思われるスーツ姿もいる。桂米朝師匠の『あくびの稽古』の中に、横町(よこまち)に新しくできたあくびの稽古屋に付き合わされた男が、先生と連れの稽古を見ながら『世間の人みな働いてんねやで』とぼやくところがあるが、平日の千本日活がまさにその状態だった。

 さてこの千本日活である。松須先輩は豪放磊落を以て任ずる四国は高松の人で、若い頃には誰もが陥りがちな『漢(おとこ)』幻想を追い求めているようなところがある。入学から5月の連休明けくらいまでは連日のように新歓をしてもらって、何度目かのコンパの折にどういう経緯(いきさつ)があったか、松須さんが帆立の貝殻を握り割った。すると掌が切れて血が出てきたが、そのあと酒のあてがないとなったときに『ん、わしゃこの血ィなめもって呑むからええで』と言って自分の手をなめなめ杯を重ねていく。なんだかエライところに仲間入りをしたような気がした。ある朝学食横のソフトドリンクコーナーの前でうずくまる人がある。見ると松須さんで、青白い顔をして聞こえるか聞こえないかくらいの声で『うぅぅ』とうめいている。相当に呑み過ぎたというのは一目瞭然である。それはそうだ。その現場に同席していたんだから、こっちも少し大変なことになっている。放っておくわけにもいかないので声をかけると『うおう』と言って立ち上がり、『んっ、松ちゃんはもう大丈夫や、んぬははは』と言いながらいずこへともなく去っていく。口さがない石地先輩によると『実はガラスのハート』なんだそうだが、そのときもなんだかエライところに仲間入りをしたような気がした。松須さん主催で、1回生の『通過儀礼』があるという。躊躇する女の子も有無を言わさず参加させ、千本日活で映画鑑賞の後、千本通沿いの飲み屋ではしごするというセクハラまがいの『千本ツアー』がそれである。千本通沿いに全部で何軒あるのか知らないが、そう何軒も回れるものではなかろう。

 決行の日、自宅待機を命ぜられた。少し前に松須さんとか石地さんとか何人かの先輩が飲み会のあとウチに来たとき、『あぁ、お前の部屋はええなぁ、なんや落ち着くわぁ』といたく気に入った様子、嫌な予感がしないでもなかった。しょうがないので部屋でつくねんとしていると、石地さんが来る、会津さんが来る、宇津平さんから古邑さんまでやってきて、綿部さんもいただろうか、酒が持ち込まれ、あてが広げられた。電話が鳴ると誰が出たのか『OKですよ』とか答えている。誰や?『OK』てなんや?

 そんなことは一言も聞かされてはいなかったが、築数十年木造の元置屋が歴史遺産として千本ツアーに組み込まれたらしい。やがてがやがやと人声が聞こえて、『わっしやぁ』という声と共にノックの音がした。ドアを開けると松須さんを先頭に何人かの同期がヌボーっと立っている。ほかに学生はいない下宿屋の廊下で騒がれるわけにいかないので即座に招き入れたのはよかったが、いくら京間で間取りが広いといえども、たかだか三畳と四畳のふた間である。十人以上に入ってこられてははたまったものではない。それが思い思いに酒を呑み、だべり、タバコが切れたと言えば表の自販機に降りて行き、酒が切れたと言えば買出しに出かけるなどやりたい放題である。こっちも酒が回るにつれて、もうどうにでもなりやがったらええがな、てなもんでぐずぐずになっている。バスがなくなるまでに女の子を帰らせ、会津さんと古邑さんが嵐電の終電で帰っていって、そのあたりでお開きになった(と思う)ので、それほど深夜に及んだというわけではないが、始めたのがまだ明るいうちだった。何人かはぶっ倒れて雑魚寝状態となり、何人かはちびちびと呑んでいた。
「あぁ、やっぱりこの部屋はえぇなぁ」
「な、せやろ」
賃貸契約を結んでいる本人以上にくつろいだ先輩たちによる綿密な相談の結果、なぜか自分の部屋に自分のものではない酒がキープされることになり、以降わが家は先輩、同期、後輩と代々宴のあとで落ち着く場所として重宝されることとなる。そういうのは嫌いではないので結局卒業まで引っ越さずにいたが、防音など一切施されていない木造家屋でのこと、相当迷惑だったはずなのに叩き出されることもなく過ごせたのはありがたいことである。

テレビ de 授業

2010-12-03 08:41:18 | あすなろ予備校
むむむ、2022FIFAワールドカップ開催国、カタールになったか~!

・・・な朝を迎えた12月3日、皆さんのご機嫌はいかが?
日本のプレゼンの出来もよさそうだったし、
「ひょっとしたら!?」という期待があったのですが・・・
でも、ちょっと行ってみたくなりますよね、中東カタール。
国民一人当たりのGDPは日本の抜いて4位って、
すさまじくインフラ整っていそうですな。
(ちなみに国民一人当たりのGDP1位はルクセンブルク)


かんわきゅうだい


大学入試を目指す皆さんにはちょっと関係がないですが、今年も

テレビ de 授業

でわたくし谷川、テレビに出ます!しかも30分の大枠だ!

毎年毎年、高校入試対策としてオリジナルの問題を5教科で作って、

問題は新聞に掲載
解説授業をテレビで放映

というのをやっているんですよ。

で、今回扱ったテーマは大学入試でも必須の

欧米と日本の自然観

を扱うので、皆さんにまるっきり関係ない話ではない、かと思います。

よろしかったらぜひ見てくださいな

あすなろ予備校 県立高校入試直前演習講座


12月12日(日)10:00~11:00
高校入試対策の5教科実戦問題をNCNにて詳しく解説!
国語 10:00~10:30
数学 10:30~11:00


(15時・20時よりリピート放送)

日本海ケーブルネットワークテレビ
アナログ9ch デジタル11ch
http://www.ncn-catv.ne.jp/



ポンチとポール

2010-12-02 17:25:17 | 洛中洛外野放図
 最近はどうだか知らないけれど、京都の喫茶店ではほぼ確実に甘ったるいアイスコーヒーが出てきたので、『ガム抜き』を明言しておかないと後悔の臍(ほぞ)を嚙むことになるが、『無理です』と言われることも結構あった。何度目かで懲りたので、喫茶店では暑い時期でもホットコーヒーを飲むことに決めた。

 高瀬川のほとりのソワレはレトロを絵に描いたような店で、昭和23年開店というのでそれはそうなんだが、『ゼリーポンチ』という冗談みたいなメニュウがある。何が冗談みたいかって、グラスに注いだサイダーの中に1cm角くらいの、色とりどりの立方体のゼリーがコロコロと入れてあり、光を透かして見るとそれが綺麗なのだ。喫茶店にはコーヒーを飲みに行くので、同席の連れが注文すればそれを向かいで眺めているだけだけれど、甘いものは得意でないし、なんといってもぷにゅんぷにゅん、ぷるんぷるん、にゅるんにゅるんと形容できそうな食感は苦手なので、ゼリーなんどはもってのほかだ。あれは眺めておくメニュウである。そこから四条通を渡って南側に行くとフランソアがある。昭和ヒトケタから続くと聞いた。内装は豪華客船の船室を模してイタリアバロック調でまとめてあるというが、そんなことはわからないけれどもゆったりと落ち着いて過ごすことができる。河原町三条から少し下がった東側にある六曜社珈琲店も戦後間もない頃から営業しているという古い店で、一階と地下に店舗があり、夕方には地下がバータイムになる。マッチ箱のデザインがかわいらしくて、書かれている手書き文字の店名の『曜』の字は日偏に玉を書く略字になっている。自家製のドーナツがおいしいらしい。らしいというのは、喫茶店にはコーヒーを飲みに行くので、同席の連れが注文すればそれを向かいで眺めているだけだからだ。

 淳久堂だとか、今はもうなくなっているらしい河原町の丸善だとかに出かけて、ここの話になると大概の人が梶井基次郎『檸檬』の話題を持ち出して『果物屋を探した』と言う。モデルとなったのは『フルーツパーラー八百卯(やおう)』というところで、2009年に閉店された*1そうだが、買い物はしなかったけれど見物はした。ともあれ繁華街周辺の大型書店で近所の書店では扱ってないような本をいろいろと見て回ったり、メディアショップで細ごまとした買い物をしたり、骨董店Wright商会をひやかしたり、ここは喫茶もやっていて、昆布茶をたのむとかりんとうがついてきた。カルピスやアイスコーヒーには同じもので作った氷を入れてくれるので薄まることがなく、『最後までおいしい』らしい。らしいというのは―、もういいね。

 祇園会館で見たい映画がかかると、出かけたついでに上記のあたりその他をいろいろと物色してまわる。映画は一人で観ることにしていたが、たまに誰かと誘い合って行くことがある。または映画の好みの似通った人にばったり出くわすこともある。そんなときは『すんだらメシ食いに行きましょか』ということになるのだが、不思議と四条河原町近辺や新京極など、繁華街界隈で『食事』をしたという記憶はあまりない。おそらく夕方までぶらぶらして居酒屋に入ってお酒を呑んでいたからだろう。相手によってそれまでいろいろと散策をしたり、大学近辺まで戻って本腰を入れたりした。おかげでうわさに聞いた新京極ムラセの『わらじとんかつ』も食ったことがない。

 祇園会館の前から三条通に向かっていくと、左手、東大路通の西側に当時は何の紛糾もなかったハンドメイドのかばんメーカーがある。キャンバス地で丁寧に縫製されたかばんは飽きが来ないデザインで、20年近く愛用してもまだ現役で活躍しているほど頑丈にできている(それだけに現在の休業が惜しまれる)。さらに進むと同じ並びに古い木造家屋があって、南の細い通りに面した黒い板壁の、二階の高さのところにいくつか水車が引っ掛けてあり、その下には植木鉢だか火鉢だか、大きな焼き物の壊れたのやら壊れてないのやらが山と積まれていて、時代劇でしか見ないような木製の大八車も立て掛けられている。東大路通に面した玄関と思しき開口部の軒下には古ぼけたコートや着物が所狭しと吊るされ、柱時計もいくつか掛かっていようかという『混沌』の二文字を具現化したかのような古道具屋があった。ぶら下がっているものの重みでいつ崩れるかとはらはらするので、ここはいつも東大路通の対岸から眺めた。そのまま三条通まで行くとまだ地下鉄東西線の影も形もなかった頃で、路面を軌道が走っていた。それを渡って東へ3筋目を左へ、そのまま細い川に沿った小道を進むと、左側に国立近代美術館、その奥に府立図書館、右側に京都市美術館などがあり、その向こうに平安神宮の鳥居を眺めながら右に折れると岡崎動物園にたどりつく。

 何の目的があるわけでもなく、ただ動物を眺めによく通った。正面入り口を入って右側のキリンを見上げ、そのまま反時計回りに園内をうろつく。当時サル山は上から見下ろすようなつくりになっていて、元気に暴れまわるのを眺めていると『あぁ、そのとおりだ』という気になって、少々の気がかりなんぞはどうでもよくなってくる。ホッキョクグマのポールくん(当『洛中洛外野放図』では、私人については原則仮名としているが、動物園内の固有名詞はすべて実名である)は毎年夏になると『大津市内の会社員』から大きな氷を寄贈してもらって、それを抱いたままプールで泳ぐさまがKBS京都テレビをはじめ夕方のローカルニュースで映し出される。寒いところの出身者には京都の夏は気の毒なほどで、そのニュースを見てちょっとホッとしたりする。しかしその『会社員』も毎年毎年、ご奇特なことであったのだが、残念なことにポールくんは2009年に34歳で亡くなってしまったという*2。生前の彼は見に行くと必ずプールサイドで長ーくなっていた。この動物園で生まれたゴリラの京太郎くんと目が合うことが多くて、何度目からか『をっ』と声をかけられることもあった。威嚇されていたのかしらん。日中は隣同士のトラもライオンもやる気がない感じで、『オシッコを飛ばすことがあります』という、注意の仕様のない注意書きが立てられていた。同じネコ科でもなぜか離れたところに檻の置かれているジャガーのほうがずっと凛凛しかった。 たぶん午後2時ごろだったか、アシカのお食事ショーが見られたと思う。それから象を見て、最後はかばの継美ちゃんでシメた。でっかい図体して目がかわいいのである。ただしほかのかばとの見分けなんぞつくべくもないが。

 連れがあるときはここにたどりつくまでの間にどこで呑もうかという相談がまとまっていて、上記のルートの逆を辿って夜の巷へと紛れ込んでいくのであった。

参考 *1:http://www.news.janjan.jp/area/0902/0902016647/1.php
*2:京都市動物園公式サイトhttp://www5.city.kyoto.jp/zoo/

冬期講座WEB受付開始!

2010-12-01 14:08:02 | あすなろ予備校
ついに12月突入!
師も忙しさのあまり目を回しながら走りまわる師走です!


高3・高卒生はセンター試験まで残り45日!


そんなわけで


本日17時よりあすなろ予備校の冬期講座は受付開始です!!

夏期講座同様、冬期講座も、90分授業が3日間連続で完結する短期型の講座になっています。

国公立受験生はこの時期、
5教科をまんべんなくこなす!やり残し、手つかずを作らない!
ことが重要になってきます。
一人での勉強はどうしても好きな教科に集中して嫌いな教科を放置する偏りが生じがちですので、冬期講座をうまく活用してください。

もちろん、新進気鋭の熱血講師による白熱授業で日ごろの疑問も一挙解決


今年から短期講座はWEB上でも受け付けております。
WEBでの申込をもちまして仮申込とさせていただきますので、
校外生の方は申し込み後一週間以内にあすなろ予備校窓口にて受講料金をお支払いください。
http://www.asunaro-yobiko.com/kaki/


本番間近、「関門」を乗り越えろ、受験生!!