ウエスティに猫な日々

日々の料理と外食、趣味の熱帯魚と読んだ本の感想と我が家の犬と猫の話。
ほか、日々のちよっとした独り言。

「 微笑む人 」  貫井 徳郎

2016-05-22 16:40:55 | 
      「 微笑む人 」    貫井 徳郎

     

新聞広告で、〔 ミステリーの常識を超えた衝撃作!! ー理解できない犯罪が一番怖いー 戦慄のラストに驚愕必至! 〕と書いてあったので、3月に図書館に即リクエスト。

最近のサスペンスやドラマを観ていても、殺害動機があまりにも軽すぎるなと感じていました。
テレビでは、言われた言葉にかっとなって花瓶や灰皿で殴る。 ゆすられて反対に殺してしまう。 相手の気持ちを勘違いして憎しみを募らし殺すなどなどで、
揉み合って倒れて頭を打ったり、階段から転げ落ちたり、崖から海に落ちたり、屋上から落ちたり、家元争いは毒で殺されたりとマンネリ化。
現実では、そんな場所で話はしないと思うし、何か言われてもその一言で相手を殺すほどには腹も立たないし、よっぽどでないと殺人など起きないと思っていましたが、
最近では理解できない殺人が増えています。 この本も、妻子殺害の動機は「 本が増えて家が手狭になったから 」???
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仁藤俊美はエリート銀行員。 三高で人柄もよく、真面目で仕事ができ、端正な顔立ちで、元同僚の妻・翔子と娘・亜美菜と幸せに暮らしていた。
或る日3人で出かけた川で妻と娘が水難事故に会う。 単なる事故で処理されかけたが、目撃者の通報で一転殺人事件になる。
仁藤は二人を殺したことを認め、動機が「 本が増えて、家が手狭になったから。」と供述する。
作家がこの事件を調べ、ノンフィクションを書くため、周辺の取材を始めるが、周りの誰も彼を悪く言う人がいなく、原因が全く分からない。
大学、高校、小学校時代と調べていくうち、周りでいくつかの事件があり何人かが亡くなっている事がわかる。調べていくうち、小学校時代の友人ショウコに行きつく。

ゲーム欲しさに友人を事故に見せかけ殺したのか。 隣りの犬が嫌で、その家族を殺したのか。 昇進するため、上司を殺したのか。
3件の出来事は事故なのか、本当は彼が事件に関わっているのか?  彼がなぜ妻子を殺したのか?  謎は深まるばかり。
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小学校時代の友人のショウコさん、大学時代のショウコさん、奥さんのショウコさん。3人のショウコさんの出現でますます混乱。
小学校時代のショウコさんとの出来事が、彼の人格形成に関わっているのか。
後数ページになってもショウコさんの話で、仁藤の動機はどうなっているのかと思いながら読み終わりましたが、結局、何も分からず謎だらけのまま終わってしまいました。
2時間ドラマのサスペンスは、事件が起きて因果関係が明らかになり、犯人は必ず捕まり解決しますが、現実に起こる殺人は余りにも短絡的なものや、複雑で他人には理解できない事が多いです。
人を殺すという時点で、本人も普通の心理状態で無いんだから、明確な答えは出ないのかも。
だから、この本は、読者に自分で考えさせるようになっているんだな。 モヤモヤ 



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  ありがとうございます 
 
コメント
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