「 異類婚姻譚 」 本谷 有希子
第154回芥川賞受賞作。 表題作と3篇の短編が収録されています。
今まで、神話もファンタジーも童話もホラーもいろいろ読みましたが、あまりにもユニーク過ぎて不思議な物語で、読み終わって、何だったの?って感じです。
作者は30代半ばの女性で、文章はわかりやすくスラスラ読めましたが、私の固い頭には、内容が世にも奇妙な物語風でした。
「 異類婚姻譚 」 ネタバレ
最近、夫と顔が似てきたと感じる。 夫の顔は気を抜くと配置が微妙に変化していて、気づくと元に戻る。
携帯ゲームに興じたり、揚げ物にはまって毎日揚げ物を揚げたり、仕事に行かず閉じこもったり、とうとう妻に同化しようとする。
「 自分の好きなものになりなさい 」と言ったら、山芍薬になってしまい、群馬の山奥に還しに行き、そばで咲いてた竜胆と並べて植えて帰る。
翌年の晩春に会いに行くと、2つの花は見事に花を咲かせていた。
~~~~~~~
優しいけれど家では何にもしない子供のようなご主人。 道端で癖の痰をはいて、その前の家の住民に叱られてもサンちゃん(奥さん)に助けを求める頼りなさ。
夫婦の相性は他の人には分からないので、本人たちが良ければそれでよしですが、それより私は、同じマンションの住人のキタヱさん夫婦の11歳の猫の方が気になりました。
1年ほど前から所かまわずおしっこをするようになり、困り果てた夫婦は山に捨てることに決め、サンちゃんに相談して山を探してもらいます。
サンちゃんと一緒に、夫婦は泣く泣く猫のサンショを群馬の山奥に捨ててきます。 なんてことを、、、、 信じられない
今では、ご主人もその山で咲いているんですが、、、どう読んでいいのか難しいです。
「 犬たち 」
ある仕事を引き受け山小屋にこもることになり、友人から借りた山小屋に行くと、そこには何十匹もの白い犬がいた。
麓の町に買い出しに出かけると、町の人は「 犬には用心するように 」と教えてくれた。 次々と人が行方不明になっていると。
町の人にも友人にも犬のことは秘密にしておいた。
犬たちは彼女のまえでは食べ物を食べず、井戸の水だけを飲む。 犬の後をつけていくと氷の池で不思議な行動をとっていた。
或る日、井戸に飛び込んだ犬(パストラミ)を助け、犬たちから「 合格だな 」と言われる。
友人が訪ねてくる約束なのに来ないので町まで様子を見に出かけると、町には人の気配はなく突然消えたように誰もいなくなっていた。
~~~~~~~
この町は昔から犬を飼っている家はなく、過去にも大量に人がいなくなる事件が起きているそうですが、どうなっているのかわかりません。
みんな犬になってしまうのか? 何処へ行ってしまったのか?
「 トモ子のバームクーヘン 」
現実世界と架空の世界?
「 藁の夫 」
夫は藁で人間のように巻き上げられていて、目も鼻も口もなかった。
友人は考え直すように忠告したが、彼が誰よりも明るく、優しい藁だったので自分の意志で結婚した。
或る日、夫婦で出かけ、トモ子がシートベルトを外すとき車に当てドアが少しへこんだ。
帰ってからずっとそのことで小言を言い始めた夫の藁の隙間からたくさんの種類の楽器がこぼれ出し、ただの藁になってしまった。
このまま燃やしてしまえばと空想するが、トモ子は、慌てて楽器をすくって彼の体の隙間から戻すと夫はもとに戻り仲直り。
~~~~~~~
昔話で雪女や、蛇のお嫁さんが正体を見破られ子供に目玉を残して池に帰る話や、キツネやタヌキなど、動物も人間と結婚するんだから、藁もありかな。
作者は、若い頃から数々の賞を受け、大江健三郎賞や三島由紀夫賞も受けています。そして今回の芥川賞!
奇想天外の物語を書く作家さんなんだなあ。 私の頭が付いて行ってないけれど、評価は高いようです。 もう一冊読んでみましょう。
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ありがとうございます
第154回芥川賞受賞作。 表題作と3篇の短編が収録されています。
今まで、神話もファンタジーも童話もホラーもいろいろ読みましたが、あまりにもユニーク過ぎて不思議な物語で、読み終わって、何だったの?って感じです。
作者は30代半ばの女性で、文章はわかりやすくスラスラ読めましたが、私の固い頭には、内容が世にも奇妙な物語風でした。
「 異類婚姻譚 」 ネタバレ
最近、夫と顔が似てきたと感じる。 夫の顔は気を抜くと配置が微妙に変化していて、気づくと元に戻る。
携帯ゲームに興じたり、揚げ物にはまって毎日揚げ物を揚げたり、仕事に行かず閉じこもったり、とうとう妻に同化しようとする。
「 自分の好きなものになりなさい 」と言ったら、山芍薬になってしまい、群馬の山奥に還しに行き、そばで咲いてた竜胆と並べて植えて帰る。
翌年の晩春に会いに行くと、2つの花は見事に花を咲かせていた。
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優しいけれど家では何にもしない子供のようなご主人。 道端で癖の痰をはいて、その前の家の住民に叱られてもサンちゃん(奥さん)に助けを求める頼りなさ。
夫婦の相性は他の人には分からないので、本人たちが良ければそれでよしですが、それより私は、同じマンションの住人のキタヱさん夫婦の11歳の猫の方が気になりました。
1年ほど前から所かまわずおしっこをするようになり、困り果てた夫婦は山に捨てることに決め、サンちゃんに相談して山を探してもらいます。
サンちゃんと一緒に、夫婦は泣く泣く猫のサンショを群馬の山奥に捨ててきます。 なんてことを、、、、 信じられない
今では、ご主人もその山で咲いているんですが、、、どう読んでいいのか難しいです。
「 犬たち 」
ある仕事を引き受け山小屋にこもることになり、友人から借りた山小屋に行くと、そこには何十匹もの白い犬がいた。
麓の町に買い出しに出かけると、町の人は「 犬には用心するように 」と教えてくれた。 次々と人が行方不明になっていると。
町の人にも友人にも犬のことは秘密にしておいた。
犬たちは彼女のまえでは食べ物を食べず、井戸の水だけを飲む。 犬の後をつけていくと氷の池で不思議な行動をとっていた。
或る日、井戸に飛び込んだ犬(パストラミ)を助け、犬たちから「 合格だな 」と言われる。
友人が訪ねてくる約束なのに来ないので町まで様子を見に出かけると、町には人の気配はなく突然消えたように誰もいなくなっていた。
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この町は昔から犬を飼っている家はなく、過去にも大量に人がいなくなる事件が起きているそうですが、どうなっているのかわかりません。
みんな犬になってしまうのか? 何処へ行ってしまったのか?
「 トモ子のバームクーヘン 」
現実世界と架空の世界?
「 藁の夫 」
夫は藁で人間のように巻き上げられていて、目も鼻も口もなかった。
友人は考え直すように忠告したが、彼が誰よりも明るく、優しい藁だったので自分の意志で結婚した。
或る日、夫婦で出かけ、トモ子がシートベルトを外すとき車に当てドアが少しへこんだ。
帰ってからずっとそのことで小言を言い始めた夫の藁の隙間からたくさんの種類の楽器がこぼれ出し、ただの藁になってしまった。
このまま燃やしてしまえばと空想するが、トモ子は、慌てて楽器をすくって彼の体の隙間から戻すと夫はもとに戻り仲直り。
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昔話で雪女や、蛇のお嫁さんが正体を見破られ子供に目玉を残して池に帰る話や、キツネやタヌキなど、動物も人間と結婚するんだから、藁もありかな。
作者は、若い頃から数々の賞を受け、大江健三郎賞や三島由紀夫賞も受けています。そして今回の芥川賞!
奇想天外の物語を書く作家さんなんだなあ。 私の頭が付いて行ってないけれど、評価は高いようです。 もう一冊読んでみましょう。
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