ウエスティに猫な日々

日々の料理と外食、趣味の熱帯魚と読んだ本の感想と我が家の犬と猫の話。
ほか、日々のちよっとした独り言。

 「 トット ひとり 」  黒柳 徹子

2016-12-17 15:37:57 | 
      「 トット ひとり 」   黒柳 徹子  

         

図書館のお薦めの棚で見つけ借りてきました。 黒柳さんの本は30数年前に「 窓ぎわのトットちゃん 」を読んで以来です。
最近のテレビで黒柳さんを拝見して、お互いの過ぎ去りし年月を感じていた時なので思わず手に取りました。
「 窓ぎわのトットちゃん 」は、いわさきちひろさんの表紙と挿絵で、読みやすく面白く読みました。

小学生の頃から少し変わった子で、区立小学校を退学になり、トモエ学園という廃車の電車を利用した学校で、のびのびと過ごしたことが書かれていました。
家庭的にも恵まれ、立派なご両親のおかげで素晴らしい小林先生のトモエ学園に入学でき、徹子さんの人生は幸せにスタートしたんだなと思いました。
その当時はまだ今のように徹子さんのような子供のことは周りに広く理解されていなくて、迷惑な子としか認識されていなかったときに、すばやい対応をされたご両親と、
「 君は本当はいい子なんだよ 」と、何時間でも話を聞いてくださった小林先生に感動を覚えました。
もし違う環境に生まれていたら、今の黒柳さんはなかったと思います。 
 
乙武洋匡さんの「 五体不満足 」を読んだ時も、 彼を初めて抱いて「 かわいい 」と言われたお母様に感動しました。
自分自身は、手探りながら自身が子供の頃にして欲しかった事や、やりたかったことを考えながら一生懸命に育てましたが、今さらながら反省することばかりです。
子育ては本当に難しいです。 

前置きが長くなりましたが、「 トットひとり 」は黒柳さんがテレビ女優第1号としてNHKに採用されてから現在までのことを「 小説新潮 」に掲載してこられたエッセイです。
私が小さいときに、子供が寂しいだろうと父が早くにテレビを買ってくれたので、それ以来、テレビと一緒に育ちました。 今もテレビがお友だちです。
毎週楽しみに観ていた「 ザ・ベストテン 」を作ったプロデュ―サー山田さんや久米さんと歌手の皆さんの裏話。 
向田邦子さん、久世光彦さん、森重久弥さん、渥美清さん、沢村貞子さん、山岡久乃さん、池内淳子さん、井上ひさしさん、つかこうへいさんたちとの幅広い交友が書かれています。
そのほか登場人物の名前が、子供の頃から青春時代に見聞きしていた懐かしい人達ばかりで、黒柳さんの交流の広さと、みんなから可愛がられていた人柄がうかがわれます。 
今まで、「 徹子の部屋 」が続いているのもうなづけました。 タマネギ頭の誕生も面白い。
賀原夏子さんの壮絶な死にざま。 杉浦直樹さんも懐かしい。 ひと時、若い頃に戻りました。
80歳を超えた黒柳さんが、たくさんの知人友人との別れを経験され、それでもさみしさを乗り越え、颯爽と前を向いて今日も進んでいかれる姿に拍手です。

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