エイプリル・フールということで、大口叩きのMorrissey率いたThe Smithsのセカンド(85年)です。
The Smithsといえば「唯一、信頼できるバンド」、「80年代中期英国の良心」だったわけですが、また同時に女々しく自閉症的でもありました。このアルバムではボーナス・トラックの名シングル曲「How Soon Is Now?」を含めた全10曲中、実に6曲の歌詞の中に「die」という単語が出てきます。残る4曲のうち2曲で「death」、「kill」が出てきます。最後に残った2曲も教師にいじめられる学生時代と、家庭内暴力の曲です。
この後の名作サード・アルバム「The Queen Is Dead」(86年)に比べると、全体的にはややインパクトに欠ける気もしますが、傑作であることは間違いないです。個人的なベスト・トラックはカントリー風の「Rusholme Ruffians」。他では「Well I Wonder」や「I Want The One I Can't Have」、「Barbarism Begins At Home」あたり。Johnny Marrの作る音楽は確実に進化しています。このセカンドも次のサードもなぜかタイトル曲は少し苦手ですが。
Morrisseyの書く詞も冴え渡っています。よく意味がわからないながらも素敵なフレーズが次々と飛び出す「Rusholme Ruffians」、女王に向かってズボンを下ろしたいという「Nowhere Fast」、そして死というテーマを扱いながらも得意のユーモア感覚を織り交ぜ全く暗くはなく、逆に共感を呼び起こさせてしまう(それも実にさりげなく)ところはさすがです。
なんとなく思い出しましたが、当時のある雑誌の注釈に「The Smithsとは、ヨーデルのような歌い方で何かと♪マンチェスタ~♪と歌いたがるバンドのこと」とありました。
YouTubeには、収録曲をまとめて投稿しているご親切な人がいました。
The Headmaster Ritual
http://www.youtube.com/watch?v=Cz3oMaN_ZFg
Rusholme Ruffians
http://www.youtube.com/watch?v=WyAijQH8-UE
I Want The One I Can't Have
http://www.youtube.com/watch?v=FgU6DhMEqpg
What She Said
http://www.youtube.com/watch?v=NBj18W3zu-s
That Joke Isn't Funny Anymore
http://www.youtube.com/watch?v=1xIleF3Dm-Y
How Soon Is Now?
http://www.youtube.com/watch?v=S4_g_pRTGnQ
Nowhere Fast
http://www.youtube.com/watch?v=HRTOtCCm-Ns
Well I Wonder
http://www.youtube.com/watch?v=-sfEbekdSB8
Barbarism Begins At Home
http://www.youtube.com/watch?v=NtpDEEs4lHU
Meat Is Murder
http://www.youtube.com/watch?v=yAVM3sJ6Gc8
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