原田マハさんの「美しき愚かものたちのタブロー」は単行本で出た時から読みたいと思っていた。
あれから何年? やっと文庫本になったので買って来た。
「美しき愚かものたちのタブロー」⇒(原田マハ作)
主人公は、美術史家の田代雄一。
戦前には東京美術学校教授、帝国美術院付属美術研究所の所長などを歴任し、戦後は政府からの要請で文化財保護委員となった。
還暦を過ぎてそろそろ一線を退こうとしたところ、当時の首相・吉田茂から直々に松方コレクションをフランスから取り戻して欲しいと頼まれる。
松方コレクションの持ち主・松方幸次郎(河崎造船所社長)は、日本に西洋美術館を作るためにタブロー(絵画)を集めたが、タブローは第二次世界大戦でフランスと日本に二分されていたのだった。
田代は松方に頼まれて一緒にタブローを探した一人だった。
田代雄一、松方幸次郎、吉田茂に続いて、戦時中に松方コレクションを守った日置釭三郎が松方コレクションにどうかかわったのか?などが書かれている。
田代雄一は実在の矢代幸雄と重なる。
美術小説。
感想:国立西洋美術館が出来るまでの話なんやけど.....。
松方幸次郎って凄い人物やったんやなぁ~って思った。
松方はタブローに魅せられ、周りの人は松方に魅せられたんやろう。
小説とは言え、実話に近い小説やから面白いんやと思うわ。
ほぼ一気読み。