脱力日記

スポーツ、本、映画ときどき仕事。自分の身の回りにある、ふとしたことを書き留めたいと思います。気軽にコメント下さい。

両立

2012-06-29 01:14:31 | 日記
映画「もしドラ」にこんな場面があります。

AKBのあっちゃん演じる主人公に、重病で入院している親友がこう問いかけます。

結果より一緒懸命にやるプロセスが大事だと思わない?

あっちゃんの返答は

甲子園を目指してマネージャーを始めたのだから、絶対に優勝しなければ意味がない。プロセスなんかどうでもいい…。

高校の野球部を強くするために、頑張ってきた2人の意見が初めて食い違うという場面でした。

その数日後、自分の死期を悟っていた友人は亡くなります。その時あっちゃんは気づいてしまう訳です。

「死=結果」が来ることが分かっていたのに「プロセス=生きること」に全力で戦っていた友を自分の発言で傷つけてしまっていたんだ…。

さてユーロのスペイン対ポルトガルです。

前線からの勇気あるプレッシャーで、主導権を握っていたのはポルトガルでした。採点競技なら確実に勝者でしょう。しかしセスクのPKで決勝に進んだのはスペインでした。

今大会、スペインのサッカーは退屈だと言われています。横パスばかりで、ゴールに向かう攻めが少ない。

そんな声に、セルヒオラモスは1次リーグ戦後こう反論しています。

リーグ戦で苦戦したことなんてどうでもいい。誰もそんなことは覚えていないよ。大事なのは決勝トーナメント。これからだ。

内容と結果の両立。
そんな偉業を果たしてきたのはスポーツの歴史でもひと握りのチームしかありません。

近年のスペイン代表とその根幹を支えるバルセロナ。
W杯とユーロを制したジダンがいたころのフランス代表。
そのジダンの脇をフィーゴ、ラウルが固めていた銀河系のレアル。
そしてファンバステンが全盛期だったサッキ時代のミランも範疇か。

バスケットなら、ジョーダンがいた頃のブルズでしょうか。

美しく戦って散るか
醜く戦っても生き残るか

準決勝もう一つのカードも、このテーマで見ると一段と魅力あるものになります。

面白いサッカーをしているとされるドイツとイタリア。しかし、ファイナルが目の前にぶら下がった状態で、内容と結果を両立させることができるでしょうか?

あっちゃんにマネジメント学を教えたピーター・ドラッカーはこんな言葉を残しています。

成果とは常に成功することではない。そこには、間違いや失敗を許す余地がなければならない。

将来のサッカーか、現在の結果か。それとも両方か。

最高レベルの戦いだからこそ、その選択は難しく、見るものをより深く考えさせるのかもしれません。



敬意

2012-06-24 06:17:52 | 日記
スペイン対フランス。

セルジオ越後の口調を借りるまでもなく、

あ~大凡戦だよ~。

決勝トーナメントにはありがちな展開でしたが、あまりにまずかったのはフランスの行儀のよさ。
スペインに敬意を払うのはいいけれど、サイドバック二人を置いた布陣はいただけない。

南アW杯の悲劇があったから、フランスに期待している人はいないのだから、失うものなんてなかったのになぁ。変わるチャンスだったのに…。ブランの監督人生はお先真っ暗でしょう。

危険なプレーをしていたのは、リベリだけ。仕掛けなきゃイニエスタも、シャビも本気を出してくれまへん。

恋愛にだって、仕事にだって情熱が一番大事。そのことだけを痛感できた90分。

気の抜けたシャンパンに、スペインワインもお付き合いの酔えない夜。

ルーニー、バロテッリ、カッサーノそしてCロナウド。

やはり、ドラマには主役に抗うヒール。悪童が必要なようで。

残す所あと4戦、心が揺さぶられる試合は来るのか?ちと不安。

真逆

2012-06-22 01:23:56 | 日記
 今田耕司とノバク・ジョコビッチ。あまりに別世界の2人ですが、テレビで共通点を見つけちゃいましたので、軽くご紹介。

まずはお笑いの名司会者・今田耕司から。

後輩・宮川大輔と真面目に語るという番組中の一コマ。

モットーは何ですか?

そんな問いに今ちゃんは生真面目に答えました。

不自然でいることかなぁ。しんどい時に、しんどいって言うてたら仕事にならへんもんなぁ。逆に元気にみせるようにしてるわぁ。

かなり代わって、お次はノバク・ジョコビッチ。
こちらは、少し説明を加えましょうか。

セルビア出身の男子テニスプレーヤー。呼吸が苦しくなる食物アレルギーを克服し、昨年の四大大会で3勝。ナダル、フェデラーの2強時代を崩して、現在世界ランク1位、乗りに乗っている選手です。

この男のモットーは

苦境に陥った時ほど笑う。怖い顔を作るのではなく、笑う、です。

四大大会の決勝でフェデラーにマッチポイントを握られた時にニヤ~。

ナダルに負けて準優勝に終わった表彰式でもニヤ~。

感情とは真逆の表情を、わざと浮かべて見せる。

その理由は、セルビアがNATOから受けた空爆が影響しているようです。青年期、彼の周りにあった数多くの悲劇や絶望は、大変な時にこそ、笑顔でいられる強力なメンタルを育てることになった。

深刻ぶっても仕方ない。人生は楽しむもの。

しんどい時こそ笑顔。
追い込まれた時こそ笑顔。

今、そんな真逆の法則に私も挑戦中ですが、何とも感情のコントロールが難しい。

どうでもいいことでスネてる上司の横で、作り笑顔を浮かべるのはねぇ…。修行が全くたりません。

遊び

2012-06-22 01:00:10 | 日記
少し古くなりますが、スペイン対クロアチアで。

画像はスペインのスポーツ紙、スポルトの1面。バルサ寄りの新聞なので見出しは

セスク反論。救った。
でありました。

これはデルボスケが0トップではなく、トーレスを使ったことに対する皮肉が込められているわけで。まぁ最後までバルサ寄りであります。

いやぁ~、にしても驚いた。私。
スペインの苦戦ではなく、クロアチアの奮闘ではなく、あの決勝ゴールにです。

普通セスク打ちますよ。終了5分前で、0-0ですから。しかもあなた交代出場じゃないの。で、ループパスっすか…。

それを受けた、イニエスタもしれ~っと、へススナバスに並行パスって。お~い、打てよ。キーパーと1対1じゃん。しかもパスはオフサイドぎりぎり。ん、もう…オシャレにも程があるわよ。1分で2度驚いた。

少々、取り乱しましたがこれこそがスペインの強さであると思います。恐れがない。敗退の可能性がある状況で、遊べる人達の集まりですから。たち悪過ぎです。

我が日本代表の本田くんがバルサには、メッシ以外に驚きがないとナンバー誌上で発言されていました。イニエスタが次にどうするか、大体分かる…。

ありゃりゃレーシック手術失敗したのかしら。少しワイルド発言が過ぎるぜぇ。毒。

さて、次はスウェーデンにまさかの敗戦を喫し全く余裕のないフランスとお手合わせ。

デルボスケさん、ここはやっぱり0トップで遊びましょうよ。

本田くん、いや世界のサッカーファンをビックリさせられるのは、スペインしかないのだから。

英雄

2012-06-12 07:54:53 | 日記
シェフチェンコ2発。
朝から凄く幸せなニュースです。

ミランで一世を風靡してから、チェルシーではガラクタ扱いされていたウクライナの英雄。

2007年に自国でのユーロ開催が決まってからの5年間、きっと今日この時のことを思って、体と向き合い筋肉をいじめてきたのでしょう。想像するだけで感服します。

「すごく良い感じだ。20歳になったみたいだよ。とても良い状態だね。これは僕たちにとって、歴史的な一戦だった。大きな勝利だよ」

ニアサイドのコーナキックに飛び込んだ逆転ヘッドは全盛期の迫力が蘇ったように見えました。

35歳、まだまだいけるぜ。

世界中の同世代が勇気をもらった魂の一撃いやニ撃。

チェルシーの後輩FWフェルナンドトーレスはどう見たか?

世界は一日で変わるのです。