Chef's Note

『シェフの落書きノート』

Pizza & Focaccia #1

2006-04-17 | 美味しいお話
ピッツァとフォカッチャ

イタリアンにリニューアルする時
薪窯(まきがま)を入れられず…
薪窯に対する拘りがあったためか作ってはいなかったのですが…
最近、少しづつメニューに入れ始めました。

薪窯で焼く時は、摂氏400度の高温で1分~1分30秒位の短時間で一気に焼く…。

ただオーブンで焼く場合は、オーブン内の温度は、300度位までしか上がらない。

高温で焼くと生地の底面や表面はカリッと…
中はモチっと焼きあがる。
こんな感じで焼けるとピッツァは、たまらなく美味しいものになる。

最近は、家庭でもコンロの上で薪窯で焼いたのと変わらない石窯があるらしい…。
今度購入して試してみようかな…。

薪窯

薪窯の中の写真(以前いたお店で使っていたもの)



右側に火が見えるが、ここに薪をいれて薪と灰で窯の中の温度調節をする。

薪が燃えている左側の平らの石の上でピッツァをパーレと呼ばれる柄のついたヘラでピッツァを置く。

まず、底面を焼いてピッツァを回転させ移動させる。
底面が焼けたらパーレでピッツァの上面を焼くために上に持ち上げる。

薪窯でピッツァやフォカッチャを焼くのはワクワクするほど楽しい!

そして生地は、とても重要…。
生地の優劣でイタリアンピッツァは、決まってしまうから…。

薪窯ではないハンデキャップがある分、生地の配合を少し柔らかい感じのレシピに変更した。

どうしてもオーブンで焼くと焼き時間が長くなってしまう為に、生地がかために焼きあがる。
それを解消するために少し水分を増量して柔らかい生地にした。

手伸ばしをした時に、なんなく短時間で生地が自由に伸びるように…。

麺棒で伸ばしても良いのだが、ピッツァの淵(エッジ)の部分にリムを作ることは難しい。

生地の端を内側に折り込むか、パイ皿にのせて焼く。
ここで使うパイ皿は、ブリキやアルマイト製のものを使うと良いと思う。
ステンレス製は、伝熱率が良くないから、伝熱率が良いものを選ぶのもポイント。


ピッツァは、大きくわけてふたつのタイプがある。
アメリカンタイプとイタリアンタイプ。

アメリカン・ピッツァは、具とチーズを食べさせる傾向があるが…。
イタリアンピッツァは、生地を楽しむ傾向が強い。

薄く伸ばした生地に具を沢山のせると生地が負けてしまう…。
イタリアンタイプのピッツァは、生地とソース、具のバランスが大切。

フォカッチャは、同じ生地を少し厚めに伸ばして…
パンとピッツァの中間の感覚で僕は焼いている。

以前に書いた記事『遙かなる道シルクロード 』に書いたように…
シルクロードを伝わった小麦粉文化。

インドやチベット地方のナンは、壷状の窯で壁に生地を貼り付けて焼く。
フォカッチャとナン…似ていますよね?

ナンは、生地を壷の壁に垂直に張り付いて焼くので、具やソースをのせるのは難しい…。
もし壷を横にして熱効率が得られたなら…
ナンは、フォカッチャとほとんど変わらないものになっていたのかもしれません…。

そういえば…カレーを食べる時にフォカッチャと一緒に食べたことは無かったな…
今度、フォカッチャと一緒にカレーを食べてみよう…。
ガラムマサラで作ったカレーを…。

次回、生地のレシピを書き出そうかと思っています。
このコラムに反響があるようだったら…ですけど…笑。





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