ここでは、社長 (寺川 勲雄) の介護日記を掲載しております。
はじまりは2007年ですが、当初のものより順次載せております。この介護日記は、みのりホームの 「ティータイム通信」 にて掲載し続けていたものですが、ぜひこちらでも紹介したく、掲載の運びとなりました。
※今回は、2010年、12月号に掲載の内容です。
「あ~おいしかった。こんなごちそう、初めてヨ!!」
仕事の都合で、早めの出勤をせねばならぬ私は、彼女に5時過ぎに起きてもらい、手間のかからぬパン食にしたのである。
メニューはスティック状のレーズン入りパン2本と食パン1枚をオーブンで温め、一口サイズにちぎり、食パンにはほんの少しハチミツをつけ、コップ半分づつのアセロラジュースと牛乳、フルーツヨーグルトである。珍しいものと云えばアセロラジュースくらいのもので、酸っぱいものの嫌いな彼女にはあまり出したことがない。アセロラ以外は手を抜く食事の定番メニューで、時々食べてもらっているのだが・・・。
察するに脂肪分と甘いものをドクターストップにかけられている彼女はチョピリパンについたハチミツに感動したのかもしれない。
思いっきり手抜きをしている私には彼女に「初めてのごちそう!!」などと云われると面映ゆい限りである。確か2~3日前もこんなメニューの筈である。
チョッピリのハチミツで「初めてのごちそう」と素直に云える認知症も考えようによれば有り難いものである。これと云った楽しみも無い彼女に満足のいくまで甘い物を食べさせてあげたいと思うけれど、そうも行かず、さりとて医者に「ご臨終です」と云われて出してあげても味もなければ、食べることも出来まい。
「クオリティ オブ ライフ」 とよく云われるが、生活の質を高め、維持しながらの最後を迎えると云う事は中々難しいものである。
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