シリア騒乱と修羅の世界情勢

第三次世界大戦を阻止するブログです。

ヘンリー王子とメーガン妃、退去命令は子どもたちの称号獲得が絶望的な証拠? 専門家が「見込みは低い」

2023年03月03日 | 国際社会

フロッグモアコテージから退去するよう通告されたことが報じられたヘンリー王子とメーガン妃。認める声明を発表した。

2023/03/02


メーガン妃(Meghan, Duchess of Sussex)、ヘンリー王子(Prince Henry)Chris JacksonGetty Images


チャールズ国王がヘンリー王子とメーガン妃に対してフロッグモアコテージから退去するよう求めたことが報じられた。ご存じの通りフロッグモアコテージはウィンザー城の領地内にあり、王子と妃がロイヤル時代に住んでいた家である。2人は王室離脱後もこのコテージをリースしていた。国王はヘンリー王子が回顧録『SPARE』を出版した翌日に退去通告を出したという。


この報道を王子と妃が認めた。代理人が新聞「ニューヨークポスト」に声明を発表、「フロッグモアコテージを明け渡すよう要請されたことをサセックス公爵夫妻に確認した」とコメントしている。


2018年にはこんな父子シーンも見られたのに……。チャールズ国王(King Charles)、ヘンリー王子(Prince Henry)WPA PoolGetty Images


王室専門家たちの中からは「これは単なる退去通告ではない」という声が上がっている。王子と妃は息子アーチーと娘リリベットに王子と王女の称号を与えるよう要求しているが、リチャード・フィッツウィリアムズはこの点に言及。新聞「エクスプレス」に退去通告は王子と妃を王室から切り離す表れだと示唆、「アーチーとリリベットに称号が与えられる可能性が極めて低いことを意味する」と指摘している。


またフィッツウィリアムズはヘンリー王子の立場も危うくなるとコメント。ヘンリー王子は現在、君主が海外に滞在しているときや体調が優れない場合に国務の代行を依頼できる「国務参事官」のメンバーを務めている。ヘンリー王子がアメリカに移住、また同じくメンバーであるアンドルー王子が性的スキャンダルで公務を引退中であることから国王は昨年11月、この国務参事官にアン王女とエドワード王子を追加したが、ヘンリー王子とアンドルー王子の名前もまだ残っている。ヘンリー王子とアンドルー王子を外すための法律改正には手間も時間もかかるからだと見られている。


チャールズ国王(King Charles)、アン王女(Princess Anne, Princes Royal)WPA PoolGetty Images


フィッツウィリアムズは「フロッグモアコテージから退去するということはイギリスでの住所を失うことになる。つまり国務参事官としての立場に影響が及ぶだろう」。イギリスの憲法の専門家クレイグ・プレスコット博士もこれに同意。「イギリスに住所がない場合、国務参事官としての地位を失う可能性がある」。


王子と妃はフロッグモアコテージに残してあった一部の家具などを配送する手配を進めているという。王子と妃がフロッグモアコテージや国務参事官の立場をどう思っているのかは定かではないが、子どもたちの称号は喉から手が出るほど欲しいはず。王室がどのような決定を下すのか、それに王子がどのような反応を見せるのか、続報を待ちたい。

 RELATED STORY

 RELATED STORY













ヘンリー王子とメーガン妃が、英国の居宅としている「フロッグモア・コテージ」から完全に立ち退くようにチャールズ国王から要求されていることが明らかになったと、英紙「エクスプレス」などが報じている。



ヘンリー王子、メーガン妃夫妻(ロイター)© 東スポWEB

王室はヘンリー王子の回顧録「スペア」が発売された数日後、フロッグモア・コテージの明け渡しを命じたという。回顧録やネットフリックスのドキュメンタリーなどで王室について暴露したことが理由と見られている。ヘンリー王子夫妻は現在、米国カリフォルニア州に住むが、このコテージを英国訪問の際の拠点にしていた。代わりに、未成年への性的虐待疑惑で王室の公務から退いたアンドリュー王子が住むという。


ウィンザー城の敷地内にあるフロッグモア・コテージは、故エリザベス女王からヘンリー王子に贈呈された。ベッドルームが10室ある豪華な宮廷で、ヘンリー王子とメーガン妃は、住みはじめた2018年から推定240万ポンド(約4憶円)をかけて改修。夫妻は20年に王族としての公務から退いた際、公的資金から出されていた改修費を全額返済している。


カギの返却とコテージに残された家具などの撤去のため、夫妻には数週間の猶予期間を与えられているという。サン紙によると、ある情報筋は「立ち退き命令はヘンリー王子とメーガン妃の、英国での時間の終わりを確実に意味します。アンドリュー王子は先週、フロッグモア・コテージに引っ越すということを提案された後、抵抗しています。しかし、ヘンリー王子とメーガン妃に立ち退きを止める力はありません」と語っている。

いよいよ王室からの完全追放へ、カウントダウンが始まったということなのか?













英キャサリン妃、真っ赤なコートでウィリアム皇太子とパレードに参加


クランクイン! によるストーリー • 1 時間前
114コメント

 ウェールズのナショナルデー、セント・デイヴィッド・デーの3月1日(現地時間)、英王室のウィリアム皇太子とキャサリン妃が、ウェールズ近衛連隊ウェルシュガーズとともにウィンザー城でパレードを行った。昨年12月に皇太子がウェルシュガーズの名誉連隊長に就任して以来、初めてのことだった。



英キャサリン妃、真っ赤なコートでウィリアム皇太子とパレードに参加© (C)Zeta Image


 Peopleによると、この日キャサリン妃は、ウェールズの国旗のカラーでもある真っ赤なコートに合わせ、ハットとスカーフ、ブーツを黒でコーデ。ウェルシュガーズの冬のユニフォームに身を包んだウィリアム皇太子とともに、ウェールズの祝日をお祝いした。

 会場に着くと夫妻はすぐに、隊員たちからウェールズのシンボルであるリーキ(西洋ねぎ)を渡され、聖デイヴィッドデーの伝統にならい胸に着けた。これは、ウェールズの守護聖人である聖デイヴィッドが、戦いの際ウェールズ兵に、敵味方を区別するためにかぶとにリーキを付けろと伝え、見事勝利を収めたのがはじまりとされている。


 式典の後、夫妻は連隊とともに記念撮影を行い、隊員やその家族と交流。ウクライナ軍の訓練を支援するためイギリスに滞在しているロイヤル・オーストラリア連隊第5大隊のメンバーとも面会したという。













チャールズ国王が、ヘンリー王子とメーガン妃に対し、英国のウィンザー城内にある邸宅「フロッグモア・コテージ」からの立ち退きを求めたことがわかった。英紙ザ・サンが報じた。

邸宅は2018年、故エリザベス女王から結婚祝いとして贈られたもので、5つのベッドルームと、広大な庭園がある。240万ポンドの公費を投じ、大規模な改装を行なったものの、夫妻が滞在したのは、わずか半年間だった。なお夫妻は、英国王室を離脱した際、改装費を全額返納することに合意している。カリフォルニア州に移住した後は、いとこのユージェニー王女と夫のジャック・ブルックスバンク氏が一時期移り住んでいた。


王室が退去通告を出したのは、ヘンリー王子が1月に回顧録「スペア」を発売した後だったという。ある関係者はザ・サンに、夫妻には退去を停止するための権限はなく、住居を手放す以外に選択肢はないとの見方を語った。なおヘンリー王子はすでに、ソファなどの家具をカリフォルニア州に輸送するための手配を進めているという。


©MashupReporter


フロッグモアを退去すると、夫妻の英国での唯一の滞在先が失われることとなる。現在、5月に行われるチャールズ国王の戴冠式への出席の行方が注目を浴びているが、ある関係者は同紙に「間違いなく、ヘンリーとメーガンの英国での時間は終わりを告げることとなる」と式典への参加にも影響が及ぼされる可能性を示唆した。


夫妻が退去した後には、アンドルー王子が入居する可能性が浮上している。ただし転居を提案された王子は「抵抗」しているという。















©️Karwai Tang/Getty Images
2023.3.2 / marie claire


今年5月に行われるチャールズ国王の戴冠式で、英国王位継承順位2位となったジョージ王子がどのような役割を務めるのか。そのことが現在、ウィリアム皇太子とキャサリン妃の大きな懸案事項のようだ。


両親はジョージ王子をどこまで関与させるのか思案中

来る5月6日にロンドンのウェストミンスター寺院で行われるチャールズ国王の戴冠式。いまだロイヤルファミリーとの確執が取りざたされているヘンリー王子とメーガン妃が出席するかどうかは明らかになっていない。

そんな中、ウィリアム皇太子とキャサリン妃は、夫妻の長男であるジョージ王子をどこまで戴冠式に関与させるかを熟考中だと、英国の新聞『デイリー・テレグラフ』が報じた。


現在、9歳の王子は、父親の皇太子に次ぐ、英国の王位継承順位2位。その立場を受け、ある王室関係者は「ジョージ王子はまだお若いですが、将来は国王になることを約束されており、祖父の歴史的な戴冠式で重要な役割を担わせることは、かなり確かでしょう」と話している。


ウィリアム王子の長男、ジョージ王子。
©️Karwai Tang/Getty Images


国王のそのほかの孫、シャーロット王女とルイ王子は、戴冠式に観客として出席することに。そして、ヘンリー王子とメーガン妃の子ども、アーチーとリリベットの出欠については両親と同じく、今のところ不明だ。













2023/03/02


ヘンリー王子、メーガン妃夫妻(ロイター)


ヘンリー王子とメーガン妃が、英国の居宅としている「フロッグモア・コテージ」から完全に立ち退くようにチャールズ国王から要求されていることが明らかになったと、英紙「エクスプレス」などが報じている。


王室はヘンリー王子の回顧録「スペア」が発売された数日後、フロッグモア・コテージの明け渡しを命じたという。回顧録やネットフリックスのドキュメンタリーなどで王室について暴露したことが理由と見られている。ヘンリー王子夫妻は現在、米国カリフォルニア州に住むが、このコテージを英国訪問の際の拠点にしていた。代わりに、未成年への性的虐待疑惑で王室の公務から退いたアンドリュー王子が住むという。


ウィンザー城の敷地内にあるフロッグモア・コテージは、故エリザベス女王からヘンリー王子に贈呈された。ベッドルームが10室ある豪華な宮廷で、ヘンリー王子とメーガン妃は、住みはじめた2018年から推定240万ポンド(約4憶円)をかけて改修。夫妻は20年に王族としての公務から退いた際、公的資金から出されていた改修費を全額返済している。


カギの返却とコテージに残された家具などの撤去のため、夫妻には数週間の猶予期間を与えられているという。

サン紙によると、ある情報筋は「立ち退き命令はヘンリー王子とメーガン妃の、英国での時間の終わりを確実に意味します。

アンドリュー王子は先週、フロッグモア・コテージに引っ越すということを提案された後、抵抗しています。しかし、ヘンリー王子とメーガン妃に立ち退きを止める力はありません」と語っている。


いよいよ王室からの完全追放へ、カウントダウンが始まったということなのか?
© 株式会社東京スポーツ新聞社


東スポ(東京スポーツ)のWebニュースでは、野球やサッカーなどのスポーツをはじめ、芸能・プロレス・競馬など豊富なジャンルのニュースを提供しています。














2023年03月02日(木)15:00


拡大する(全1枚)ヘンリー王子とメーガン妃、フロッグモアコテージから退去を通告される

 2020年に王室を離脱し、米カリフォルニア州で暮らしているヘンリー王子とメーガン妃。夫妻がイギリスの拠点としているフロッグモア・コテージから、退去するよう通告を受けていたことが明らかになった。

【写真】フロッグモア・コテージで撮影されたリリベットちゃんは1歳のポートレート

 このコテージはウィンザー城の領地内にあるもので、The Sunによると、エリザベス女王より結婚祝いとして与えられ、王室離脱を受けてリースに切り替えられていたそう。王室離脱後も夫妻は英国の拠点としており、昨年、エリザベス女王のプラチナジュビリー出席のため帰国した際もこのコテージで過ごし、娘リリベットちゃんの1歳の誕生日を祝った。夫妻が税金約240万ポンド(約3.9億円)をかけてリフォームを行い大きな批判を受けたが、のちにヘンリー王子が私費で返納している。


 夫妻はおよそ1ヵ月前、王子の自叙伝『Spare(原題)』が発売された後に、このコテージから退去するよう求められたといい、すでに家財の輸送の手配を行っているそうだ。夫妻が設立したアーチウェル基金の広報担当者もPeopleに対し、「フロッグモア・コテージから退去するよう通告を受けたことは確かです」と認めている。


 王子の退去後は、セックススキャンダルを受け公務から退いている叔父のアンドルー王子が移り住むことが決まっているそう。アンドルー王子は現在、全5室のフロッグモア・コテージよりも格段に規模の大きいロイヤル・ロッジで暮らしており、この指示に抵抗しているとみられている。


 なお、フロッグモアコテージを出た後のヘンリー王子夫妻の代わりとなる住居は用意されていないという。

編集部おすすめ
















2023年3月2日(木)10時30分 Techinsight


ヘンリー王子に英国の住居からの立ち退きを命じたチャールズ国王


チャールズ国王がヘンリー王子とメーガン妃に対し、夫妻の英国での公式住居であるフロッグモア・コテージから立ち退くように命じたことが明らかになった。

国王は王子の回顧録の発売翌日に立ち退き手続きを開始し、同コテージは弟のアンドルー王子への引き渡しを通告したと報じられている。


ヘンリー王子とメーガン妃は2018年にロイヤルウエディングを執り行い、2019年春にはエリザベス女王から贈られたフロッグモア・コテージに移り住んだ。


英ウィンザーにあるコテージはイギリス指定建造物2級(グレードII)に指定された建物で、夫妻は王室助成金から3億円超の費用をつぎ込み改築を行った。しかし夫妻は2020年3月に王室を離脱して米国に移住。同年9月には、コテージの改築費用を全額返納したと伝えられた。


コテージはその後も夫妻の英国における公式住居とされており、渡英時には息子アーチー君(3)と娘リリベットちゃん(1)も一緒に家族で滞在したことがある。

昨年6月、エリザベス女王の即位70周年「プラチナ・ジュビリー」に出席するため帰国した際には、フロッグモア・コテージの庭でリリベットちゃんの1歳の誕生日パーティを開催していた。

ヘンリー王子夫妻にとって、コテージは英国での思い出が詰まった場所である。そんな夫妻に対し、チャールズ国王がコテージから立ち退くように命じたことが明らかになったのだ。

米メディア『Page Six』が取材した関係者によると、国王はヘンリー王子の回顧録『Spare(原題)』が発売された翌日、現地時間1月11日にコテージからの退去手続きを開始したという。

さらに英メディア『The Sun』では、国王はコテージを弟アンドルー王子に譲るため、ヘンリー王子夫妻を追い出すことにしたと伝えている。

同メディアによると、バッキンガム宮殿は夫妻に対してコテージからの立ち退きを命じる通知を提出したという。現在のところ宮殿によるコメントは発表されておらず、話し合いはプライベートで行われるとみられている。

ある王室関係者は同メディアの取材に対し「このことは確実に、ヘンリーとメーガンに英国での時間が終わったことを告げるものです」と語り、こう続けた。

「アンドルー王子は先週、フロッグモア・コテージを引き渡すというオファーを受けましたが、この提案には抵抗しています。」

そして「しかしこれは、ヘンリー王子とメーガン妃には立ち退きを阻止するのは無力であることを証明しているのです」と述べた。

アンドルー王子は2004年、娘のベアトリス王女、ユージェニー王女と共にウィンザー・グレート・パークにある邸宅ロイヤル・ロッジに引っ越した。その後、王子の元妻セーラ・ファーガソンさんが同居を開始。娘達が結婚した後は、王子とセーラさんの2人で生活している。

(TechinsightJapan編集部 寺前郁美)

関連記事(外部サイト)

「王子」をもっと詳しく







シャーロット王女は普通に就職し、フルタイムで働く王族にはならない

2023年03月03日 | 国際社会
3/2(木) 19:06配信

エリザベス女王の貫禄を引き継いだ王女の将来



エリザベス女王の葬儀に臨むシャーロット王女


英王室は5月6日に執り行われるチャールズ3世の戴冠式に向け大忙しだが、その前の5月2日にはシャーロット王女の8歳の誕生日も控えている。 


 昨年、7歳の誕生日には念願のポニーが両親から贈られた。シャーロット王女は度々、エリザベス女王にそっくりだと言われてきたが、馬好きも引き継いだようだ。 

エリザベス女王さながらの貫禄は初めてのカーテシーからも伺える。2017年には「わずか2歳で、シャーロット王女はすでに王室公務のプロ」と、報じられた。 

ロイヤルの素質十分と言えるシャーロット王女の将来について関心は高まる一方だが、英デイリーメールの王室レポーターでコラムを執筆しているリチャード・エデンは、シャーロットは、フルタイムで働く王族ではなく、一般人同様に仕事に就くと予想する。 

これは、チャールズ国王が以前から主張する「王室の合理化、またはスリム化」ビジョンに則ったもので、ウィリアム皇太子も、歴史が繰り返されないよう望んでいるという。 

「私が聞いたところでは、皇太子夫妻は、7歳のシャーロットがフルタイムの王室として生きるのではなく、仕事を得ることを期待しています」とエデン氏。エリザベス女王の「スペア」であるマーガレット王女(2002年2月9日没)が現役だった過去の世代からの大きな変化だとしている。

 現在の国王チャールズには、アン王女、アンドルー、エドワード王子の3 人の兄弟がいるが、全員が「王室勤務」だ。(アンドルーは2022年1月13日に王室の地位を失ったが)


「スペア」の苦悩


次期国王であるウィリアム皇太子の「スペア」、ヘンリー王子は王室メンバーとして公務を続けることも期待されていたが、当の本人は自分の役割を強く嫌悪していた。

大ベストセラーになっている回顧録『スペア』で不満を爆発させているのは周知だ。エリザベス女王夫妻から、「スペア」と呼ばれていたことを明かしている。 

この暴露本は批判を受けているが、王位継承権の順位で生じるパワーバランスがどのような痛みを伴うか、王室にとって必要な教訓が込められていると指摘する。

この複雑で特殊な力学について本を書いたのはヘンリー王子が初めてだったが、マーガレット王女はじめ、アン王女、アンドルーも「スペア」という存在と闘ってきた。 ウィリアム皇太子とキャサリン妃は、娘がこの痛みを避けられるよう、奮闘しているという。

【関連記事】
最終更新:3/2(木) 19:06ニューズウィーク日本版 













3/2(木) 19:20配信


Getty Images


へンリー王子とメーガン妃は、イギリスでの住まいをもうすぐ失うことになるようだ。 チャールズ国王は、ヘンリー王子夫妻をウィンザー領地内にあるフロッグモアコテージから退去させることを決意したと報道され、ヘンリー王子夫妻のスポークスパーソンは「退去要請があった」と認めている。 


彼らの後は、国王の弟のアンドルー王子が住むことになるようだ。アンドルー王子は児童売春で有罪判決を受けた(のちに自殺した)ジェフリー・エプスタインとの関係や、十代のバージニア・ジュフリーに性的虐待で訴えられるなど性的スキャンダルを理由に、2022年にエリザベス女王から王族の称号や公務を剥奪された。 


チャールズ国王は、現在ウィンザーの邸宅であるロイヤルロッジに住んでいるアンドルー王子に生活を縮小するよう命じたと、US版『ハーパース・バザー』の王室担当エディター・アット・ラージのオーミッド・スコビーがヤフー!ニュースで報じている。


 フロッグモアコテージは現在、ロンドン警視庁のロイヤル&スペシャリスト保護課が警備に当たっているが、ヘンリー王子夫妻が退去までに残された時間は、わずか数週間。 

夫妻は旅行の際には私的なセキュリティーチームを同行するが、ロンドン警視庁の王室保護課の警官も王族に必要とみなされる重要な情報資料を彼らに与えている(ヘンリー王子夫妻は王室離脱した際に、武装警官による警護を外された。ヘンリー王子はイギリス国内で自費で警察警護を雇えないのはおかしいと内務省を相手取って裁判を起こし、現在も係争中)。


Netflixのドキュメンタリー『ハリー&メーガン』で、メーガン妃は王室離脱後、自身と家族にセキュリティー上の脅威がある中で暮らしていくのは精神的負担だと語っている。 

「私は母親です。この生活は私の人生で、タブロイド紙の単なる話題ではないのです。人々を挑発するような内容がネタとして書かれ、それが私を怖がらせています。

 真夜中に廊下を行ったり来たりして、玄関をみて、『私たちの家族は安全なのか、ドアはロックしたのか、警報アラームはセットしたのか』と永遠に不安と恐怖に付きまとわれているのが現実。『子どもたちは安全か?』とね。

 何のためにそんな記事を書くの? 退屈だとか、新聞を売るためでしょう? それとも自分の生活がマシに思えるから? でも、それが私の現実なのです。人はそういうことをちゃんと理解していないと思う」と涙ながらに訴えていた。


夫妻はカリフォルニアに移住後、フロッグモアコテージの改修費用310万ドルを、政府が税金で賄う王室助成金に返済。また、当面、住まいとして使うため、クラウン・エステート(国王に帰属するの公の不動産)に多額の賃貸料を支払ったとも報じられている。 


今回の退去決定の2ヶ月前に、ヘンリー王子は回想録『Spare』を出版し、王室離脱を決意した経緯など衝撃的な内容を暴露。兄ウィリアム王子との長年の不仲、キャサリン妃とメーガン妃の冷淡な関係、チャールズ国王とカミラ王妃がメディアに情報をリークしていることなどが書かれていた。 


チャールズ国王の戴冠式まで、あと3ヶ月ほどで起こった今回の退去要請。戴冠式にヘンリー王子夫妻が出席するかどうかは現時点では不明で、王室インサイダーはまだ「未決定」だと語っている。ちなみに、アンドルー王子は今回の決定に抵抗していると報じられている。

【関連記事】
最終更新:3/2(木) 19:36













3/2(木) 10:02配信



 ヘンリー英王子とメーガン妃の広報担当は1日、英国滞在時に使用するウィンザー城内の邸宅フロッグモア・コテージからの退去を求められていると明らかにした。写真は1月に発売されたヘンリー王子の暴露本。ロンドンの書店で撮影(2023年 ロイター/PETER NICHOLLS)


[ロンドン 1日 ロイター] -     ヘンリー英王子とメーガン妃の広報担当は1日、英国滞在時に使用するウィンザー城内の邸宅フロッグモア・コテージからの退去を求められていると明らかにした。 

英紙サンは、邸宅はヘンリー王子の父親であるチャールズ国王が弟のアンドルー王子に譲られると伝えた。

 同紙によると、国王によるこの決定は、ヘンリー王子が最近出版した回顧録やネットフリックスのドキュメンタリーなどで王室について暴露したことを受けたものだという。 

バッキンガム宮殿は、報道についてコメントしないと答えた。王室の関係筋は、家族のプライベートな問題だとしている。 

王子夫妻は2018年の結婚後、ロンドン西部にあるウィンザー城内のフロッグモア・コテージで生活。20年に王室離脱をして米カリフォルニア州に移住したが、同邸宅を英国での拠点にしていた。一方、邸宅改修にかかった公的費用240万ポンド(約290万ドル)の返済に同意していた。

【関連記事】
最終更新:3/2(木) 10:02ロイター 













3/3(金) 2:35配信



英国が欧州連合(EU)からの離脱に伴う英領北アイルランドの物流規制問題の解決策でEUと合意したことを巡り、ジョンソン元英首相は2日、スナク首相がEUに英国への影響力を依然として持たせ過ぎていると批判した。さらに合意が十分に踏み込んでおらず、賛成することは難しいと明言した。写真は3月2日、は「グローバル・ソフトパワー・サミット2023」で講演するジョンソン氏(2023年 ロイター/Peter Nicholls)


[ロンドン 2日 ロイター] -     英国が欧州連合(EU)からの離脱に伴う英領北アイルランドの物流規制問題の解決策でEUと合意したことを巡り、ジョンソン元英首相は2日、スナク首相がEUに英国への影響力を依然として持たせ過ぎていると批判した。さらに合意が十分に踏み込んでおらず、賛成することは難しいと明言した。 


北アイルランドでの物流規制を緩和するためにスナク氏は2月27日、英国の他の地域から届く商品に対する検査と文書手続きを一部緩和することで合意した。施行には英議会の承認が必要となる。 


この手続きを導入したジョンソン氏は「グローバル・ソフトパワー・サミット2023」での講演で、この検査がどれほど「厄介」になるかを認識していなかったのは自分の失敗だったと言及。北アイルランドの政治家たちが権力分有型の統治を再開するため、スナク氏の合意を支持することになっても理解できると述べた。 


しかし、ジョンソン氏は合意が十分に踏み込んでいないと問題視し「私がこうしたものに賛成するのは非常に難しいだろう。なぜなら違うことをすべきだったと確信しているからだ」と発言。「ここで何が起きているか明確にする必要がある。英国が主導権を取り戻すという話ではない。EUが寛大に態度を軟化し、わが国が自国で望むことをできるようにするということだ。わが国の法律ではなく、EUの法律によってだ」と主張した。

【関連記事】
最終更新:3/3(金) 2:35ロイター

























ヘンリー王子夫妻、フロッグモアコテージを追われ「完全移住」へ?

2023年03月02日 | 国際社会

イタすぎるセレブ達 2023.03.02 10:30
writer : tinsight-ikumi


ヘンリー王子に英国の住居からの立ち退きを命じたチャールズ国王


チャールズ国王がヘンリー王子とメーガン妃に対し、夫妻の英国での公式住居であるフロッグモア・コテージから立ち退くように命じたことが明らかになった。国王は王子の回顧録の発売翌日に立ち退き手続きを開始し、同コテージは弟のアンドルー王子への引き渡しを通告したと報じられている。

ヘンリー王子とメーガン妃は2018年にロイヤルウエディングを執り行い、2019年春にはエリザベス女王から贈られたフロッグモア・コテージに移り住んだ。

英ウィンザーにあるコテージはイギリス指定建造物2級(グレードII)に指定された建物で、夫妻は王室助成金から3億円超の費用をつぎ込み改築を行った。しかし夫妻は2020年3月に王室を離脱して米国に移住。同年9月には、コテージの改築費用を全額返納したと伝えられた。

コテージはその後も夫妻の英国における公式住居とされており、渡英時には息子アーチー君(3)と娘リリベットちゃん(1)も一緒に家族で滞在したことがある。

昨年6月、エリザベス女王の即位70周年「プラチナ・ジュビリー」に出席するため帰国した際には、フロッグモア・コテージの庭でリリベットちゃんの1歳の誕生日パーティを開催していた。

ヘンリー王子夫妻にとって、コテージは英国での思い出が詰まった場所である。そんな夫妻に対し、チャールズ国王がコテージから立ち退くように命じたことが明らかになったのだ。

米メディア『Page Six』が取材した関係者によると、国王はヘンリー王子の回顧録『Spare(原題)』が発売された翌日、現地時間1月11日にコテージからの退去手続きを開始したという。

さらに英メディア『The Sun』では、国王はコテージを弟アンドルー王子に譲るため、ヘンリー王子夫妻を追い出すことにしたと伝えている。

同メディアによると、バッキンガム宮殿は夫妻に対してコテージからの立ち退きを命じる通知を提出したという。現在のところ宮殿によるコメントは発表されておらず、話し合いはプライベートで行われるとみられている。

ある王室関係者は同メディアの取材に対し「このことは確実に、ヘンリーとメーガンに英国での時間が終わったことを告げるものです」と語り、こう続けた。

「アンドルー王子は先週、フロッグモア・コテージを引き渡すというオファーを受けましたが、この提案には抵抗しています。」

そして「しかしこれは、ヘンリー王子とメーガン妃には立ち退きを阻止するのは無力であることを証明しているのです」と述べた。

アンドルー王子は2004年、娘のベアトリス王女、ユージェニー王女と共にウィンザー・グレート・パークにある邸宅ロイヤル・ロッジに引っ越した。

その後、王子の元妻セーラ・ファーガソンさんが同居を開始。娘達が結婚した後は、王子とセーラさんの2人で生活している。

(TechinsightJapan編集部 寺前郁美)
















イタすぎるセレブ達 2023.01.09 13:57




公の場ではいつも笑顔を絶やさないチャールズ国王(画像は『Clarence House 2022年7月20日付Instagram「We were in Torquay for day three of Their Royal Highnesses visit to Devon and Cornwall!」』のスクリーンショット)


チャールズ国王(74)が、英ノーフォーク州にある教会の日曜礼拝に出席する姿がキャッチされた。礼拝を終えた国王は、教会前に集まった群衆とジョークを交わすなど笑顔で人々と交流したという。

数日前には、ヘンリー王子の回顧録『Spare(原題)』の内容について英メディアが掲載し始めたばかりだ。この日の夜には英ITVで王子へのインタビュー番組が放送されるなど、国王にとって心休まらない日々が続いている。

チャールズ国王が現地時間8日午前、英ノーフォーク州の村キャッスル・ライジングにある、聖ローレンス教会の日曜礼拝に出席した。

今月5日にはヘンリー王子の回顧録『Spare(原題)』がスペインの書店で誤って販売されてしまったが、その日以降、国王が初めて公の場に姿を見せた。

回顧録は10日に発売される予定だが、英メディアは同著をすでに入手し、父チャールズ国王との親子関係や兄ウィリアム皇太子との確執についてなど衝撃的な内容が続々と明らかになった。


さらに国王が日曜礼拝に出席した日の夜は、英ITVでヘンリー王子へのインタビュー番組『Harry: The Interview』の放送を控えていた。そのような中、チャールズ国王が教会の前に現れると、沿道に集まった群衆から温かい歓迎を受けたのである。

英メディア『Daily Mail Online』が掲載した写真によると、国王は格子柄の白いシャツに淡いピンクの柄入りネクタイを締め、ベージュのロングコートに同色の靴を合わせていた。護衛スタッフにエスコートされ、リラックスした様子で教会に入っていったという。

日曜礼拝を終えて教会を出た国王は、待ち受けた群衆のそばに行き、しばしの交流を楽しんだ。同メディアによると、人々と対話した国王は大きな笑顔を見せ、ジョークを交わす場面もあったそうだ。

ヘンリー王子による王室への爆弾発言が続くにもかかわらず、笑顔を絶やさない国王の姿を見た人々は、SNSで次のような意見を交わし合った。

「私達は、笑って幸せな国王が大好き。国王万歳!」

「今日、チャールズ国王が満面の笑みでお喋りしている姿を見たけど、最高だった。」

「彼は実際にかなりリラックスしてるように見える。恐らく、この茶番劇がハリーとメーガンにとって、ブーメランになることを知っているからだろう。」


ヘンリー王子は回顧録で、過去に父チャールズ皇太子(当時)に「カミラ夫人(当時)と結婚しないで」と懇願したことや、2021年の故エディンバラ公フィリップ王配の葬儀後に、父の目前でウィリアム王子(当時)に掴みかかられたことなどを明かしている。


画像は『Clarence House 2022年7月20日付Instagram「We were in Torquay for day three of Their Royal Highnesses visit to Devon and Cornwall!」』『Chris Ship 2023年1月8日付Twitter「Hours before his younger son,」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 寺前郁美)
















イタすぎるセレブ達 2023.01.13 10:40




ロイヤル・リバプール大学病院を訪問したウィリアム皇太子夫妻(画像は『The Prince and Princess of Wales 2023年1月12日付Instagram「Wonderful to be in Liverpool to thank NHS staff for their hard work and dedication」』のスクリーンショット)


ヘンリー王子の回顧録『Spare(原題)』が発売された2日後、ウィリアム皇太子夫妻とチャールズ国王はそれぞれ別の場所で公務を行った。

回顧録では親子や兄弟間の確執が次々と暴露されたものだが、皇太子夫妻と国王は笑顔で公の場に現れた。

ウィリアム皇太子は、現地で交流した高齢女性から手を固く握られて「頑張って」と励まされる場面もあったという。


ウィリアム皇太子とキャサリン皇太子妃が現地時間12日、英マージーサイド州の都市リバプールにあるロイヤル・リバプール大学病院を公式訪問した。

この2日前となる現地時間10日にはヘンリー王子の回顧録『Spare(原題)』が正式に発売され、兄ウィリアム皇太子との兄弟間の確執や、父チャールズ国王との親子関係などが暴露されたばかりだった。

英メディア『Evening Standard』によると、この日、病院前に到着した車からウィリアム皇太子夫妻が降り立つと、群衆の中の1人が「ヘンリーの本のコメントで、心が痛みましたか?」と呼びかけたという。

夫妻はこの声が聞こえなかったのか、何も反応しなかったそうだ。

夫妻が病院に入ると、診察に訪れていたシルヴィア・スタニフォードさん(Sylvia Staniford、81)という女性がウィリアム皇太子の手を強く握り、「頑張って。前進するのよ。

“スカウサー(リバプールの人々)”は、あなたを愛しているから」と励ました。すると皇太子はシルヴィアさんに温かく微笑みかけ、「はい、そうします」と答えたそうだ。

また同日にはチャールズ国王が、スコットランドのアバディーンシャーを公式訪問。スコットランドの民族衣装であるキルトを着用し、昨年10月にオープンした地元の人々が交流するためのコミュニティセンター「Aboyne and Mid-Deeside Community Shed」を訪れた。

国王は、犬を撫でたり慈善団体で働く人々とジョークを交わすなどとびきりの笑顔で人々と交流していたという。

英メディア『Daily Mail Online』によると、国王は屋外の群衆の中にいたオーストラリア出身の女性と対面した際、「私の愛をオーストラリアに伝えてください」と話しかけたそうだ。


ヘンリー王子による爆弾発言が続いた後、笑顔で公の場に現れたチャールズ国王とウィリアム皇太子の姿にSNSではこのような意見が寄せられた。

「私達の多くが国王と王族の味方だということを知らせるために、現地の人々が沢山のサポートをしてくれることを願うよ。」

「ヘンリーの茶番劇に対処する、君主と家族の姿は立派だ。チャールズ国王に心から敬意を表します。」

「この騒ぎの中、ウィリアムと家族は良くやっている。彼らのアプローチは正しい。敵が間違いを犯している時は、決して口を挟まないことだ。」

画像は『The Prince and Princess of Wales 2023年1月12日付Instagram「Wonderful to be in Liverpool to thank NHS staff for their hard work and dedication」、2023年1月12日付Instagram』『The Royal Family 2023年1月12日付Instagram「Thanks to everyone in Aboyne and Mid Deeside who welcomed The King to their Community Shed today!」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 寺前郁美)












ヘンリー王子夫妻、邸宅明け渡し英の拠点喪失か 報道

2023年03月02日 | 国際社会
3/1(水) 23:17配信


英ロンドンで、エリザベス女王の死去に伴う式典に参列したヘンリー英王子夫妻(2022年9月14日撮影、資料写真)。【翻訳編集】 AFPBB News


【AFP=時事】英メディアは1日、2020年に英王室を離脱したヘンリー王子(Prince Harry)と妻メーガン妃(Meghan, Duchess of Sussex)が、首都ロンドン近郊のウィンザー城(Windsor Castle)の敷地内にある邸宅フログモア・コテージ(Frogmore Cottage)を明け渡し、英国内の拠点を失ったと報じた。 


邸宅は2018年、エリザベス女王(Queen Elizabeth II)から結婚祝いとして贈られたもので、ヘンリー王子夫妻は改築に240万ポンド(現レートで約4億円)以上を費やしたとされる。  

大衆紙サン(Sun)と日刊紙デーリー・テレグラフ(Daily Telegraph)によると、邸宅は現在、チャールズ国王(King Charles III)の弟で、スキャンダルによって公務から退いたアンドルー王子(Prince Andrew)に譲ることが提案されているという。  

ヘンリー王子夫妻は今年1月、王子の自伝「スペア(Spare、原題)」が出版されて数日後に邸宅の明け渡しを求められたとされる。夫妻は王室離脱後、米国へ移住し、現在はカリフォルニア州に居住している。  

王室のスリム化を目指すチャールズ国王は現在、資産の総点検を進めている。

  この報道についてバッキンガム宮殿(Buckingham Palace)は、コメントを差し控えるとしている。またヘンリー王子夫妻の代理人も、現時点では取材に応じていない。【翻訳編集】 AFPBB News


【関連記事】
最終更新:3/1(水) 23:24AFP=時事 














チャールズ国王がヘンリー王子とメーガン妃のイギリスでの住まい「フロッグモアコテージ」からの退去、および同邸宅にアンドルー王子の転居を命じたそうだ。

By Chelsey Sanchez 2023/03/02Pacific PressGetty Images



ヘンリー王子とメーガン妃は、イギリスでの住まいの「フロッグモアコテージ」をもうすぐ失うことになるようだ。

チャールズ国王は、ヘンリー王子夫妻をウィンザー領地内にあるフロッグモアコテージから退去させることを決意。ヘンリー王子夫妻のスポークスパーソンが「退去要請があった」と認めている。

彼らの後は、国王の弟のアンドルー王子が住むことになるようだ。アンドルー王子は児童売春で有罪判決を受けた(のちに自殺した)ジェフリー・エプスタインとの関係や、十代のバージニア・ジュフリーに性的虐待で訴えられるなど性的スキャンダルを理由に、2022年にエリザベス女王から王族の称号や公務を剥奪された。

チャールズ国王は、現在ウィンザーの邸宅であるロイヤルロッジに住んでいるアンドルー王子に生活を縮小するよう命じたと、US版『ハーパース・バザー』の王室担当エディター・アット・ラージのオーミッド・スコビーがヤフー!ニュースで報じている。

フロッグモアコテージは現在、ロンドン警視庁のロイヤル&スペシャリスト保護課が警備に当たっているが、ヘンリー王子夫妻が退去までに残された時間は、わずか数週間。

夫妻は旅行の際には私的なセキュリティーチームを同行するが、ロンドン警視庁の王室保護課の警官も王族に必要とみなされる重要な情報資料を彼らに与えている(ヘンリー王子夫妻は王室離脱した際に、武装警官による警護を外された。ヘンリー王子はイギリス国内で自費で警察警護を雇えないのはおかしいと内務省を相手取って裁判を起こし、現在も係争中)。

Netflixのドキュメンタリー『ハリー&メーガン』で、メーガン妃は王室離脱後、自身と家族にセキュリティー上の脅威がある中で暮らしていくのは精神的負担だと語っている。

「私は母親です。この生活は私の人生で、タブロイド紙の単なる話題ではないのです。人々を挑発するような内容がネタとして書かれ、それが私を怖がらせています。真夜中に廊下を行ったり来たりして、玄関をみて、『私たちの家族は安全なのか、ドアはロックしたのか、警報アラームはセットしたのか』と永遠に不安と恐怖に付きまとわれているのが現実。

『子どもたちは安全か?』とね。何のためにそんな記事を書くの? 退屈だとか、新聞を売るためでしょう? それとも自分の生活がマシに思えるから? でも、それが私の現実なのです。人はそういうことをちゃんと理解していないと思う」と涙ながらに訴えていた。


フロッグモアコテージの外観Leon NealGetty Images


夫妻はカリフォルニアに移住後、フロッグモアコテージの改修費用310万ドルを、政府が税金で賄う王室助成金に返済。また、当面、住まいとして使うため、クラウン・エステート(国王に帰属するの公の不動産)に多額の賃貸料を支払ったとも報じられている。

今回の退去決定の2ヶ月前に、ヘンリー王子は回想録『Spare』を出版し、王室離脱を決意した経緯など衝撃的な内容を暴露。

兄ウィリアム王子との長年の不仲、キャサリン妃とメーガン妃の冷淡な関係、チャールズ国王とカミラ王妃がメディアに情報をリークしていることなどが書かれていた。

チャールズ国王の戴冠式まで、あと3ヶ月ほどで起こった今回の退去要請。戴冠式にヘンリー王子夫妻が出席するかどうかは現時点では不明で、王室インサイダーはまだ「未決定」だと語っている。

ちなみに、アンドリュー王子は今回の決定に抵抗していると報じられている。

Translation: Mitsuko Kanno from Harper's BAZAAR.com

RELATED STORIES























守銭奴と言われたメーガン妃、投資した企業のSNSに登場

2023年03月02日 | 国際社会
  1. CULTURE 
  2.  海外セレブゴシップ・コラム
今年に入って表舞台から姿を消しているメーガン妃。投資した企業のSNSに姿を見せた。
By Yoko Nagasaka   2023/02/28


メーガン妃(Meghan, Duchess of Sussex)Chris JacksonGetty Images


ヘンリー王子が回顧録『SPARE(原題)』を出版して以来、表舞台から姿を消しているメーガン妃。ヘンリー王子からスポットライトを奪わないためだとも、回顧録の内容が物議を醸しているので距離を置きたいからだとも言われているがいずれにしても、妃らしからぬ沈黙を守っている。

その妃が飲料ブランド「Clevr」のSNSに登場した。このブランドは2016年に元コーヒーバーのオーナー、ハナ・メンドーザが「自宅でもホリスティックな飲み物を楽しんでほしい」という思いから設立。パウダー状のターメリックラテなどインスタントの「スーパーラテ」を販売している。妃は王室を離脱した2020年からこのブランドに投資、財政的に支援している。


    • clevrblends認証済み

      What a journey! 🤯

      In 4 years, Clevr has evolved in ways we never could have dreamt of. Grateful is a vast understatement 🫶

      Here’s a BTS look into how we went from two passionate people hand blending lattes until 2am, into a brand with an epic team, vibrant community, and support from one of the world’s most incredible female luminaries.

      Thank you for being with us every step of the way ❤️

      2日前

メンドーザは今週、インスタグラムでブランドの歩んできた道のりを投稿した。「3年前、すべてが変わった」。動画にはメンドーザの話を聞きながら同ブランドの飲み物を楽しむメーガン妃の姿が写っている。

「サセックス公爵夫人である妃が私たちのラテを飲み始めたのです。彼女は飲み物を気に入ってくれただけでなく女性起業家、私たちがサステナブルな方法で材料を調達していること、私たちが食品正義に貢献していることに非常に情熱を感じていました」

「妃は私たちの最初の投資家にしてアドバイザー、最大の支持者になってくれました」。

妃はこのブランドに投資したことを発表した直後に友人で世界でもトップクラスのインフルエンサー、オプラ・ウィンフリーに商品をプレゼント。オプラはインスタグラムにターメリックラテを作る動画をアップ、「ご近所のMがくれた」と紹介していた。


オプラ・ウィンフリー(Oprah Winfrey)WPA PoolGetty Images


今月初め、王室ジャーナリストでメーガン妃とヘンリー王子の暴露本『Revenge: Meghan, Harry and the War Between the Windsors(原題)』も出版しているトム・バウワーはニュース番組「GBニュース」に出演。

「妃はお金への執着心が強い。守銭奴だ」と批判していた。

「彼女は王子と結婚したとき彼があまりにもお金を持っていないので驚き、失望した」「彼女は王子が数十億とは言わないまでも数億の財産を持っていると思っていた。今彼女はその埋め合わせをしなければならない」。

そう言われた直後に投資した企業のSNSに登場した妃。本人が動画を披露したわけではないけれど、妃が了承したからこそブランドも投稿したのだと見られている。

単なる偶然なのか、バウワーの言葉に開き直って見せたのか、イギリスマスコミの注目を集めている。

 RELATED STORY

 RELATED STORY














戴冠式に出席するのかどうかで注目を集めているハリー王子。チャールズ国王が思い切った動きに出たもよう。

By ELLEgirl編集部2023/03/01


メーガン妃(Meghan, Duchess of Sussex)、ハリー王子(Prince Harry)Mike CoppolaGetty Images


5月に開催される戴冠式に出席するのかどうかで注目を集めているハリー王子。たとえ出席しようと決意、帰国したとしても泊まる家がない可能性が浮上している。

ハリー王子とメーガン妃はエリザベス女王から贈られたウィンザー城の領地内にあるフロッグモアコテージを今も所有している。

昨年6月にプラチナジュビリーに出席するためにイギリスに帰国したときにはコテージに宿泊したと報じられている。報道によるとチャールズ国王は王子と妃からこのコテージを取り上げることを決めたという。新聞「サン」が報じている。


同紙によると王室はハリー王子が回顧録『SPARE』を出版した後に2人をコテージから退去させることを決定、すでに2人に通告したという。

性的スキャンダルで公務を引退しているアンドルー王子は現在フロッグモアよりも大きいロイヤルコテージに住んでいるが、国王はアンドルー王子をロイヤルコテージからフロッグモアに転居させようとしている。

アンドルー王子にもこの決定が知らされたが、アンドルー王子は抵抗しているという。


関係者は「これはハリー王子とメーガン妃のイギリスでの生活が完全に終わることを意味している。王子と妃には退去通告に対して無力だ」と同紙にコメントしている。


アンドルー王子(Prince Andrew)、ハリー王子(Prince Harry)WPA PoolGetty Images


ハリー王子&メーガン妃は自ら進んで王室を離脱した自分たちが、性的スキャンダルで公務引退を余儀なくされたアンドルー王子と同じ「王室の問題児」として扱われることに不満を抱いているそう。

イギリスに帰国、コテージを使う気配はないものの自分たちの持ち物がアンドルー王子に与えられることを面白くないと思っている可能性も高そう。

RELATED STORY

RELATED STORY













S2023.03.01


ヘンリー王子と、メーガン妃

メーガン妃は、ヘンリー王子が思ったよりもお金持ちでなかったことにおどろき、がっかりしたそうだ。

これは王室関連作家のトム・バウワーがDaily Mail紙のインタビューの中で明らかにしたもの。
トム・バウワーは交際初期のヘンリー王子とメーガン妃の関係について語る中で、メーガン妃を「金の亡者」と表現している。


「彼女にとって一番のおどろきと失望は、ヘンリー王子がほとんどお金を持っていなかったことだろう」と語ったバウワーは、「メーガン妃はヘンリー王子に、何十億とはいわずとも、少なくとも数億単位の価値があると見込んでいた。彼女はいま、それを埋め合わせようと必死になっている」と続けた。

バウワーは、夫妻がイギリス王室の現役メンバーとして公務を続けていたら、現在のような生活を送れるはずがないとし、「メーガン妃は大きなキャデラックとプライベートジェットに、命令で乗りたいだけなんだ」と付け加えている。

またバウワーは、ヘンリー王子とメーガン妃の戴冠式への出席についても言及。

チャールズ国王の戴冠式は今年5月6日に執り行われるが、もしヘンリー王子夫妻が参加するようなことがあれば、式典は台無しになり、チャールズ国王の威厳に傷がつく可能性もあると指摘した。

今年1月、ヘンリー王子は発売した回顧録「SPARE/スペア」の中で、さまざまな角度から王室批判を展開。これを受け、父チャールズ国王との関係は冷え切っていると報じられているが、国王の戴冠式には招待されるのではないかと見られている。

一方、ヘンリー王子側は、「王室からメーガン妃への謝罪」を出席の条件として提示しており、王室側がこれを受け入れる見込みが低いことから、出席するかどうかはいまだ不透明だ。




tvgrooveをフォロー! 













辛酸なめ子・じわじわ時事ワード2023.1.25


いつのころからか耳にするようになった「気になる言葉」を、漫画家でコラムニストの辛酸なめ子さんが独特の切り口で読み解く夕刊「popstyle」の人気連載「辛酸なめ子のじわじわ時事ワード」。今回は【ハリーとメーガン】(はりー・と・めーがん)です。


世界の注目を集め続けるヘンリー王子とメーガンさん。Netflixで配信されたドキュメンタリー「ハリー&メーガン」は、すぐに85の国と地域でトップ10入りするほど大ヒット。夫妻に200億円とも言われる高額な契約金を払ったNetflixも少し 安堵あんど しているのではないでしょうか。



シリーズは全6エピソードで、2人の世紀の恋愛と意識の高さ、英国王室やメディアという巨大権力に立ち向かう姿を描いています。パパラッチに追われるストレスや、守ってくれない英国王室への文句、人種差別の懸念、ハグしたのによそよそしかったウィリアム王子とキャサリン妃、結婚当初に住んだコテージがとても狭かった――など不平不満が多い印象です。特権的な立場に慣れると、人は感謝や謙虚さが薄らいでしまうのでしょうか。


最初の頃、メーガンさんは王室にも歓迎されていたそうですが、空気が変わったのは、ロイヤルファミリーが出席したある行事の翌日のこと。メーガンさんの写真が新聞の一面を飾り、「ロックスター並み」の人気で王室内で嫉妬を買ってしまったと夫妻は語ります。ここまで自己肯定感が高いのは羨ましいです。強気のメーガンさんも、チャールズ皇太子(当時)に対しては「ベリーチャーミング」とホメていました。おじさん転がしがうまそうです。


ヘンリー王子との関係では、メーガンさんが主導権を握っているようです。手つなぎなど、スキンシップも多めです。結婚して数年 経た っても熱は冷めず、ヘンリー王子は妻をリスペクトしきっている様子(本人の覇気がないのが気になりましたが……)。王室を離脱したことで「誰もが僕の妻について大きな機会を逃しました。世界的な損失です」と、メーガンさんの存在価値について語っていました。


夫妻が制作総指揮を務めたドキュメンタリーシリーズ「世界を導くリーダーたち:信念は社会を変えた!」も配信開始。ネルソン・マンデラ氏の言葉にインスパイアされて作ったそうです。もはや自分たちは偉人か聖人かという自意識の高みに……。ロイヤルを超えた存在になれたら、そのあとは何を目指すのでしょうか。


ヨアキムとマリーの場合

デンマークでは、マルグレーテ2世女王が次男ヨアキム王子の子どもたち4人の称号と敬称を取り消すと発表。ヨーロッパの王室は縮小していく流れに……。

そのヨアキム王子の妻マリー妃が、「デンマークのメーガン」と呼ばれているとか。

メーガンさんと同じく義姉との不仲説が出ていたり、公務から離れて海外在住だったり、子どもの称号や肩書についてこだわりがあったり、といった共通点が。誰よりも「ハリーとメーガン」に感情移入できるのは、マリー妃かもしれません。



Profileプロフィル

辛酸 なめ子(しんさん・なめこ)
漫画家・コラムニスト、エッセイスト

1974年東京都生まれ、埼玉県育ち。武蔵野美術大学短期大学部デザイン科グラフィックデザイン専攻卒業。人間関係から、恋愛、アイドル、皇室、セレブリティ、スピリチャルまで幅広いテーマで執筆。著書に「女子校育ち」「大人のコミュニケーション術 渡る世間は罠だらけ」「おしゃ修行」「魂活道場」「新・人間関係のルール」「女子校礼賛」「電車のおじさん」「辛酸なめ子の独断! 流行大全」」などがある。










ヘンリー王子&メーガン妃に退去通告 英王室の仕打ちに「あ然としている」=英メディア報道

2023年03月02日 | 国際社会

メーガン妃(左)とヘンリー王子(ロイター)
2023年3月1日 23:04東スポWEB

 ヘンリー王子とメーガン妃が英王室から退去通告を言い渡された。複数の英国メディアが1日に報じた。

 ヘンリー王子とメーガン妃は英ウィンザーにある「フロッグモアコテージ」を所有していた。現在、夫妻は米国に住んでいるものの、故エリザベス女王から贈られた大切な場所だった。

 しかし、英サン紙によると夫妻はフロッグモアコテージから追い出されるという。同紙は「チャールズ国王は物議を醸した息子の回顧録『スペア』が出版されてから数日後、ヘンリー王子とメーガン妃を追い出すプロセスを開始した」と伝えた。

 回顧録をめぐって夫妻と英王室は対立。加速度的に関係は悪化していた。夫妻の友人であるオミッド・スコビー氏は「2人はあ然としている」と反応を明かしている。別の情報筋によれば、初夏までに退去しなければならないという。

 故エリザベス女王からの贈り物とはいえ、「ウィンザーの財産を放棄する以外に選択肢がない」(同紙)とされ、夫妻が持つ英国の拠点は失われることになる。夫妻にとっては常に故郷と呼べる場所でもあったという。

 しかし、一冊の回顧録のために思い出の場所から追い出される日が来てしまったわけだ。5月にはチャールズ国王の戴冠式が行われるが、夫妻が出席するかは不透明。仮に出席すれば、そのタイミングがコテージに別れを告げる最後の機会になるのかもしれない。

東スポWEB

夢と笑いと驚きを届ける総合エンターテインメイントメディア















2020年に英国王室を離脱し、妻子とアメリカに住むヘンリー(ハリー)王子が1月10日に回顧録を出版した。イギリス在住のジャーナリスト、冨久岡ナヲさんは「回顧録は発売初日に40万部が売れてベストセラーになったが、店頭では早々に半額で売られていた。英国国民はハリーの一連の行動にうんざりしており、この本の出版は、王室だけでなくハリー自身の評判を落としている」という――。


写真=冨久岡ナヲ

ロンドン市内の書店のショーウインドーに並べられた、ハリー王子の回顧録。どの書店でも初めから半額で売られていた


店頭ではいきなり半額

この記事を書くため、英国王室を離脱したヘンリー王子ことハリーが出版した回顧録『Spare(スペア)』を近所の書店へと買いに行ったのは発売日翌日、1月11日の夕方だった。


発売日に、書店の店頭に貼られたハリー王子の回顧録『スペア』のポスター。大きく「半額」と書かれている(写真=冨久岡ナヲ)

店頭にはポスターが貼られ、店内では本が平積みになっている。価格は28ポンド(約4500円)だが、なぜか既に半額の14ポンドになっている。

ともかく本を1冊取りレジに行くと、店員が「ほほう!」と声をあげニヤニヤと私を見た。隣のディスプレー棚には、その週のトップセラー本が並べられ『スペア』は発売24時間にしてすでに1位だ。

しかしこの店員によると、店では私が2人目の購入者だそう。それでも1位ということは、他の人はみなオンラインで密かに購入しているのだろうか? なんだかアダルト雑誌でも買ったような気分になり、そそくさと店を後にした。

そういえば発売日の朝には、都心の大型書店前に多数のTVカメラが陣取っている様子がテレビに映し出されていた。ところが朝6時に店頭にいたのはたった1人。その50代の女性は「ハリーの肩を持つなんてバカだってみんなに言われるけど、私は気にしないわ!」とコメントしている。


ベストセラー入りの謎

そのわりには、翌日のニュースは『スペア』が発売初日に40万部の売り上げを記録しベストセラー入りしたと報じていた。自分の周りにハリーの味方はいないし、Z世代は「王室には関心ゼロ」とそっぽを向いているのに。


『スペア』の隣には『恋愛の8つのルール』という恋愛指南本が。「実はハリーとメーガンがすでに仲が悪いのではないか」という噂をからかっている(写真=冨久岡ナヲ)


半額なら面白半分でネット注文した人が多いだろうとは想像がつくが、SNSで「ハリーが自分で大量購入しているのでは? 

版元のペンギン・ランダムハウス社によると170万部売れないと元が取れないらしいし」という書き込みを見かけたときは、さもありなんと思ってしまった。

ロンドン郊外にある独立系書店「バーツの本屋」は、「『スペア』は単品では注文できず、1冊仕入れたくても12冊入りのケース単位でしか注文できない」とツイッターで嘆いていた。ケース単位で全国の本屋に卸せば確かに冊数はさばけるだろう。

ただ、批判の嵐の中にも「ハリー達が王室を離れ声を上げたのは偉い」という意見は散見される。

「王室が続く限り、生まれつき籠の中に閉じ込められた王族の紛争も続く」と考える、ジャーナリストのケイトリン・モーランは、『スペア』を読めばハリーの行動に合点がいくとSNSで発言していた。


地下鉄車内で表紙のカバーを外して読んだ

本当にそうなのだろうか。地下鉄の中でかばんから本を取り出すと、周囲の乗客から妙な視線を感じた。この国では車内で本を読むとき、日本のようにカバーをかけてタイトルを隠すことはない。

イギリス人は、自分が何を読んでいるか他人に知られることを気にしないし、そもそも誰も関心を払わないのだ。例外は大人気作「ハリー・ポッター」シリーズくらいだろうか。発売日に書店で新作を手にした子どもは誇らしそうに電車やバスの中で本を広げ、周りの人は覗き込んで「徹夜して並んだの?」などと話しかけ、車内は盛り上がっていた。

『スペア』がハリポタに迫るほどの初日売上数を達成したのなら、このようなシーンが見られても不思議ではないはずだが……。記録破りの売上数という報道と、車内に漂うひんしゅく感や、ちまたのしらけた空気とのギャップが解せない。ハリーの顔写真がデカデカと載った表紙のカバーをそっとはずし、背表紙も見えないよう膝の上に本を広げて読み始めた。


兄の「予備」として生まれたハリー

本のタイトル『スペア』は、「予備」「代替」を意味する。ハリーは、王位継承筆頭者であるウィリアム皇太子の身になにかあった場合の“予備”という運命を背負って生まれた。

英国王室では出生順に継承順位が定まる。昔は男子が女子よりも優先されたが、2013年からは性別にかかわらず出生順になった。

ウィリアムに子どもが生まれ、ハリーの継承順位は5位まで下がった。スペアの立場はとうにお役ご免となっているにもかかわらず本のタイトルに据え、兄の予備としてどれだけ不公平な扱いを受けてきたかを繰り返し文中で訴えている。

プロローグからして、「王室離脱の発表後にウィリアムと父チャールズ3世国王から居所裏の庭に呼び出され、口論になった」というエピソードから始まっているくらいだ。

文体はリラックスした語り口で会話文が多い。チャールズは「パー(パパの略)」、兄ウィリアムは「ウィリー(イギリス英語の俗語で男性器を指す)」など、家族間の愛称が使われ、難しい言い回しも少なく平易に読める。

というか平易すぎて浅い。とても故エリザベス女王には聞かせられないような言葉もポンポン飛び出してくるし、トーンはまるっきり友達同士の会話のようだ。

王室の舞台裏、自身の恋愛や性体験、酒と麻薬に溺れる日々の描写なども盛りだくさん。あまた出ているセレブの自伝本とそんなに変わらないような印象を受けてしまう。

しかし、心の底から気の毒だと感じたのは、早くに母を失ったことで受けた心の傷だ。


写真=冨久岡ナヲ

『スペア』の裏表紙には子どものころのハリー王子の写真が。ユニフォームの胸には、王室離脱で返上した「HRH(殿下)」の敬称がついている


「母は事故死を装った」と信じた

兄弟の母であるダイアナ妃はチャールズと離婚後の1997年、ボーイフレンドとのパリ滞在中に交通事故で亡くなった。

この時ハリーは12歳、ウィリアムは15歳。

息子たちは遺体を見ることができず、遺髪だけが渡された。そのため、ハリーは母が事故死を演出して世間の目をくらまし、別人として新しい人生を歩んでいるというファンタジーを頭の中で作り上げる。「だから、落ち着いたらきっと連絡があるはずという希望をずっと持っていた……」というくだりは切ない。

別のページでは、実は亡くなったことは初めからわかっていたが、認めることが怖かったとも語っている。「母の気配をいつも感じる」「野生動物を母のメッセンジャーだと確信する」などのエピソードが多数織り込まれ、しまいには霊媒師と面会し「あなたを誇りに思う」という「母からの伝言」をもらって喜んでいる。

ダイアナの死がハリーに与えたトラウマが今でも、彼の考え方や行動に影響を与えていることは疑う余地がない。


写真=冨久岡ナヲ

1章の扉には、母ダイアナ妃と共に笑顔を見せる子どものころのハリー王子の姿が。母からかかってきた最後の電話で、早々に会話を切り上げてしまったことをいまだに後悔しているという


「お騒がせ王子」を成長させた従軍経験

物事に集中するのが苦手だと本の中に書いているくらい、ハリーはともかく落ち着きがない。勉強嫌いで、特に読書は最も不得手だった。

十代の頃はスポーツとパーティーに明け暮れ、友達と走り回っては悪さをするのが一番性に合っていたようだ。


大学に行く気のなかったハリーは、名門イートン校を卒業すると陸軍に志願し、44週間の過酷なトレーニングに参加する。このあたりから突然、文章が躍動してきた。

訓練を通して、兵士として個人のエゴや感情を殺すこと、死を恐れない気構えなどが徹底的に叩き込まれていく様子、厳しく指導されればされるほど意気揚々と課題に挑戦しクリアしていく様子からは、胸が躍るような高揚感が伝わってくる。


メディアから、ことあるごとに「お騒がせ王子」「能無し」などのレッテルを貼られていたハリーの人生は、入隊で一転。自分が目指すべきは立派な軍人だと悟ったという。

どうやら彼には、強いリーダーと明確な指揮系統を持つ軍隊のような「枠組み」が必要だったようだ。

王室とガールフレンドの心配もよそに、ハリーは戦地への派遣を希望し、アフガニスタンでのタリバンとの戦いにも参加した。


ただ残念なことに、ハリーを追いかけるメディアのせいもあって従軍のたび敵側に情報が漏れ、格好の標的にされてしまう。所属する隊は危険にさらされ、いつも戦い半ばで泣く泣く引き上げている。

帰還する軍用機に同乗した負傷兵を見て「今まで自分のことばかり考えてきたのが恥ずかしくなった。戦争の現実を誰かが伝えなければ」と思ったという。

戦場から戻るたびに「別人になった」「老けた」と驚かれたが、猛スピードで成長していたのだろう。この時の経験がのちに、戦傷者のためのスポーツ大会「インヴィクタス」創設へとつながっている。


ハリーと似た立場の秋篠宮さま

『スペア』を読んでいると、どうしても日本の皇族と比較してしまう。天皇家の次男として生まれた秋篠宮さまは、ハリーと立場は似ているが、取り巻く環境も国民からの視線も異なる。

「どうせ自分は予備だし」と卑屈になったり、兄弟で高校時代にボディーガードを丸め込んで御所の地下室に男女の学友を密かに招き入れ、たばこ、酒、麻薬を持ち込み夜通しパーティーを楽しんだりする姿など想像もできない。


おふたりの間に、ウィリアムとハリーのような兄弟の確執は存在するのだろうか。

皇后さまがまだ皇太子妃であった2004年、皇太子さまは「雅子の人格を否定するような動きがある」という衝撃の発言をされたが、それに対して秋篠宮さまは「せめて陛下と話してから会見すべきでは……」とやんわり苦言を呈した。

また女性天皇容認への声が高まった2006年には、偶然と言いきれないタイミングで悠仁さまがお生まれになり、愛子さまが天皇となられる可能性は衰萎した。


もし宮家の誰かが『スペア』のような回顧録を出すとしたら、皇室を離れた眞子さまだろうか? 

そこでは、英国王室と並ぶ驚きのエピソードが暴露されるかもしれない。しかし、この本のように、北極探検中、性器にしもやけができ、エリザベス・アーデンのスキンクリームを塗ったら効いたとか、パブの裏で「年上の女性」相手に童貞を捨てた、といったえげつない話は、どう考えても出てこないだろう。

ちなみにこの「年上の女性」は油圧ショベルの運転手で、相談もなく本の中に匿名で描かれたことに激怒。新聞に「その相手は私」と名乗り出て新たな騒ぎを巻き起こしている。


歴史は繰り返す……

メーガンとの出会いから始まる最後の章は、ロマンス小説さながらだ。いきなりおとぎ話のような世界に突入し面食らう。

過去のガールフレンドたちとは全く違うタイプのアメリカ人女性に「運命の出会い」を感じたハリーが、激しく恋に落ちていく様子はほほえましい。

だが、王室離脱の詳細を含む最後までこの調子は続き、段々とげんなりしてくる。


王族男性がアメリカ人女性と恋に落ちたのは、ハリーが初めてではない。大叔父にあたるエドワード8世王はバツイチの既婚者ウォリス・シンプソン夫人にほれ込み、王位を捨ててしまった。

その弟、つまり「スペア」だったはずの内気なジョージ(故エリザベス女王の父)は、1936年に思いがけず国王の座に就くことになる。シンプソン夫人は、態度が横柄だった上に、米国文化を英国王室に持ち込もうとしたとかで、いまだに英国人からよく言われない存在だ。


だから「新しいガールフレンドはアメリカ人女優で離婚歴あり」という話をハリーから聞いたウィリアムとキャサリンは、シンプソン夫人の例を思い出し頭を抱えたようだ。

このため、「ウィリアムとキャサリンが、メーガンが黒人であることを理由に交際や結婚に反対した」というハリー夫妻の主張は、人種差別にこじつけているようでやや違和感がある。

ちなみに婚約者として登場した頃の世間の空気を覚えているが、キュートな笑顔に世間の好感度は高く、メディアが「黒人プリンセス」と書くまで彼女はラテン系だと思っていた人も多い。


『スペア』の印税前払いは約27億円

米国から英国貴族に嫁いだジュリー・モンタギュー子爵夫人も、彼女が王室に嫌われた原因は人種差別からではなく、英米の文化や慣習が衝突した結果だとTVインタビューで語っている。

「メーガンが王室をネタに大儲けをもくろみハリーを操っている」という非難は、英国内では絶えない。世論調査会社YouGovによると、発売日周辺での英国における調査からは、「この本の出版動機は『お金のため』だろう」という答えが全体の41%を占めている。

しかし米国では、金銭的な成功を目指すことになんの罪悪感もないどころか、そんな野望は尊敬される。


だから、ハリーとの婚姻でロイヤルファミリーの一員となったことを、アメリカ人メーガンが新たな収入源として捉えたとしても不思議ではない。

結婚後初めての豪州外遊中に「これで私には一銭も報酬が支払われないなんて、信じられないわ!」と嘆いているのを複数の人が耳にしている。

ハリーが独身時代に創設した、戦傷を負った元軍人たちが競う慈善スポーツ大会「インヴィクタス」に対しても「なぜ収益化を目指さないの?」と詰問したらしい。


確かにメーガンはやり手だ。女優活動の傍らファッションブログを立ち上げ、デザイナーブランド各社との契約を得ていた。

そしてハリーと婚約するなり、映像会社をはじめいくつもの会社や財団を設立し、2021年には、アメリカの著名な司会者オプラ・ウィンフリーとのインタビュー放映で最初の爆弾を王室に落とした。

ネットフリックスとは1億ドルの番組制作契約を結び、『スペア』の出版にあたっては2000万ドル(約27億円)もの印税前払いを得ているらしい。


2人を揶揄したアニメに大喝采

本当にメディアの詮索から無縁の生活を望むなら、サセックス公爵家の称号を返上し、単に「元セレブなファミリー」として暮らすという選択肢もある。

だが、夫妻にそんな素振りは今のところ見られない。『スペア』の著者名をわざわざ「ハリー王子」としているように、プリンスの肩書も固持したいようだ。

出版後は、さかんにテレビに出演したり雑誌の表紙を飾ったりと、あれほど嫌っていたメディアをPRに活用している。

さらに、テレグラフ紙とのインタビューでは「もう1冊本が書けるほどネタはまだある」と自慢した。

そういえば妻の方も、昨年の米TVとのインタビューで「英国にいた間ずっと日記をつけていたのよ。なんでも話せるわ」と、ほとんど脅しともとれるコメントを発している。


2月には米風刺アニメ番組「サウスパーク」がこんな2人を徹底的に揶揄やゆした。

「間抜け王子とそのバカ妻」が、「プライバシーが欲しい」「私たちに注目しないで」と世界中のTV番組を回って訴える、というエピソードは英国でも大いに話題になっている。

主要な新聞のウェブサイトにあるコメント欄は「よくぞやってくれた!」といった「歓声」でにぎわい、コスモポリタン誌オンライン版では「傑作!」「二人を壊滅させた」などのコメントをSNSから紹介していた。


ハリーと王室の人気を下げた『スペア』

前述のYouGovによる調査では、本の発売以来、英国ではハリーの人気も王室の人気もともに下がっている。

ハリーに反感を持つ人の割合は回答数の68%。出版直前の調査時64%から2日で4ポイントも増えた。特に65歳以上を対象とした調査では、メーガンが最も嫌われ者で73%、続いてハリーの69%、未成年売春疑いで公的地位を失ったアンドルー王子(チャールズの弟)60%と続く。18~24歳では王室への関心そのものが低いが、それでも35%が「今のロイヤルファミリーは英国を恥ずかしめている」と答えた。


王室の人気を追う別の統計機関Ipsosも、出版後にハリーに好感を持つ人の割合が30%から23%に7ポイント下がっただけでなく、ウィリアムも69%から61%に8ポイント落ちたとしている。

王室本の著者アンジェラ・レヴァインは「浅薄な暴露本の出版で、今やハリーとメーガンは世界の笑い者になった」とTVインタビューで語った。


しかし、「どうせスペアなんだから」と甘やかして育てた次男坊にかみつかれ、今やすっかり振り回されている王室も同じような立場ではないか。自分が読後に感じたことは統計データに表れていると思う。

今年5月6日には新王の戴冠式が執り行われる。チャールズ3世王はハリー夫妻の出席を望み、カンタベリー大主教に仲直りの仲介依頼を提案するも、「弟は信頼できない」とウィリアムは反対したそうだ。

ハリー側はすでにさまざまな出席の条件を提示していたが、兄の一言でさらに要求はエスカレート中と報道されている。


これから戴冠式に向かってさらにドロドロしたドラマが展開されるのだろうか。

母の事故死以外はどこにでもありそうな家族問題を400ページにわたって読まされた後では、もううんざりとしか言いようがない。

メーガンと出会い、渇望していた温かい家庭を手に入れたハリーを心から祝福したい。だが、そろそろ自分だけが被害者というメンタリティから抜け出してもいいのではないだろうか。


冨久岡 ナヲ(ふくおか・なを)ジャーナリスト
イギリスの動きと文化を伝える記事執筆、食の動画などメディア制作、イベントプロデュースなど幅広い活動を行う。在英20年あまり。共著に『コロナ対策 各国リーダーたちの通信簿』(光文社新書)『夫婦別姓 家族と多様性の各国事情』(ちくま新書)ほか。













セレブ&ゴシップ
公開日:2023/3/1 16:30


メーガン妃、ヘンリー王子の資産が少ないことにがっかりした!?(C)Zeta Image


 2018年にヘンリー王子と結婚したメーガン妃。出会った頃、メーガン妃は王子の資産が思いのほか少なかったことに落胆したと、ニュース番組に出演した王室ジャーナリストが述べた。


 MailOnlineによると、2020年に『Revenge: Meghan, Harry and the War Between the Windsors(原題)』を出版した王室ジャーナリストのトム・バウワーが、『GBニュース』に出演し、メーガン妃のことを金に執着していると評したそうだ。

 「彼女が一番驚き、失望したのは、ヘンリー王子の資産が少なかったことです。彼女は、王子が例えビリオネアでなくとも、数十億は持っていると想像していました。今彼女はその埋め合わせをしなければならない状況です」と述べたという。

 英王室を離れ、米カリフォルニア州を拠点に独自の活動を行っている夫妻だが、バウワーは、2人が王室メンバーのような生活を維持するだけの資金は持っていないと見ている。「メーガン妃は大きなキャデラックに乗り、プライベートジェットを好きに乗りたいと思っていますが、現時点ではそのために、誰かにねだらないといけません」と話したそうだ。

 金に執着している言われてしまったメーガン妃だが、そんな彼女は先日、飲料ブランド「Clevr」のSNSに登場。同ブランドの創始者ハナ・メンドーザがインスタグラムに動画を公開し、彼女が2016年に立ち上げた小規模ビジネスが、いかにしてセレブに人気のブランドに育ったかを紹介している。

 その中で彼女は、「3年前、すべてが変わった」と、メーガン妃が彼女の話を聞きながら、同ブランドのドリンクを飲む姿を紹介。「誰でもない、サセックス侯爵夫人メーガン妃が、私たちのラテを飲み始めたのです。製品を気に入ってくれただけでなく、女性起業家の支援に情熱を傾け、サステナブルな材料調達手段と食品正義に貢献していることを評価してくれました」「メーガン妃は最初の投資家となり、アドバイザー、最大の支持者になってくれました」と述べている。

 また彼女は、オプラ・ウィンフリーが「ご近所のMがくれた」と、インスタグラムで同社のラテを紹介したことにも言及。「そう、あのMよ」と、メーガン妃の後押しがあったことを明かした。

 王室では通常、個人や企業の宣伝に関わることを避けており、Netflixのドキュメンタリー『ハリー&メーガン』の配信、そしてヘンリー王子の自叙伝『SPARE(原題)』の発売による騒動がひと段落したかに見える今、新たなる火種となる可能性がある。

飲料ブランド「Clevr」インスタグラムにメーガン妃が登場更新日:2023/3/1 16:34この記事に関するコメントをする・見る


関連記事



40万部のベストセラーなのに店頭では半額セール"やり手"のメーガンに反感を持つ人は7割超え…ヘンリー王子の暴露本が2人の評判を押し下げたワケ

2023年03月01日 | 国際社会






2020年に英国王室を離脱し、妻子とアメリカに住むヘンリー(ハリー)王子が1月10日に回顧録を出版した。イギリス在住のジャーナリスト、冨久岡ナヲさんは「回顧録は発売初日に40万部が売れてベストセラーになったが、店頭では早々に半額で売られていた。英国国民はハリーの一連の行動にうんざりしており、この本の出版は、王室だけでなくハリー自身の評判を落としている」という――。


写真=冨久岡ナヲ
ロンドン市内の書店のショーウインドーに並べられた、ハリー王子の回顧録。どの書店でも初めから半額で売られていた


店頭ではいきなり半額

この記事を書くため、英国王室を離脱したヘンリー王子ことハリーが出版した回顧録『Spare(スペア)』を近所の書店へと買いに行ったのは発売日翌日、1月11日の夕方だった。


発売日に、書店の店頭に貼られたハリー王子の回顧録『スペア』のポスター。大きく「半額」と書かれている(写真=冨久岡ナヲ)


店頭にはポスターが貼られ、店内では本が平積みになっている。価格は28ポンド(約4500円)だが、なぜか既に半額の14ポンドになっている。ともかく本を1冊取りレジに行くと、店員が「ほほう!」と声をあげニヤニヤと私を見た。隣のディスプレー棚には、その週のトップセラー本が並べられ『スペア』は発売24時間にしてすでに1位だ。しかしこの店員によると、店では私が2人目の購入者だそう。それでも1位ということは、他の人はみなオンラインで密かに購入しているのだろうか? なんだかアダルト雑誌でも買ったような気分になり、そそくさと店を後にした。


そういえば発売日の朝には、都心の大型書店前に多数のTVカメラが陣取っている様子がテレビに映し出されていた。ところが朝6時に店頭にいたのはたった1人。その50代の女性は「ハリーの肩を持つなんてバカだってみんなに言われるけど、私は気にしないわ!」とコメントしている。


ベストセラー入りの謎

そのわりには、翌日のニュースは『スペア』が発売初日に40万部の売り上げを記録しベストセラー入りしたと報じていた。自分の周りにハリーの味方はいないし、Z世代は「王室には関心ゼロ」とそっぽを向いているのに。


『スペア』の隣には『恋愛の8つのルール』という恋愛指南本が。「実はハリーとメーガンがすでに仲が悪いのではないか」という噂をからかっている(写真=冨久岡ナヲ)


半額なら面白半分でネット注文した人が多いだろうとは想像がつくが、SNSで「ハリーが自分で大量購入しているのでは? 版元のペンギン・ランダムハウス社によると170万部売れないと元が取れないらしいし」という書き込みを見かけたときは、さもありなんと思ってしまった。ロンドン郊外にある独立系書店「バーツの本屋」は、「『スペア』は単品では注文できず、1冊仕入れたくても12冊入りのケース単位でしか注文できない」とツイッターで嘆いていた。


ケース単位で全国の本屋に卸せば確かに冊数はさばけるだろう。

ただ、批判の嵐の中にも「ハリー達が王室を離れ声を上げたのは偉い」という意見は散見される。「王室が続く限り、生まれつき籠の中に閉じ込められた王族の紛争も続く」と考える、ジャーナリストのケイトリン・モーランは、『スペア』を読めばハリーの行動に合点がいくとSNSで発言していた。


地下鉄車内で表紙のカバーを外して読んだ

本当にそうなのだろうか。地下鉄の中でかばんから本を取り出すと、周囲の乗客から妙な視線を感じた。この国では車内で本を読むとき、日本のようにカバーをかけてタイトルを隠すことはない。イギリス人は、自分が何を読んでいるか他人に知られることを気にしないし、そもそも誰も関心を払わないのだ。例外は大人気作「ハリー・ポッター」シリーズくらいだろうか。発売日に書店で新作を手にした子どもは誇らしそうに電車やバスの中で本を広げ、周りの人は覗き込んで「徹夜して並んだの?」などと話しかけ、車内は盛り上がっていた。


『スペア』がハリポタに迫るほどの初日売上数を達成したのなら、このようなシーンが見られても不思議ではないはずだが……。記録破りの売上数という報道と、車内に漂うひんしゅく感や、ちまたのしらけた空気とのギャップが解せない。ハリーの顔写真がデカデカと載った表紙のカバーをそっとはずし、背表紙も見えないよう膝の上に本を広げて読み始めた。


兄の「予備」として生まれたハリー

本のタイトル『スペア』は、「予備」「代替」を意味する。ハリーは、王位継承筆頭者であるウィリアム皇太子の身になにかあった場合の“予備”という運命を背負って生まれた。英国王室では出生順に継承順位が定まる。昔は男子が女子よりも優先されたが、2013年からは性別にかかわらず出生順になった。


ウィリアムに子どもが生まれ、ハリーの継承順位は5位まで下がった。スペアの立場はとうにお役ご免となっているにもかかわらず本のタイトルに据え、兄の予備としてどれだけ不公平な扱いを受けてきたかを繰り返し文中で訴えている。プロローグからして、「王室離脱の発表後にウィリアムと父チャールズ3世国王から居所裏の庭に呼び出され、口論になった」というエピソードから始まっているくらいだ。


文体はリラックスした語り口で会話文が多い。チャールズは「パー(パパの略)」、兄ウィリアムは「ウィリー(イギリス英語の俗語で男性器を指す)」など、家族間の愛称が使われ、難しい言い回しも少なく平易に読める。というか平易すぎて浅い。とても故エリザベス女王には聞かせられないような言葉もポンポン飛び出してくるし、トーンはまるっきり友達同士の会話のようだ。王室の舞台裏、自身の恋愛や性体験、酒と麻薬に溺れる日々の描写なども盛りだくさん。あまた出ているセレブの自伝本とそんなに変わらないような印象を受けてしまう。
しかし、心の底から気の毒だと感じたのは、早くに母を失ったことで受けた心の傷だ。


写真=冨久岡ナヲ
『スペア』の裏表紙には子どものころのハリー王子の写真が。ユニフォームの胸には、王室離脱で返上した「HRH(殿下)」の敬称がついている


「母は事故死を装った」と信じた

兄弟の母であるダイアナ妃はチャールズと離婚後の1997年、ボーイフレンドとのパリ滞在中に交通事故で亡くなった。

この時ハリーは12歳、ウィリアムは15歳。

息子たちは遺体を見ることができず、遺髪だけが渡された。そのため、ハリーは母が事故死を演出して世間の目をくらまし、別人として新しい人生を歩んでいるというファンタジーを頭の中で作り上げる。「だから、落ち着いたらきっと連絡があるはずという希望をずっと持っていた……」というくだりは切ない。


別のページでは、実は亡くなったことは初めからわかっていたが、認めることが怖かったとも語っている。「母の気配をいつも感じる」「野生動物を母のメッセンジャーだと確信する」などのエピソードが多数織り込まれ、しまいには霊媒師と面会し「あなたを誇りに思う」という「母からの伝言」をもらって喜んでいる。ダイアナの死がハリーに与えたトラウマが今でも、彼の考え方や行動に影響を与えていることは疑う余地がない。


写真=冨久岡ナヲ
1章の扉には、母ダイアナ妃と共に笑顔を見せる子どものころのハリー王子の姿が。母からかかってきた最後の電話で、早々に会話を切り上げてしまったことをいまだに後悔しているという


「お騒がせ王子」を成長させた従軍経験

物事に集中するのが苦手だと本の中に書いているくらい、ハリーはともかく落ち着きがない。勉強嫌いで、特に読書は最も不得手だった。十代の頃はスポーツとパーティーに明け暮れ、友達と走り回っては悪さをするのが一番性に合っていたようだ。


大学に行く気のなかったハリーは、名門イートン校を卒業すると陸軍に志願し、44週間の過酷なトレーニングに参加する。このあたりから突然、文章が躍動してきた。訓練を通して、兵士として個人のエゴや感情を殺すこと、死を恐れない気構えなどが徹底的に叩き込まれていく様子、厳しく指導されればされるほど意気揚々と課題に挑戦しクリアしていく様子からは、胸が躍るような高揚感が伝わってくる。


メディアから、ことあるごとに「お騒がせ王子」「能無し」などのレッテルを貼られていたハリーの人生は、入隊で一転。自分が目指すべきは立派な軍人だと悟ったという。どうやら彼には、強いリーダーと明確な指揮系統を持つ軍隊のような「枠組み」が必要だったようだ。王室とガールフレンドの心配もよそに、ハリーは戦地への派遣を希望し、アフガニスタンでのタリバンとの戦いにも参加した。


ただ残念なことに、ハリーを追いかけるメディアのせいもあって従軍のたび敵側に情報が漏れ、格好の標的にされてしまう。所属する隊は危険にさらされ、いつも戦い半ばで泣く泣く引き上げている。帰還する軍用機に同乗した負傷兵を見て「今まで自分のことばかり考えてきたのが恥ずかしくなった。戦争の現実を誰かが伝えなければ」と思ったという。戦場から戻るたびに「別人になった」「老けた」と驚かれたが、猛スピードで成長していたのだろう。この時の経験がのちに、戦傷者のためのスポーツ大会「インヴィクタス」創設へとつながっている。


ハリーと似た立場の秋篠宮さま

『スペア』を読んでいると、どうしても日本の皇族と比較してしまう。天皇家の次男として生まれた秋篠宮さまは、ハリーと立場は似ているが、取り巻く環境も国民からの視線も異なる。「どうせ自分は予備だし」と卑屈になったり、兄弟で高校時代にボディーガードを丸め込んで御所の地下室に男女の学友を密かに招き入れ、たばこ、酒、麻薬を持ち込み夜通しパーティーを楽しんだりする姿など想像もできない。


おふたりの間に、ウィリアムとハリーのような兄弟の確執は存在するのだろうか。皇后さまがまだ皇太子妃であった2004年、皇太子さまは「雅子の人格を否定するような動きがある」という衝撃の発言をされたが、それに対して秋篠宮さまは「せめて陛下と話してから会見すべきでは……」とやんわり苦言を呈した。また女性天皇容認への声が高まった2006年には、偶然と言いきれないタイミングで悠仁さまがお生まれになり、愛子さまが天皇となられる可能性は衰萎した。


もし宮家の誰かが『スペア』のような回顧録を出すとしたら、皇室を離れた眞子さまだろうか? そこでは、英国王室と並ぶ驚きのエピソードが暴露されるかもしれない。しかし、この本のように、北極探検中、性器にしもやけができ、エリザベス・アーデンのスキンクリームを塗ったら効いたとか、パブの裏で「年上の女性」相手に童貞を捨てた、といったえげつない話は、どう考えても出てこないだろう。


ちなみにこの「年上の女性」は油圧ショベルの運転手で、相談もなく本の中に匿名で描かれたことに激怒。新聞に「その相手は私」と名乗り出て新たな騒ぎを巻き起こしている。


歴史は繰り返す……

メーガンとの出会いから始まる最後の章は、ロマンス小説さながらだ。いきなりおとぎ話のような世界に突入し面食らう。過去のガールフレンドたちとは全く違うタイプのアメリカ人女性に「運命の出会い」を感じたハリーが、激しく恋に落ちていく様子はほほえましい。だが、王室離脱の詳細を含む最後までこの調子は続き、段々とげんなりしてくる。


王族男性がアメリカ人女性と恋に落ちたのは、ハリーが初めてではない。大叔父にあたるエドワード8世王はバツイチの既婚者ウォリス・シンプソン夫人にほれ込み、王位を捨ててしまった。その弟、つまり「スペア」だったはずの内気なジョージ(故エリザベス女王の父)は、1936年に思いがけず国王の座に就くことになる。シンプソン夫人は、態度が横柄だった上に、米国文化を英国王室に持ち込もうとしたとかで、いまだに英国人からよく言われない存在だ。
だから「新しいガールフレンドはアメリカ人女優で離婚歴あり」という話をハリーから聞いたウィリアムとキャサリンは、シンプソン夫人の例を思い出し頭を抱えたようだ。このため、「ウィリアムとキャサリンが、メーガンが黒人であることを理由に交際や結婚に反対した」というハリー夫妻の主張は、人種差別にこじつけているようでやや違和感がある。ちなみに婚約者として登場した頃の世間の空気を覚えているが、キュートな笑顔に世間の好感度は高く、メディアが「黒人プリンセス」と書くまで彼女はラテン系だと思っていた人も多い。


『スペア』の印税前払いは約27億円

米国から英国貴族に嫁いだジュリー・モンタギュー子爵夫人も、彼女が王室に嫌われた原因は人種差別からではなく、英米の文化や慣習が衝突した結果だとTVインタビューで語っている。


「メーガンが王室をネタに大儲けをもくろみハリーを操っている」という非難は、英国内では絶えない。世論調査会社YouGovによると、発売日周辺での英国における調査からは、「この本の出版動機は『お金のため』だろう」という答えが全体の41%を占めている。しかし米国では、金銭的な成功を目指すことになんの罪悪感もないどころか、そんな野望は尊敬される。


だから、ハリーとの婚姻でロイヤルファミリーの一員となったことを、アメリカ人メーガンが新たな収入源として捉えたとしても不思議ではない。結婚後初めての豪州外遊中に「これで私には一銭も報酬が支払われないなんて、信じられないわ!」と嘆いているのを複数の人が耳にしている。ハリーが独身時代に創設した、戦傷を負った元軍人たちが競う慈善スポーツ大会「インヴィクタス」に対しても「なぜ収益化を目指さないの?」と詰問したらしい。


確かにメーガンはやり手だ。女優活動の傍らファッションブログを立ち上げ、デザイナーブランド各社との契約を得ていた。そしてハリーと婚約するなり、映像会社をはじめいくつもの会社や財団を設立し、2021年には、アメリカの著名な司会者オプラ・ウィンフリーとのインタビュー放映で最初の爆弾を王室に落とした。ネットフリックスとは1億ドルの番組制作契約を結び、『スペア』の出版にあたっては2000万ドル(約27億円)もの印税前払いを得ているらしい。


2人を揶揄したアニメに大喝采

本当にメディアの詮索から無縁の生活を望むなら、サセックス公爵家の称号を返上し、単に「元セレブなファミリー」として暮らすという選択肢もある。だが、夫妻にそんな素振りは今のところ見られない。『スペア』の著者名をわざわざ「ハリー王子」としているように、プリンスの肩書も固持したいようだ。


出版後は、さかんにテレビに出演したり雑誌の表紙を飾ったりと、あれほど嫌っていたメディアをPRに活用している。さらに、テレグラフ紙とのインタビューでは「もう1冊本が書けるほどネタはまだある」と自慢した。そういえば妻の方も、昨年の米TVとのインタビューで「英国にいた間ずっと日記をつけていたのよ。なんでも話せるわ」と、ほとんど脅しともとれるコメントを発している。
2月には米風刺アニメ番組「サウスパーク」がこんな2人を徹底的に揶揄やゆした。「間抜け王子とそのバカ妻」が、「プライバシーが欲しい」「私たちに注目しないで」と世界中のTV番組を回って訴える、というエピソードは英国でも大いに話題になっている。主要な新聞のウェブサイトにあるコメント欄は「よくぞやってくれた!」といった「歓声」でにぎわい、コスモポリタン誌オンライン版では「傑作!」「二人を壊滅させた」などのコメントをSNSから紹介していた。


ハリーと王室の人気を下げた『スペア』

前述のYouGovによる調査では、本の発売以来、英国ではハリーの人気も王室の人気もともに下がっている。ハリーに反感を持つ人の割合は回答数の68%。出版直前の調査時64%から2日で4ポイントも増えた。

特に65歳以上を対象とした調査では、メーガンが最も嫌われ者で73%、続いてハリーの69%、未成年売春疑いで公的地位を失ったアンドルー王子(チャールズの弟)60%と続く。18~24歳では王室への関心そのものが低いが、それでも35%が「今のロイヤルファミリーは英国を恥ずかしめている」と答えた。
王室の人気を追う別の統計機関Ipsosも、出版後にハリーに好感を持つ人の割合が30%から23%に7ポイント下がっただけでなく、ウィリアムも69%から61%に8ポイント落ちたとしている。王室本の著者アンジェラ・レヴァインは「浅薄な暴露本の出版で、今やハリーとメーガンは世界の笑い者になった」とTVインタビューで語った。


しかし、「どうせスペアなんだから」と甘やかして育てた次男坊にかみつかれ、今やすっかり振り回されている王室も同じような立場ではないか。自分が読後に感じたことは統計データに表れていると思う。


今年5月6日には新王の戴冠式が執り行われる。チャールズ3世王はハリー夫妻の出席を望み、カンタベリー大主教に仲直りの仲介依頼を提案するも、「弟は信頼できない」とウィリアムは反対したそうだ。

ハリー側はすでにさまざまな出席の条件を提示していたが、兄の一言でさらに要求はエスカレート中と報道されている。


これから戴冠式に向かってさらにドロドロしたドラマが展開されるのだろうか。母の事故死以外はどこにでもありそうな家族問題を400ページにわたって読まされた後では、もううんざりとしか言いようがない。
メーガンと出会い、渇望していた温かい家庭を手に入れたハリーを心から祝福したい。だが、そろそろ自分だけが被害者というメンタリティから抜け出してもいいのではないだろうか。


冨久岡 ナヲ(ふくおか・なを)ジャーナリスト
イギリスの動きと文化を伝える記事執筆、食の動画などメディア制作、イベントプロデュースなど幅広い活動を行う。在英20年あまり。共著に『コロナ対策 各国リーダーたちの通信簿』(光文社新書)『夫婦別姓 家族と多様性の各国事情』(ちくま新書)ほか。























"やり手"のメーガンに反感を持つ人は7割超え…ヘンリー王子の暴露本が2人の評判を押し下げたワケ40万部のベストセラーなのに店頭では半額セール

2023年03月01日 | 国際社会
PRESIDENT Online

2020年に英国王室を離脱し、妻子とアメリカに住むヘンリー(ハリー)王子が1月10日に回顧録を出版した。イギリス在住のジャーナリスト、冨久岡ナヲさんは「回顧録は発売初日に40万部が売れてベストセラーになったが、店頭では早々に半額で売られていた。英国国民はハリーの一連の行動にうんざりしており、この本の出版は、王室だけでなくハリー自身の評判を落としている」という――。


写真=冨久岡ナヲロンドン市内の書店のショーウインドーに並べられた、ハリー王子の回顧録。どの書店でも初めから半額で売られていた全ての画像を見る


店頭ではいきなり半額

この記事を書くため、英国王室を離脱したヘンリー王子ことハリーが出版した回顧録『Spare(スペア)』を近所の書店へと買いに行ったのは発売日翌日、1月11日の夕方だった。


発売日に、書店の店頭に貼られたハリー王子の回顧録『スペア』のポスター。大きく「半額」と書かれている(写真=冨久岡ナヲ)


店頭にはポスターが貼られ、店内では本が平積みになっている。価格は28ポンド(約4500円)だが、なぜか既に半額の14ポンドになっている。

ともかく本を1冊取りレジに行くと、店員が「ほほう!」と声をあげニヤニヤと私を見た。隣のディスプレー棚には、その週のトップセラー本が並べられ『スペア』は発売24時間にしてすでに1位だ。

しかしこの店員によると、店では私が2人目の購入者だそう。それでも1位ということは、他の人はみなオンラインで密かに購入しているのだろうか? 

なんだかアダルト雑誌でも買ったような気分になり、そそくさと店を後にした。


そういえば発売日の朝には、都心の大型書店前に多数のTVカメラが陣取っている様子がテレビに映し出されていた。ところが朝6時に店頭にいたのはたった1人。その50代の女性は「ハリーの肩を持つなんてバカだってみんなに言われるけど、私は気にしないわ!」とコメントしている。


ベストセラー入りの謎

そのわりには、翌日のニュースは『スペア』が発売初日に40万部の売り上げを記録しベストセラー入りしたと報じていた。自分の周りにハリーの味方はいないし、Z世代は「王室には関心ゼロ」とそっぽを向いているのに。


『スペア』の隣には『恋愛の8つのルール』という恋愛指南本が。「実はハリーとメーガンがすでに仲が悪いのではないか」という噂をからかっている(写真=冨久岡ナヲ)


半額なら面白半分でネット注文した人が多いだろうとは想像がつくが、SNSで「ハリーが自分で大量購入しているのでは? 版元のペンギン・ランダムハウス社によると170万部売れないと元が取れないらしいし」という書き込みを見かけたときは、さもありなんと思ってしまった。ロンドン郊外にある独立系書店「バーツの本屋」は、「『スペア』は単品では注文できず、1冊仕入れたくても12冊入りのケース単位でしか注文できない」とツイッターで嘆いていた。ケース単位で全国の本屋に卸せば確かに冊数はさばけるだろう。


ただ、批判の嵐の中にも「ハリー達が王室を離れ声を上げたのは偉い」という意見は散見される。「王室が続く限り、生まれつき籠の中に閉じ込められた王族の紛争も続く」と考える、ジャーナリストのケイトリン・モーランは、『スペア』を読めばハリーの行動に合点がいくとSNSで発言していた。


地下鉄車内で表紙のカバーを外して読んだ

本当にそうなのだろうか。地下鉄の中でかばんから本を取り出すと、周囲の乗客から妙な視線を感じた。この国では車内で本を読むとき、日本のようにカバーをかけてタイトルを隠すことはない。イギリス人は、自分が何を読んでいるか他人に知られることを気にしないし、そもそも誰も関心を払わないのだ。例外は大人気作「ハリー・ポッター」シリーズくらいだろうか。発売日に書店で新作を手にした子どもは誇らしそうに電車やバスの中で本を広げ、周りの人は覗き込んで「徹夜して並んだの?」などと話しかけ、車内は盛り上がっていた。


『スペア』がハリポタに迫るほどの初日売上数を達成したのなら、このようなシーンが見られても不思議ではないはずだが……。記録破りの売上数という報道と、車内に漂うひんしゅく感や、ちまたのしらけた空気とのギャップが解せない。ハリーの顔写真がデカデカと載った表紙のカバーをそっとはずし、背表紙も見えないよう膝の上に本を広げて読み始めた。


兄の「予備」として生まれたハリー

本のタイトル『スペア』は、「予備」「代替」を意味する。ハリーは、王位継承筆頭者であるウィリアム皇太子の身になにかあった場合の“予備”という運命を背負って生まれた。英国王室では出生順に継承順位が定まる。昔は男子が女子よりも優先されたが、2013年からは性別にかかわらず出生順になった。


ウィリアムに子どもが生まれ、ハリーの継承順位は5位まで下がった。スペアの立場はとうにお役ご免となっているにもかかわらず本のタイトルに据え、兄の予備としてどれだけ不公平な扱いを受けてきたかを繰り返し文中で訴えている。プロローグからして、「王室離脱の発表後にウィリアムと父チャールズ3世国王から居所裏の庭に呼び出され、口論になった」というエピソードから始まっているくらいだ。


文体はリラックスした語り口で会話文が多い。チャールズは「パー(パパの略)」、兄ウィリアムは「ウィリー(イギリス英語の俗語で男性器を指す)」など、家族間の愛称が使われ、難しい言い回しも少なく平易に読める。というか平易すぎて浅い。とても故エリザベス女王には聞かせられないような言葉もポンポン飛び出してくるし、トーンはまるっきり友達同士の会話のようだ。王室の舞台裏、自身の恋愛や性体験、酒と麻薬に溺れる日々の描写なども盛りだくさん。あまた出ているセレブの自伝本とそんなに変わらないような印象を受けてしまう。


しかし、心の底から気の毒だと感じたのは、早くに母を失ったことで受けた心の傷だ。


写真=冨久岡ナヲ

『スペア』の裏表紙には子どものころのハリー王子の写真が。ユニフォームの胸には、王室離脱で返上した「HRH(殿下)」の敬称がついている


「母は事故死を装った」と信じた

兄弟の母であるダイアナ妃はチャールズと離婚後の1997年、ボーイフレンドとのパリ滞在中に交通事故で亡くなった。

この時ハリーは12歳、ウィリアムは15歳。

息子たちは遺体を見ることができず、遺髪だけが渡された。そのため、ハリーは母が事故死を演出して世間の目をくらまし、別人として新しい人生を歩んでいるというファンタジーを頭の中で作り上げる。「だから、落ち着いたらきっと連絡があるはずという希望をずっと持っていた……」というくだりは切ない。


別のページでは、実は亡くなったことは初めからわかっていたが、認めることが怖かったとも語っている。「母の気配をいつも感じる」「野生動物を母のメッセンジャーだと確信する」などのエピソードが多数織り込まれ、しまいには霊媒師と面会し「あなたを誇りに思う」という「母からの伝言」をもらって喜んでいる。ダイアナの死がハリーに与えたトラウマが今でも、彼の考え方や行動に影響を与えていることは疑う余地がない。


写真=冨久岡ナヲ

1章の扉には、母ダイアナ妃と共に笑顔を見せる子どものころのハリー王子の姿が。母からかかってきた最後の電話で、早々に会話を切り上げてしまったことをいまだに後悔しているという


「お騒がせ王子」を成長させた従軍経験

物事に集中するのが苦手だと本の中に書いているくらい、ハリーはともかく落ち着きがない。勉強嫌いで、特に読書は最も不得手だった。十代の頃はスポーツとパーティーに明け暮れ、友達と走り回っては悪さをするのが一番性に合っていたようだ。


大学に行く気のなかったハリーは、名門イートン校を卒業すると陸軍に志願し、44週間の過酷なトレーニングに参加する。このあたりから突然、文章が躍動してきた。訓練を通して、兵士として個人のエゴや感情を殺すこと、死を恐れない気構えなどが徹底的に叩き込まれていく様子、厳しく指導されればされるほど意気揚々と課題に挑戦しクリアしていく様子からは、胸が躍るような高揚感が伝わってくる。


メディアから、ことあるごとに「お騒がせ王子」「能無し」などのレッテルを貼られていたハリーの人生は、入隊で一転。自分が目指すべきは立派な軍人だと悟ったという。どうやら彼には、強いリーダーと明確な指揮系統を持つ軍隊のような「枠組み」が必要だったようだ。王室とガールフレンドの心配もよそに、ハリーは戦地への派遣を希望し、アフガニスタンでのタリバンとの戦いにも参加した。


ただ残念なことに、ハリーを追いかけるメディアのせいもあって従軍のたび敵側に情報が漏れ、格好の標的にされてしまう。所属する隊は危険にさらされ、いつも戦い半ばで泣く泣く引き上げている。帰還する軍用機に同乗した負傷兵を見て「今まで自分のことばかり考えてきたのが恥ずかしくなった。戦争の現実を誰かが伝えなければ」と思ったという。戦場から戻るたびに「別人になった」「老けた」と驚かれたが、猛スピードで成長していたのだろう。この時の経験がのちに、戦傷者のためのスポーツ大会「インヴィクタス」創設へとつながっている。


ハリーと似た立場の秋篠宮さま

『スペア』を読んでいると、どうしても日本の皇族と比較してしまう。天皇家の次男として生まれた秋篠宮さまは、ハリーと立場は似ているが、取り巻く環境も国民からの視線も異なる。「どうせ自分は予備だし」と卑屈になったり、兄弟で高校時代にボディーガードを丸め込んで御所の地下室に男女の学友を密かに招き入れ、たばこ、酒、麻薬を持ち込み夜通しパーティーを楽しんだりする姿など想像もできない。


おふたりの間に、ウィリアムとハリーのような兄弟の確執は存在するのだろうか。皇后さまがまだ皇太子妃であった2004年、皇太子さまは「雅子の人格を否定するような動きがある」という衝撃の発言をされたが、それに対して秋篠宮さまは「せめて陛下と話してから会見すべきでは……」とやんわり苦言を呈した。また女性天皇容認への声が高まった2006年には、偶然と言いきれないタイミングで悠仁さまがお生まれになり、愛子さまが天皇となられる可能性は衰萎した。


もし宮家の誰かが『スペア』のような回顧録を出すとしたら、皇室を離れた眞子さまだろうか? そこでは、英国王室と並ぶ驚きのエピソードが暴露されるかもしれない。しかし、この本のように、北極探検中、性器にしもやけができ、エリザベス・アーデンのスキンクリームを塗ったら効いたとか、パブの裏で「年上の女性」相手に童貞を捨てた、といったえげつない話は、どう考えても出てこないだろう。


ちなみにこの「年上の女性」は油圧ショベルの運転手で、相談もなく本の中に匿名で描かれたことに激怒。新聞に「その相手は私」と名乗り出て新たな騒ぎを巻き起こしている。


歴史は繰り返す……

メーガンとの出会いから始まる最後の章は、ロマンス小説さながらだ。いきなりおとぎ話のような世界に突入し面食らう。過去のガールフレンドたちとは全く違うタイプのアメリカ人女性に「運命の出会い」を感じたハリーが、激しく恋に落ちていく様子はほほえましい。だが、王室離脱の詳細を含む最後までこの調子は続き、段々とげんなりしてくる。


王族男性がアメリカ人女性と恋に落ちたのは、ハリーが初めてではない。大叔父にあたるエドワード8世王はバツイチの既婚者ウォリス・シンプソン夫人にほれ込み、王位を捨ててしまった。その弟、つまり「スペア」だったはずの内気なジョージ(故エリザベス女王の父)は、1936年に思いがけず国王の座に就くことになる。シンプソン夫人は、態度が横柄だった上に、米国文化を英国王室に持ち込もうとしたとかで、いまだに英国人からよく言われない存在だ。
だから「新しいガールフレンドはアメリカ人女優で離婚歴あり」という話をハリーから聞いたウィリアムとキャサリンは、シンプソン夫人の例を思い出し頭を抱えたようだ。このため、「ウィリアムとキャサリンが、メーガンが黒人であることを理由に交際や結婚に反対した」というハリー夫妻の主張は、人種差別にこじつけているようでやや違和感がある。ちなみに婚約者として登場した頃の世間の空気を覚えているが、キュートな笑顔に世間の好感度は高く、メディアが「黒人プリンセス」と書くまで彼女はラテン系だと思っていた人も多い。


『スペア』の印税前払いは約27億円

米国から英国貴族に嫁いだジュリー・モンタギュー子爵夫人も、彼女が王室に嫌われた原因は人種差別からではなく、英米の文化や慣習が衝突した結果だとTVインタビューで語っている。


「メーガンが王室をネタに大儲けをもくろみハリーを操っている」という非難は、英国内では絶えない。世論調査会社YouGovによると、発売日周辺での英国における調査からは、「この本の出版動機は『お金のため』だろう」という答えが全体の41%を占めている。しかし米国では、金銭的な成功を目指すことになんの罪悪感もないどころか、そんな野望は尊敬される。


だから、ハリーとの婚姻でロイヤルファミリーの一員となったことを、アメリカ人メーガンが新たな収入源として捉えたとしても不思議ではない。結婚後初めての豪州外遊中に「これで私には一銭も報酬が支払われないなんて、信じられないわ!」と嘆いているのを複数の人が耳にしている。ハリーが独身時代に創設した、戦傷を負った元軍人たちが競う慈善スポーツ大会「インヴィクタス」に対しても「なぜ収益化を目指さないの?」と詰問したらしい。


確かにメーガンはやり手だ。女優活動の傍らファッションブログを立ち上げ、デザイナーブランド各社との契約を得ていた。そしてハリーと婚約するなり、映像会社をはじめいくつもの会社や財団を設立し、2021年には、アメリカの著名な司会者オプラ・ウィンフリーとのインタビュー放映で最初の爆弾を王室に落とした。ネットフリックスとは1億ドルの番組制作契約を結び、『スペア』の出版にあたっては2000万ドル(約27億円)もの印税前払いを得ているらしい。


2人を揶揄したアニメに大喝采

本当にメディアの詮索から無縁の生活を望むなら、サセックス公爵家の称号を返上し、単に「元セレブなファミリー」として暮らすという選択肢もある。だが、夫妻にそんな素振りは今のところ見られない。『スペア』の著者名をわざわざ「ハリー王子」としているように、プリンスの肩書も固持したいようだ。出版後は、さかんにテレビに出演したり雑誌の表紙を飾ったりと、あれほど嫌っていたメディアをPRに活用している。さらに、テレグラフ紙とのインタビューでは「もう1冊本が書けるほどネタはまだある」と自慢した。そういえば妻の方も、昨年の米TVとのインタビューで「英国にいた間ずっと日記をつけていたのよ。なんでも話せるわ」と、ほとんど脅しともとれるコメントを発している。


2月には米風刺アニメ番組「サウスパーク」がこんな2人を徹底的に揶揄やゆした。「間抜け王子とそのバカ妻」が、「プライバシーが欲しい」「私たちに注目しないで」と世界中のTV番組を回って訴える、というエピソードは英国でも大いに話題になっている。主要な新聞のウェブサイトにあるコメント欄は「よくぞやってくれた!」といった「歓声」でにぎわい、コスモポリタン誌オンライン版では「傑作!」「二人を壊滅させた」などのコメントをSNSから紹介していた。


ハリーと王室の人気を下げた『スペア』

前述のYouGovによる調査では、本の発売以来、英国ではハリーの人気も王室の人気もともに下がっている。ハリーに反感を持つ人の割合は回答数の68%。出版直前の調査時64%から2日で4ポイントも増えた。特に65歳以上を対象とした調査では、メーガンが最も嫌われ者で73%、続いてハリーの69%、未成年売春疑いで公的地位を失ったアンドルー王子(チャールズの弟)60%と続く。18~24歳では王室への関心そのものが低いが、それでも35%が「今のロイヤルファミリーは英国を恥ずかしめている」と答えた。


王室の人気を追う別の統計機関Ipsosも、出版後にハリーに好感を持つ人の割合が30%から23%に7ポイント下がっただけでなく、ウィリアムも69%から61%に8ポイント落ちたとしている。王室本の著者アンジェラ・レヴァインは「浅薄な暴露本の出版で、今やハリーとメーガンは世界の笑い者になった」とTVインタビューで語った。


しかし、「どうせスペアなんだから」と甘やかして育てた次男坊にかみつかれ、今やすっかり振り回されている王室も同じような立場ではないか。自分が読後に感じたことは統計データに表れていると思う。


今年5月6日には新王の戴冠式が執り行われる。チャールズ3世王はハリー夫妻の出席を望み、カンタベリー大主教に仲直りの仲介依頼を提案するも、「弟は信頼できない」とウィリアムは反対したそうだ。ハリー側はすでにさまざまな出席の条件を提示していたが、兄の一言でさらに要求はエスカレート中と報道されている。


これから戴冠式に向かってさらにドロドロしたドラマが展開されるのだろうか。母の事故死以外はどこにでもありそうな家族問題を400ページにわたって読まされた後では、もううんざりとしか言いようがない。


メーガンと出会い、渇望していた温かい家庭を手に入れたハリーを心から祝福したい。だが、そろそろ自分だけが被害者というメンタリティから抜け出してもいいのではないだろうか。

【関連記事】


















PRESIDENT Online

  • 冨久岡 ナヲジャーナリスト

今年9月にエリザベス女王が死去し、73歳のチャールズ新国王が跡を継いだ。長くイギリスに住むジャーナリストの冨久岡ナヲさんは「インフレやエネルギー危機で苦しい生活が続く中、寒さや飢えに無縁の『王室』に反発を覚える人もいるのではと予想したが、国民の悼み方を見ていると『君主制に疑問を持っていても、女王個人には親しみを感じていた』という人が多かったようだ」という――。


撮影=冨久岡ナヲ花束に添えられた女王の写真


エリザベス女王の突然の死

とりわけ英王室ファンでもなんでもなかったのだが、エリザベス女王の訃報が臨時ニュースとして流れた時は筆者も少なからずショックを受けた。たった2日前にはリズ・トラス新首相(10月20日に辞任表明)を笑顔でスコットランドのバルモラル城に迎え、つえを持ちながらもしゃんと立っていたのに。


確かに報道写真で見ると女王の手の甲は真っ青になっていて、深刻なチアノーゼ症状ではと騒がれていた。しかし、まさか48時間後に亡くなってしまうとは誰も想像していなかった。直系の親族のうち臨終に立ち会えたのは、宮殿に滞在していた娘のアン王女と、西スコットランドにある館からかろうじて間に合った長男チャールズ新国王のみ。初孫であるウィリアムがロンドンからアバディーン空港に到着した時はすでに遅かったのだが、空港から自ら四駆車を運転して伯父たちを乗せ、祖母の元に馳せ参じた。


妻のメーガンは連れてくるなと父から言われたヘンリー(ハリー)は単身、ロンドン郊外の一般空港から飛んできた。アバディーン空港到着は夕方6時半を回り、すでに女王の死後3時間がすぎていたという。


それほど女王の死は急な出来事だった。テレビ番組は相次いでキャンセルとなり、何度も同じ台本を読み上げるだけの訃報を繰り返している。普段は華やかな服装で登場するニュースキャスターたちが局の国営民営を問わず一斉に喪服をまとっている様子は、皆が同じことをするのを嫌う英国的日常から見ると異様な光景だった。国営放送として中立なはずなのに、君主制廃止を支持するスタッフが多いとされるBBCも、さすがに粛々とした態度で放送を行っている。


折しも庶民の生活は、コロナ禍によって受けた社会的ダメージ、インフレが招いた物価高、ウクライナ戦争で悪化したエネルギー危機などが重なり日に日に苦しくなっていくばかり。今冬は「ヒート・オア・イート」つまり、暖房か食事のどちらかしか賄えないという生活困窮者が大量に発生すると予測されている。このような状況下ではとうてい国民がそろって嘆き悲しむようなムードにはならず、むしろ寒さにも飢えにもまったく無縁な「王室」という存在に反発を覚える人のほうが多いのでは? という自分の予想はものの見事に外れた。


撮影=冨久岡ナヲ
グリーンパークからバッキンガム宮殿に向かう人たち


全国からの弔問者で埋め尽くされたロンドン

たまたま仕事の都合でバッキンガム宮殿裏手にある地下鉄駅まで行くことになったのは、スコットランドからバッキンガム宮殿へと運ばれた女王の遺体が、ウェストミンスター・ホールに移送される日だった。葬儀まではあと数日あるのに、目的地の駅は警備のため閉鎖されて降りることができず、次の駅から地上に出てびっくり。人また人の波なのだ。行きたい所へなかなかたどり着けない。多数の団体バスが道路脇をふさぎ、全国津々浦々から来ていることがわかる。女王の戴冠70周年を祝うプラチナ・ジュビリー祝典が開かれたほんの数カ月前の人出には及ばないものの、これほどの人がいったい何のために集まってきたのだろう?


行列は、献花に来たか、ひつぎが運ばれる様子を一目見ようとする人たちだった。道路に面した歩道ぎわで場所取りをしている白人女性に聞くと「昨日、北イングランドから家族4人で出てきた。このままロンドンに滞在して国葬が終わるまで一部始終を見るつもり。今朝、公園で献花してきたわ。入り口はあそこよ!」と教えてくれた。


このあと葬儀まで4日間行われたひつぎの公開安置中は、25万人以上が10キロ以上に及ぶ列を作り徹夜で並んだ。彼女ももちろん参加したのだろう。国葬の日である月曜日が祭日と決められたので、このように仕事の休みを取ってまで上京してきた人は相当な数だったらしい。ロンドンの宿泊施設はすべて予約で埋まり、路上でキャンプする人も絶えなかった。鉄道のターミナル駅では、終電が出たあとに残った特急列車の車両を「宿泊用に」と無料開放した鉄道会社もあった。

若者の王室支持率は30%なのに
献花用に定められた公園内のスペースのひとつを訪れると、花束やカード、ぬいぐるみ、女王に宛てた手紙などがあとからあとから置かれていく。毎晩、その日1日にささげられた花や供物をすべて片付けるそうだが、翌日はまた早朝からいっぱいになる。置かれたカードには「70年間、私たちのためにありがとう」「変わらぬ笑顔が心のよりどころでした」などと書いてある。子どもの描いた女王と愛犬の絵の隣には、若い頃の女王に謁見えっけんし談笑している男性の写真が置いてあり「お会いできて光栄でした」と誇らしげな添え書きが読めた。


どちらかといえば、高齢な王室ファンや英国旗を掲げた白人の国粋主義者ばかりが献花に来るのでは、と想像していたことも間違っていた。ありとあらゆる肌の色、年齢、性別の人が花束を抱えて切れ目なくやって来る。若い人や家族連れが目立ち、統計機関YouGovによる18~24歳の王室支持率はたった30%、という調査結果が信じがたい。花束を置いて「さようなら」と投げキスをする人、十字を切る人、そっとひとりで涙ぐむ人、仲間同士で肩を抱き合って祈る人たち。周辺に君主制廃止を叫ぶ団体が見当たらなかったのは、警備が厳しかったからか、まるで肉親の哀悼さながらの現場の雰囲気にけおされて場所を変えたのかはわからなかった。


撮影=冨久岡ナヲ
ハイドパーク内に設けられた献花スペース











ヘンリー王子回顧録に新たな章追加か 「スペア」ペーパーバック版に世間の非難への感想書き足す

2023年03月01日 | 国際社会
[2023年2月28日9時35分]


ヘンリー王子(左)とメーガン妃(2019年6月28日撮影)


英国のヘンリー王子(38)が、先月発売した回顧録「スペア」に新しい章を追加することを計画していると米ニューヨーク・ポスト紙が報じた。

情報筋によると、王子は今年後半か来年初めに発売されるペーパーバック版に、昨年末に放映された夫妻のドキュメンタリー番組と同書のリリース後に受けた世間からの非難に対する思いを新たに書き足す予定だという。


王子とメーガン妃は、ドキュメンタリーと回顧録で自らのプライベートをさらす一方でメディアの過熱報道を批判するなどして批判を浴びている。

関係者は、読者はこうした批判に対して夫妻が何を感じたのか知りたがっていると話しており、反発に対する反論を述べる場となる可能性が高そうだ。


ヘンリー王子は出版前のPRインタビューで、同書はもともとは800ページに及ぶ長さだったものを半分の400ページに減らしたことを明かしており、「公にすれば父と兄から一生許してもらえないと思う」と述べていた。

2冊になっていた可能性を示唆した王子は、父チャールズ国王と兄ウィリアム皇太子との間に起こった世間には言えない出来事をカットしていたとみられる。


1月10日に発売された「スペア」は、初日に143万部を売り上げ、史上最速で売れたノンフィクション本としてギネス記録を達成している。
(ロサンゼルス=千歳香奈子)

関連ニュース












2023/02/28 21:25堀川樹里(ライター)
  • 海外

暴露本の売れ行き不調で出版社の操り人形と化したヘンリー王子(写真/Getty Imagesより)


 世間から”不満だらけのわがまま王子”と揶揄されているヘンリー王子のバーチャル・オンラインイベントが、今週末に開催されることが明らかになった。

主催するのは1月に発売した自叙伝『スペア』の版元であるペンギン・ランダムハウスで、王子はトラウマや精神ケアに関する著書を多く出している緩和ケア専門医でサイコセラピストでもあるガボール・マテと対談するほか、事前に寄せられたいくつかの質問に回答するという。

 この配信イベントだが、視聴するにはチケットだけでなく『スペア』のハードカバーを購入しなくてはならないため、ネット上では「有り余っている在庫を処分しようと必死なのだろう」とネガティブな意見が噴出している。

 今回のバーチャル・オンラインイベントだが、米国東部標準時3月4日の午後12時(日本時間5日午前2時)から、動画体験プラットフォーム「Vimeo」で行われる。

さまざまなトラウマに苦しめられてきたヘンリー王子は、「有害な文化や習慣におけるトラウマ、病、ヒーリングとは何か」についてつづった著書『ザ ミス オブ ノーマル』がベストセラー本になっているガボール・マテ医師と、「喪失感と共に生きること、パーソナルヒーリングの癒やしについての重要性」を深く話し合うとのこと。イベントは対談ライブのみで、事前に録画された映像を流すことはないという。

 視聴には、チケットだけでなく『スペア』ハードカバーを購入することが条件となっており、オプションで『ザ ミス オブ ノーマル』も購入可能。

王子はリアルタイムで質問を受け付けるなど、視聴者との生の交流はしないが、事前に質問を送ることは可能で、王子は寄せられた質問のいくつかをピックアップし、回答。また、イベントの録音や録画、内容を他言することは固く禁じるとしている。

 チケットの価格は配信を視聴する国や地域で異なるが、日本から購入する場合「34.29ポンド(約5,600円)〜」かかり、チケットと同時に購入した本はイベント終了後2週間以内に発送するとのことだ。

 ネット上では、『スペア』の在庫を抱えすぎて出版社が「本の購入者」を対象にイベントを開催したのではないかと話題に。

 なお、『スペア』英語版は発売初日に140万部を売り上げ、出版社はノンフィクション部門で過去最高の記録だと大喜びだったが、最初の週の売り上げは、バラク・オバマ元大統領の回顧録『約束の地』、ミシェル・オバマ元大統領夫人の回顧録『マイ・ストーリー』には届かず、売り上げは失速しているのではないかとささかれていた。


オンラインイベントも不発に終わるか?


 『スペア』は現在もAmazonのベストセラーリストに入っているが、オーディオブックの無料体験で手に入れることができる「王子が朗読する」オーディオ版が圧倒的に人気で、ハードカバーを購入する人は少数派とみられている。

メディアで散々取り上げられたため、わざわざ購入しなくてもおおよその内容を知ることができ、繰り返し読みたいような内容でもないため、ハードカバーを購入する人は、出版元が期待したほどおらず、有り余る在庫に困り果てているのではないかというのだ。

 今年末あたりに出版される『スペア』ペーパーバック(ソフトカバー)に、王子は新たな章を加えるつもりでいるという報道も流れているが、「王室批判と暴露で金もうけしている」と猛批判されているため、このイベントで新たな暴露はしないものとみられている。

 また、秋篠宮ご夫妻も出席する方向で調整を行っていると報じられ日本でも注目度が上がっている5月のチャールズ国王の戴冠式への出席についても、この時期に言及することはないと予想できる。

 人気が下落し世間から興味を失われつつあるヘンリー王子が、繰り返し語ってきた「トラウマ」について一方的に語りまくるであろうトークイベントを喜んで視聴するのは、熱心なファンだけだろう。

ネット上では、今回のイベントは、出版社が「『スペア』の在庫をさばくために行う苦肉の策」ではないかと推測する声が続出。「駄作を無理やり売りつけるなんてせこい」との批判や、「メーガン夫人の入れ知恵じゃないか」との臆測も。

 米人気アニメ『サウスパーク』でネタにされ、世間の笑いものになってからそれほど時間がたっていないにもかかわらず、オンラインイベントへの出演を引き受けたヘンリー王子のことを「出版社に切られないように必死」だと憐れむ声も上がっているが、ファンは「元気な姿を見せてほしい」とSNSで期待の声を上げている。3月4日のイベントで、王子はいったい何を語るのだろうか?

最終更新:2023/02/28 21:25

メーガン夫人、王室女性特集誌から外された? 表紙に不在で存在スルーか

ヘンリー王子の警備めぐる裁判費用4700万円超え! 国民からのバッシング強まる

サイゾーウーマン2023.02.21

ヘンリー王子を米人気アニメがネタ化――結末に隠された、夫妻の未来めぐる“予言”とは?

サイゾーウーマン2023.02.17



堀川樹里(ライター)
6歳で『空飛ぶ鉄腕美女ワンダーウーマン』にハマった筋金入りの海外ドラマ・ジャンキー。現在、フリーランスライターとして海外ドラマを中心に海外エンターテイメントに関する記事を公式サイトや雑誌等で執筆、翻訳。海外在住歴25年以上。

関連記事












2/28(火) 11:20配信


ヘンリー王子


 ヘンリー王子が自伝本『スペア』に新たに章を追加する計画を立てているという。2018年にメーガン妃と結婚し2020年に英王室の公務から退いた王子の同書のペーパーバック版には、今年1月に出版されたハードカバー版とネットフリックスのドキュメンタリー番組で自分たちが受けた非難の詳細についても語られるそうだ。 


ある関係者がページシックスにこう話す。「ヘンリー王子はペーパーバック版に少なくとも1章は確実に追加する意向です。

ハードカバーのセールスが終わる今年後半か来年の始めに出る予定です。読者はネットフリックスのドキュメンタリーの配信と『スペア』の出版後に英王室から受けた反発に(ヘンリー王子とメーガン妃が)何を感じたのかを知りたくてしょうがありません」  

そんなヘンリー王子は最近、父チャールズ国王と兄ウィリアム皇太子が「絶対に許さない」として、同書には入れることができなかった内容があることを明かしていた。  

「別の言い方をすれば本2冊になることも可能でした。それを除外するのは少し大変でしたね。私と兄の間で起こったことは特にです。そして世界に知ってほしくないことが私と父の間にも多少ありました。(それを公にした場合)彼らは決して私を許さなかったことでしょう」 

(BANG Media International/よろず~ニュース)
よろず~ニュース

【関連記事】
最終更新:2/28(火) 11:20よろず~ニュース













2/28(火) 20:00配信


キャサリン・ゼタ=ジョーンズとマイケル・ダグラス


 俳優マイケル・ダグラス(78)と女優キャサリン・ゼタ=ジョーンズ(53)夫妻が、ロンドンのセント・ジェームズ・パレスに住んでいると報じられた。2人はチャールズ国王とカミラ王妃、そしてアン王女とベアトリス王女も居住する同宮殿内のアパートメントに住んでいるという。 


  デイリー・メール紙のエデン・コンフィデンシャル欄に、ある関係者は「それはまさに2人がロンドンを訪れる際の彼らの要件にぴったりなんです」と語っている。  

宮殿の賃貸が初めて可能になったのは2015年で、当時関係者が「理論上は誰でも申し込めるが、入居希望者は全員、セキュリティと身元調査の対象となる」と語っていた。

バミューダとカナダにも不動産を所有しているキャサリンとマイケル。2人はニューヨーク州のアーヴィントンとマヨルカ島を行き来しているとみられている。  

そんなキャサリンは以前、ロイヤルファミリーへの憧れについて次のように語っていた。「私は大の王室好きなの。我が家では王室の行事があるとドレスアップをするのよ。息子はトップハットと燕尾服を着て、スコーンを食べてね」

「何年も前にニューヨークでカミラとアスター夫人と素晴らしいランチをしたことがある。まだ結婚する前だったけど、カミラは裏表のない人で、私は大好きだったわ」 

(BANG Media International/よろず~ニュース)
よろず~ニュース

【関連記事】
最終更新:2/28(火) 20:00よろず~ニュース