> 前回「靖国問題」について書いたら,くつログ初のトラックバックを頂きまし
> たよ!
ええ。嬉しい限りです。ついでに参考文献も紹介して頂きました。時間を見つけ
て私も読んでみたいと思います。
> ついでにと言っては何ですが,今回靖国問題の本質についてもう少し考えてみ
> たいです...
なるべく簡潔にお願いしますね。。。


> そもそも日本の首相が戦没者に対する哀悼の意を表明する意図で靖国神社を参
> 拝する事にどの様な問題があるのでしょうか...??
> 平和への祈願を確認する行為と思うのですが...
政治的に大きな影響力をもつ人が,ある特定の宗教(この場合特に戦前の思想的
支柱となった「神道」)に肩入れするかの行為を問題視する意見がある様です...
> それでは日本の首相は一般の神社への初詣や,知人の結婚式で教会へ行く事な
> ども規制されてしまいますよね...行過ぎた意見ではないでしょうか?
確かに過去の日本には,戦前の思想教育に対するアレルギーに近い反感が根強く
残っていましたからね...
現在の日本では,首相が靖国神社を参拝したので,これが特定宗教の布教拡大を
宣伝する行為であると捉える人はほとんど皆無でしょうね。。。
> 結局,靖国神社=日本の軍国主義の象徴...である事が問題なのですよね...
それは捉え方の問題ですよね,靖国神社=戦没者の慰霊を行う場所...との捉え方
が現在の日本では優勢だと思います。。。
それと「神道」と云う思想も,宗教のひとつとしては禁止されるべき対象とは考
えられていません...憲法が個人の自由として保障しています。
> では国内的には,ほぼ問題ないですよね...首相の靖国神社参拝は...
外国,特に中国,韓国,北朝鮮などから批判されて,日本の外交の足枷になって
いる事が問題なのです。。。現在では。
> でもそれは,小泉首相が言うとおり内政干渉ではないでしょうか...?
> 国内的な活動ですよ...「参拝」は...
しかし彼らは「戦争被害国」の立場ですからね...「加害国」である日本はその心
情に配慮する道義的な責任はありますよね。。。
> 中国,韓国,北朝鮮などは何に対して憤懣を抱いているのでしょう...??
靖国神社には所謂「A級戦犯」も合祀されており,彼らも含めて祭神として祈り
を奉げる事になるからでしょう...やはり。。。
> 「戦争犯罪者」を祀るとは何事か! ...と言う憤怒の感情ですか...
> だから「A級戦犯分祀」という妥協案が登場する...
しかし前回述べたとおり,靖国神社は国立施設ではありません。
生い立ちはともかく,現在は独立した宗教法人ですから「A級戦犯合祀」も独自
の信条に従って行っている事です。
...そしてこの行為は違法でも違憲でもありません。
> しかし「戦争犯罪者」を神と祀るのは非常識かもしれませんよね...
そこですよ!...この問題を複雑にする最大の要因は。。。
「A級戦犯=戦争指導者=戦争犯罪者」という単純化された図式に納得できな
い人々が大勢いる事が原因と思います。。。
しかも「戦争犯罪」という概念そのものも,よく理解されていないのが実情では
ないでしょうか...?
> う~ん...戦争の責任が誰にあるのか?なぜ戦争を始めたのか?と言う事で
> すね...
まだあります。。。そもそも戦争を行う事は犯罪か?...と言う論点です。
> そう言えばアメリカだって戦争を始めていますよね...何度も...
自衛目的の戦争もありますから,戦争を行う事自体は犯罪とは考えられていま
せん...現在もそれは同じです。。。
> 「A級戦犯」はどの様な罪を犯したのでしたっけ...?? 確か「東京裁判」で判
> 決されたのでしたよね...戦争犯罪について...
「東京裁判」は「極東国際軍事裁判」と云うのが正式な名称です。
この裁判では,満州事変以降の一連の日本の軍事行動について,戦争指導者即
ち「A級戦犯」として起訴された28名の内,東條英機他の25名が「平和に対
する罪」等の戦争責任に問われ,被告として有罪判決を受け,刑に服したもの
です。
> この判決を国際的に受容れたのですよね...日本政府は...
受容れざるを得なかったでしょうね...ポツダム宣言を受託した敗戦国としては。
しかし,25名の「A級戦犯」が共謀結託して始めた戦争であるとは日本国民の
誰も考えてはいません...むしろ自衛目的の戦争だったとの解釈も一部では存在し
ていますし,東京裁判そのものの裁判形式や手続き上の問題も多く指摘されてい
ます。全員無罪と判決した判事も居ました...この裁判では。
> しかし戦争を行った事が事実である限り,戦争責任者を特定する必要はありま
> すよね...
「A級戦犯」の25名は大日本帝国の行った戦争責任を代表して受刑した,と云
うのが日本国内での解釈でしょうね...だから彼らも「戦争犠牲者」と考えられる
と思います。
そして彼ら「A級戦犯」は,1952年以降日本国内法上の罪には問われていませ
んし,さらに1956年には国際的にもサンフランシスコ講和条約により釈放されま
した。
> では刑は終えている訳ですね。「A級戦犯」としての...
そのとおりです...しかしながら,刑罰と法律上の責任は終えても,過去の罪自体
が消えてなくなる訳ではありませんから,被害者や遺族の方々に対する謝罪の気
持ちは,やはり必要でしょう?...道義的問題として。。。
> でも「A級戦犯=戦争責任者」の中で,現在存命の人は居ないですよね??
> 誰が道義的責任を負い続けるのですか...??
結局そこですよ。。。日本の首相が「A級戦犯」を奉じる神社を参拝する事に対
して「戦争被害国」が不快の念を表明する限りは,やはり道義的問題として行動
を慎むべきと考える人が多いのです。。。これが本質ではないでしょうか?
現代版「靖国問題」の。。。
> 長々とありがとう...少なくともBroの意見は良く分りました。
> 早く「しこり」が消えると良いですね...アジアの発展は共通の利益なのに...
少なくとも「偽メール問題」の時の様には行きませんよ,いくら小沢さんでもね。

> たよ!
ええ。嬉しい限りです。ついでに参考文献も紹介して頂きました。時間を見つけ
て私も読んでみたいと思います。

> ついでにと言っては何ですが,今回靖国問題の本質についてもう少し考えてみ
> たいです...
なるべく簡潔にお願いしますね。。。


> そもそも日本の首相が戦没者に対する哀悼の意を表明する意図で靖国神社を参
> 拝する事にどの様な問題があるのでしょうか...??
> 平和への祈願を確認する行為と思うのですが...
政治的に大きな影響力をもつ人が,ある特定の宗教(この場合特に戦前の思想的
支柱となった「神道」)に肩入れするかの行為を問題視する意見がある様です...
> それでは日本の首相は一般の神社への初詣や,知人の結婚式で教会へ行く事な
> ども規制されてしまいますよね...行過ぎた意見ではないでしょうか?
確かに過去の日本には,戦前の思想教育に対するアレルギーに近い反感が根強く
残っていましたからね...
現在の日本では,首相が靖国神社を参拝したので,これが特定宗教の布教拡大を
宣伝する行為であると捉える人はほとんど皆無でしょうね。。。
> 結局,靖国神社=日本の軍国主義の象徴...である事が問題なのですよね...
それは捉え方の問題ですよね,靖国神社=戦没者の慰霊を行う場所...との捉え方
が現在の日本では優勢だと思います。。。
それと「神道」と云う思想も,宗教のひとつとしては禁止されるべき対象とは考
えられていません...憲法が個人の自由として保障しています。
> では国内的には,ほぼ問題ないですよね...首相の靖国神社参拝は...
外国,特に中国,韓国,北朝鮮などから批判されて,日本の外交の足枷になって
いる事が問題なのです。。。現在では。

> でもそれは,小泉首相が言うとおり内政干渉ではないでしょうか...?
> 国内的な活動ですよ...「参拝」は...
しかし彼らは「戦争被害国」の立場ですからね...「加害国」である日本はその心
情に配慮する道義的な責任はありますよね。。。
> 中国,韓国,北朝鮮などは何に対して憤懣を抱いているのでしょう...??
靖国神社には所謂「A級戦犯」も合祀されており,彼らも含めて祭神として祈り
を奉げる事になるからでしょう...やはり。。。
> 「戦争犯罪者」を祀るとは何事か! ...と言う憤怒の感情ですか...
> だから「A級戦犯分祀」という妥協案が登場する...
しかし前回述べたとおり,靖国神社は国立施設ではありません。
生い立ちはともかく,現在は独立した宗教法人ですから「A級戦犯合祀」も独自
の信条に従って行っている事です。
...そしてこの行為は違法でも違憲でもありません。
> しかし「戦争犯罪者」を神と祀るのは非常識かもしれませんよね...
そこですよ!...この問題を複雑にする最大の要因は。。。

「A級戦犯=戦争指導者=戦争犯罪者」という単純化された図式に納得できな
い人々が大勢いる事が原因と思います。。。
しかも「戦争犯罪」という概念そのものも,よく理解されていないのが実情では
ないでしょうか...?
> う~ん...戦争の責任が誰にあるのか?なぜ戦争を始めたのか?と言う事で
> すね...
まだあります。。。そもそも戦争を行う事は犯罪か?...と言う論点です。
> そう言えばアメリカだって戦争を始めていますよね...何度も...
自衛目的の戦争もありますから,戦争を行う事自体は犯罪とは考えられていま
せん...現在もそれは同じです。。。
> 「A級戦犯」はどの様な罪を犯したのでしたっけ...?? 確か「東京裁判」で判
> 決されたのでしたよね...戦争犯罪について...
「東京裁判」は「極東国際軍事裁判」と云うのが正式な名称です。
この裁判では,満州事変以降の一連の日本の軍事行動について,戦争指導者即
ち「A級戦犯」として起訴された28名の内,東條英機他の25名が「平和に対
する罪」等の戦争責任に問われ,被告として有罪判決を受け,刑に服したもの
です。
> この判決を国際的に受容れたのですよね...日本政府は...
受容れざるを得なかったでしょうね...ポツダム宣言を受託した敗戦国としては。
しかし,25名の「A級戦犯」が共謀結託して始めた戦争であるとは日本国民の
誰も考えてはいません...むしろ自衛目的の戦争だったとの解釈も一部では存在し
ていますし,東京裁判そのものの裁判形式や手続き上の問題も多く指摘されてい
ます。全員無罪と判決した判事も居ました...この裁判では。
> しかし戦争を行った事が事実である限り,戦争責任者を特定する必要はありま
> すよね...
「A級戦犯」の25名は大日本帝国の行った戦争責任を代表して受刑した,と云
うのが日本国内での解釈でしょうね...だから彼らも「戦争犠牲者」と考えられる
と思います。
そして彼ら「A級戦犯」は,1952年以降日本国内法上の罪には問われていませ
んし,さらに1956年には国際的にもサンフランシスコ講和条約により釈放されま
した。
> では刑は終えている訳ですね。「A級戦犯」としての...
そのとおりです...しかしながら,刑罰と法律上の責任は終えても,過去の罪自体
が消えてなくなる訳ではありませんから,被害者や遺族の方々に対する謝罪の気
持ちは,やはり必要でしょう?...道義的問題として。。。
> でも「A級戦犯=戦争責任者」の中で,現在存命の人は居ないですよね??
> 誰が道義的責任を負い続けるのですか...??
結局そこですよ。。。日本の首相が「A級戦犯」を奉じる神社を参拝する事に対
して「戦争被害国」が不快の念を表明する限りは,やはり道義的問題として行動
を慎むべきと考える人が多いのです。。。これが本質ではないでしょうか?
現代版「靖国問題」の。。。
> 長々とありがとう...少なくともBroの意見は良く分りました。
> 早く「しこり」が消えると良いですね...アジアの発展は共通の利益なのに...
少なくとも「偽メール問題」の時の様には行きませんよ,いくら小沢さんでもね。
