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『ジュンと秘密の友だち』~佐藤さとるさんの想いが、ぎゅっと詰まった1冊

2017-05-22 15:03:11 | 三浦半島~っ!
6月6日~11日までの間、横須賀市立児童図書館2Fで、

佐藤さとるの世界とコロボックル物語~ありがとう 佐藤さとるさん~』

が開かれます。




時間は、9:30~17:00(最終日は、16時)までです。


この開催がおおよそ決まった後に、児童文学作家の佐藤さとるさんが旅立たれました。

ああ・・・追悼展になってしまった、と実行委員一同悲しみましたが、ぜひ、佐藤さんの作品を多くの方々に読んでいただけるようにお伝えするのがわたしたちの役割、と準備を進めています。


今回は、横須賀市の児童図書館での開催ということで、たくさんの、そして、さまざまな年代の本を手に取って見ることができます。

同じタイトルでも、修正・加筆してあったり、出版社が違うものは、漢字の使用箇所が違っていたり。
読み比べてみると面白い発見があったりします。

ある本の挿絵には、チビえんぴつがいっぱい詰まった箱に『made in yokosuka』の文字も。
ぜひ、ご覧になっていただきたいページです。

また、県立神奈川近代文学館よりパネルをお借りし、佐藤さんのお写真なども展示します。


10日(土)は、11時から1時間、佐藤さとるさんの甥にあたる潤さんが、『伯父 佐藤さとるとの思い出』という内容でお話をしてくださいます。 (申し込みは6月1日より先着順。横須賀市児童図書館まで。定員が少ないので、お早めに!)

潤さんは、昨年10月に開いた生涯学習センターのコロボックル物語展にも来てくださっていたそうです。また、津久井浜の「うみべのえほんやツバメ号」の『わんぱく天国』の原画展にもいらしてくださったとのことでした。
その後も、何回か横須賀に来られたそう。

潤さんは、1972年に岩波書店から出版された『ジュンとひみつの友だち』(岩波書店版は、”ひみつ”が平仮名)のモデルになった方です。



(こちらは、現在購入できるファンタジー全集です)

本名は、佐藤潤さん。本の中では、鬼藤(きとう)潤さんです。
佐藤さとるさんらしいお名前の変え方。。。
(佐藤さとるさんは、わんぱく天国の中で、加藤馨くん。言葉にして声に出してみると、おおお・・という感じ)

横須賀日日新聞の取材のため、3年前に佐藤さとるさんにお話をうかがった時、
「長い話は、書きながら結末が決まってくるんだよ。でも、『ジュンと秘密の友だち』だけは、結末が決まっていた。」
と話されていました。

その時は、ほとんどの作品が書きながら書いた佐藤さん自身が展開に驚いた、という部分にフォーカスしていていたため、「一冊だけしか結末が決まっていなかった」という方ばかりに目がいっていました。

佐藤さんが旅立たれ、この本をじっくり読んでみて、その言葉の深さがやっと今わかりました。
「このことを、佐藤さんは最初からお話を通じて伝えたかったんだ・・・」言葉で伝えるというより、もう想いが丸ごと胸の中に飛び込んでくる、そんな感じでした。
人によって受け取り方は様々かと思いますが。

新たなパネルを今、作りながら、『ジュンと秘密の友だち』の中から「この一文は、はずせない」と思っている文があります。
その文は、児童図書館で! (おいおい・・・)

実行委員のほとんどは潤さんにお会いしているのですが、わたしはお会いするのが10日が初めてになります。
とても気さくな方だそうです。(フットワークの軽さからも推し量ることができますけれど。)


他に11日(日)14~15:00には、こけももの会によるブックトークがあります。さまざまな佐藤さんの本の紹介をしてくださいます。(こちらは、申し込み不要)


また、今回はゴブリン書房『わんぱく天国』の原画も4枚展示されます。
『わんぱく天国』は、安針塚(現:塚山公園)を舞台とした佐藤さとるさんの自伝的ファンタジーです。

今はきっと空の上で、本の中に登場する若くして戦争により旅立たれた二つの町のガキ大将、杉浦一郎くんと石井明くんとの再会を果たされたことでしょう!
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