15日、東京都内で講演するスティーブ・バノン氏(岡田美月撮影)

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 トランプ米大統領の有力側近で首席戦略官兼上級顧問を8月まで務めたスティーブン・バノン氏が来日し、15日に都内で講演した。

 14日に終了したトランプ氏初のアジア歴訪を「素晴らしかった」と絶賛する一方、経済力などを背景に対外拡張を図る中国を批判した。

 バノン氏は、トランプ氏を「世界で最も賢い交渉人の一人だ」と持ち上げ、今回のアジア歴訪中のトランプ氏の言動を絶賛。各国指導者と「強い人間関係を築いた」と強調した。緊張が増している北朝鮮問題については「バランスを取った対応をした」との見方を示した。

 バノン氏は中国について「人民元を米ドルに変わる基軸通貨にしようとしている」と指摘し、金融面で覇権を広げることが目的だと分析した。「(そうなれば)自由民主主義や自由経済などが敗北する」と警鐘を鳴らし、米国が「中国の台頭にどう対応するか」が重要な課題と指摘した。

 辞任後もトランプ氏と頻繁に連絡を取っているとされるバノン氏は、9月には訪中し、習近平国家主席の腹心である王岐山氏との「秘密会談」を英メディアに報じられるなど、“トランプ氏の密使”としての動向も注目されている。

 バノン氏は中国の人権問題などについて研究する「諸民族青年リーダー研修会」で講演した。(岡田美月)

 

。産経ニュース

http://www.sankei.com/world/news/171115/wor1711150029-n1.html