けつぬけ

昔住んでいた家のお隣さんは黒い猫を飼っていたのだが

この猫がふすまを開けるので、うちの母は気味悪がっていた。

ふすまを開ける猫は結構いる。

もちろん、ぴったり閉まっていると開けられない。

少し隙間が開いているところに手を入れて開けるのだ。

うちのたらは、ふすまを開けることが出来ない。

というのは、うちのふすまはやたらと重く（家がかしいでいるから？）

人間だって「えい！」と力を入れなければ開かないので、ましてたらでは。

そんなたらが最近、ドアを開けることを覚えた。

これまでは隙間があっても開けることが出来なかったのに

いつの間にかちょいちょいと手を入れて開けられるようになっていた。

そのドアはたらが家の中と外を出入りするためのドアなのだが

そこが開いているとやたらに寒いので帰ってきたら自分で閉めてくれりゃいいのに、と思う。

しかし戸を開けるのはまだしも、閉めるようになったら化け猫なんだとか。

そりゃ困ったね。

※ちなみに「けつぬけ」っていうのはうちのほうの言葉で「開けっ放し」のこと。

日本昔話のような

いろいろなものを獲ってくる名ハンターの「たら」であるが

先日、夜中にネズミを持ち帰って大騒ぎになり、母を怒らせてしまった。

その怒りも消えないうちにスズメを獲ってきたから、さあ大変。

「あんた、スズメの家族、どう思う？」

（スズメって家族がいるんだ）

「急にお母さんが帰ってこなくなったら可哀想でしょう！」

（獲ってきたのはお母さんスズメだったのか）

説教されるたらもわたしも目を白黒。

確かにスズメには気の毒だったが、なんだか笑ってしまった。