まさかの出来事

具合が悪かった一時期、夜はたらを部屋に入れないようにしていたことがあった。

というのは、たらは夜中に２度か３度、外へ遊びに行くのだが

以前は猫の出入り口から勝手に出かけていたのが

よその猫が、たまにそこから出入りするようになると

同じところから出るのが嫌になったらしく、玄関から出してくれと鳴いて起こすようになった。

ただでさえわたしは寝つきが悪い上に眠りが浅い。

まして具合が悪く情緒不安定。

安定剤を飲んでも2時間おきくらいに目を覚ます。

やっと眠ったところでたらに起こされ、そのまま眠れないこともある。

どんな病気の治療にも大事なのは、栄養と睡眠を十分に取る事だ。

わたしは心を鬼にして自分の部屋のドアを、夜中は閉めることにした。

はじめのうちは可哀想で気になって仕方なかったが

もともと夏は廊下で寝ていることも多いし、わたしの部屋へ入れないと悟ると

ちゃっかり母の部屋で寝たりしていた。

ただ朝方、トイレに行こうとドアを開けると部屋の前で待ち構えていることもあり

それなり不満はあったのだと思う。

ある日、病院に行く用意をしているとたらも外に行きたそうな素振りを見せた。

出かけるというのに出すのも嫌だし、よその猫に入ってこられても困るから

猫の通路につながるドアも閉めて出かけた。

一時間ほどで帰宅すると寝ている。

よしよし。

それから数時間後、用事で２階の母の部屋に入るとなんか臭う。

なんだかくさい。

なにか腐ってるんだろうかとゴミ箱をのぞくが、それらしい物はない。

うーん、と振り返ってみて驚いた。

シーツの上に、うんこが。

明らかに猫の。

部屋に入ってきたとき踏まなくてよかった。

帰宅後、猫用通路を開けたから、よその猫が入ってきたと考えられなくもない。

しかしよその猫が、わざわざここで用を足すだろうか。

ちなみにたらは、昔は家の猫トイレで用を足していたが

今は１００％外でしてくる。

だが万一の時を考え、簡易の猫トイレは置いてある。

我慢できなかったのならそこでするはずだ。

これは明らかにわざとの行為ではないだろうか。

犬や猫が留守番中にいたずらをしたり

思わぬところに、うんこをしたりという話をよく聞くではないか。

しかし、たらに限って・・・という思いもある。

だって留守番させたのは今回が初めてじゃないし。

もっと長い間、ひとりで（いや一匹で）留守番させたこともあるし。

だが今回はやはり特別だろうか。

好きなときにわたしの部屋に入れず、わたしはごろごろと寝てばかり。

邪険にすることはないが、自分のことで手一杯で

これまでのように自分に関心が向いていないのを、たらは感じ取っていたのではないだろうか。

だとすれば精一杯の抗議とアピールなわけで。

可哀想なことしたな、とは思うのだが

現場を見たわけではないので、たらだという確証はない。

ちなみにブツは、シーツごと捨てました・・・。