白黒つかない深夜のケンカ

夜中に、猫のうなり声で目を覚ました。

さては、またクロちゃんが侵入したな。

飛び起きると、二匹の猫がものすごい鳴き声をあげながら取っ組み合っている。

あれ？

一匹はクロちゃんだが、もう一匹はうちの猫じゃない。

シロちゃんだ。

え、シロちゃんまでうちのご飯食べに来てたの？

過去に二回ほど侵入したのを確認したことはあるけれどクロちゃんほど頻繁ではない。

大体、シロちゃんてメスだしおとなしいし、こんな激しいケンカするなんて。

クロちゃんシロちゃんというのは勝手にわたしが呼んでいるのであって

それぞれの正式名は知らない。

シロちゃんは近所の猫だが、クロちゃんはどこの猫なのか野良なのかも分からない。

うちには猫だけが出入りできる入り口があるのだが、

そこからクロちゃんが入ってきてうちの猫のエサを食べるので

やむなく外にもキャットフードを置いている。

毎日確認しているが、きれいに無くなっていることもあれば

ほとんど手付かずのこともある。

クロちゃんが食べているのか、はたまた他の猫なのか

もしかしてうちの猫が食べているのかもわからない。

そんなところにエサを置くから猫が寄ってきてしまうのだと言われるが

しかし置かなければ家に入ってきてしまう。

置いておいても、エサがなくなると入ってきてしまうくらいなのだから。

猫の出入り口をふさぐことは出来ない。

なぜならうちの猫は夜遊びをするからである。

心を鬼にして、外に出さないようにしようと思ったこともあるが

とにかく、要求が通るまで鳴くのだ。

出さなかったら一晩中、枕元で鳴くだろう。

鳴く猫と地頭には勝てない。

それにしても、よその猫がうちでケンカすることないじゃないか。

うちで鉢合わせしてしまったのだろうか。

うちのが留守でよかったよ、まったく。

クロちゃんは黒くシロちゃんは白い。

そしてうちの猫はグレー。

三毛とかブチとか増えないでくださいね。

いや、来るのはいいんだ。

ケンカしないでください。