最近、卵焼きが、母の味を再現できるようになりました。
ぞくに言うオムレツです。
卵焼き?そんなの簡単でしょう。って言われそうですが
母のオムレツ、いいえ・・・ 卵焼きは天下一品でした。
どうしてもあの味を再現できず、私のはオムレツでした。
寂しさは後で来るって友達に言われました。
朝 料理を作ってるときなど、ふっとあの大きなかまどに向かい
私には背を向けて食事の準備をしてる母の大きな背中が目の前に浮かんできます。
私はと言うと幼稚園児の私に戻って 爪を噛みつつ母の大きな背中を見つめています。
ご飯が大きなお釜に二つ、炊きあがります。
それを大きなおひつ(ご飯をいれる木で出来た入れもの)にどんどんご飯をいれて行きます。
最後におコゲが残ります。
母は不思議なほど、ぴったりのタイミングでご飯を炊き上げます。
電気がまでもガスがまでもありません。
かまどで炊くのです。
ぷ~~んといいにおいがしてきたと思うと出来あがりなのです。
最後に残ったオコゲで母はおにぎりを作って「はい」って私にくれます。
うっすら茶色のおむすびは香ばしいにおいがして 鼻腔をくすぐります。
お塩加減が絶妙で、その美味しかったこと。
なぜ、かまどかと言うと、当時の我が家は父が土建業をやっていて
多いときは5,60人の若い衆の食事を近所のおばさん数人と
トラさんと言うかまど焚きのおじいさん(私にはおじいさんに思えたのですが・・・。)と
母とで作っていたんだと思うのです。
母はてきぱきと采配を振るっていて、
それは無駄がなく恰好よかったのです。(^_^;)
遠い遠い・・・はるか昔の記憶です。
母に会いたいです。
なぜか突然そんな思いにとらわれてしまいました。