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(第12話) 出雲大社
旅行社の店舗の店先に、様々なツアー募集のパンフレットが並べられているのをこれまでよく目にした。国内旅行、海外旅行いろいろあるが、今回生まれて初めてそういったツアーのひとつに参加した。
「足立美術館、出雲大社2日間の旅」で、玉造温泉に一泊して、航空賃を含めた旅行代金がなんと3万円の安さである。このブログを読んでいただいているみなさんにとっては、珍しくもなんともない話だけど、私にとってはどうにも不思議な値段だった。世の中、安い物には裏があるとしたものだが、そんなものは何もなかった。添乗員さんも親切で、
「安すぎるー」
と、参加者のみんなは口には出さないけど、顔には出していた、
バスの運転手さんは、予定外の松江城や、出雲大社駅をまわってくれた。この駅がなんとも素晴らしかった。全国から出雲大社にお参りに来た人の終着駅で、
いーつついずものおおやしろおー
と高らかに歌いながら(私の想像)、昔の人はこの駅から、出雲大社に向かって行った光景が目に浮かぶ。

出雲大社を一巡りしたあと、添乗員さんの勧めで、ひとりで出雲大社に隣接する、古代出雲歴史博物館に行った。バスの出発時間があるのでゆっくりはしてられなかったが、せわしく一通り見て回った。
巨大神殿の模型が大変おもしろかった。現存してないので正確なところはわからないが、48メートルの高さであったと言われている。神殿を支えるスギの柱が、3本一組で結わえられ、柱の直径が1.3メートルに達していたという。階段をのぼっている白装束の神官(写真)から比較すると、びっくりするような高さである。運んでくるだけでも大変だのに、当時はそんなスギが、近くにいくらでも生えていたのだろうか。

時間がないので、博物館をでて急ぎ足でバスの待っている広場に到着した。バスにはもう人がいっぱいいたけれど、私は買いもしないお土産屋をのぞいて時間をつぶした。
けれど、もとよりお土産には興味がなかったので、バスにもどった。違うガイドさんがドアに立っていたが、気にせず通路を奥に進んだ。私の席は後部だったが、いやに混んでいる。野球帽を被ったKさんがこちらを振り向いた。
Kさんではない。
よくみると仲間のSさんも、Tさんもいない。ひょっとしたらバスを間違えたかなと思って、あわてて降りた。バスの表示を見ると、何々様御一行とあった。私のバスは、びゅーびゅーツアーとか、確かそんな名前だった。
バスは、この一台しかなかった。まだ来ていないのかなと思ったけど、少し心配になって、Sさんに携帯電話をかけた。
今、目の前の‘コーヒー屋’にみんなでいるということだった。
えっ? 見渡しても、お土産屋はあっても、喫茶店など近くにみあたらない。重ねて聞いた。どうも違う駐車場にいるらしいこがわかった。ここにきて、はじめてあわてた。通常なら少々の遅刻は許されるけど、飛行機の出発時間があるので、それに間に合わなければ、ツアー参加者みんなにたいへん迷惑をかけることになる。
小走りに道路に出て、駐車場がどこにあるかもわからず歩いた。
(ここからの話は、作り話と思われるかもしれませんが・・・)
この一部始終を、天上から見ていたオオクニヌシノミコト(その昔、白ウサギを助けたことがある)は、あわれに思って、タクシーの運転手に姿を変え、私の前を通りがかった。そうとは知らず、私は、タクシーの運転手さんに事情を話し、それと思われる駐車場につれていってもらった。既にバスは待っていた。
助かった。先ほどの参詣でお賽銭が少なかったことを恥じ、「お釣りはいいです」 といって、タクシーを降り、その後、無事空港に着いた。
《 ⇒ハワイの出雲大社に戻る》
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(第12話) 出雲大社
旅行社の店舗の店先に、様々なツアー募集のパンフレットが並べられているのをこれまでよく目にした。国内旅行、海外旅行いろいろあるが、今回生まれて初めてそういったツアーのひとつに参加した。
「足立美術館、出雲大社2日間の旅」で、玉造温泉に一泊して、航空賃を含めた旅行代金がなんと3万円の安さである。このブログを読んでいただいているみなさんにとっては、珍しくもなんともない話だけど、私にとってはどうにも不思議な値段だった。世の中、安い物には裏があるとしたものだが、そんなものは何もなかった。添乗員さんも親切で、
「安すぎるー」
と、参加者のみんなは口には出さないけど、顔には出していた、
バスの運転手さんは、予定外の松江城や、出雲大社駅をまわってくれた。この駅がなんとも素晴らしかった。全国から出雲大社にお参りに来た人の終着駅で、
いーつついずものおおやしろおー
と高らかに歌いながら(私の想像)、昔の人はこの駅から、出雲大社に向かって行った光景が目に浮かぶ。

出雲大社を一巡りしたあと、添乗員さんの勧めで、ひとりで出雲大社に隣接する、古代出雲歴史博物館に行った。バスの出発時間があるのでゆっくりはしてられなかったが、せわしく一通り見て回った。
巨大神殿の模型が大変おもしろかった。現存してないので正確なところはわからないが、48メートルの高さであったと言われている。神殿を支えるスギの柱が、3本一組で結わえられ、柱の直径が1.3メートルに達していたという。階段をのぼっている白装束の神官(写真)から比較すると、びっくりするような高さである。運んでくるだけでも大変だのに、当時はそんなスギが、近くにいくらでも生えていたのだろうか。

時間がないので、博物館をでて急ぎ足でバスの待っている広場に到着した。バスにはもう人がいっぱいいたけれど、私は買いもしないお土産屋をのぞいて時間をつぶした。
けれど、もとよりお土産には興味がなかったので、バスにもどった。違うガイドさんがドアに立っていたが、気にせず通路を奥に進んだ。私の席は後部だったが、いやに混んでいる。野球帽を被ったKさんがこちらを振り向いた。
Kさんではない。
よくみると仲間のSさんも、Tさんもいない。ひょっとしたらバスを間違えたかなと思って、あわてて降りた。バスの表示を見ると、何々様御一行とあった。私のバスは、びゅーびゅーツアーとか、確かそんな名前だった。
バスは、この一台しかなかった。まだ来ていないのかなと思ったけど、少し心配になって、Sさんに携帯電話をかけた。
今、目の前の‘コーヒー屋’にみんなでいるということだった。
えっ? 見渡しても、お土産屋はあっても、喫茶店など近くにみあたらない。重ねて聞いた。どうも違う駐車場にいるらしいこがわかった。ここにきて、はじめてあわてた。通常なら少々の遅刻は許されるけど、飛行機の出発時間があるので、それに間に合わなければ、ツアー参加者みんなにたいへん迷惑をかけることになる。
小走りに道路に出て、駐車場がどこにあるかもわからず歩いた。
(ここからの話は、作り話と思われるかもしれませんが・・・)
この一部始終を、天上から見ていたオオクニヌシノミコト(その昔、白ウサギを助けたことがある)は、あわれに思って、タクシーの運転手に姿を変え、私の前を通りがかった。そうとは知らず、私は、タクシーの運転手さんに事情を話し、それと思われる駐車場につれていってもらった。既にバスは待っていた。
助かった。先ほどの参詣でお賽銭が少なかったことを恥じ、「お釣りはいいです」 といって、タクシーを降り、その後、無事空港に着いた。
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