88グリーンビートル

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シンガポールの庭園 ガーデンズ・バイザベイ/大温室 クラウド・フォレスト 

2019年04月26日 | 日記
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シンガポールの庭(12) ガーデンズ・バイザベイ/クラウド・フォレスト

巨大温室はもう一つあります。

高さ35メートルの、尖った人工の山があり、その頂上から水が滝となって、ものすごい勢いで流れ落ちています。

熱帯と言っても、ボルネオのキナバル山のように4000mを超す山もあり、その頂上は雲に覆われ気温も低く、年中寒いのです。

当然、高度が増すごとに植生も異なってきます。それを温室の中で再現しているのが、このクラウド・フォレストです。よく、こんなものを作ったなと、ほとほと感心しました。




滝の下の床は、水しぶきで一面濡れていて、周囲のシダ類が生き生きしていました。










苔が、亀甲状に貼ってあり、もこもこ感が出してあります。








高山地帯の植栽です。




食虫植物のコーナーです。






スカイウオーク。おびただしい数の植物が、山の斜面というか、壁面を覆っています。下を見ると、人が小さく見えます。























温室を出て、園内を散策しました。園内は無料なので、市民の憩いの場所になっています。



背景の建物は、屋上にプールがあるという、有名なホテル、マリーナ・ベイ・サンズです。











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シンガポールの庭園 あとがき

2019年04月24日 | 日記
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シンガポールの庭(14) あとがき

名古屋は、日本の都市の中で、一番人気のない都市といわれているそうですが、言われてみれば、確かにそうで、知人が名古屋に訪ねてきたとき、どこに案内しようかと思っても、一日分くらいしか行くところがありません。

まず、名古屋城。

その名古屋城に、本丸御殿が完成し、天守閣を木造に作り直す計画もすすんでいます。 “金シャチ横丁”もできて、ここにきて観光にも少し力が入りはじめた感じです。

シンガポールから帰ってきて、改めて名古屋の街を見てみました。

シンガポールの目で見るせいか、空き地や道路わきの雑草が気になります。広告看板や売り出しの旗、電線など目障りなものもやたら多く、街の美観を損なっています。

しかし、この程度の景観は、生活感があっていいという人もいます。あまり街をきれいにしすぎると、なんとなく落ち着かず、道端のゴミや、壁の落書きのある風景が懐かしくなるそうです。

そこで、ゴミや落書きの件は、条例などで規制するのではなく、その地域に住む人たちのモラルに任せ、県や市は、街路樹に着目してほしいと思うのであります。

10年くらい前のことですが、造園組合40人ほどで東京の庭園見学に行ったことがあります。その時、東京の中心部では既に電柱や電線の類はなく、空間はのびのびした街路樹で占められていました。

最近では、名古屋駅周辺の一部からも電線が消えて、のびのびした街路樹になってきていますが、わが尾張旭まで足を伸ばすと、相変わらず、ちんちくりんに枝を切り落とす街路樹剪定が主流です。

もうそういう剪定はやめて、木は伸びるだけ伸ばし、町がこんもりと樹木に覆われるくらいの、森の都「名古屋」にするというのはどうでしょうか。剪定は、大透かしにして、日差しだけは入るようにします。

また空き地という空地は、すべて市が一時的に借り受け、そこに木をいっぱい植えて、林にし、街のあちこちに里山の雰囲気をつくりだします。

できれば小さな池と小川をつくり、メダカを放します。トンボやゲンゴロウなども育てます。広い空地であれば、循環装置を使った小川をつくり、ホタルも飼育します。

元々里山にあった、チョウの食草になる、樹木や、草をいっぱい植えて、アゲハチョウから、シジミチョウまで、大小100種類のチョウが街中をとびかう「里山名古屋」にするという案は、どうでしょう。これなら、お金をかけず、観光名所ができます。

シンガポールの人工的な美しさに対し、名古屋の自然「里山」の美しさを世界にアピールし、日本で一番訪れたい都市にするのです。

造園業者が主役に躍り出るチャンスです。

シンガポールのガーデンをつぶさに見てきましたが、そこからたどり着いた発想は、自然そのものを見つめなおす、日本の新しい庭づくりでした。

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シンガポールの庭園 ガーデンズ・バイザベイ(3)スーパーツリーと、中国庭園

2019年04月24日 | 日記
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シンガポールの庭(13)ガーデンバイザベイ/スーパーツリーと中国庭園

ガーデンズ・バイザベイには、先に述べた巨大温室の他にいくつかのガーデンがあります。その中で、中国庭園だけ少し覗いてみました。日本でも、沖縄でも、ハワイでも見たことはありますが、私には今ひとつよくわからない庭です。あの穴のあいたデコボコの石をタテづかいに組んで、それが池の周辺にあります。

奇岩を愛でるというか、何かうっとりさせられるものがあるようで、おそらく会話も奇岩の話題で盛り上がり、下世話に言えば、この石はいくらで手に入れたなど、自慢の対象にしているのではないでしょうか。











日本でも、そんな時代がありました。

私が庭師になりたての頃は、ちょうど庭石ブームで、どこそこの産地のナントカ石で、値段はいくらしたとかいうのが、庭を持つ人のステータスになっていました。



さて、有名なスーパーツリーは、そばで見ると、とてつもなく大きい。



あの鉄パイプでできた枝の先にペンキを塗るのはどうするのか、ちょうど手すりを塗っていた作業員に聞きました。あれは特別なグループがいて、自分たちにはできないと言っていました。

園内に大きな高所作業車があり、これを使うのかなと思って、写真に撮りましたが、上からみると、全然小さく見え、とてもスーパーツリーの枝先までアームが伸びそうにありません。伸びたとしても、こんな恐ろしいところは、私には無理だなと思いました。





スカイツリーを結ぶスカイウエイという吊り橋があり、エレベーターで登れます。

















斜め上からの眺めは、それこそ鳥の目で見る景色で、鳥瞰図を書くときの練習にちょうどいいと思って写真を何枚もとりました。

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シンガポールの庭園 ガーデンズ・バイザベイ(1)大温室

2019年04月14日 | 日記
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シンガポールの庭(11) ガーデンズ・バイザベイ/多肉植物、サボテン、ヤシ

これまでたくさん植物園を見てきて、自分なりに、理想的な植物園像を頭の中で描いてきましたが、このガーデンズ・バイザベイ巨大温室に一歩足を踏み入れた瞬間、これは自分の想像をはるかに超えるものだと思い知らされました。

もう、これ以上付け加えるところなどない、完璧な植物園温室です。

温室は二つありました。まず、一つ目の温室から、写真で紹介していきたいと思います。多肉植物やサボテンのガーデンですが、シンガポールの彫刻家の作品が、これらのガーデンの中に、溶け込んでいます。面白い趣向でしたので、こちらの作品を先に拾い出して、まとめてみました。


鳥が羽を広げている作品です。

















それでは、多肉植物、サボテン、ヤシの順に紹介していきます。
























針葉樹かと思ったら、トゲだらけの木でした。下は拡大写真。














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シンガポールの庭園 ジュロン・バードパーク 

2019年04月10日 | 日記
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シンガポールの庭(10) ジュロン・バードパーク

鳥だけの動物園です。

こういう施設を、日本ではなんというのでしょうか。

フラミンゴは、羽の付け根を切ってあるので、飛べないと聞いたことがありますが、ここではペリカンも放し飼いになっていました。池の中には、色々な種類のペリカンが、いっぱい浮かんでいます。




これは、ツルかなと思っていたら、白いフラミンゴでした。ツルは、こんな暑い国には来ません。


これが、ペリカンの池です。

係員らしい作業員の人にそのことをたずねたら、別に何もしていないけれど、どこへも飛んで行かないという話でした。ここは、餌の豊富な場所みたいに思っているのか、どこか飛んで行ってもまた戻って来るのでしょう。


周囲の高い木の梢にもたくさんとまっていて、時折空中を飛んでいました。

インコなど、きれいな鳥のケージも、二重ドアになっていて、人間が中に入って観察できます。きれいな羽をしているので、人気があります。この巨大な鳥かごの中に、観察するための桟道まであります。

下2枚の写真は、巨大な鳥かごです。インコが並んで泊まる電線まであります。写真左上。




人気のあまりなさそうなのが、古代の鳥の館です。生きた鳥がいるわけでなく、写真のように変な鳥の絵が描かれたパネルがあるだけです。あとはたまごやら、骨が展示してあります。





古代と言っても、ドードーのように、ついこの間までいっぱいいた鳥もいます。大航海時代に、船乗りが島に上陸して、片っぱしから捕まえて、食べてしまったので、絶滅したのだそうです。

でもこれらの絶滅した鳥を見ていると、恐竜の中から羽毛を持った者があらわれ、それが鳥に進化していったことがよくわかります。当初は、キリン位背が高く、カバみたいに重たい鳥もいたみたいで、恐竜にとってかわって地上を暴れまわっていたようです。

そして、同じころ地球上に登場した哺乳類の、鹿みたいな動物を追いかけて、巨大なくちばしで、カブッとまるごと捕まえていたそうです。

こういう飛べない鳥の仲間は、ダチョウを初め、現在もけっこういるみたいです。

化石みたいに微動だにしないハシビロコウは、いかにも「古代鳥です」という風貌をしていますが、実際古生物かどうかは知りません。目の前で、動かずにいる本物を見ましたが、写真には撮りませんでした。



トラムに乗って移動しながら、園内を見学できます。駅は4つあり、自由に乗り降りできます。









ヘリコニアの一画がありました。こういうのはみんな、ストレリチアと思っていたのですが、ヘリコニアと案内版に書いてあるので、どちらかが英語名で、もう一方が学名のラテン語かなと、その時は思っていました。その後ちょっと調べてみたのですが、どうもいまだによくわかりません。









最後にトイレの写真を紹介します。正面はガラス張りで、ここでもガーデンが鑑賞できました。



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