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西表島 はじめに 

2020年03月20日 | 日記
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西表島(1) はじめに




【写真】 ヤブレガサウラボシ

ジュラシック・ガーデンになくてはならない、古代シダ、「ヤブレガサウラボシ」の群生地が、ほかならぬ日本の南端、西表島にあると知っていながら、昨年の正月は、シンガポールに行ってしまいました。(詳しくは、ヤブレガサウラボシ顛末記参照)

残念ながら、シンガポールでは、20年ほど前に消滅したという報告があり、その場合はマレーシアの高地まで足を伸ばすことも考えていました。それほどまでにヤブレガサウラボシに魅了されたのは、シダとは思えない、その独特の形をした大きな葉にあります。

私の頭の中では、2億年前の地球が浮かんでいます。

奇妙な形の植物が生い茂る中、ヤブレガサウラボシが群生して地表を覆っていました。草食恐竜たちが、食べても食べても、胞子を空中に飛ばして増えていく、このヤブレガサウラボシこそが、ジュラシック時代の生態系を支えてきた、主役かもしれません。当時のほとんどの植物が絶滅してしまった現在、こうして日本の片隅で、今なお群落をつくって、生き続けている姿に、南北に長い日本という国が誇らしく思えます。

西表島は、島の南と北にそれぞれに1000人くらいの人が住んでいる、小さな町というか集落があるだけで、あとは島全体がジャングルに覆われています。

今回の旅の目的は、このヤブレガサウラボシを見ることで、2日あればこと足りたのですが、雨もよく降りそうなので、4日間滞在する計画を立てました。

幸いというか、ほとんど雨が降らず、とはいえ他に何もないこの島で、2日間余分に過ごすことになりました。宿のソテツを剪定したりして、それなりに退屈せず過ごしましたが、そうでなくても数少ない観光客が行くような、ビーチなどは行きませんでした。


(島の面積は、名古屋市より、少し小さい)

西表島は、図のような丸い島で南から仲間川、北からは浦内川が、島の中心に向かって伸びています。どれだけ雨が降るのか知らないけれど、一見してアマゾン川を小さくしたような景色です。川の水も豊富ですが、海の水も奥まで入り込んでいるので、巨大な川に見えます。両岸にはマングローブの林が続き、それを見るための一日ツアーが石垣島から毎日のように出ていました。

ヤブレガサウラボシは、それらの川の上流にあります。

その川に沿って山道をどんどん辿っていくと、島を縦断できることになります。ガイドをつけて、10時間ほどかかる難コースで、営林署の入山許可が必要です。確かに、途中で道のない森に入りこんだら、出られなくなってしまいそうです。

ともあれ、念願のヤブレガサウラボシを目にした時の感激は、小学生のときに捕えた、スミナガシ(タテハチョウの一種)以来、数十年ぶりに味わった旅になりました。

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