88グリーンビートル

活動内容や、案内

京都迎賓館庭園  その他 南禅寺など  

2018年09月10日 | 日記
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京都迎賓館、京都国際会議場、府立植物園、捗成園、二条城、南禅寺、大徳寺大仙院

庭師5人で相談して、新しくできた、と言っても、もう7,8年まえになりますが、その京都迎賓館の庭を見に行こうということになりました。

昼前、新幹線で京都に着きました。そこからすぐ地下鉄に乗って今出川まで行き、旅行荷物を持ったまま、御所の中を20分くらい歩くと、迎賓館の受付にでました。

言うまでもなく、迎賓館は外国の賓客をもてなすところで、東京の迎賓館赤坂離宮は、よく耳にしますが、その東京の迎賓館にも劣らぬ、和風建築のすばらしい造りで、京都ということもあって、庭には特に力をいれていることがすぐわかりました。建物に囲まれた池は広く、鯉はもとより、池底の石のひとつひとつが見えるほど、水が澄みきっていました。池の中に組まれた庭石を、水面に映る建物や、庭木が囲んでいました。

















木造の小舟が一艘、船着き場に繋がれていました。日本では昔から、大きな池に、舟を浮かべて、庭を眺めて楽しむ風習があったようです。

京都迎賓館ができて、一番初めに国賓として迎えられた、結婚まもないブータンの国王と王妃が、この舟に乗られたという説明がありました。世界の最貧国と言われながら、世界一幸福度の高い国の王様に、こけら落としではないけれど、一番相応しい方に乗っていただいたと思いました。



京都で一泊して、みんなは満足して名古屋へ帰っていきましたが、私は一人残って、あちこち庭を見て回り、3日目の夜遅く、名古屋に戻りました。



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東京 夢の島熱帯植物館

2018年09月09日 | 日記
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夢の島 熱帯植物館

東京江東区のゴミ処理場の敷地に、ゴミの焼却熱を利用した、熱帯植物の巨大な温室があります。



温室は、3つのドームからできており、Aドームは、熱帯雨林の水辺の植物、Bドームは、ヤシや、熱帯の果実や花、そしてCドームは小笠原諸島(東京)の植物を紹介しています。

最初に不思議に思ったのは、温室の周囲にクロトンや、ストレッチアなどの観葉植物を植えこんだ花壇があり、冬に弱いヤシ類や、シダ類も植わっていたことです。

木場で有名な江東区は、海に接しているので、多少暖かいのかなと思って、作業をしていた人に聞きました。

特に冬は何もしていなくて、このままだそうです。











温室の側の、コバノナンヨウスギ(写真上)も、すくすく育っていて、巨大ドームを引き立てていました。以前、浜名湖の花博跡でみたこの木は、むりむりそこに植えられたという感じで、今一つ元気がなかったのと対照的でした。

事務所のスタッフの人を呼び止めて、この木のことについて聞きました。

彼女の説明によると、焼却場から出る高温水は、温室内を暖房するだけでなく、パイプを地中に埋設して、土そのものを加熱しているのだそうです。おかげで、毎年どんどん大きくなっていると言ってました。



























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庭師のブログ(32) ビッグバン

2018年09月07日 | 日記
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庭師のブログ(32) ビッグバン/ 東京国立科学館


その日、台風10号が東京に近づいていた。時間に追われる一日となりそうだった。



上野で降りて、まず東京国立科学館の恐竜常設館に行った。トリケラトプスの写真を撮って、メインの首長竜もみて、その他いろいろ見て、宇宙の始まりのコーナ―で足が止まった。

地球の歴史以前に、宇宙の歴史があることに、気づかされた。

これまでの私の知識では、宇宙は初めから存在していて、そのうちの恒星のひとつである太陽がある日爆発して、その破片が惑星となって、太陽の周りをまわりだした。地球ができたのが47億年前で、恐竜が出現したのが、3億年から1億年前という話は、前回書いた。

ところがここにきて、知ったのであるが、知らない人は、私のようにびっくりするかも知れないが、宇宙ができた年、つまり宇宙の始まりというのがあったのである。

これまで、耳にしたことがある、ビッグバンが起こったのである。何のことかよくわからないが、何かが大爆発して、星がいっぱいできたらしい。

それは137億年前と言われていたが、近年になって、計算し直すと、いやもう一億年前の138億年前に、宇宙は誕生したのだそうだ。それほど正確に宇宙の始まりは、計算できるのだ。

宇宙の歴史がスタートして、90億年かそこらでもう地球ができ、その46億年後に、私たちがいるのである。つい、この間のことのような錯覚を覚える。

ところが宇宙の始まりがあれば、宇宙の終わりもある。それも計算できるらしいのだが、それによると、宇宙の終わりは、10年の70乗という途方もない数値であるらしい。1兆の1兆倍が、まだ10の24乗というから、私たちからみたら、もうそれは無限に近い。

昔、二本松造園にM君という職人がいた。ちょっと変わり者だったが、突飛なことを言っていつも周囲を笑わせていた。

彼は、毎月京都の花園大学で開かれる、山田無文老師の禅の講話を、新幹線を使って、欠かさず聴きに行っていた。

聞いてきた話をよく、私たちにしてくれるのであるが、古代のインドには、時の長さを表す「カルパ」という単位があるというのである。

1カルパとは、例えて言えば、一里四方の土地に、大きな岩がゴロゴロといっぱい転がっていて、それを天上から天女が、1000年に一度地上に舞い降り、まとっている絹の衣の袖で、岩のひとつをサッとひと撫でして、また天に帰っていくのである。

それを1000年ごとに繰り返しているうちに、衣で撫でられてすり減った岩は、やがて一里四方の土地からすっかり消えてしまう時が来る。それが1カルパだそうである。仏教の教えによると、宇宙ではそれが繰り返されていると、彼は言う。

10年の70乗というのは、そういうことだったのかと、今になってやっとわかってきた。

恐竜庭園から、こんなところにたどり着いてしまった。


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東京 小石川植物園 

2018年09月03日 | 日記
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小石川植物園 (東京大学附属植物園)


最近は、シダに関心を持つようになりました。






マツバラン 葉も根もない、茎だけのもっとも古いシダ。ジュラ紀は中生代だが、それより以前の古生代から繁茂していたシダ類(以下) 


ゼンマイ 古生代から続くシダ


リュービンタイ 古生代から続くシダ


クラマゴケ 古生代から続くシダ その他、イワヒバや、スギナ、トクサなども古いシダの仲間です。
   
ジュラ紀には、シダや苔はもう地球に繁茂していて、草食恐竜の餌になっていました。食べても食べても、胞子が空中に飛散し、どこからでも生えてくるので、私の想像するところでは、おかげで恐竜はどんどん数を増やし、地上はまさに恐竜の楽園となりました。

多くの恐竜や、古代植物が滅んだ今なお、胞子を飛ばし続けてしぶとく生き残り、勝手に庭などに生えているけれど、雑草と違って、妙に庭になじんでいるので、どこでも大切に扱われているようです。

シダ園が小石川植物園にあると聞いていたので、今回の東京行きでは、一番楽しみにしていました。

むかし薬草などを育てていた、小さな植物園を想像していたので、着いてみて驚きました。都心に山が一つあるくらいの広さに、高さ十数メートルもあるイチョウや、針葉樹の広い森があり、裾野にはいくつも池があって、トンボが飛び交っていました。

その割に、目当ての「シダ園」は、広大な園の隅の方にちんまりとたたずんでいました。誰も来ない出入り口の石に腰かけて、おにぎりを食べながら、半時ほどそこで過ごしました。

関連記事 《 ⇒サンディエゴ大学 シダ園


ニュートンのリンゴ

今から350年ほど前に、イギリスのニュートンという人が、自宅の庭を眺めていました。その時、リンゴの木から、リンゴがポトリと地面に落ちました。それを見て、これは上から下に落ちるのではなく、地面から何かがリンゴの実を引っ張っていると考えたニュートンは、後に万有引力の法則を発見しました。

その由緒あるリンゴの木から、接ぎ木をしたものが、今この小石川植物園の一画で大事に育てられています。収穫したリンゴは、「ニュートンリンゴ」と銘打って、どこかで販売されているのか、気になるところですが、そういう気配はありませんでした。


ジュラシックツリー

2億年前のジュラ紀の地層から化石として知られていた、ナンヨウスギ科のウオレマンパインという木が、オーストラリアの山中で発見され、当時生きた化石と話題になったそうです。ジュラ紀の植物であることから、ジュラシックツリーと呼ばれ、挿し木などして増やし、世界の植物園などに寄贈されました。

私が初めてこれを目にしたのは、つい数か月前の、名古屋の東山植物園(東山植物園)でした。その後、京都府立植物園でも目にし、今回またここ小石川植物園で出会いました。ジュラシック庭園をデザインし始めた時を同じくした出会いに、なにかとても親しみを感じました。













赤い建物は、植物園に隣接する、旧東京医学校本館です。


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