いくら均整のとれた体型をしていても
いくら美しく綺麗な被毛をしていても
いくら丁寧にお手入れされていても
何か足りなく思う時があります。
それはいったい何なんでしょうか ?
美しい彼らの魅力とは何なのでしょうか ?
ブリーダーさん達は、我が手から仔犬たちが離れた時から覚悟しています
この中から一体何頭の仔が私達の理想の仔に近づくことが出来るのだろうかと ・・・
決して理想以上の仔になってくれるとは想像されておられないと思います。
中には想像以上に大化けする仔もいるようですが
大抵は想像の範囲の中に収まるそうです。
本来ならば、全ての仔が理想以上の仔になって欲しいという希望をお持ちなのでしょうが
現実はそうではありません。
家庭犬としての環境の中では到底できない部分があるのです。
いくら立派なチャンピョン犬でも一旦ショーチャレンジから離れてしまい
家庭犬になってしまえば
ショードッグとしてカムバックさせることは非常に時間と労力が掛かることなのです。
それは何か ?
被毛や体形などではないのです。
被毛においては良く手入れされた家庭犬の方がはるかに美しい場合が多いのです。
ドッグショーでチャンピョンホルダーとなった仔達をご覧になった事はありますか ?
多分近くに寄って良くご覧になると分かると思いますが
被毛の状態は、あらゆるテクニックを駆使され私達の眼ではどれがどうと判断できないほど
人の手が加えられ本来ある被毛の状態が分からないほどになっています。
M・シュナウザーの場合、年に二回人工的に換毛させているのです。
換毛期と言う季節的な時期や、それに沿った彼らに負担の少ない時期を選んで行われます。
大方のそれは、ショー・ドッグの場合ドッグショーのスケジュールに合わせて行われます。
そして美しいアウターコートを身にまとわせてドッグショーに出陳しているのです。
しかし、その美しさもほんの数十日、数週間でピークを過ぎてしまいます。
それをなんとか数カ月持たせようと人の手が加えられるわけです。
では、家庭犬との差はいったい何なんでしょう ?
猫になってしまった彼ら ?
同じようにトリミングされた彼らを見比べると
明らかに違うところが分かります。
それは、威風堂々とした姿勢で一点を見つめる彼らと
いつの間にか悪くなった姿勢から体形も崩れてしまうのです。
何時も下を向いた頭のおかげで背筋は曲がり
前肢や後肢は力強く大地を踏みしめることを忘れ姿勢は屈みがちになっています。
ブリーダーさん達は思います。
あの仔達がまるで 猫 のようになってしまった ・・・ 。
彼らの失われた魅力は何なのでしょう
部分部分の体のパーツをとってみても遜色は無い
皮膚や健康の状態はかえって良いくらい
被毛の状態も遜色ない ・・・
どこかちがう ?
そう、姿勢の悪さなのです。
私は思います。
もう一つの魅力 ・・・ それは
立ち姿 の美しさ、歩様 の美しさなのだと思うのです。
この二つの要素が兼ね備わって始めて彼らの魅力が際立つのです。
どんなにお手入れして美しい被毛を保っても姿勢一つでその美しさは失われてしまいます。
ドッグショーに出すわけでもないからどうでもいいでしょう ・・・
本当にそうですか ?
ご自分の家族がいつまでも美しくいて欲しいと思う気持ち
どの仔よりも美しくあって欲しいという気持ちに偽りは無いと思うのですが ・・・
どうでしょう ?
キッと胸を張り、四肢は大地にしっかりと根付くかのように力強く体から張り出し
スックと天を突くかのように伸びた首筋から
肩・背中・腰にかけて若干の傾斜が掛った歪の無いなだらかな流れのライン
そして、この流れを一気に断ち切るかのようにピンと立ち上がっているテール。
ノーズラインは正面前方斜め下方をさし
瞳はまるで獲物を今にも捕らえ様とするが如く前方方向を見つめ続ける。
どうでしたか ?
想像できましたか ?
ほんの一瞬でもいい、こんな素敵な姿勢でいてくれたらと思う事がありませんか ?
バランスのとれた立ち姿が美しい事、これは全ての要素を一つにまとめ上げる上で
最も重要な要素です。
生き生きとした健康的な彼らの姿は、美しい立ち姿によって更にその魅力を益します。
そうした彼らにしていくにはどうしたらよいのでしょうか ・・・ ?
先ずは日頃のお手入れの中から ・・・ コツコツと始めましょう。
それは何かと言うと ・・・
日ごろのお手入れを正しい姿勢を維持させながら行う事だと思います。
即ち、トリミングテーブルの上などで日頃のお手入れを行う事です。
大きな広いテーブルの上ではなく小さめなテーブルの上で
日常のお手入れいやトリミングを行う事です。
彼らは高い所に置いてあげればほぼ自然にじっと立ちつくすことでしょう。
この時、広いテーブルなどでは動き回ったり伏せてしまってかえって逆効果です。
四肢で立った状態で身動きがとりにくいぐらいの大きさのテーブル又は台が理想的です。
この上で日常のお手入れをすれば狭く高い場所でバランス良く立つことを
自然に体得していくはずです。
この積み重ねで姿勢は少しづつ良くなっていくはずです。
トリミング用テーブルアームがあればこれを使用して
頭を常にあげている事を意識させるのも大切です。
それから、お散歩の時も姿勢良く歩くことを意識させることが大切です。
彼らは若いうちは自分の進みたい方向にがむしゃらに進もうとします。
この時私達はその方向に一歩も進む事が出来ない事を彼らに分からせなければなりません。
立ち止まりリードをそれ以上彼らの行きたい方向に引っ張らせない様にします。
これを彼らが理解するまで毎回行います。
次にお散歩のリズムにメリハリを付けてあげます。
お散歩の出発直後は引っ張りたがりますので少し抑え気味に歩かせます。
ある程度歩いた後しばらく好きなように歩かせます。
ただし、この時も彼らには進行方向とペースは
私達がコントロールしているのだという事を意識させておかなければなりません。
ある程度自由に歩かせた後今度は、リードを短めに持って私達の左側方に彼らをよせます。
また、カラーを顎のすぐ下まで上げてリードもその時の長さに短く握り調整します。
そして、マーキングや他の匂いを嗅がせぬようにリードを張り気味に短く持って歩きます。
その時の歩く速度は少し早目で歩きます。
彼らが走るような速さではなく並み足で少し早目の歩調で歩かせます。
気分はドッグショーに参加している感じでいいと思います。
その距離は、最初は短く少しづつ長くしていきますが
お散歩全般をこの調子にする事は避けましょう。
お散歩が嫌いになってしまう場合があります。
お散歩の一部と位置付けて下さい。
そして上手にできても出来なくても終わったら褒めてあげて下さい。
彼らは褒められる事がとても嬉しいのです。
リードで繋がれてコントロールされている事をいつも意識させておくことが大切です。
また、この事がドッグランへ連れて行った時の彼らの解放感への喜びに
どれだけ大きな影響を与えるかを知って欲しいのです。
普段のお散歩で彼らを 自由にさせ過ぎる事 は、
私達にとっても彼らにとっても好い事ではないと思います。
彼らをコントロールできないという事は、 彼らを猫にしてしまう事 につながります。
彼らの魅力を引き出すカギは、彼らを 猫 にしてしまわない事にあると思います。
毎日のお手入れとお散歩でのちょっとした気遣いと工夫
これで彼らの魅力はかなり増すのではないかと思います。
まだまだやってみたいと思う事はありますが暗中模索の現在の状態です。
魅力ある彼らとは
健康で美しい容姿 とそれを支える 美しい立ち姿 ( 姿勢 ) が備わってこそだと思います。
魅力ある彼ら になってもらう為に
美しい立ち姿 を求めて今後も努力していきたいと思っています。
もちろん、毎日のいお手入れ も欠かしません ・・・ エ^^ヘ ~ !
by ちぃ君 & もっ君 のパパ