白いミニチュア・シュナウザー ちぃ君 ( CALL ME JOE ) と共に

白いミニチュア・シュナウザーちぃ君のパパとママが綴るちぃ君の日記

最近ローリングという言葉をよく目に致しますが ・・・

2011年07月04日 | お手入れ


最近トリミングサロンやあちらこちらでよくローリンクという言葉を目に致しますが ・・・
ローリングという言葉が余りにも軽々しく使われているようですね。
フルストリッピングの後、デュファーを経てミニチュア・シュナウザーのコートは仕上げられて行きますが
そこには、ローリングという作業は本来存在していません。 
一定の仕上げの行程を経た後、このローリングという行程を経る事になります。
以前、お手入れに関する私見をテーマとした回に紹介させていただいた
瓜生真砂巳氏の著書 『 ザ・ミニチュア・シュナウザー 』によれば
  年間を通してショー・チャレンジするスペシャルな犬、
  また非常にコートの質が良い犬、それを両方兼ね備えた場合に
  ローリングする事によって、常に下がらない短いコートを生やし、
  それを繰り返す事によってショーのコンディションを保つという方法があります。
ローリングとは常に抜きながら順次生え揃ってくるオーバーコートの状態を均一化させる事によって
一定レベルの状態のコートを出来るだけ長く維持することにあります。
これは、通常一年以上のスパンを念頭に施される被毛に対する処置の事です。
順次抜いて行って生え換わった被毛が一定の状態以下になる前に長く伸びてしまう前にまた抜いて
新しい被毛に生え換わらせるという手法でこれを順次繰り返し続けていく事をローリングといいます。
したがってローリングとは常に一定間隔 ( 約1週間のサイクル ) で抜き続ける事をさします。
通常ショードッグも同じ様な事をシーズン中行いますが、それは年2シーズンとして
そのほぼ1シーズン分です。
1シーズン( 約6カ月間 )そのうち3カ月近くは、ストリッピングから仕上げまでに費やしてしまいます。
したがって残りの3カ月強ほどの間コートをベストの状態に維持しなくてはなりません。
その間行われる作業はローリングとは呼ばれず被毛のベスト状態の維持の為の抜きの調整作業となります。
この作業をローリングと広義の意味で言う方もおられる様ですがこれは本来の意味手法からは違うようです。
一般的にベストコートの状態で調整を行いながらコートの質を維持できるのは、
ほぼ1カ月と言ったところでしょうか。
後は調整に追い付かなくなった被毛の伸び等でオーバーコートが束になり始め割れという状態に陥ります。
また松かさの様に段が付き始め最終的には表面がスムースなコートの状態が維持できなくなります。
ローリングとはこのような状態を招かぬ様、常にショ-トコートを維持する為に
サイクル・間隔を守って抜いて行く事を言います。
ベストの状態まで伸ばさず、少し短目から抜き始め、目的とする標準コートの長さに到達する様に
順次抜きながら調整していきます。
これが基本的なローリングの手法と言われるものです。
デスコートと言われる状態になった被毛 ( 色艶・成長度の落ちた被毛 ) になってからでは
ローリングとは言えません。
短めに調整しながら一定の間隔 ( 約1週間のサイクル ) を守って長く伸び始めた被毛から順次抜いて行く 
これは、サイクルの乱れによって被毛の成長にアンバランスが生じ
全体のコートの状態が一定の水準を維持出来ななる事を防ぐためです。 
コートはその部位によって若干の長さに差異を持たせて調整されています。
骨格及び筋肉等から来る体型の不具合を調整する為です。
生まれながらの完全なスタンダードの体型を持ち合わせた仔は非常に少なく
こうした被毛等の調整でその不具合を補っているのです。
肩の部分を高くしたい場合は、アンダーコートをあまり落とさず
オーバーコートも他の部分よりも少しだけ長くするとか
また、尻尾の出の高さが低い仔は尻尾の付け根部分のコートを出来るだけ落とさず厚みを持たせ
高い腰の部分のコートを限りなく低く表現する事で肩から尾にかけての背線全体が
一連の連なった流れになるように表現します。
なんだ、ただのごまかしじゃないかと思われる方もおられると思いますが ・・・ 
ドッグショーにおいてこうした体型表現の調整は経験と豊富な知識を有するジャッジには
通用するのもではないのです。
こうした小手先の調整は、歩様や、フリーステイまた、触診などで当然分かってしまう事なのです。
背線中央部が中だるみする様な歩様は、骨格のバランスの悪さや筋力不足からくるもので
骨の発達や筋肉の発達が未熟である事を読み取る事が出来ます。
いくらフリーステイの立ち姿の状態が美しくとも一たび歩かせて見れば
その個体の善し悪しが一目で分かってしまうものなのです。
ショー会場では、会場の雰囲気やもろもろの条件で各個体も緊張の為
普段の状態を表現できない場合もありますので
一概に善し悪しをこれだと場外で論じる事は難しいと思われます。
話しは思わぬ方向に行ってしまいましたが ・・・ 
ドッグショーに出陳する場合様々な技術を駆使して彼らを仕上げ出陳する訳で
プロのハンドラーやトリマーさんの間で使われる専門用語はショー会場に氾濫しています。
また、専門書や雑誌などでもそれは取り上げられているのが現状です。
そこで注意しなくてはならない事は、耳触りの良い専門用語に惑わされる事無く
専門用語の本質がなんであるかをよく理解する事です。
聞きかじった言葉を表面上に現れる感覚だけで受取り周りの雰囲気・状況に押し流されない事です。
ローリングとは一週間を一つのスパンとして繰り返し行わなければならない作業で
ストリッピングが完成した ( デュファーまで ) 後、次のストリッピングまで
不等間隔でしか行わない作業をローリングとは言わないのです。
ショートコートを1年近く一定水準のコートを維持していて初めてローリングと呼べるのです。
したがってトリミングサロンで一回の費用が1万円とすれば1カ月約5週間として5万円以上の
費用が掛かってしまうのが本当のローリングなのです。 
          ( ちょっとザックリして大げさで乱暴な計算ですが ・・・ )
1頭にそれほどの費用が掛けられるのは相当なお金持ちという事になってしまいますね。
それを1年間通して本当の意味でのローリングという事になりますから
最低でも60万円以上になってしまいます。
またそれにストリッピングの費用を加えれば70万円近くの費用になるはずです。
こんなに莫大な費用を一頭の個体に掛けられますか?
現実には、ローリングに耐えられる毛質毛量の特質を備えた個体がほぼ存在しない現状では
成り立つ事が無いと思いますが ・・・ 
そこでトリマーさんにお願いです。
ローリングという専門用語は、あくまでもプロの方々の間だけでご使用いただきたいと思います。
現在一般的に使われているローリングは、ストリッピング後の被毛の調整として
別の言葉で表現していただきたいと思います。
正確な技術用語は、あくまでも専門家の間の技術的用語として
学術的裏付けのもとに使用していただきたいと思います。
混乱を招きかねない用語の氾濫は、一般の方々のお手入れ方法にも間違った影響を与えかねません。
問題や事故が起きる前に正しいお手入れ方法の啓蒙を積極的にしていただきたいと思います。
未だお手入れについては若輩者のたわごとでございます。
お許し下さいませ。    
ハイ !


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                                 by ちぃ君 & もっ君 の パパ
 
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