にわとりのにわ a hen's little garden

歌うたい時々クラリネット吹きの日高由貴のblog。
ちいさなこころのにわの風景をすこしずつ書きとめていきたいです。

蝶々喃々

2009年05月04日 | 日々のこと
ひきつづき、小川糸さんの2作目を読みました。

歳時記を織物にしたみたいな物語。

大切なひとにあうときの、壊れそうなくらい水気が多くて揺れる感じが、季節のうつろいとともに、主人公の選ぶアンティークきものや帯を通してふわりと伝わってくる。

いまの恋人だけでなくて、むかし恋人だったひとや、いまの家族、むかし家族だったひとたち、友人、すべてをふくめた、大切なひととむきあうときの、こころの彩みたいなもの。

そして、一作目とかわらず、物語の随所に出てくる食べものの美味しそうなこと。

れんこんとじゃがいものすりおろしが入った特製カレーうどん、こんどつくってみようと思っています。

***小川糸『蝶々喃々』ポプラ社、2009年***