にわとりのにわ a hen's little garden

歌うたい時々クラリネット吹きの日高由貴のblog。
ちいさなこころのにわの風景をすこしずつ書きとめていきたいです。

「アジア人」はいかにしてクラッシック音楽家になったのか?―人種・ジェンダー・文化資本

2014年03月09日 | 日々のこと

コインランドリーで洗濯物が乾くのを待つあいだに、読書。

先日ある方にご紹介していただいた

吉原真里さんの

『「アジア人」はいかにしてクラッシック音楽家になったのか?―人種・ジェンダー・文化資本』
を読み始めました。

まだ最初のほうだけですが、とても面白く、刺激的な本です。
吉原さんの個人的な音楽の体験と、学問的な分析が、どちらかに偏ることなく、見事に噛み合っていると思う。

――文化批評を専門としてきて、学者と研究対象の関係についてもいろいろと論じてきたものの、自分の研究と音楽に向き合うと、学者としての分析的思考と、音楽をやる人間としての個人的な体験に、どのように折り合いをつけていいものか、途方に暮れてしまった。
そういったわけで、私にとってこの研究は、さまざまな格闘に満ちたものだった。(―「はじめに」より)

同じようなことに疑問を持って、考えて、格闘したひとがここにもいたんだな、とすこし前を歩いていくひとの背中を、またひとつ見つけた思い。

15年以上考えてきたことを形にするための、道しるべになりそうです。

古本で買ったのですが、前に読んだ人がちいさな字でいろいろと書き込みをしているのも、なんだか同朋という感じで、嬉しい。