コインランドリーで洗濯物が乾くのを待つあいだに、読書。
先日ある方にご紹介していただいた
吉原真里さんの
『「アジア人」はいかにしてクラッシック音楽家になったのか?―人種・ジェンダー・文化資本』
を読み始めました。
まだ最初のほうだけですが、とても面白く、刺激的な本です。
吉原さんの個人的な音楽の体験と、学問的な分析が、どちらかに偏ることなく、見事に噛み合っていると思う。
――文化批評を専門としてきて、学者と研究対象の関係についてもいろいろと論じてきたものの、自分の研究と音楽に向き合うと、学者としての分析的思考と、音楽をやる人間としての個人的な体験に、どのように折り合いをつけていいものか、途方に暮れてしまった。
そういったわけで、私にとってこの研究は、さまざまな格闘に満ちたものだった。(―「はじめに」より)
同じようなことに疑問を持って、考えて、格闘したひとがここにもいたんだな、とすこし前を歩いていくひとの背中を、またひとつ見つけた思い。
15年以上考えてきたことを形にするための、道しるべになりそうです。
古本で買ったのですが、前に読んだ人がちいさな字でいろいろと書き込みをしているのも、なんだか同朋という感じで、嬉しい。