今日の108円

1日1冊108円・・・・・・最近そうでもない。

松本坊主 松本人志 2009年5月20日 幻冬舎

2015-06-14 08:17:51 | 108円
不登校で人見知り、そして貧乏な家の少年が出会ったお笑い。その衝撃と部隊への憧れがダウンタウン松本人志を生んだ。相方・浜田との出会い、決意の吉本NSC入学、静まり返ったなんば花月の初舞台、大阪での成功と東京進出・・・・・・。「絶対自分が一番や」。どんな時も揺るがない自信の源とは?お笑いを変えた男がその半生すべてを語りつくした!
裏表紙より。
元の本は1999年1月(ロッキング・オン刊行)。
五十音順の流れで購入。



第一章「尼崎」

普通

 だって今でもそうですもん。いろんなことに腹立つんですけど、「なんでこんないろんなことにムカつくんやろか?」って考えたらね、「人はそんなことで怒ってないよ」って気がつくじゃないですか。「なんで俺はそこまで腹立つんやろ?」って思たら、人が気づけへんとこまで気づいて怒ってるんですよ。人の気づいてないとこまで掘り起こして、「見てみい!!」って怒ってるんですよね(笑)。
 普通の人そんなとこまで見いひんから、そこまで腹立たないんですよ。ちょっとこう、いろんなとこ見すぎてるっていう。で、「俺はお前らが気づけへんとこまで気づいて怒ってんねや。それもわからんのかボケ!!」って、またそれが腹立つでしょ?(笑)。
うっはwwwわかるwww
気づかなければ、もう少し平和に暮らせるのかもねー・・・
否、それこそ「家畜の安寧」である!

 ま、悪循環なんですけどね。
うん・・・ですよね。



「生身の松本」と「ダウンタウンの松本」

 なんかねぇ、仕事いうか、お笑いのことと、そういう自分の女のことでの幸せというか、そういうものを交換してしもうたというか。うん。そういう部分はあるんですよ。それは本当にあるんです。
 おかしいんですけどね。何もそこまで考えんでも・・・・・・別に、ねえ?「なんで一つのことしかでけへんねん?」ってことなんですけど。なんかね、そうなってまうんですね。
本格的にお笑いを始めるにあたり、中学から5年付き合った彼女と別れた話。
初めての彼女とのその後

 でもね・・・・・・ボクが幸せになるということは、ダウンタウンの松本としてはあんまりいい時期じゃないんですよ(笑)。まあ、それで、普通の女のことでの幸せとかがない代わりに、お笑いで成功して金も儲けてるんやん、って見方もあるんでしょうけど(笑)。でも僕、あんまり金に執着はないですけどね。
なにーかを変えるーこーとがでーきるーのはー
なにーかを捨てるーこーとがでーきるーものー(2日目

なお2009年に結婚した模様・・・って結婚してたのか。
昔より丸くなったような気がしたのは、気のせいじゃなかったんだ。



運命のチラシ

 何かもう、運命的なもん感じましたよね。「あ、これは行けということやな」と。僕も浜田も、あんなこと言いながら、いざ高校も卒業せないかん時になったらぐずぐず、ぐずぐずしてるから、何かもう、あれでとどめ刺されたというか。「これ見てもお前らまだぐずぐず言うか!」みたいな、そんな気しましたね。
高校卒業が迫り進路に悩んでいた時期に『吉本が養成所第1期生を募集』。
「それが運命」というより、運命だと決め込んでスタートすることこそ大切なのかもしれない。



第二章「大阪」

「このままやったら、一生、俺ら始まれへんかもしれん」

 そのウケへん状態がどれくらい続いたかですか?それはまぁ、ちょっとはウケた時もあるし、でも次の日はやっぱり全然ウケへんかったり。だから、本当にウケるようになったっていうことで言えば・・・・・・ニ、三年はあったんやないですか。
養成所時代大活躍だったのに、なんば花月に立ってみたらほとんど通用しなかったんですって。

 よく辞めなかった、と思います?うん。でも、やっぱり「辞めようかなぁ」ってなった時はありましたねぇ。辞めようとかいうよりも、始まれてない。辞めるって言えるのは、まだできてる人間の言い分で、やらさせてもらってないっていう感じ。「始まれてないぞ、いつ始まんねや?」っていう感じでしたね。「このままやったら、一生、俺ら始まれへんかもしれん」っていう不安もありましたよ。
お笑いに限らず、まだ活躍には程遠い人間(ボクを含む)が「あのダウンタウンですらそうだったんだから、まだ諦めるような時じゃない」と励みにする・・・のは、危うさを感じる。
あのダウンタウンが3年なら、凡人は30年かもしれへん

「いつかっていつよ!?」
「いつかって・・・今じゃないさ!」

この辺が「可能性という名の化け物」の怖ろしさか・・・。



第三章「東京」

ハッピーエンド嫌い

 僕、ハッピーエンドが嫌いなんですよ。絶対にハッピーエンドが大嫌いで。だから映画でもそうなんですけど、ちょっとどこか救われへんのが好きやったりするんです。
 なんででしょうねえ?・・・・・・あのね、ハッピーエンドだと終われないんですよ、やっぱり。ハッピーエンドで終わっても何か一旦終わりみたいな。「で、この先どうなるの?」ってどうしてもなってしまうんですよ。で、ぱしっと終わりたいじゃないですか。そう考えたら、ハッピーエンドはあくまでも中間での終わりであって完全な終わりではないと思うんです。だから僕、映画やったら『レオン』とかも好きでしたけど、ああいう終わり方されると気持ちいいですよ。死んじゃうし(笑)。パート2はあり得へんからね。あんなん、好きですね。タランティーノの映画とかも。そっちの方が現実でしょう。
ハッピーエンドは決して嫌いではないけど、ところが!を脳内補完してる。
1つの作品になるような連中がその後平和に暮らすなんてあるわけがない。
・・・ラノベじゃないっスよ!



一万円ライブ『寸止め海峡(仮題)』

 それは、いわゆる僕がいつもやる有言実行――とりあえず言うだけ言って、後引かれへんように自分を追い込んで、もうやらんとしゃあないように自分で自分に鞭打つっていうやり方の典型ですね。だから一万円ライブやるって、『週刊朝日』の連載で書いた時点でどんなことを具体的にやるかなんて全く決まってなくて。ははは。嘘みたいな話ですけど、三週間ぐらい後にライブやっていう時にゼロやったんですよ。なんにも決まってなかった。だから後輩に「ライブ、どんなんするんですか」って言われた時に「いや、何も決まってないねん」って言ったらびっくりしてましたね(笑)。「あんた一万円も取ってこの三週間後ぐらいにライブあるのに、どうするつもりなんや」って、もう気違い見るみたいな目で見られましたね。でも、本人はなんとかなるって思ってましたけど(笑)。恐ろしいですね、その自信は。追い込まんとできないものですから、ああいうのは。
背水の陣方式キター。
養成所も周りが働きながら通ってた(というか、授業時間的にそういう前提)中、就職蹴ったらしいし、やはり凡人に真似できる思考ではないよ。

『一万円ライブ』は、「高い金払うコアなファン」かつ「高い金払ったんだから価値があるはずと思い込む人間心理」も手伝うから、入場料が安いライブよりやりやすかったんじゃないっスかね、逆に。



視聴率と笑いの評価
 だから・・・・・・やっぱり両立っていうのは無理なんやろうなって思うんですよ。視聴率と笑いの評価っていうのが両立するっていうことは、これはね、まず無理です。僕がずっとやってきて思うのは。で、視聴率がいい番組ってやっぱりその時がいいんであって、残らないです、これは絶対に。だからどっちを取るかですね。僕は後の方を取りましたから。その分、きっちり、深ーく入り込みますから、好きな人の中にはね。だから、作品としては売れますよね。
『視聴率』と『笑いの評価』、自分で好きな言葉に変えてみてね!



元の本が16年前だから当時35歳か。
50歳を超えた今はどんな風に考えてるのかなーと思った。
こういうのも続きが気になる本と言えるよネ。