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1日1冊108円・・・・・・最近そうでもない。

住んでみたドイツ 8勝2敗で日本の勝ち 川口マーン惠美 2013年8月20日 講談社

2015-06-29 06:50:23 | 雑学
不便で窮屈なドイツ
・・・日本人は世界一の楽園に住んでいた
!
在独30年、誰も言えなかった日独比較論!!
ずっと羨ましいと思ってきた国の意外な実情
帯より。
ほうほう・・・30年は重いですナ。



第一章 日本の尖閣諸島、ドイツのアルザス地方

ドイツが領土奪還を諦めた理由

 領土問題というのは、根が深い。だからこそ世界のあちこちで領土を巡る紛争が跡を絶たない。
 ただ、確かなことは、領土問題というのは実効支配をした者が勝つということだ。そして、実効支配にはそれを裏づける軍事力が必要だということ。これだけは、いろいろな歴史が証明している。



敗戦国であるドイツと日本の違い

 ドイツは、連合軍から押しつけられた基本法(憲法)を、削除や変更も含めれば五九回も改正した。軍隊の復活、東西ドイツの統一、EUなど、改正の必要な出来事が多かったこともあるが、二〇一二年一一月にも改正が行われている。
 しかし、だからといって、ドイツがタカ派の国というわけではない。国民の考え方はリベラルで、保守勢力はどんどん弱まりつつある。二〇一一年からは徴兵制も停止され、連邦軍は職業軍人と志願兵だけになった。平和主義者の多い国だから、軍国主義に傾くことは、まずありえない。
 ただ、それでも、軍事力の後ろ盾がなければ、世界での発言権を失うであろうという肝心要のところだけは承知しているのだ。
ふーむ。
「ナマスを吹く」的な軍事力アレルギーは、日本を消滅させるかもしれないネ。



第二章 日本のフクシマ、ドイツの脱原発

借り物のように見える日本のデモ
ドイツの大学で、日本の地震と原発に絡んだシンポジウムが開かれた時の話。

 シンポジウムの逐一をここで紹介することはできないが、いくつか興味深い考察があった。たとえば、二〇一一年四月一〇日に高円寺で行われた反原発デモのビデオが映されたことである。
 このデモには、主に若い人が集まった。そこにはコスプレで参加する者もあれば、音楽を流して参加する者もあり、ロックフェスティバルのようなデモといえる。主催者の発表によれば、参加者は一万五〇〇〇人と、かなりの規模だ。
『コスプレ』て。まさに借り物のデモなんつtt
このデモについてコメントを求められた著者の回答が次。

「招来、デモが国民の間に定着し、ドイツのように老若男女が参加するようになるとは思わない」
 私はそう答えた。
「デモという表現手段は、そもそも日本人のメンタリティーに合わない。日本人が反原発を主張するなら、デモ以外の方法を考え出さなければいけないだろう」
「全く馬鹿な人達だ・・・・・・・・・・・・・・・」
あーゆーのは「抗議」じゃなくて「お祭り」だかんね。
多数の人間となんかやった感が欲しいだけで、結果を求めた行動じゃない。

で、同じシンポジウムに参加していたドイツの教授のコメントはもっと厳しい。
たしかに、このデモは借り物のように見える。メルケル首相が脱原発に方向転換をしたのは、政治的圧力、つまり、支持者を失うという危惧が芽生えたからだ。しかし、日本のこのデモは政治的圧力になり得ない。なぜなら、この若者の大半は選挙に行かないからだ」
まさに『何とわかりやすい説明だろう』。
デモ参加者の投票率調べたら、笑えない結果が出るんじゃねーの?



第三章 休暇がストレスのドイツ人、有休を取らない日本人
有休の使い方が違う日本とドイツ

 ドイツでは、どんな零細企業でも、病休と有休がごちゃ混ぜになることはない。具合が悪くて休みたいときは、電話一本でOKだ。そのまま最低二日(会社によっては三日)は休める。
裏山な話ですなー二重の意味で・・・
「体調悪い状態で出勤、普段の半分も仕事しないで帰る」・・・どう考えても邪魔
「病休として」休ませて、それが多すぎるなら処遇を考えればよくねぇ?と思う。

 いずれにしても、病気のときに休むのは、労働者の当然の権利だ。「うちの夫は病気証明書が出た途端に病気が治り、元気百倍になる」といっていた知人もいた。
 というわけで、有休を一日でも病気のために犠牲にするドイツ人はいない。近所の小学校の教師でさえ、火急ではないが二週間ほどの入院が必要になったとき、わざわざ夏休みが終わり、新学期が始まってから入院した。
※『夏休みは全日が正式な休暇ではないが、実質的に登校することがない』
この辺はどうなんだ・・・ま、どこでも小賢しい奴はいるってことか。



短時間労働+高給でも不満な理由
 また、アンケートによると、ドイツで働いている人の三分の一が、同じ時間内にこなさなければいけない仕事がどんどん増えていると感じている。
 たしかに、それはあるだろう。ドイツ人の労働時間は短く、しかも賃金は高い。おまけに、社会保障費も高い。社会保障費の半分は雇用者が負担しなければいけないし、労災保険は全額負担しなければならないから、雇用者側は、当然、できるだけ従業員を増やさずに、労働効率を上げようとする。
 つまり、同じ時間内にこなさなければいけない仕事がだんだんと増えていっても不思議ではないのだ。
どこのアンケートだよというツッコミは置いといて、そりゃそうなる。

 ただ私ん見るところ、ドイツ人は、自分で自分の首を絞めているようなところも多い。 
 だいたい、働いている人が、自分の労働時間をあまりにもシビアに見張り過ぎている。たとえば、週三八時間の雇用契約を結んでいる人は、自分の労働時間が一分でも超えると損をしたと思い、とても腹を立ててしまうのだ。
細かすぎるのが問題であって、効率を上げること自体は別に悪くないからね・・・?
※仕事の絶対量と従業員の人数が合っていない場合を除く。



第四章 ホームレスが岩波新書を読む日本、チャンスは二度だけのドイツ

日本企業の面接は隠し芸大会か

 不思議な話も聞く。こういう画一的な就職活動では、面接で、いかに自分を印象付けるかが重要なポイントになるのか、学生時代チアガールをやっていたという女の子が、面接官の前で、突然、バッグからはたきのようなものを取り出して踊り始めたというのだ・・・・・・それも一流会社での話だ。
 大学時代にダンス部に所属していたという私の知り合いの男性も、やはり面接官に促されて、居並ぶ重役の前でタンゴを踊った。これでは、隠し芸大会だ。これが個性だと思っている面接官がいるなら、バカなのだろう。
いやいやいや、これはネタだろ・・・ネタだろ。



日本の義務教育はドイツに完勝!

 極端な例をあげるなら、たとえば、何らかの事情でホームレスになってしまい、新宿の都庁あたりの地下街で、毎夜、段ボールを組み立てて寝ている人たちであっても、たいてい義務教育は受けている。
 それどころか、たまにやたらと教養のありそうなホームレスもいて、就寝前の暇つぶしに、どこからか拾ってきたのであろう岩波新書に読みふけったりしている。私は数年前まで、日本滞在中はその先のウィークリーマンションを借りて、しょっちゅう彼らの枕元を通って帰宅していたが、そういう光景に何度も出くわした。
昔はバリバリ働いてたけど・・・という人が多いとか多くないとか。

 本当の格差社会では、こういうことは起こらない。ホームレスになる人は、たいてい、まず義務教育を受けるチャンスを逸しており、教養どころか、字もちゃんと読めず、割算や小数点以下の計算もできず、そのため、子供のころからそのあとの人生のすべてのチャンスが閉ざされてしまい、社会から落ちこぼれ、当然、職もお金もないまま漂い、ホームレスになる、あるいは、犯罪に走るという道を辿る。
そういうのがすこーしずつ増えているとかいないとか。



第五章 不便を愛するドイツ、サービス大国の日本

忘れることのできない車内放送

 ドイツでは、突然電車が停まっても、たいてい説明はない。以前、ニュールンベルクへ行くときに嵐になり、途中駅で立ち往生したことがあった。何の説明もないまま、車内で待つこと一時間。そして、そのあとの突然の車内放送は、いまでも忘れることができない。
「この列車はもう動きません。全員下車してください。唯一、乗り継ぎのできる電車は、×番線、シュトゥットガルト行きです」
 私はシュトゥットガルトから来たのに!
『悪すぎるほど悪い』ドイツ鉄道の話をお送りしました。
「号車番号が予定と反対」とか「指定席を買った車両が無い」とか、よくあるんだってサ。



「隣の芝生は青い」というのがよくわかる本。
ただ著者は(日本にちょいちょい帰国してるとはいえ)、「ドイツの人」・・・つまり日本からすると「外国人」である感は否めない。
日本の良いところは強く意識しても、その裏の「だからこそのデメリット」についてはちょっと認識というか判定が甘い気がする。
日本の領土問題とか教育について厳しいことも書いてるけどネ。

「隣の芝生は青い」というのがよくわかる本(2回目)でありました。