この文章は全てフィクションです
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「オレヴァホ・ラフ・クノダイスキーの口伝113」
アサシンダカ
小型の猛禽類
体の形状から見ると鷹というより隼に近いようである
羽根の表面形状が空気との摩擦を極力減らすようになっており
獲物への接近時にまるで羽音が立たないため
背後から忍び寄って敵を倒す暗殺者になぞらえて
この名が付けられた
その名の通り
非常に鋭いくちばしと鉤爪で小型の獲物なら一撃で
また
はるかに大きな体の獲物であっても
確実に急所を破壊し数撃で行動不能に陥らせるのである
昔から人間の生活圏内に近い場所を住処とし
この鳥の為に家畜が犠牲になることが多く
酪農家や養鶏家などからは大変嫌われる鳥である
何とか捕まえて駆除しようとしても
あまりにも早いその飛行速度および獲物を仕留める早業の為
酪農家達が反応するような暇はなく
気が付いたら家畜が悶絶死しているそうである
ならば
しとめた獲物を食べている時を狙って駆除すれば良いのではと
普通ならば当然考えるのであるが
大型の獲物は飼い主である酪農家も
おいそれと死体を片付けられない事を承知している様で
大型の獲物を襲うのは決まって夕暮れ時である
宵闇にまぎれて相手を襲うところもアサシンの名にふさわしい
この鳥が獲物の急所を確実に付いてしとめるのは
どうやら
相手の神経線維がどこに走っているかを
感知できるようで
サメのロレンチーニ器官と同様の器官が備わっていて
獲物の微弱な体内電流を感じ取って
襲い掛かるのではないかという説がある
しかし
上で述べたように生きたまま捕まえるのは非常に困難で
死体もほとんど見つかる事が無いため
研究が前向きに進んでいる様子は今のところ無く
まだしばらくは
生物学上の興味深いテーマのままであると思われる
だがこの説はあまり有力ではない
なぜならば
体内電流のような微弱な電気信号が
通電しやすい海中ならばともかく
空気中を伝わるとは到底思えない為であるが
今の所は否定も肯定もしようがないのである
またこの鳥には
二種の亜種がいるようで
このうち一種は毒腺を持つ危険な毒鳥である
この毒を持つほうはどの様な獲物でも一撃で仕留めてしまう
毒の成分は神経毒で
獲物の体内に注入された後一分程度で絶命させてしまうようである
しかしこの観察結果も彼らの食後の死体の状態から
逆算し推測した物である為正確な事はわからないのである
この様に
音も無く獲物に近づき仕留めるこの鳥の
羽根の表面形状を研究して
飛行機などの機体表面素材の空気抵抗軽減策が研究されているが
こちらも進行具合は芳しくないようである
だからといって
この鳥の棲家を探し出して生け捕りにしようとするのは
無謀である
巣に近寄るまでに餌にされるのが落ちではないだろうか
今の所人間が襲われた事例は報告されて居ないが
この先人間の居住区域が広がるにつれ
その危険性は増して行く物と思われるのである
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アサシンダカ
小型の猛禽類
体の形状から見ると鷹というより隼に近いようである
羽根の表面形状が空気との摩擦を極力減らすようになっており
獲物への接近時にまるで羽音が立たないため
背後から忍び寄って敵を倒す暗殺者になぞらえて
この名が付けられた
その名の通り
非常に鋭いくちばしと鉤爪で小型の獲物なら一撃で
また
はるかに大きな体の獲物であっても
確実に急所を破壊し数撃で行動不能に陥らせるのである
昔から人間の生活圏内に近い場所を住処とし
この鳥の為に家畜が犠牲になることが多く
酪農家や養鶏家などからは大変嫌われる鳥である
何とか捕まえて駆除しようとしても
あまりにも早いその飛行速度および獲物を仕留める早業の為
酪農家達が反応するような暇はなく
気が付いたら家畜が悶絶死しているそうである
ならば
しとめた獲物を食べている時を狙って駆除すれば良いのではと
普通ならば当然考えるのであるが
大型の獲物は飼い主である酪農家も
おいそれと死体を片付けられない事を承知している様で
大型の獲物を襲うのは決まって夕暮れ時である
宵闇にまぎれて相手を襲うところもアサシンの名にふさわしい
この鳥が獲物の急所を確実に付いてしとめるのは
どうやら
相手の神経線維がどこに走っているかを
感知できるようで
サメのロレンチーニ器官と同様の器官が備わっていて
獲物の微弱な体内電流を感じ取って
襲い掛かるのではないかという説がある
しかし
上で述べたように生きたまま捕まえるのは非常に困難で
死体もほとんど見つかる事が無いため
研究が前向きに進んでいる様子は今のところ無く
まだしばらくは
生物学上の興味深いテーマのままであると思われる
だがこの説はあまり有力ではない
なぜならば
体内電流のような微弱な電気信号が
通電しやすい海中ならばともかく
空気中を伝わるとは到底思えない為であるが
今の所は否定も肯定もしようがないのである
またこの鳥には
二種の亜種がいるようで
このうち一種は毒腺を持つ危険な毒鳥である
この毒を持つほうはどの様な獲物でも一撃で仕留めてしまう
毒の成分は神経毒で
獲物の体内に注入された後一分程度で絶命させてしまうようである
しかしこの観察結果も彼らの食後の死体の状態から
逆算し推測した物である為正確な事はわからないのである
この様に
音も無く獲物に近づき仕留めるこの鳥の
羽根の表面形状を研究して
飛行機などの機体表面素材の空気抵抗軽減策が研究されているが
こちらも進行具合は芳しくないようである
だからといって
この鳥の棲家を探し出して生け捕りにしようとするのは
無謀である
巣に近寄るまでに餌にされるのが落ちではないだろうか
今の所人間が襲われた事例は報告されて居ないが
この先人間の居住区域が広がるにつれ
その危険性は増して行く物と思われるのである
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