いつまでもぼちぼち

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「ORKの口伝」はフィクションです
実在する全てと無関係です

読書録「恐竜はなぜ鳥に進化したのか」他

2025-02-28 | Weblog
読書録「恐竜はなぜ鳥に進化したのか」4

著者 ピーター・D・ウォード
訳 垂水雄二
出版 文藝春秋

p158より引用
“ ある動物が利用できる酸素の量が、その
体の最終的な大きさを決定する要因であるこ
とがわかっている。”

目次より抜粋引用
“哺乳類の呼吸とボディ・プラン
 地質年代における酸素濃度の変化
 カンブリア紀大爆発はなぜ起こったのか
 ペルム紀絶滅と内温性の進化
 酸素の未来を危ぶむべきか?”

 古生物学者である著者による、地球上の動
物に関する、進化と酸素濃度の関係について
の仮説を記した一冊。
 生物の呼吸器官と体の形成についてから地
質学的研究から見る各古生物の時代ごとの姿
と生態まで、学校での授業のような文章で書
かれています。

 上記の引用は、シルル紀における最大の捕
食生物であるウミサソリ目について書かれた
項での一文。
これが人にも当てはまるなら、傷の治りを良
くしたり疲労を回復すると聞いたことのある
酸素カプセルを、子ども頃から常に使ってい
たら、巨人化したりするのでしょうか?
酸素カプセルを使い続けられるかどうかの貧
富の差が、目に見えて体格に表れる世の中に
なるのは、正直嫌だなと思います。
 p48の、“水中と空中で同じように上手く働
く呼吸器官を進化させた動物がいないという
事実は、生物学的な材料を用いてそれをなし
とげるのが不可能なことをうかがわせる。”
の部分を読んでいると、何もかも出来るもの
を手に入れるのは、自然においても難しいこ
とであると、改めて思い出させられます。
 歴史的に繰り返されている大絶滅を、せめ
て人間の行いが原因となって起こしてしまわ
ないように、毎日を丁寧に過ごしたいもので
す。
 生物に興味のある方であれば、ワクワクせ
ずにはいられないような、進化に関するエキ
サイティングな仮説が記されてますので、一
度読んでも損のない一冊ではないでしょうか。

ーーーーー

読書録「感じる科学」4

著者 さくら剛
出版 サンクチュアリ出版

p159より引用
“ 宇宙論で有名なスティーブン・ホーキン
グ博士は、どちらかというと、タイムトラベ
ルの可能性に否定的で、「我々の周りに未来
からの旅行者がいないのだから、タイムマシ
ンなんて作れないということだ」と発言され
たそうです。”

目次より抜粋引用
“光
 特殊相対性理論
 万有引力
 一般相対性理論
 量子論”

 苦難と笑いに満ちた旅行記を著している著
者による、理解が難しい科学理論を身近な例
えで解説した一冊。
 光の性質から生物の進化についてまで、独
特の例えと言い回しで書かれています。

 上記の引用は、タイムマシンについて書か
れた章での一節。
中々納得のいく発言だなと思います。しかし、タイムマシンを開発するくらいに進歩した人々
ならば、過去などと関わっても仕方ないと考
えて、ただ観察だけしているのかも知れませ
ん。
 文章や例えはふざけていて、バカバカしく
ありますが、p193の高齢者に関しての一文を
見ていると、的を射た意見も結構あるのでは
ないかと思わざるを得ません。
 他の著作の旅行記を読んで、書かれ方に苦
手意識を持たない方なら、科学を面白いもの
にしてくれるであろう良い一冊ではないでしょ
うか。

ーーーーー

読書録「虚像の道化師」4

著者 東野圭吾
出版 文藝春秋

p199より引用
“「そう、怠け者だ。人の意見に耳を傾け、
自分のやり方や考え方が正しいのかどうかを
常にチェックし続けるのは、肉体的にも精神
的にも負担が大きい。それに比べて、他人の
意見には耳を貸さず、自分の考えだけに固執
しているのは楽だ。そして楽なことを求める
のは怠け者だ。違いますか」”

目次より抜粋引用
“幻惑す
 透視す
 心聴る
 曲球る
 念波る”

 天才物理学者を主人公とした、短編連作ミ
ステリ小説。
 勢いのある宗教団体に取材を行う週刊誌記
者、信者の修行を見るはずだったが、予定と
は異なる会議に同席することとなり…。
(“幻惑す”より)

 上記の引用は、捜査に対する意見と姿勢の
違いから、刑事に向かって主人公・湯川が放っ
た台詞。
より良く自分が変わっていくために、どこま
でも自問自答を繰り返して生きていかなけれ
ばならないのかも知れません。長い時間続け
ていくのは、中々難しいものだとも思います
が、自分に勤勉であり続けられたらいいなと
思います。
 p260始めの主人公・湯川の台詞を、言って
くれる人が実際にいるかどうかで、若い時代
の過ごし方が大きく変わるのではないでしょ
うか。誰も居ないのならば、自分で言い聞か
せてもいい台詞です。自分の未来は、自分が
歩いた先にしかないのでしょうから、無駄な
ことは無いと信じて、歩み続けたいと思いま
す。
 安定した面白さのシリーズ。本が苦手な人
は映像作品もあるので。そちらを見て楽しめ
るのもありがたい一連の作品です。

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読書録「米国人一家、おいしい東京を食べ尽くす」

2025-02-19 | Weblog
読書録「米国人一家、おいしい東京を食べ尽
くす」3

著者 マシュー・アムスター・バートン
訳 関根光宏
出版 x-Knowledge

p88より引用
“これは調理技術によるものでもあり、魚の
供給システムによるものでもある。日本の魚
は、捕られてから食べられるまでが非常に短
い。海から収穫された小ぶりでおいしい魚は、
築地の魚市場にわずかな時間だけ並べられ、
塩で調理されて朝の食卓に出される。”

目次より抜粋引用
“お茶
 中野
 世界一のスーパー
 天ぷら
 浅草”

 雑誌や有力新聞に料理記事を寄稿する、フー
ドライターである著者による、日本での暮ら
しで受けた印象を記したエッセイ集。
 日本での拠点となる街についてから日々食
べる日本の食べ物についてまで、家族と共に
過ごした日本での時間が綴られています。

 上記の引用は、日本の朝食における焼き魚
について書かれた一節。
魚の〆方や輸送技術のおかげで、内陸でも生
魚を食べることが出来るのは、とてもありが
たいことです。生で食べられるくらい、鮮度
を保持する技術があるのですから、焼いて食
べて美味しいのも納得ではないでしょうか。
 世界の食べ物に精通しているであろう、グ
ルメライターでも、日本の食べ物は美味しい
ものなのだなと、本書を読んでいると思わざ
るを得ません。
発酵食品はクセが強くて、食べ慣れたもので
ないと受け付けにくいような気がしますが、
著者は味噌汁なども好意的に食されています。
 著者は、漫画「美味しんぼ」を愛読されて
いるようで、度々引き合いに出されています
が、その情報を元に自分で食べて確認してい
る姿勢は、偏りが少なそうで好印象です。
 日本に来て悪さをするような外国人には退
去してもらって、こういう穏やかな人達に大
勢来てもらいたいものですね。

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読書録「太陽系はここまでわかった」

2025-02-15 | Weblog
読書録「太陽系はここまでわかった」3

著者 リチャード・コーフィールド
訳 水谷淳
出版 文藝春秋

p114より引用
“我々が惑星には普通に存在すると考えてい
るものー水、呼吸可能な大気、生命ーは、絶
対的に普通のものと捉えることはできない。
それは単に我々が親しんでいる局所的な条件
でしかなく、地球が唯一無二の存在であると
いうのは、かなりありえそうな話なのだ。”

目次より抜粋引用
“太陽
 水星
 金星
 地球、そして月
 火星”

 宇宙を研究する機関の研究員でサイエンス
ライターである著者による、地球を含む太陽
系の星星について記された一冊。同社刊行作
文庫版。
 我々の命の源・太陽についてから星系の端っ
こについてまで、科学者達の知的好奇心と研
究・調査によってわかっている内容が記され
ています。

 上記の引用は、地球について書かれた章の
冒頭での一節。
太陽系に唯一の環境であるならば、大切に使っ
ていきたいものです。しかしp122では、歴史
の中の現時点での特有さというように書かれ
ていもします。永くて遠い将来には、他の惑
星が地球のようになっているかも知れないと
思うと、現実とSF作品の境界がより近く感じ
られます。
 宇宙の観測や調査は今も行われていますが、
あまりにも自分とは縁遠い事なので、小説の
話であるかのような感覚でしか接することが
出来ません。しかし、人工衛星による観測結
果などは日々利用しているので、もっと身近
な物に感じてもおかしくないのですが。
 p12の月面着陸の話を読むと、同じ時代に生
きることでしか手に入れる事が出来ない感動
が、あるものなのではないかと思わざるを得
ません。現代のほうが何かと便利で生活しや
すいでしょうけれど、発展・発達の期待値が
高いほうが、よりワクワクしながら生活出来
ていたのかも知れません。
 いつか来るかも知れない、他の惑星への移
住についてあれこれと考えるための土台とし
ての知識を持っておきたい人には、良い一冊
ではないでしょうか。今を生きている世代に
は、難しそうな話ですが…。

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読書録「ハプスブルク一千年」ほか

2025-02-13 | Weblog
読書録「ハプスブルク一千年」2

著者 中丸明
出版 新潮社

p26より引用
“ かいつまんでいうと、オーストリアは戦
争に協力する見返りに、スラヴ国家のボスニ
アとヘルツェゴビナを領有する権利を与えら
れることになっていた。
 ところが、オーストリアはなんの協力もし
なかった。当然、協定は無効になるはずであっ
たが、一九〇八年十月、オーストリアは突如
としてボスニアとヘルツェゴビナの両スラヴ
国家をオーストリアのものであると宣言し、
帝国の版図に組みこんでしまった。”

目次より抜粋引用
“西ローマ帝国と神聖ローマ帝国
 遊牧民がつくった世界史
 ハプスブルクの錬金術
 オスマンの脅威
 ハプスブルク・スペインの誕生”

 スペインに造詣が深いエッセイストである著者による、世界に大きく名を残す一族について書かれた一冊。
 世界大戦の引き金となった出来事からその
栄華と衰亡まで、作中人物の喋り方に特徴を
持たせて書かれています。

 上記の引用は、ロシアとトルコの戦争に対
するオーストリアの行動について書かれた一
節。
大勢の国民を振り回すであろう国同士の約束
なのに、こんなことでいいのでしょうか?
いいはずがないから世界大戦になったでしょ
うね、これが人の歴史なのかもしれません。
 書かれている文章の端々に、人を馬鹿にし
ているような感じを受けてしまい、いまいち
楽しめませんでした。
独特の言い回しに、好き嫌いがはっきり分か
れそうな作品です。

ーーーーー
読書録「書いてはいけない」5

著者 森永卓郎
出版 三五館シンシャ

p57より引用
“ フジテレビは、2023年10月21日に「週刊
フジテレビ批評特別版 旧ジャニーズ事務所
創業者による性加害問題と"メディアの沈黙"」
と題する検証番組を放送した。”

目次より抜粋引用
“ジャニーズ事務所
 ザイム真理教
 日航123便はなぜ墜落したのか
 日本経済墜落の真相”

 大学教授で経済アナリストである著者によ
る、大手メディアで長年取り上げられて来な
かった大きな問題を世の中に問うた一冊。
 大手芸能事務所による性加害問題について
から日本の歴史に残る大事故についてまで、
著者の文字通り命がけの訴えが記されていま
す。

 上記の引用は、ジャニー喜多川氏による性
加害について書かれた章での一節。
2025年2月の時点でこの部分を読むと、同じ穴
のムジナがよくそんな番組を作れたものだな
と思わざるを得ません。
 p88からの某実業家の言動と財務官僚との関
係についての部分を読むと、どんなに歯に衣
を着せぬ物言いをしているように見える人で
も、自身の利益が最優先なだけであるのだろ
うなと思います。人からのお金を当てにして
何かをするためには、仕方のないことなのか
もしれませんが。
 一部の人間の利益と見栄のために、一体どれだけの人が迷惑を被り、苦しまなければならないのかと、考えさせられる一冊。
ここまでの出来事とこれからの時間を考える
と、暗澹たる気持ちになってしまいそうです。
しかし、p7で著者が書かれているように、解
決が難しいと思われていたことでも、事態が
大きく変わることもあります。諦めずに少し
ずつ、行けるところまで行けたらいいなと思
います。
 著者の御冥福を心よりお祈り申し上げます。

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読書録「探偵はバーにいる」

2025-02-11 | Weblog
読書録「探偵はバーにいる」2

著者 東直己
出版 早川書房

p74より引用
“幼児虐待や倒錯殺人常習者のような例は別
として、大人同士がお互いに納得して行って
いる限りは、つまり、被害者が出ない限りは、
個人の好みは自由であるべきだというのが俺
の信念だ。”

 昭和後期の北海道ススキノを舞台に、酒好
きな便利屋を主人公とした、ハードボイルド
長編小説。同社刊行作文庫版。
 いつもの馴染のバーに入り、いつものよう
に酒を楽しもうとする主人公。そんなとき、
先に店にいた一人の客に、思いもよらぬ呼び
かけられ方をし…。

 上記の引用は、仕事で聞き込みをしている
主人公の、性的嗜好についての考えの一部。
人に迷惑をかけないのであれば、頭の中で何
を考えていてもいいし、その考えを一緒に楽
しめる相手とならば好きにしていてもいいも
のだと思います。周りに受け入れを押し付け
なければ。
 著者の略歴を見る所、自身の経験か近しい
人達の実体験をもとに、その時代を過ごした
ことを感じさせるような描かれ方をしている
ように見受けられます。
 お酒についての描写が多く、酒について造
詣が深い人程面白みが増す作品ではないでしょ
うか。舞台が北海道なので、ススキノ周辺を
よく知っている人は言わずもがなです。

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読書録「毒々生物の奇妙な進化」5

2025-02-11 | Weblog
読書録「毒々生物の奇妙な進化」5

著者 クリスティー・ウィルコックス
訳 垂水雄二
出版 文藝春秋

p211より引用
“ ドーパミンは、昆虫から人類に至るまで
の幅広い動物の脳に見いだされる興味深い化
学物質の一つで、その影響は、そうした種の
すべてにおいて決定的に重要である。私たち
の脳においては、それは精神的な「報酬」の
一部である。”

目次より抜粋引用
“猛毒生物の遺伝子に挑む
 最強の殺戮者は誰だ?
 注射するのはヘビの毒
 人生を変える「激痛」
 人食いトカゲの島へ上陸”

 生物学者でサイエンスライターである著者
による、有毒生物とその毒について記された
一冊。
 ある動物が毒を持つまでの物語から現在の
人の暮らしと生物毒との深い関係まで、命が
けのフィールドワークからしか得られない知
識と経験が記されています。

 上記の引用は、ゴキブリの心を操る寄生蜂
について書かれた項での一節。
種類も体の大きさも違う人とゴキブリが、同
じように化学物質で行動が左右されてしまう
のは、興味深い話ではないでしょうか。それ
と同時に、ドーパミンを溢れさせると言われ
る、現代社会とデジタルデバイスとの関係に、
少し恐怖を感じます。誰かにいいように操ら
れないように、日頃から気をつけていたいも
のです。
 人類の体の進化、特に脳と目についてと毒
蛇の関係について書かれたp52の記述は面白く、
考えさせられるものではないでしょうか。
自らの命を奪う存在ほど怖いものはないので
しょうけれど、その恐怖が生き物を前に進め
させるようです。
p76の窮鼠猫を噛むの実例のような、ガラガラ
ヘビとネズミの対決では、そういう進化の持
つ可能性と強さがよく現れているのではない
でしょうか
 生物学者たちが一つ一つ積み重ねた研究に
よって、危険な有毒生物から身を守るだけで
なく、その毒から作られた物質によって、命
を助けられているということは、頭の隅にで
も置いておいた方がいいのではないでしょう
か。危険だからといって完全に排除してしまっ
たならば、進化が前に進まなくなってしまう
かもしれません。

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読書録「アリエナクナイ科学の教科書」

2025-02-06 | Weblog
読書録「アリエナクナイ科学の教科書」5

著者 くられ
協力 薬理凶室
出版 ソシム

p130より引用
“ 確かに近年「人工知能に仕事が奪われる」とか「人工知能に人類は支配される」などと
いった不安を煽るような言説もよく見かけま
すが、そういったことを主張しているご本人
が人工知能の専門家であることはありません。
専門家たる研究者たちはそういった言説を冷
ややかな視線で眺めていたりします。”

目次より抜粋引用
“ヒトの空想を科学する
 脅威・怪異の空想を科学する
 テクノロジーの空想を科学する
 環境・設定の空想を科学する”

 フリーライターで不良科学者である著者に
よる、空想世界の夢のような出来事や物事の、
現実世界での実現性について解説・考察した
一冊。
 生命の到達点・不老不死についてから地球
以外での人形生物についてまで、科学を身近
に感じ楽しめるように記されています。

 上記の引用は、コンピュータと人工知能に
ついて記された項での一節。
本当は不必要であって、大したこともせずに
無駄飯を食っているような立場や、仕事をし
ているふりをして上澄みを啜っているような
人が、その場所を無くすだけなのではないで
しょうか。そうなった方が、人手不足で困っ
ている場所や仕事に、人材が回っていいよう
に思いますが。ろくでなしに来られても、困っ
てしまうだけかもしれませんね。
 p61の“人間は基本的に相手の顔を見る生き
物ですから、不自然な顔に関して生理的嫌悪
感を持つようにプログラムされています。”
という一文を読むと、いまいち振るわないエ
ンタメの遠因の一つがここにあるのではない
かなと思ってしまいます。
 科学的なことは好きだけれど、専門的な本
を沢山読むのは苦しい、という私のような人
にはぴったりな一冊。文章の端々に、漫画家
ゲームをネタにしたものが見受けられるので、
それらが分かる人ならばより一層面白い一冊
となるでしょう。
著者はyoutubeの動画でも活躍されておられる
ので、本を読むのが苦手な方はそちらからで
も、科学知識を面白く得られると思われます。

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読書録「0能者ミナト7」ほか

2025-02-02 | Weblog
読書録「0能者ミナト7」5

著者 葉山透
出版 メディアワークス文庫

p68より引用
“他の数字と比べて遭遇率ががくっと落ちる。
生態が脅かされない。生存競争が起こらない。
だから生き残った。素数の性質が生んだ偶然
の産物。それが素数ゼミなんだ」”

目次より抜粋引用
“第一話 『七』
 第二話 『化』
 閑話 『占』”

 霊力や法力を持っていないにも関わらず、
怪異と相対する青年を主人公とした、短編連
作小説。
 就職難の中、趣味を活かせる職場で不満を
持ちながらも取材をこなす女性カメラマン。
先輩と共に比較的危険と言われる怪異を追っ
ている所…。

 上記の引用は、素数ゼミについての主人公・
ミナトの台詞。
日本だと、セミは毎年同じくらいの時期に同
じ種類のセミが見られるので、あまり馴染み
がない素数ゼミ。一時に大量に湧いて出るの
で、結構厄介なものだそうですね。生物の生
存に、数学が深く関わっているというのは不
思議なものです。
 二話目から感じる、切なさと悲しさと優し
さは、昔話から感じる思いと同じものである
ように思われます。人の心を動かす物語の作
りは、今も昔もあまり変わりないものなのか
もしれません。

ーーーーー

読書録「0能者ミナト8」5

著者 葉山透
出版 メディアワークス文庫

p171より引用
“「人間相手でも怪異相手でも命を奪うとい
う恐れをなくしたらおしまいだ。そこまで心
が鈍化したら、自分の命にも鈍くなる。そう
なればいずれ死ぬ」”

目次より抜粋引用
“第一話 『劣』
 第二話 『交』
 第三話 『裏』
 閑話 『減』”

 霊力や法力を持っていないにも関わらず、
怪異と相対する青年を主人公とした、短編連
作小説。
 人呑みの館と呼ばれる洋館に向かった人達
は、その名が表す通りほとんど帰ることが無
い。そのような場所であるにも関わらず、十
名ほどの人間がやってきて…。

 上記の引用は、怪異に飲まれた相手を殺す
事に対しての、主人公・ミナトの台詞。
人格破綻しているように描かれがちな主人公
ですが、たまにまともな事を言うものです。
6巻を読んだ後だと、悪人ではなく、悪役をし
ているということが分かるのですが。
 長編仕立ての今巻、最後まですっかりと騙
されてしまったという思いを、抱かざるを得
ませんでした。

ーーーーー



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