読書録「不要家族」3
著者 土屋賢二
出版 文藝春秋
p69より引用
“残念なのは、後に入る人には、どれだけ苦
労して掃除したかが分からず、たんに「薄汚
い部屋だ」と思われてしまうことだ。”
目次から抜粋引用
“箱の作り方
お別れの挨拶
品のいい名乗り方
根拠の無い自信
話のズレ方”
哲学者でエッセイストである著者による、
日々の些細な事を複雑に考えて著したエッセ
イ集。
箱の手作りについてから会話の方向性につ
いてまで、ウィットに富んだ話が盛り沢山で
す。
上記の引用は、著者が大学を退職して部屋
を去ることになったことについて書かれた話
での一文。
世の中、誰かが何かをしてくれているという
ことは、殆ど目に見えないものなのでしょう
か。目に見えているけれど、何とも思ってい
ないだけかもしれません。
大学を退職してからも、周囲の人との付き
合いに苦悩する日々を送られているようで、
なによりです。これからも面白い話を、聞き
続けることが出来るでしょう。
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