この文章は全てフィクションです
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「オレヴァホ・ラフ・クノダイスキーの口伝102」
ワタシココウ
世界各地の日当たりの良い山野に自生する多年草
茎は直立し高さ50から80cm
太く比較的まっすぐな根茎を四方八方に伸ばし
その他の植物を寄せ付けない勢いで繁茂・群生する
また
太い根茎は古くから虫下しとして
生薬利用がされているのである
また花は淡く薄い青色で
初夏から秋口まで我々の眼を楽しませてくれるのである
この植物の特色は
美しい花や生薬としての利用だけではなく
もっと強烈な特徴をそのほかの点で持っている
花をすり潰すと
トゲ付き棍棒を鼻の穴に突っ込んだような痛みを伴う
ものすごい臭気が立ち上がるのである
この匂いはしばしばナレズシの匂いに例えられ
合わない人には大変苦しい匂いである
しかしこの強い臭気も実が熟すと自然と消えるのである
この匂いによって
身が熟す前に動物に食べられるのを防ぐという
この植物の繁殖戦略であると言う説が
現時点では一般的である
しかし皮肉なことに
この強烈な匂いの利用を思いついた動物が
人間である
古代山の開拓の進んでいなかった時代には
人跡未踏の山に入らなければならないことが多く
現代よりもずっと多くの遭難・行方不明者が出ていた
それを避けるためにこの植物の匂いを
利用していたのである
採取してきたこの植物の花を持ち歩き
通り道に転々と匂いをつけながら山に入って行き
帰りはそれをたどって帰ったのである
またこの匂いは動物にとって不快なようであるため
凶暴な肉食動物を避ける用途としても
大変効果的であったようである
この様に古来から人間に利用されて来たこの植物
実は現代でも盛んに利用されているのである
その利用法とは
防犯用の携帯小型催涙スプレーや
犯人追跡用のカラーボールの内溶液に混ぜられている
この匂いは持続性があるためかけられた相手は
一週間は匂いに苦しむことになるのである
ただ使用に失敗したときは自分にも匂いが付くため
取り扱いは少々難しい
防犯訓練で訓練用の道具と間違い
匂い入りの物を使ってしまい犯人役の人が泣いて暮らした
と言うような事もしばしば起こるのである
しかし
使い所さえ間違わなければ実に有効な道具である
もう一つの利用法
虫下しとして利用するためには根茎を
乾燥させる必要がある
掘り起こすために山に出かけるのもいいが
山の所有者や管理者に連絡が取れなかったり
採取の許可が下りなかったりと上手くいかない事が多く
自然の物を手に入れるのはなかなかに手がかかる
それに自生地は思いのほか山深いところが多い
山歩きが趣味でない人には面倒な事この上ないのである
が
この問題は近年もはや問題にならない
園芸植物としての改良品種が沢山出回っており
プランターで簡単に栽培できるようになっているのである
園芸品種はカラーバリエーションも豊富で
自分好みの色も見つかりやすいのではないだろうか
また改良品種は
一番の特色である強い臭気を押さえ気味にしてあるため
うっかり花を潰しても安心である
上記の防犯グッズに利用されている物は
匂いをさらに強くした専用の改良品種である
ただ家庭園芸で楽しむときの注意点としては
まれに自家採種したものは
原種に先祖がえりすることがあるので気をつけなければ
ならないのである
匂いが出るまでは気が付かないのではと
思われるかもしれないが
カラーバリエーション豊富な園芸用改良品種の中でも
原種の薄淡い青色だけは存在しないのである
もし自家採種して育てたこの植物の花が
やさしい薄淡い青色であったならば
幸運なのではないであろうか
花を潰しさえしなければであるが
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ワタシココウ
世界各地の日当たりの良い山野に自生する多年草
茎は直立し高さ50から80cm
太く比較的まっすぐな根茎を四方八方に伸ばし
その他の植物を寄せ付けない勢いで繁茂・群生する
また
太い根茎は古くから虫下しとして
生薬利用がされているのである
また花は淡く薄い青色で
初夏から秋口まで我々の眼を楽しませてくれるのである
この植物の特色は
美しい花や生薬としての利用だけではなく
もっと強烈な特徴をそのほかの点で持っている
花をすり潰すと
トゲ付き棍棒を鼻の穴に突っ込んだような痛みを伴う
ものすごい臭気が立ち上がるのである
この匂いはしばしばナレズシの匂いに例えられ
合わない人には大変苦しい匂いである
しかしこの強い臭気も実が熟すと自然と消えるのである
この匂いによって
身が熟す前に動物に食べられるのを防ぐという
この植物の繁殖戦略であると言う説が
現時点では一般的である
しかし皮肉なことに
この強烈な匂いの利用を思いついた動物が
人間である
古代山の開拓の進んでいなかった時代には
人跡未踏の山に入らなければならないことが多く
現代よりもずっと多くの遭難・行方不明者が出ていた
それを避けるためにこの植物の匂いを
利用していたのである
採取してきたこの植物の花を持ち歩き
通り道に転々と匂いをつけながら山に入って行き
帰りはそれをたどって帰ったのである
またこの匂いは動物にとって不快なようであるため
凶暴な肉食動物を避ける用途としても
大変効果的であったようである
この様に古来から人間に利用されて来たこの植物
実は現代でも盛んに利用されているのである
その利用法とは
防犯用の携帯小型催涙スプレーや
犯人追跡用のカラーボールの内溶液に混ぜられている
この匂いは持続性があるためかけられた相手は
一週間は匂いに苦しむことになるのである
ただ使用に失敗したときは自分にも匂いが付くため
取り扱いは少々難しい
防犯訓練で訓練用の道具と間違い
匂い入りの物を使ってしまい犯人役の人が泣いて暮らした
と言うような事もしばしば起こるのである
しかし
使い所さえ間違わなければ実に有効な道具である
もう一つの利用法
虫下しとして利用するためには根茎を
乾燥させる必要がある
掘り起こすために山に出かけるのもいいが
山の所有者や管理者に連絡が取れなかったり
採取の許可が下りなかったりと上手くいかない事が多く
自然の物を手に入れるのはなかなかに手がかかる
それに自生地は思いのほか山深いところが多い
山歩きが趣味でない人には面倒な事この上ないのである
が
この問題は近年もはや問題にならない
園芸植物としての改良品種が沢山出回っており
プランターで簡単に栽培できるようになっているのである
園芸品種はカラーバリエーションも豊富で
自分好みの色も見つかりやすいのではないだろうか
また改良品種は
一番の特色である強い臭気を押さえ気味にしてあるため
うっかり花を潰しても安心である
上記の防犯グッズに利用されている物は
匂いをさらに強くした専用の改良品種である
ただ家庭園芸で楽しむときの注意点としては
まれに自家採種したものは
原種に先祖がえりすることがあるので気をつけなければ
ならないのである
匂いが出るまでは気が付かないのではと
思われるかもしれないが
カラーバリエーション豊富な園芸用改良品種の中でも
原種の薄淡い青色だけは存在しないのである
もし自家採種して育てたこの植物の花が
やさしい薄淡い青色であったならば
幸運なのではないであろうか
花を潰しさえしなければであるが
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