普段みることのできない土壌世界に対し
最大限想像力を膨らませること…これが
東部占領地の1600万人の外国人を殺害する計画の
背景となったナチス・エコロジズムの、力の源だった。
強制収容所で親衛隊員たちが多くの囚人たちを
奴隷のように国士する動機となった
ナチス・エコロジズムの根深さなのである。
(『ナチス・ドイツの有機農業』より藤原辰史)
かれら農民は、しばしばナチスが好んで用いた比喩、
つまり種苗園の植物のように「アーリア人」としての種=血を
後世に伝えてゆく国家的任務を、
世襲農場法や東方植民のプロパガンダによって叩き込まれていた。
農民はいわば種苗園の植物、
農民の生殖器はその雌しべと雄しべに他ならなかったのである。
「人間と動物の境界」「人間と植物の境界」よりも
「人種と人種の境界」に太い線をひくナチスの志向は、
囚人を「家畜」に変えたばかりではない。
それはドイツ農民たちをも、
かれらが創出した景観に慣れ親しむような
「家畜」や「種苗」に変えるのである。
「人間を動物に変える巨大な機械」は、
収容所の有刺鉄線を超えた
〈第三帝国〉全体のシステムであったのであり、
「有機農法」は、収容所にせよ、
占領地の農地にせよ、
そこで農法を営む人間を「生命空間」のなかの
一要素に変換する方法でもあったのだ。>
『土と血の思想』によって、
わが「アーリア人」を未来永劫存続させるべく、
「環境」と「景観」の改革を
東部占領地にまで移植させていったナチス・ドイツ。
その背景には第一次大戦時の困窮した飢餓事態があった。
つまり、人間は緊急事態においては
自分なりのトリアージ(優先順位)も設け、
人を選別する。コロナ禍によって
ますます緊縮する状況下で、
「命の選別」が常態化するのは
時間の問題かもしれない。
【ARBEIT MACHT FREI】_ダッハウ強制収容所にて。
『働けば自由になる』の真意は、「人間は労働する動物」なのではなく、「労働は人間を動物にする」。
つまり、労働とは、人間と自然を区別する分水嶺なのではなく、人間が自然のなかに溶解しようと
するための儀式であり、人間が植物や動物やドジョウと同等の位置に立とうとするための行為なのである。
人間が人間であることの証明ではなく、人間が自然の一部であることの証明が労働という行為にすぎない。
…ナチスは何事においてもボタンの掛け違えという些末さで大量殺戮を冒したのだ。…『労働を通じての絶滅』という恐ろしさよ。
#photobybozzo
#サル化する世界
最大限想像力を膨らませること…これが
東部占領地の1600万人の外国人を殺害する計画の
背景となったナチス・エコロジズムの、力の源だった。
強制収容所で親衛隊員たちが多くの囚人たちを
奴隷のように国士する動機となった
ナチス・エコロジズムの根深さなのである。
(『ナチス・ドイツの有機農業』より藤原辰史)
かれら農民は、しばしばナチスが好んで用いた比喩、
つまり種苗園の植物のように「アーリア人」としての種=血を
後世に伝えてゆく国家的任務を、
世襲農場法や東方植民のプロパガンダによって叩き込まれていた。
農民はいわば種苗園の植物、
農民の生殖器はその雌しべと雄しべに他ならなかったのである。
「人間と動物の境界」「人間と植物の境界」よりも
「人種と人種の境界」に太い線をひくナチスの志向は、
囚人を「家畜」に変えたばかりではない。
それはドイツ農民たちをも、
かれらが創出した景観に慣れ親しむような
「家畜」や「種苗」に変えるのである。
「人間を動物に変える巨大な機械」は、
収容所の有刺鉄線を超えた
〈第三帝国〉全体のシステムであったのであり、
「有機農法」は、収容所にせよ、
占領地の農地にせよ、
そこで農法を営む人間を「生命空間」のなかの
一要素に変換する方法でもあったのだ。>
『土と血の思想』によって、
わが「アーリア人」を未来永劫存続させるべく、
「環境」と「景観」の改革を
東部占領地にまで移植させていったナチス・ドイツ。
その背景には第一次大戦時の困窮した飢餓事態があった。
つまり、人間は緊急事態においては
自分なりのトリアージ(優先順位)も設け、
人を選別する。コロナ禍によって
ますます緊縮する状況下で、
「命の選別」が常態化するのは
時間の問題かもしれない。
【ARBEIT MACHT FREI】_ダッハウ強制収容所にて。
『働けば自由になる』の真意は、「人間は労働する動物」なのではなく、「労働は人間を動物にする」。
つまり、労働とは、人間と自然を区別する分水嶺なのではなく、人間が自然のなかに溶解しようと
するための儀式であり、人間が植物や動物やドジョウと同等の位置に立とうとするための行為なのである。
人間が人間であることの証明ではなく、人間が自然の一部であることの証明が労働という行為にすぎない。
…ナチスは何事においてもボタンの掛け違えという些末さで大量殺戮を冒したのだ。…『労働を通じての絶滅』という恐ろしさよ。
#photobybozzo
#サル化する世界