tantan『安全+第一』@「
ダンス花アドバンス」セッションハウス
振付・構成・出演/亀頭可奈恵
出演/阿部真理亜、岡安夏音子、佐々木萌衣、田端春花、吉田圭
北里さんなら、どんな感想を導くのだろう?
日女学生生活最後の公演となったtantan『安全+第一』は、
ボクにとって刮目に値する作品だった。
不穏な空気を伺う不気味なハトたち。
タイトルの
『安全+第一』は、
このような世の不穏さを揶揄したものだろうが、
ハトを被っているからか、6人全員が没個性であり、
振付に関してもすべて受動的な動きだ。
カメさん曰く意識的にしたものらしいのだけど、
前作
『傷としお。』でも、
その受動的な装いは感じられたと思う。
その受動性が増したような印象だ。
後半、危険シグナルがアナウンスされる中で、
6人6様の受動的身体反応が
ベルトコンベアで次々運ばれてくる。
危険に陥ってもどこまでも受動的なのがとてもリアルで、ハッとした。
障害者殺傷の痛ましい事件を他人事のように流して、
「共謀罪」などという大枠なモノで大括りに「テロ」と目されるものを排斥しよう…
仮想敵国には安保統制で積極的平和主義で侵攻しよう…と、
どこまでも受動的なのが、この国。
「不寛容」は結局、受け身の産物ですから。
関わらない。触れない。見つめない。
その何事にも受動的なスタンスが、
この作品のダンサーの受動的装いにまで昇華されている気がして。
あああ、なんということか。
これは突き詰めていかないと。
受動態ダンスという新機軸に、驚愕した次第。
tantanダンサーは、そこまで意識的でない…ってとこがまた。恐怖なのだ。
【on_Flickr】0225_TANTAN