小栗康平コレクション第4弾『眠る男』
前田…
近代の富というものは、国家ぐるみで追求して、国民全体でできるだけ金持ちになろうということですね。
経済成長というやつ。それは、最初のうちは世界の中でごく一部の国家や社会が追求していて、それ以外のところは
はじかれていたんだけど、今や世界中が近代の富を公然と追求している。
どんな政治体制であろうと国家は近代の富だけを公然と追求する。
そうなると、もう互いに奪取しあうしかない。この競争ですね。この競争があまりヒドイものにならないように
約束を決めようっということで、貿易協定なんんかがあるんだろうけど、そんなことじゃこの競争は止まらない。
世界全体が、歯止めのかからない競争地獄に陥ってしまっている。
それをグローバリズムとか云うのでしょう。取り返しのつかないことになると思いますよ。
小栗…
国民国家などという国家形態はたかだか二百年にもならない。
国が単位で争いを起こし、戦をし、戦にまで至らないとしても抑止力と称して殺戮兵器を準備し続ける。
これらはみな、国民国家という枠組みの弊害です。
そう考えると、江戸時代の幕藩体制って豊かだったなあと思うよね。(笑)
おらが村がクニなのであって、国家なんて知ったこっちゃないもんね。
(小栗康平コレクション4『眠る男』_小栗康平×前田英樹対談より)
前田…
近代の富というものは、国家ぐるみで追求して、国民全体でできるだけ金持ちになろうということですね。
経済成長というやつ。それは、最初のうちは世界の中でごく一部の国家や社会が追求していて、それ以外のところは
はじかれていたんだけど、今や世界中が近代の富を公然と追求している。
どんな政治体制であろうと国家は近代の富だけを公然と追求する。
そうなると、もう互いに奪取しあうしかない。この競争ですね。この競争があまりヒドイものにならないように
約束を決めようっということで、貿易協定なんんかがあるんだろうけど、そんなことじゃこの競争は止まらない。
世界全体が、歯止めのかからない競争地獄に陥ってしまっている。
それをグローバリズムとか云うのでしょう。取り返しのつかないことになると思いますよ。
小栗…
国民国家などという国家形態はたかだか二百年にもならない。
国が単位で争いを起こし、戦をし、戦にまで至らないとしても抑止力と称して殺戮兵器を準備し続ける。
これらはみな、国民国家という枠組みの弊害です。
そう考えると、江戸時代の幕藩体制って豊かだったなあと思うよね。(笑)
おらが村がクニなのであって、国家なんて知ったこっちゃないもんね。
(小栗康平コレクション4『眠る男』_小栗康平×前田英樹対談より)