The night is like a lovely tune, beware my foolish heart!
夜は素敵な音楽のよう
油断しないで 愚かな私の心よ
How white the ever constant moon, take care, my foolish heart!
今日に限って なんて月が白々としているのかしら
油断しないで 愚かな私の心よ
There's a line between love and fascination,
That's hard to see on an evening such as this,
のぼせてしまうのと愛は別物
こんな晩には 分からなくなってしまうもの
For they give the very same sensation.
感じることは 同じだから
When you are lost in the passion of a kiss.
Your lips are much too close to mine, beware my foolish heart!
夢中でキスしている時
あなたの唇が近すぎる 油断しないで 愚かな私の心よ
But should our eager lips combine, then let the fire start.
でも 二人の唇が一つになるなら 火を付けてしまおう
For this time it isn't fascination, or a dream that will fade and fall apart,
It's love this time, it's love, my foolish heart!
のぼせているわけじゃないのだから 色あせてバラバラになる夢じゃないのだから
今度こそ愛 それは愛なのよ、愚かな私の心よ
【Jazz Standard】My Foolish Heart
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毎日のように桜坂「g」へ顔を出していると、
こんなJazzのスタンダードに酔いしれたくなる夜もある。
1949年の映画の挿入歌がそのままスタンダードナンバーになった楽曲。
高校時代、まだJazzとEasy Listeningの聴き分けがつかなかった頃、
Jazzのオムニバスアルバムを借りて、初めて触れたMale Vocal Number。
Tony Bennettがストリングスをバックに朗々と歌い上げている。
NYの摩天楼がキラキラと脳裏に輝き、
その奥行きある楽曲に、17の青二才が酔いしれた。
歌詞の意味はわからなかったけど、
切ない気持ちはドスンとハートに響いた。
切ない17歳は、締め付けられたチキンハートにきゅんとなって、
照れ隠しのように慣れない煙草に火を付ける。
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鈴木重子のバージョンが本来の姿なんだろう。
恋多きオンナが、わかっちゃいるけど、今夜も恋に落ちる。
男と女の心の襞。
Barの止まり木には、よく似合う。
「Rumをロックで、もう一杯」
いくつになっても、こんな浮き世離れな心情に酔ってる自分が
一番「愚かなりし我が心」なのかもしれないけど。
すっかり、ロックグラスが似合う男になっちまった。