#photobybozzo

沖縄→東京→竹野と流転する、bozzoの日々。

【Mar_11】Way to End Public Art by Relight_Project

2018-03-12 | ART
『Way to End Public Art by Relight_Project』


2003年に六本木のテレビ朝日前に設置されたパブリックアート
『Counter Voidー光の壁』(宮島達男作)。

2011年の震災後、03/13に消灯され、
その後5年間、再点灯されずにいた。

パブリックアートとは何か?の問いと共に起ち上がったProjectによって、
2016年から2018年にかけて震災の日から3日間のみ再点灯され、
03/11を問う。そして、この光の壁は永遠に閉じられる。

その背景には、2003年の感性と震災後の感性と、
その変化が大きいのだと正直思う。
これだけの光量でもって夜の街を照らし続けることは、
震災後の今となっては疑問も多いだろう。

そもそも震災直後の消灯も、自粛ムードに倣ったところが大きいはず。
その後しばらく再点灯できなかったのも当然である。

手法としては2003年当時は斬新でインパクトも絶大であっただろうが、
作家の気付きと時代の流れによって作品も閉じられうる…ということ。
この作品の終焉は、パラダイムシフトのひとつの顕れなのだ。

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#RD18311
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【2011_0311】和合亮一「詩の礫」_04あなたには、あなたをあきらめないで欲しい

2018-03-12 | PHOTO
(中略)

一昨日から始まった私のこの言葉の行動を、
「詩の礫」と名付けた途端に、家に水が出ました。
私の精神と、私の家に、血が通ったようでありました。
「詩の礫」と通水。駄目な私を少しだけ開いてくれた。
目の前の世界のわだかまりを貫いてくれた。

(中略)

余震か。否。私はある日、避難所の正午。
米と鶏肉とコンソメスープをもらった。むしゃぶり食べた。
舌鼓を打ちながら、書き殴った。
帳面を開く「このまま何かが大きく動き続けて、大きく変わらないとしたらどうなるか」。
時の昂然だけが私には思い出せるが、言葉が何を捕らえようとしたか、定かでは無い。

(中略)

私はさっき、泣きながら、震災で明かりの点かない風呂場で、湯に遊びました。
あなたには、あなたをあきらめないで欲しい。
湯水の滴る音が、私の鼓動になり、私は伝える勇気を、高鳴らせました。
あなたには、あなたをあきらめないで欲しい。暗がりの湯の中で決意しました。

(中略)
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【2011_0311】和合亮一「詩の礫」_03僕はあなたの心の中で言葉の前に座りたいのです

2018-03-12 | PHOTO
私はひとり、暗い部屋の中で言葉の前に座っている。
あなたはどこに居ますか?言葉の前に座っていますか?

 ↓ ↓ ↓

言葉の後ろ背を見ていますか。言葉に追い掛けられていますか。
言葉の横に恋人と一緒にいるみたいに寄り添っていますか。
それとも言葉に頭の上から怒鳴られていますか。

 ↓ ↓ ↓

僕はあなたです。あなたは僕です。

 ↓ ↓ ↓

僕はあなたの心の中で言葉の前に座りたいのです。
あなたに心の中で言葉の前に座って欲しいのです。
と覚悟した者、無念に死に行く者。
たくさんの言葉が、心の中のがれきに紛れている。

 ↓ ↓ ↓

僕はあなたは、この世に、なぜ生きる。
僕はあなたは、この世に、なぜ生まれた。
僕はあなたは、この世に、何を信じる。

 ↓ ↓ ↓

海のきらめきを、風の吐息を、草いきれと、星の瞬きを、花の強さを、
石ころの歴史を、土の親しさを、雲の切れ間を、
そのような故郷を、故郷を信じる。

 ↓ ↓ ↓

2時46分に止まってしまった私の時計に、時間を与えようと思う。
明けない夜は無い。

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【2011_0311】和合亮一「詩の礫」_02そして少年。女川。氷点下。車、がれき、車。

2018-03-12 | PHOTO
このことに意味を求めるとするならば、それは事実を正視しようとする、
その一時の静けさに宿るものであり、それは意味ではなくむしろ無意味そのものの闇に近いのかもしれない。

(中略)

茶の間の時計と本棚の時計が2時46分を指したまま、激しく転がっていた。
その後に駅に行ったが、巨大な時計がやはり2時46分を差したまま、止まっていた。
明日は2時46分に目をつむろう。

(中略)

不明の母を探す少年と、伯母。やがて遺体で母は見つかる。取り乱した伯母は泣きじゃくる。
警察官は静かに話す。「お姉さんのところに、帰ってきたんだから、それでいいと思わないと」「帰ってこない人もいるんだよ」。
「大丈夫か」と尋ねる警察官。「守るものがいっぱいあるから、がんばらないと」ときっぱり彼に言い放つ、女性。
そして少年。女川。氷点下。車、がれき、車。
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【2011_0311】和合亮一「詩の礫」_01震災に遭いました。

2018-03-12 | PHOTO
震災に遭いました。避難所に居ましたが、落ち着いたので、仕事をするために戻りました。
みなさんにいろいろとご心配をおかけいたしました。励ましをありがとうございました。

  ↓ ↓ ↓

本日で被災六日目になります。モノの見方や考え方が変わりました。

  ↓ ↓ ↓

行き着くところは涙しかありません。私は作品を修羅のように書きたいと思います。

  ↓ ↓ ↓

放射能が振っています。静かな夜です。

  ↓ ↓ ↓

ここまで私たちを痛めつける意味はあるのでしょうか。
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