7月11日。日曜日。
またもやどんよりとした梅雨空。
美貌の青空にはほど遠し。
いや、逆説的な美貌ではあるか。
grayish sky…。
7月6日から8日まで中国天津に行ってきた。
強行なスケジュールで、
中国の生活など微塵も感じられないほど、
移動手段を乗り継いだ3日間だった。
工場視察同行取材であったので、
それは致し方のないこと。
詳しくは「森のせいかつ」の更新を待たれたい。
●
しかし、空気を感じることは出来た。
「中国、これが中国か。」
初めて降り立った大陸は、やはり…乾いていた。
現地での自覚は薄かったけれど、
日本に舞い戻った時、再び触れる日本の空気の潤い。
そして、何より、
成田空港から成田エキスプレスで
上野までの、窓外の風景。
「ああ、なんと瑞々しいのだろう」
日本はなんと潤いにあふれ、
緑にあふれ、すべてが瑞々しく、
また清々しい風がさやぐのだろう。
…訪英後の夏目漱石になった気分だった。
いや、それはおかしいか。
ボクが行ったのは中国だった。
しかし、3日間の訪中ではあったけれど、
その殺伐とした空気、どこまでも続く同じ光景。
同じような建物の羅列、同じような看板。
そして何よりも、雑多な人、人、人…。
そのパワーはもの凄いものではあったのだけれど、
なにか受け入れがたい「乾燥した気持ち…」を感じた。
開発、発展に生き急ぐ人たちは、
往年のモーレツ社会を彷彿とさせた。
慢性的な渋滞、車、車、車、クラクション、車、ブレーキ、車。
工事現場、崩れた足場、土ぼこり、剥き出しのコンクリート、安普請。
アスファルト、穴ぼこ、産業廃棄物、どでかいブロック、淀んだ空気。
たむろする若者、たむろする老人、たむろする女、たむろする男。
無為に過ごす人、無為に過ごす人、無為に過ごす人、無為に過ごす人。
もう、とにかく人。
これだけ多くの人があふれていたら、
個性だ、ファッションだ、ヘアスタイルだ、眼鏡だ、などと
ディテールにこだわっていてもまったく仕方のないこと。
人との比較が意味をなさない。
何をやろうが、誰も気を止める気配すらない。
みな、自分に必死だ。
殻に閉じこもっていたら、たちまち忘れられてしまう。
「引きこもり」だなんていう概念すら存在しないだろう、きっと。
ここは、カオスだ。
日本はどこまで行っても、
箱庭文化であることを、
強く思い知らされた。
それがよいのか、悪いのか、
そういう判断すら意味をなさない。
中国とはベクトルも、思考も、スケールも、量も、
何もかもがまったく違う。
10億強の人間がひとつの国家で存在していること自体、
ボクには理解ができない。
今回、訪れてみたことで、
すべての概念がうすっぺらく感じてしまった。
なんて振り幅が狭いんだ、日本って国は。
そのセンシティブな点がATRACTではあるのだけれど。
●
君の血が透き通る 野蛮な瞳見ては
途方に暮れる 真夏の楽園
枯れてもたぎる 無為な欲望
またもやどんよりとした梅雨空。
美貌の青空にはほど遠し。
いや、逆説的な美貌ではあるか。
grayish sky…。
7月6日から8日まで中国天津に行ってきた。
強行なスケジュールで、
中国の生活など微塵も感じられないほど、
移動手段を乗り継いだ3日間だった。
工場視察同行取材であったので、
それは致し方のないこと。
詳しくは「森のせいかつ」の更新を待たれたい。
●
しかし、空気を感じることは出来た。
「中国、これが中国か。」
初めて降り立った大陸は、やはり…乾いていた。
現地での自覚は薄かったけれど、
日本に舞い戻った時、再び触れる日本の空気の潤い。
そして、何より、
成田空港から成田エキスプレスで
上野までの、窓外の風景。
「ああ、なんと瑞々しいのだろう」
日本はなんと潤いにあふれ、
緑にあふれ、すべてが瑞々しく、
また清々しい風がさやぐのだろう。
…訪英後の夏目漱石になった気分だった。
いや、それはおかしいか。
ボクが行ったのは中国だった。
しかし、3日間の訪中ではあったけれど、
その殺伐とした空気、どこまでも続く同じ光景。
同じような建物の羅列、同じような看板。
そして何よりも、雑多な人、人、人…。
そのパワーはもの凄いものではあったのだけれど、
なにか受け入れがたい「乾燥した気持ち…」を感じた。
開発、発展に生き急ぐ人たちは、
往年のモーレツ社会を彷彿とさせた。
慢性的な渋滞、車、車、車、クラクション、車、ブレーキ、車。
工事現場、崩れた足場、土ぼこり、剥き出しのコンクリート、安普請。
アスファルト、穴ぼこ、産業廃棄物、どでかいブロック、淀んだ空気。
たむろする若者、たむろする老人、たむろする女、たむろする男。
無為に過ごす人、無為に過ごす人、無為に過ごす人、無為に過ごす人。
もう、とにかく人。
これだけ多くの人があふれていたら、
個性だ、ファッションだ、ヘアスタイルだ、眼鏡だ、などと
ディテールにこだわっていてもまったく仕方のないこと。
人との比較が意味をなさない。
何をやろうが、誰も気を止める気配すらない。
みな、自分に必死だ。
殻に閉じこもっていたら、たちまち忘れられてしまう。
「引きこもり」だなんていう概念すら存在しないだろう、きっと。
ここは、カオスだ。
日本はどこまで行っても、
箱庭文化であることを、
強く思い知らされた。
それがよいのか、悪いのか、
そういう判断すら意味をなさない。
中国とはベクトルも、思考も、スケールも、量も、
何もかもがまったく違う。
10億強の人間がひとつの国家で存在していること自体、
ボクには理解ができない。
今回、訪れてみたことで、
すべての概念がうすっぺらく感じてしまった。
なんて振り幅が狭いんだ、日本って国は。
そのセンシティブな点がATRACTではあるのだけれど。
●
君の血が透き通る 野蛮な瞳見ては
途方に暮れる 真夏の楽園
枯れてもたぎる 無為な欲望