12月19日日曜日。
晴れていても足が冷える。
放射冷却ってやつか。
クリスマスまでの一週間、
こんな寒さが続くらしい。
ご自愛のほどを。
●
今日は2つのイベントへ。
ひとつは赤々舎で行われた澁谷征司、黒田光一、姫野希美による鼎談。
「いつどのような対象に向けて君はシャッターを切るのか」
そんな題材を主軸におふたりのスライドショーを交え、
姫野さんを媒介のようにして会話が進んだのだけど、
単純にふたりの写真を見比べて、澁谷氏のほうが断然叙情的で、
対象への素直な投影が為されているのに対して、
黒田氏はその投影を否定するごとく利己的に情操を断絶し、
まったく以て無意味とも思えるタイミングとフレーミングで現実を切っていた。
湧き上がる感情を封印するかのごとく構えた写真は、
逆に黒田氏の心情を吐露するようで興味深かった。
結果として、写真家のキャラクターが浮き彫りになり、
写真が持つ映り込みの面白さを深化させる鼎談になった。
どちらにしても撮りに行くという能動的な姿勢は変わらないわけで、
まだまだ受動的な切り込み方をしているな…と
話の展開を反復しながら自己分析する良い機会をいただけた。
しかし、澁谷氏の写真は息を呑む美しさだった。
…ピンと張り詰めた空気感。
森閑としながらも蠢いている被写体。
「音が聞こえる…」
35万円のオリジナルプリントは
咽から手が出るぐらい欲しかった。
澁谷征司写真展「DANCE」は2010年12月25日(土)まで。
OPEN=12:00~20:00 CLOSE=月・祝日
●
それから場所を移し西荻窪のAparecidaへ。
あきゅらいずの文化祭で知り合った武石由起子さんのLIVE撮影。
はじめてカイピリーニャをいただく。
ブラジル版ラムと言ってもいいカシャーサを
ライムと砂糖で割った、キューバのモヒートに近い味。
酸味が鼻腔に抜ける心地よいカクテル。
すっかり気分はブラジルへ。
ブラジル北東部バイーアの音楽を歌う武石さん。
カポエイラのRodaで全員がお経のように反復して唱える音楽に
当然のことながら似ていて、
アフリカからブラジルに連れられた黒人の
土の匂い、汗の匂い、いかなるときも希望を持ち続けた生来の明るさ、
…が混淆したシンプルでいて、心躍る音楽だった。
土着宗教カンドンブレを口承しようとする
黒人たちのタフな気概が、カポエイラを生み、
バイーア独特の音楽を育て、やがてサンバへ…と流れる
ブラジルの「時代のうねり」みたいなものを聞かされると、
どんどん深入りしたくなるのが身上なのだが、
今は紡ぐべき言葉を知らない。
武石さんが言ってた
「キリスト教を強制されながらも、
マリアの背後に土着の女神イエマンジャを見ていた」
…カリオカの野太さが、ブラジルの懐の深さを物語っている。
ボクを魅了し続ける国、ブラジル。
やはりこの眼で見て、切り取りたい。
晴れていても足が冷える。
放射冷却ってやつか。
クリスマスまでの一週間、
こんな寒さが続くらしい。
ご自愛のほどを。
●
今日は2つのイベントへ。
ひとつは赤々舎で行われた澁谷征司、黒田光一、姫野希美による鼎談。
「いつどのような対象に向けて君はシャッターを切るのか」
そんな題材を主軸におふたりのスライドショーを交え、
姫野さんを媒介のようにして会話が進んだのだけど、
単純にふたりの写真を見比べて、澁谷氏のほうが断然叙情的で、
対象への素直な投影が為されているのに対して、
黒田氏はその投影を否定するごとく利己的に情操を断絶し、
まったく以て無意味とも思えるタイミングとフレーミングで現実を切っていた。
湧き上がる感情を封印するかのごとく構えた写真は、
逆に黒田氏の心情を吐露するようで興味深かった。
結果として、写真家のキャラクターが浮き彫りになり、
写真が持つ映り込みの面白さを深化させる鼎談になった。
どちらにしても撮りに行くという能動的な姿勢は変わらないわけで、
まだまだ受動的な切り込み方をしているな…と
話の展開を反復しながら自己分析する良い機会をいただけた。
しかし、澁谷氏の写真は息を呑む美しさだった。
…ピンと張り詰めた空気感。
森閑としながらも蠢いている被写体。
「音が聞こえる…」
35万円のオリジナルプリントは
咽から手が出るぐらい欲しかった。
澁谷征司写真展「DANCE」は2010年12月25日(土)まで。
OPEN=12:00~20:00 CLOSE=月・祝日
●
それから場所を移し西荻窪のAparecidaへ。
あきゅらいずの文化祭で知り合った武石由起子さんのLIVE撮影。
はじめてカイピリーニャをいただく。
ブラジル版ラムと言ってもいいカシャーサを
ライムと砂糖で割った、キューバのモヒートに近い味。
酸味が鼻腔に抜ける心地よいカクテル。
すっかり気分はブラジルへ。
ブラジル北東部バイーアの音楽を歌う武石さん。
カポエイラのRodaで全員がお経のように反復して唱える音楽に
当然のことながら似ていて、
アフリカからブラジルに連れられた黒人の
土の匂い、汗の匂い、いかなるときも希望を持ち続けた生来の明るさ、
…が混淆したシンプルでいて、心躍る音楽だった。
土着宗教カンドンブレを口承しようとする
黒人たちのタフな気概が、カポエイラを生み、
バイーア独特の音楽を育て、やがてサンバへ…と流れる
ブラジルの「時代のうねり」みたいなものを聞かされると、
どんどん深入りしたくなるのが身上なのだが、
今は紡ぐべき言葉を知らない。
武石さんが言ってた
「キリスト教を強制されながらも、
マリアの背後に土着の女神イエマンジャを見ていた」
…カリオカの野太さが、ブラジルの懐の深さを物語っている。
ボクを魅了し続ける国、ブラジル。
やはりこの眼で見て、切り取りたい。