前回に続き札幌のホテルについてですが
シティホテルに絞ります。
私の場合シティホテルとは都市にあり宿泊、宴会場、レストランその他の施設があるホテルです
(ビジネスホテルは宿泊だけに特化、リゾートホテルは観光地にありと勝手に区分けします)
<ここ3年間で閉館したシティホテル>
札幌での新型コロナウィルスの影響は2019年の年明けから出た
その後、雪まつりで感染者が出て2月28日に「新型コロナウィルス緊急事態宣言」が出され
道民に対して外出の自粛の求めた。
4月には再び「北海道・札幌市緊急共同宣言」が出た。
観光業界、ホテルは打撃を受け歴史のあるホテルが現在までにいくつかが閉館した
理由は様々でしょうが…
「札幌第一ホテル」
所在地:札幌市中央区南7条西1丁目
開業年:昭和27(1952)年
閉館 :令和2(2020)年6月
札幌第一ホテルは元々は大通9丁目にあった
その当時はレストランを、2007年に現在地に移ってからは会合で利用した。
札幌では老舗中の老舗ホテルで料理の味がよく宴会や法事の利用客が多かったようだ
この建物は元はNTTのホテル「ルーシス札幌」だが、もはや第一ホテルのイメージが強い。
すすきのと中島公園に近くで利便性もあったと思うがコロナ過で売上が減った
社長さんの談話がネットに残っているが、従業員への退職金、取引業者への支払いが
出来るうちに廃業の決断をしたということだ
なんとも立派な経営者ではないか。
そうだったんだ
現在も入り口に貼られている
現在も駐車場は稼働している
2022年11月撮影
「サンルートニュー札幌」
所在地:札幌市中央区南2条西6丁目
開業年:昭和61(1986)年
閉館 :令和3(2021)年3月
昭和の後半に開業した全国チェーン店で狸小路に隣接している
ホテルの利用はそれこそ30年くらい前に職場の忘年会で1度使ったきりだと思う。
建物は内部や外壁には補修がありそうだが躯体はそのままでまだ使える
現在は「ホテルアベスト札幌」が営業している。
サンルートグループとしては北区にもう1棟あるため
コロナ過では1棟に集約して営業していたようだ。
先が見えずなので札幌は1棟で営業と判断したのかも知れない
いずれにしてもすぐに次のホテルが営業したのでイメージの悪化は無いと思う。
2022年11月撮影
「ホテルオークラ札幌」
所在地:札幌市中央区南1条西5丁目
開業年:平成15(2003)年
閉館 :令和3(2021)年9月
赤レンガがとても印象的なこのホテルは「ホテルアルファサッポロ」として昭和55(1980)年に開業した。
ホテルアルファサッポロやアルファリゾートトマムを開業したのは仙台の「関兵精麦」という会社。
同族会社のアルファコーポレーションが当時販売した高級分譲マンション「アルファコートシリーズ」と
同じカラーとして現在も札幌の高級住宅地で見ることが出来る。
さてホテルアルファだが、出来たときの印象はなんと言っても「プレイボーイクラブ」があったこと
あのバニーガールのいる高級クラブである
もちろん若造が行けるような場所ではなかったが…
平成11(1999)年にホテルアルファサッポロが破産宣告
平成15(2003)年に関兵精麦が民事再生法を申請
平成15(2003)年にホテルオークラ札幌が開業した。
オークラになってからはカフェやケーキショップをよく利用した
オークラブランドらしくケースやペーパーバッグ一つをとっても御使いものに向いていたからだ。
オークラにしては中規模のホテルであった
また正面玄関が一方通行路に面しているのも珍しい。
閉館して翌年には解体された
現在は新しいビルとホテルが建設中だ。
だが、そこに入るホテルはホテルオークラではない。
2021年9月撮影
2022年11月撮影
「札幌すみれホテル」
所在地:札幌市中央区北1条西2丁目
開業年:()年
閉館 :令和2(2020)年4月から休業
札幌すみれホテルは札幌資本の老舗ホテルであった
古くからホテルを営業し、現在の建物は1990年代に改築されたもの。
札幌駅と大通駅の間にありホテルの多い地区でもある
規模的には小~中規模のシティホテルであろう。
すみれホテルには屋上でビアガーデンが開催されていたときに
数回利用した程度だった。
経営的にはコロナ前から苦戦しており銀行の所有になり
その後は本州のホテルチェーンが買い取ったようだ。
コロナ過の2020年4月から休業の貼り紙が玄関にあり
ホームページにも休業中のままであった。
今回見に行ったら貼り紙もなく HPも閉鎖されていた。
ガラス越しに見えるロビーは物が雑多に置いており
もはや営業再開をやる気が見えないホテルと化したのが
とても残念だ。
2022年11月撮影
「ホテルモントレ札幌」
所在地:札幌市中央区北4条東1丁目
開業年:平成6(1994)年
閉館 :令和4(2022)年10月
ホテルモントレは建物が完成した時に、これまでの札幌にはない外観をもつホテルとして大変人気があった。
そこだけが英国領のような雰囲気を醸し出し
イエローの外壁がとても映えた。
おそらくブライダルに人気があったように思える
その後、「ホテルモントレエーデルホフ札幌」が開業し2館体制となった
しかしコロナ過になるとモントレは休業し、エーデルホフの1館に営業を集中させる。
これは上記のサンルートと同じような展開だ
そしてホテルモントレの廃業が告知される
理由は建物や設備の老朽化が進み、快適なホテル空間を提供できないとして閉館を決めたということ。
改築への経費が高騰したことも一因かと思う
いずれにしろ北海道新幹線の札幌駅がすぐ近くに出来るので
場所的にはかなりの利便性がある場所だ。
すでにエーデルホフ札幌はプレミアム棟の増築を終了しており
しばらくは1館体制で営業するのだろう。
2022年11月撮影
上記のホテルモントレ札幌が築28年で老朽化ということなら
もっと心配なホテルがある
「札幌パークホテル」
所在地:札幌市中央区南10条西3丁目
開業年:昭和39(1964)年
2021年6月撮影
築28年どころか築58年の札幌パークホテルがある
もちろんリノベーションはしているが、古き良きものを残しているホテルでもある。
その外壁の青タイルが印象的なパークホテルは
2019年に建て替えとヒルトンホテルとのFC契約を発表した。
札幌の象徴的なホテルが亡くなると思ったがコロナ過の
2021年、建て替えとヒルトンFCとが白紙になった。
喜んでよいものかどうか…
「札幌グランドホテル」
所在地:札幌市中央区北1条西4丁目
建設年:本館・昭和41(1966)年 東館・昭和51(1976)年
札幌パークホテルと姉妹ホテルの札幌グランドホテルは
札幌のホテルの草分けであり現在も迎賓館の扱いである。
その開業は昭和9(1934)年と他より圧倒的に早かった。
創業時の建物を昭和48(1973)年に解体し新たに
本館を昭和41(1966)年、東館を昭和51(1976)年に開業させている。
本館は49年、東館でも41年の築である
さてグランドとパークはどのようになるのだろうか。
「センチュリーロイヤルホテル」
所在地:札幌市中央区北5条西5丁目
建設年:昭和48(1973)年
※wikipediaより
センチュリーロイヤルホテルの開業は昭和48(1973)年ですでにビルの築年は49年である。
札幌駅の西隣に現れた「住友生命ビル」は地上23階を誇り
当時の札幌では「札幌市役所」を抜いて1位の高さであった。
そのホテル名から外資のホテルかと思ったられっきとした札幌資本のホテルであった。
本館であった「札幌ロイヤルホテル」を民事再生法で売却したあとも
センチュリーロイヤルホテルは営業を続け、朝食の美味しいホテルとして有名になった。
現在は函館、釧路にもセンチュリーブランドのホテルを展開している
経営はやはり北海道内の企業である。
最上階の回転レストランは開業時からのもの
建物は縦型の箱を二つずらして合わせたような外観である。
こちらはテナントであるゆえにオーナーの意向が気がかりである
「ANAクラウンプラザホテル札幌」
所在地:札幌市中央区
建設年:昭和49(1974)年
2022年11月撮影
センチュリーロイヤルホテルから1年後に竣工したビルで
当時の札幌で一番の高さであり、しばらくはこのビルとセンチュリーロイヤルホテル、札幌市役所の3高の時代があった。
ビルの開業時は「札幌全日空ホテル」である
航空会社のホテルであり、現在も冠に「ANA」が付いており
札幌市民には馴染みが多いホテルである。
また新渡戸稲造さんの居住地だったとは今回初めて知った。
このビルも築46年になった
札幌の中心部では「冬季札幌オリンピック」昭和47年(1972)年に合わせて
建設したビルが続々と建て替えをしている。
これらのホテルが入居するビルも建て替え時期に入っていると言ってよい
内部は改装されたが個人的には改装前の札幌全日空ホテル時代が利用が多くて思い入れがあるんだよなぁ。