札幌・北海道のレトロ建物大好きおぢさん日記

札幌(北海道)のレトロでモダンな建物を見たり撮影するのを趣味としています。

札幌のホテル探訪② コロナ過で閉館したホテル

2022-11-15 09:14:17 | 札幌市中央区

前回に続き札幌のホテルについてですが
シティホテルに絞ります。
私の場合シティホテルとは都市にあり宿泊、宴会場、レストランその他の施設があるホテルです
(ビジネスホテルは宿泊だけに特化、リゾートホテルは観光地にありと勝手に区分けします)


<ここ3年間で閉館したシティホテル>
札幌での新型コロナウィルスの影響は2019年の年明けから出た
その後、雪まつりで感染者が出て2月28日に「新型コロナウィルス緊急事態宣言」が出され
道民に対して外出の自粛の求めた。
4月には再び「北海道・札幌市緊急共同宣言」が出た。

 

観光業界、ホテルは打撃を受け歴史のあるホテルが現在までにいくつかが閉館した
理由は様々でしょうが…

 

「札幌第一ホテル」


所在地:札幌市中央区南7条西1丁目
開業年:昭和27(1952)年
閉館  :令和2(2020)年6月

 

札幌第一ホテルは元々は大通9丁目にあった
その当時はレストランを、2007年に現在地に移ってからは会合で利用した。

札幌では老舗中の老舗ホテルで料理の味がよく宴会や法事の利用客が多かったようだ
この建物は元はNTTのホテル「ルーシス札幌」だが、もはや第一ホテルのイメージが強い。

すすきのと中島公園に近くで利便性もあったと思うがコロナ過で売上が減った
社長さんの談話がネットに残っているが、従業員への退職金、取引業者への支払いが
出来るうちに廃業の決断をしたということだ
なんとも立派な経営者ではないか。

 


そうだったんだ


現在も入り口に貼られている

 

 

 


現在も駐車場は稼働している

 


2022年11月撮影

 

 

「サンルートニュー札幌」


所在地:札幌市中央区南2条西6丁目
開業年:昭和61(1986)年
閉館  :令和3(2021)年3月

 

昭和の後半に開業した全国チェーン店で狸小路に隣接している
ホテルの利用はそれこそ30年くらい前に職場の忘年会で1度使ったきりだと思う。

建物は内部や外壁には補修がありそうだが躯体はそのままでまだ使える
現在は「ホテルアベスト札幌」が営業している。

サンルートグループとしては北区にもう1棟あるため
コロナ過では1棟に集約して営業していたようだ。

先が見えずなので札幌は1棟で営業と判断したのかも知れない
いずれにしてもすぐに次のホテルが営業したのでイメージの悪化は無いと思う。

 

 

 


2022年11月撮影

 

 

「ホテルオークラ札幌」


所在地:札幌市中央区南1条西5丁目
開業年:平成15(2003)年
閉館  :令和3(2021)年9月

 

赤レンガがとても印象的なこのホテルは「ホテルアルファサッポロ」として昭和55(1980)年に開業した。

ホテルアルファサッポロやアルファリゾートトマムを開業したのは仙台の「関兵精麦」という会社。
同族会社のアルファコーポレーションが当時販売した高級分譲マンション「アルファコートシリーズ」と
同じカラーとして現在も札幌の高級住宅地で見ることが出来る。

さてホテルアルファだが、出来たときの印象はなんと言っても「プレイボーイクラブ」があったこと
あのバニーガールのいる高級クラブである
もちろん若造が行けるような場所ではなかったが…

平成11(1999)年にホテルアルファサッポロが破産宣告
平成15(2003)年に関兵精麦が民事再生法を申請
平成15(2003)年にホテルオークラ札幌が開業した。

オークラになってからはカフェやケーキショップをよく利用した
オークラブランドらしくケースやペーパーバッグ一つをとっても御使いものに向いていたからだ。

オークラにしては中規模のホテルであった
また正面玄関が一方通行路に面しているのも珍しい。

閉館して翌年には解体された
現在は新しいビルとホテルが建設中だ。

だが、そこに入るホテルはホテルオークラではない。

 

 

 


2021年9月撮影

 

 


2022年11月撮影


 

 

「札幌すみれホテル」


所在地:札幌市中央区北1条西2丁目
開業年:()年
閉館 :令和2(2020)年4月から休業

 

札幌すみれホテルは札幌資本の老舗ホテルであった
古くからホテルを営業し、現在の建物は1990年代に改築されたもの。

札幌駅と大通駅の間にありホテルの多い地区でもある
規模的には小~中規模のシティホテルであろう。

すみれホテルには屋上でビアガーデンが開催されていたときに
数回利用した程度だった。

経営的にはコロナ前から苦戦しており銀行の所有になり
その後は本州のホテルチェーンが買い取ったようだ。

コロナ過の2020年4月から休業の貼り紙が玄関にあり
ホームページにも休業中のままであった。

今回見に行ったら貼り紙もなく HPも閉鎖されていた。
ガラス越しに見えるロビーは物が雑多に置いており
もはや営業再開をやる気が見えないホテルと化したのが
とても残念だ。

 

 

 

 

 

 

 


2022年11月撮影

 

 

 

「ホテルモントレ札幌」


所在地:札幌市中央区北4条東1丁目
開業年:平成6(1994)年
閉館  :令和4(2022)年10月

 

ホテルモントレは建物が完成した時に、これまでの札幌にはない外観をもつホテルとして大変人気があった。

そこだけが英国領のような雰囲気を醸し出し
イエローの外壁がとても映えた。

おそらくブライダルに人気があったように思える

その後、「ホテルモントレエーデルホフ札幌」が開業し2館体制となった
しかしコロナ過になるとモントレは休業し、エーデルホフの1館に営業を集中させる。
これは上記のサンルートと同じような展開だ

そしてホテルモントレの廃業が告知される
理由は建物や設備の老朽化が進み、快適なホテル空間を提供できないとして閉館を決めたということ。

改築への経費が高騰したことも一因かと思う
いずれにしろ北海道新幹線の札幌駅がすぐ近くに出来るので
場所的にはかなりの利便性がある場所だ。

 

すでにエーデルホフ札幌はプレミアム棟の増築を終了しており
しばらくは1館体制で営業するのだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 


2022年11月撮影

 

 

 

上記のホテルモントレ札幌が築28年で老朽化ということなら
もっと心配なホテルがある

 

「札幌パークホテル」

所在地:札幌市中央区南10条西3丁目
開業年:昭和39(1964)年


2021年6月撮影

築28年どころか築58年の札幌パークホテルがある
もちろんリノベーションはしているが、古き良きものを残しているホテルでもある。

その外壁の青タイルが印象的なパークホテルは
2019年に建て替えとヒルトンホテルとのFC契約を発表した。
札幌の象徴的なホテルが亡くなると思ったがコロナ過の
2021年、建て替えとヒルトンFCとが白紙になった。

喜んでよいものかどうか…

 

 

 

「札幌グランドホテル」

所在地:札幌市中央区北1条西4丁目
建設年:本館・昭和41(1966)年 東館・昭和51(1976)年 

 

 

札幌パークホテルと姉妹ホテルの札幌グランドホテルは
札幌のホテルの草分けであり現在も迎賓館の扱いである。

その開業は昭和9(1934)年と他より圧倒的に早かった。
創業時の建物を昭和48(1973)年に解体し新たに
本館を昭和41(1966)年、東館を昭和51(1976)年に開業させている。

本館は49年、東館でも41年の築である
さてグランドとパークはどのようになるのだろうか。

 

 

 

「センチュリーロイヤルホテル」

所在地:札幌市中央区北5条西5丁目
建設年:昭和48(1973)年

 


※wikipediaより

 

センチュリーロイヤルホテルの開業は昭和48(1973)年ですでにビルの築年は49年である。

札幌駅の西隣に現れた「住友生命ビル」は地上23階を誇り
当時の札幌では「札幌市役所」を抜いて1位の高さであった。

そのホテル名から外資のホテルかと思ったられっきとした札幌資本のホテルであった。

本館であった「札幌ロイヤルホテル」を民事再生法で売却したあとも
センチュリーロイヤルホテルは営業を続け、朝食の美味しいホテルとして有名になった。
現在は函館、釧路にもセンチュリーブランドのホテルを展開している
経営はやはり北海道内の企業である。

最上階の回転レストランは開業時からのもの
建物は縦型の箱を二つずらして合わせたような外観である。

こちらはテナントであるゆえにオーナーの意向が気がかりである

 

 

 

「ANAクラウンプラザホテル札幌」

所在地:札幌市中央区
建設年:昭和49(1974)年

 

 

 


2022年11月撮影

 

センチュリーロイヤルホテルから1年後に竣工したビルで
当時の札幌で一番の高さであり、しばらくはこのビルとセンチュリーロイヤルホテル、札幌市役所の3高の時代があった。

ビルの開業時は「札幌全日空ホテル」である
航空会社のホテルであり、現在も冠に「ANA」が付いており
札幌市民には馴染みが多いホテルである。

また新渡戸稲造さんの居住地だったとは今回初めて知った。

このビルも築46年になった
札幌の中心部では「冬季札幌オリンピック」昭和47年(1972)年に合わせて
建設したビルが続々と建て替えをしている。

これらのホテルが入居するビルも建て替え時期に入っていると言ってよい
内部は改装されたが個人的には改装前の札幌全日空ホテル時代が利用が多くて思い入れがあるんだよなぁ。

 

 


札幌駅前通り③

2021-09-09 22:26:37 | 札幌市中央区

 

パート①ではJR札幌駅から大通までを
パート②は大通からススキノまでを
パート③はススキノから中島公園まで見て行きます。

 

ススキノといえばこのニッカの大看板でしょう
「すすきのビル」 中央区南4条西3丁目になります

 

ちょっと電車が来たから入れてw

 

ちなみにこの十字街は「縦」が札幌駅前通り「横」が国道36号線です
定義はないようだが、私はこのビルのラインから奥がススキノだと思っています。

この十字街の他の一角は、まず
「アサヒスーパードライ」の大看板の「八のじビル」 南4条西3丁目


ここの1階は以前はペットショップだったなぁ
昔は道路のど真ん中の時計のところに警察官が台に乗って交通整理をしてたっけ

それにしても国道を挟んでの同じ住所は判りづらいわ

 

八のじビルと駅前通りを挟んで建つのはマックが目印の「恵愛ビル」 南4条西4丁目

 

残りの一角が、「ススキノ十字街ビル」跡 南4条西4丁目

元ススキノラフィラ←ロビンソン←ヨークマツザカ屋←松坂屋(1974年) 遡るとこのような変遷。
札幌松坂屋から同ビルでデパートが運営されていたが、その前はキャバレーアカネだったかな

ビルの地下は待ち合わせの定番だったな

ビルが無くなったおかげで今まで角度的に見えなかったものも見える
ラフィラの建物があるうちに撮影をしておこうと思ったら気づいたら解体されていたw

新ビルは2023年に地下2階地上18階の複合ビルが完成する予定で
飲食店や物販店、映画館にホテルが入る

ススキノの新しいランドマークになるのだろう。

 

それでは駅前通りを南下します
両サイドは飲食店が入る雑居ビルがほとんどで

 

現在ラウンドワンが入っているビルは「東宝公楽映画館」だったなぁ 南5条西3丁目

この南5条通りには見慣れた光景がまだあるな
20歳前後の数年に東2丁目に住んでおり、この辺を通って地下鉄すすきの駅から勤務先に通っていた
すすきのが通勤路って帰りが誘惑が多くて大変だったなぁ(笑)

元祖ラーメン横丁の南出入口や

 

この「北専プラザビル」1階には旧拓銀すすきの支店だったと思う
お金を降ろすのはここだった。

 

ラウンドワンの隣の「恵和ビル」は北洋すすきの支店だった 南5条西3丁目

 

 

 

「G4ビル」 これも古い雑居ビル 南6条西4丁目

同年代の人で知っている人は知っている
ビルのテナントでディスコが2軒、上下階で9階「ディスコ55」と10階「ドラゴン」っていうのが入っていたんだけど
新しい店舗として上階の床、下階の天井をぶち抜き階段を設け店内で行き来できるようにしたんだよね
「異次元」ていうディスコになった。

ここは行ったなぁ

 


「すすきの市場」 南6条西4丁目

ここは1階が市場、地下が飲み屋街の「すすきのゼロ番地」、2階~5階が公営の「ススキノアパート」だ

 

元々は公設市場があった名残で、建物は1丁角を占め長さが約100メートル近くの長さである
昭和33(1958)年建築でこの後どうなるのか……アパートは空家があっても新規募集はしていないとのこと。

 

駅前通りのススキノにはこんな会館も残っていた!「豊川会館」 南7条西4丁目

会館の店へ入る度胸は今のところないす………

 

会館の並びには「玉宝寺本堂・豊川稲荷」 南7条西4丁目

こちらは「札幌の建築探訪 NO32」にも記載されています。

 

その向かいに丸窓の面白いビル「セブンビル」 南7条西3丁目

 

北海道建築の父、田上義也氏設計の「青樹社ビル」 南7条西4丁目

 

まもなく鴨々川になる ここまで来ると終点の中島公園まであと少し
だが川の手前にある花屋さんの隣奥に石造りの蔵を発見

これは知らなかったなぁ
4階建ての石蔵ってのも凄い(もしかして造りは石じゃないかもね)

「茶やビル(丸長質舗)」 南8条西3丁目
昭和30年創業。札幌すすきので60年以上の商売をしている質屋さんです。

 

やっと鴨々川だ 疲れたな~


普通に鯉や亀がいる川です

 

来た方向を顧みる

 

 

 

川沿いでどうしても目が行ってしまう特異な建築物は「ノアの箱舟」 南8条西4丁目
英国人建築家ナイジェル・コーツが手掛けた第一号である。

ご覧のとおり細長い土地にノアの箱舟をテーマに設計したもの
ナイジェルコーツは少し前までは大学の建築学科名誉教授だったようだが現在は?

あまりに奇抜すぎる建物で完成当時は近寄らなかったけど、今は海鮮の炙り焼きが中心です。

 

 

あと少しでゴール(中島公園突き当り)が見えているぞ

 

その前にシンプルすぎる外観がいい味出しているなぁ 「ホテル翔サッポロ」 南9条西3丁目

 

 

そして無事に? ゴール

 

結局、JR札幌駅の北5条を起点として南9条まで、休憩無しの歩きっぱなし撮りっぱなしできた

距離にするとわずか2.1kを1時間半かけて歩いてきた

まぁ駅前通りから少し外れた場所とか、上記以外にも寄り道撮影をしてきたので時間はかかったね

新しい発見もあったし、気になった建物もあったから機会があれば今度は深度を深めて行きたい。

新しいビルがどんどん増えているが撮る気にはならなかったなぁ

やっぱり私は古い建物のほうが面白いと思うんだろうね

今日、緊急事態宣言が延長になったそうだ

早く遠出をしたいが我慢我慢だ。

 

2021年8月撮影

 


札幌駅前通り②

2021-09-04 15:34:11 | 札幌市中央区

 

パート①ではJR札幌駅から大通までを
パート②は大通からススキノまでを見て行きます。

 

大通地区はオフィスビルと商業ビルが多く、特にデパート系の大きな商業ビルがあるのが特徴。

駅前通りの大通に立つと必ず目につくのが「札幌テレビ塔」
昭和32(1957年)の完成。

札幌あるあるの一つで、「札幌人はテレビ塔に登ったことがない」
これ私ですw

 

 

また駅前通りから1本東になるが、北陸銀行札幌支店がどうなったか気になったので行って見た。
昭和41(1966)年竣工

ご覧の通り建物はすでに無くなり工事は2024年に完成予定だそうだ。

 

これは今年の1月に撮影したもの



屋上の「鶴の舞」はどうなったのかな……

 

 

さて大通西4丁目には「道銀ビル」昭和39(1964)年竣工 設計:田上義也と、
隣に「新大通ビルディング」昭和54(1979)年竣工がある

二つのビルは屋上に空中通路が設けられている

 

道銀ビルは北海道銀行の社屋、本店として大通の一角を占めていたが
経営不振の時期に売却して現在はテナントである。

両ビルは平和不動産の所有で、同時に解体し1つの大型ビルとして生まれ変わる予定だ

 

北海道を代表する建築家、田上義也氏の作品がまたひとつ無くなる
特に本店ビルは氏と道銀の密接な関係の集大成であり長く親しまれたビルゆえに残念だ。

 

 

新大通ビルディングは道銀とライバルの北洋銀行が一部所有している
このビルは道銀ビルと一緒に解体の運命となる


地下鉄直結ですね


道銀も入っています。

一帯の再開発は2030年に完成予定とのこと
かなりの大がかりの再開発になりますね。

 


駅前通りと南1条通りが交差するこの場所は札幌市内でも一二を争う人の多いところ
スクランブル交差点になっており、路面電車も走る
昔は日曜はいわゆる「ホコ天」だったなぁ

まずは「札幌三越」 昭和7(1932)年 この南1条西3丁目で開店

空中連絡通路は駐車場との通路
いくどかの増築やリニューアルを行っている。

 

三越と南1条通りを挟んで対面にあるのが「札幌パルコ」
昭和50(1975)年開業。

札幌パルコがある場所はかつて旧富貴堂書店があった場所で富貴堂はパルコにテナントとして入居した。
パルコは西武グループとして開業し、いくつかの株主を経て現在は「大丸・松坂屋」を経営する
Jフロントリテイイングが所有している。

 

駅前通りを挟んで札幌パルコの対面は「4丁目プラザ」
昭和46(1971)年開業

誰に聞くべくもなく市民には「4プラ」と親しまれている
札幌パルコがブランド中心のファッションビルに対し4プラはカジュアルで個性的なイメージ
特に7階にある「自由市場」は小さなお店のフロアで個性があり楽しかった
主に中古レコードとカジュアルブランドを求めて行ったなぁ

ちなみにパルコではDCブランド目当てで行ったよ


4プラは2022年1月で営業を終えて解体する
耐震強度不足が理由です
その後はまだ未定らしいが 寂しいね

それまでに最低でも自由市場は覗いてきます。

 

 

4プラの道路を挟んで南隣に「pivot」がある 南2条西4丁目
元は昭和43(1968)年創業の「中心街デパート」 そして「ダイエー」が入居する

私の世代では「ダイエー」が懐かしい
ダイエーは北海道進出第一号店として昭和48(1973)年開業した

その後、平成5(1993)年に閉店 改装を経て「pivot」となる。

 

 

さらに4丁目の南には創業100年を超える老舗の「水野眼鏡店」 南2条西4丁目

 

対面の3丁目には、かつて「YESそうご電器」や「ドン・キホーテ」が入っていた南2条西3丁目の一角には
7つのビルを統合し再開発で新しいビルが建設中

ドン・キホーテ札幌店は平成14(2002)年にオープンし、私もここは結構利用した。

 

隣接して狸小路3丁目

 

こちらが4丁目 狸小路でおそらく最も人が多い3~4丁目

 

 

水野眼鏡と狸小路の間にあるのが「札幌ナナイロ」 南2条西4丁目
昭和44(1969)年開業
開業当初は共同店舗ビルとしてこの地にあった商店などが建てたビルだ。

現在はパチンコ屋だが、以前は「コスモ」でファッションビルであった
多くの小さな店舗で個性があり面白いビルだったな。

現在はドンキホーテグループの所有になった。

 

 

札幌ナナイロと狸小路を挟んで立つのが「アルシュ」 南3条西4丁目
昭和45(1970)年開業
コスモと1年違いで同じく共同店舗として八店が権利者となり「エイト」と名付けた。

 

エイト時代も4プラ~コスモ~エイトとショッピングルートになっていた
当時購入した服はもうないがショッピングバッグだけは取ってある。

平成2(1990)年「アルシュ」に改名
平成31(2019)年にMEGAドン・キホーテ札幌狸小路本店がオープンした。

 

 

 

アルシュと駅前通りを挟んで立つ新しいビルはお菓子の「札幌千秋庵本店」
旧店舗ビルが懐かしいが上階にホテルを擁し、すっかりスタイリッシュなビルに生まれ変わった

 

 

ようやく近づいてきたススキノ方面を見る

 

 

南3条西3丁目に印象的なビルがある
「キタコートランプビル」 現在はカラオケのジャンカラが入居している

縦長の窓がレトロ感を出しているが、さてここは何だったかと調べたら
「旧川中スポーツ本店」でした 川中スポーツ本店は昭和46(1971)年に竣工しています。

 

その後、平成26(2014)年に閉店しオフィスビル経営のキタコー(株)に売却した。
つい最近まで川中スポーツあったよなぁ…


*2014リアルエコノミー様より

 

ビルは駅前通りススキノ方面に長い
外壁は川中スポーツ時代のものか

このタイルの外壁、長くもって欲しいな

 

 

対面の南3条西4丁目のビルも古そうだ
「シルバービル」 竣工年は判らないが結構年季が入っている

 

ここでは何と言っても大きな「茶」の標示が目立つ「松寿園」

現在は緊急事態宣言中でお休みだが営業しています
松寿園は大正14(1925)年創業の老舗のお茶屋さん
ビルへの入居はいつかわからないが、かなり前から入っているはず。

 


歩道にはオリンピックマーク
ここは競歩・マラソンのコースだったね。

 

 

次回ススキノ地区へ続く

 

 

 

 

 


札幌駅前通り①

2021-09-01 22:28:44 | 札幌市中央区

 

札幌駅前通りはJR札幌駅南口から南へ真っすぐの直線通りで
突き当りの中島公園で終わりです。

まさに札幌のど真ん中を貫いており、札幌駅~大通公園~ススキノ~中島公園と札幌のオフィスビルから商業ビル、飲食店の雑居ビルまで場所場所で特色がある。

今回は前回に伊藤組土建名誉会長の旧宅を廻り、そういえば伊藤組のビルも
歴史があるなぁと思い出し、一緒に歩いてまわった。

 

まず起点は「JR札幌駅」北5条西4丁目から


JR札幌駅はこれが5代目
私などは4代目の横に一直線に長い駅ビルに名残がある

左右にそごうデパートとセンチュリーロイヤルホテルを従え
目の前に五番館が堂々としたいで立ちであった

冬に国鉄職員の息子と一緒に雪搔きのバイトに行った。

中2階みたいなところにあった食堂をよく利用した。

まだアピアだパセオだ言う前に
地下にステーションデパートや地下名店街があり、光栄堂で立ち読みし
中華園でラーメンを食べて、奥にレコード屋もあったな
不二家でクリスマスケーキを買ったっけ‥‥

キリがないから先へw

 

向かって右手に伊藤組所有のビルが3棟続く
まずは「伊藤・加藤ビル」 北4条西4丁目
昭和46(1971)年竣工

以前は「札幌国際ホテル」で札幌のシティホテルでは早い時代に建てられた。
その後にテナントビル中心になったが、確か1階に加藤さんのお土産屋か花屋があった記憶があるが
もう無かったなぁ

 

西隣のビルとの間に空間があり、南側に抜けることが出来る

 

抜けたところすでに違うビルの面になる
途中で連結されているのだ。

再度、駅前通りに出るとそれは「伊藤ビルディング」であった
昭和38(1963)年竣工


伊藤・加藤ビルとはこのようになっている


駅前通りに面して入口があるのはビル全体の玄関
今日は日曜日でビルの玄関はシャッターが閉まっていた
確かロビーには伊藤氏(創業者?)の銅像があり警備員がいる。

 

それと北洋銀行が個別の玄関を持っている


ビル上部のデザインが素敵だ

 

 

もう一度裏側に戻ってみよう


こちらは伊藤ビルディングの駐車場入り口

 

そしてさらに隣のビルとも空中廊下で繋がっていた

 

空中で繋がっているビルも外観が伊藤ビルディングに似ているが
それもそのはず、伊藤組所有の「札幌国際ビル」 北4条西4丁目だ
昭和49(1974)年竣工


地下鉄直結です
以前は「西村国際ビル」であった

この地下は地下鉄コンコースと直結しており、地下からよく行ったなぁ。

 

3丁目側で目立つのは旧五番館デパートの跡地

ヨドバシカメラの所有地になったが、いまだ建築が進んでいないようだ
創業当時の重厚で素晴らしい建物が泣いている。


向かいの4丁目の一角もこれから建設かな? 元第一生命ビルだったなぁ
とにかく札幌オリンピックのころに建てられたビルが多いので同時期に建て替えが増えている。

 

駅前ビルに面していないが札幌国際ビルの奥隣にも古いビルがある
「加森ビル3」 昭和55(1980)年竣工 北4条西4丁目

伊藤ビル等より新しいが外壁がおそらくそのままでシートがかかったまま

 

加森さんはルスツにリゾート施設を経営している地元の企業
また賃貸ビルもいくつか所有している

屋上にプレハブ風の事務所があり、平成16(2004)年9月のいわゆるポプラ台風により
トタン屋根が吹っ飛んでいくのをリアルで見たのが懐かしい。

駅前通りでは伊藤ビルディングとともにレトロが感じられるビルです

 


南下すると新しいビルが多くなる
綺麗で立派でお洒落できっと効率がよい造りかと思うが
今のところ興味がないw

かえってこの70年代を彷彿させるビルが気になる

北尾ビル 北1条西3丁目 竣工年わからず

隣のビルも建て替え中できっと見栄えのよいビルができるのだろう
だが、余計に北尾ビルの良さが際立ちそうだ。

 

つづく

 

 


札幌のホテル探訪  札幌グランドホテル 札幌パークホテル 旧札幌ロイヤルホテル

2021-06-17 19:53:20 | 札幌市中央区

今回は札幌のホテルについてです。
と言っても歴史のあるホテル、それもシティホテルに絞ります。
私の場合シティホテルとは都市にあり宿泊、宴会場、レストランその他の施設があるホテルです
(ビジネスホテルは宿泊だけに特化、リゾートホテルは観光地にありと勝手に区分けします)

 

 

「札幌グランドホテル」

 

所在地:札幌市中央区北1条西4丁目
建設年:昭和9(1934)年

札幌グランドホテルは北1条西4丁目の一角というまさに札幌のど真ん中にあります。
その歴史はホテルとして札幌市内で最も古く、格式から「北の迎賓館」と呼ばれています
幾多の高名、著名人、国賓クラスが宿泊した実績は今も続いていますね。


札幌グランドホテルは創業当時の建物はすでに無く、現在は大きく分けて3つのブロックに分かれています。
本館は昭和41(1966)年に開業しました。

ホテルの正面玄関として重厚であり車寄せがあり意匠の部分的にレトロさを感じられるのが本館です。


本館のブラウンタイルが重厚さを醸し出します 建物は8階建てです
1階にはロビーラウンジがあります。4階~8階が客室ですね。

 

東館は昭和51(1976)に開業しました
駅前通りに面しているこちらの入口のほうが出入りの人が多そうです。


地上17階あるこちらの建物が今はグランドホテルの顔かな
5階~16階が客室で最上階に宴会場があります。
開業当時は駅前通り側の1階に大きなカフェがあり長い間、札幌の飲食店で集客数が1位と言われていた。

現在はスタバなどテナントやベーカリー、レストランになっています

 

別館は昭和60(1985)年に開業しました 
レストラン、バー、宴会場ありでこの建物1棟でも立派なホテルになります。
客室は7階~10階で、ビルは確かテナントとして借りているかと思う。

別館から本館玄関への連絡通路ですがリニューアルされ古さはまったく感じません。




窓桟のスタイルはレトロか

 

ここは札幌グランドホテルの歴史を展示している「メモリアルライブラリー」

開業当時の建物がわかります

素敵だなぁ

おそらく札幌のホテルでこのような展示が出来るのはグランドホテルだけではないかと思います
これは素晴らしいことですね もっと貴重品を見せて欲しいくらい。



会社としては長く北海道炭鉱汽船がルーツの三井観光開発が所有していたが現在はフジサンケイグループになった
元々が本州資本なので「札幌グランドホテル」の名前さえ変わらなければ一般市民には関係ないこと。

もう5年前くらいだろうか、道内の知人に頼まれホテルを探したが当然一番高いと思っていたグランドホテルが
JRタワーホテルから5千円くらい安くなっていた記憶がある。
インバウンドが来てるころは、まだなんとか良かったが札幌もホテルが増えて500室を超える客室の稼働を上げるには割引しかないか…

コロナ前はロビー中に中国人の団体が溢れている光景を目のあたりにしてしまうともはや時代は変わったと思うしかない
フジサンケイになっても変わらないだろうなぁ。

 

すっかり綺麗になった内部では中々古さを見つけることは出来なかった。
本来は宿泊したり宴会場を利用とかしないと細かな意匠は分からないが
一部にレトロを感じたものを載せてみる(まだあるはず)

 

2021年6月撮影

 

 

 

 

 

「札幌パークホテル」

 

所在地:札幌市中央区南10条西3丁目
建設年:昭和39(1964)年

 

 

札幌パークホテルは昔の大型ホテルスタイルを残した最後のホテルらしいホテルだと思う。
屋上中央に大きな塔屋を設け最上階にスカイレストランを配置する。
客室階があって3階と地下に大ホールを設けている。

場所は中島公園に隣接しており、自社の外庭の感覚だ
またその周りに他の建物が隣接していないので警備のしやすさから皇室や海外VIPなどがよく宿泊している。

正面玄関までの長いアプローチ、広い車寄せ、張り出した大宴会場など
いつもホテルらしいホテルだと思う。


南9条通り側の駐車場には桜が植えており季節になると市民の目を楽しませる。

 

札幌パークホテルは宴会のホテルである
姉妹ホテルのグランドホテルは宿泊、宴会、レストランと比重が均等に近いように思えるが
パークホテルは客室は少なめに、レストランは現在は「なだ万」のテナントを入れたり宴会に特化している。

ちなみに札幌市内のホテルで最も広いホールを調べてみたが、1番はパークホテルの地下で2番目は3階であった。
ロイトンホテルが出来てから地位を譲ったが、公的な大きな会合はパークホテルで行うのが常である。

 

回転ドアは今はもうどこも作らないし、動かしてもいない
安全のためだそうだ。



ここの照明はいいね



エレベーターの壁もいい 天然のイタリア産大理石で開業当時を思わせる。

 

広い宴会場は今の使い道はこれ

 

凄い人だったよ
正面玄関に市のスタッフが付いているがホテルを占領するかのごとくはいかがなものか

 

中島公園から木々の合間に見るパークホテルが好きだ



グランドホテルはブラウンだが
パークと言えばブルータイル これは有田焼の青磁タイルである。

創業は本州の(株)リコーであり当初は「ホテル三愛」という名前だった
開業から2年も経たずにグランドホテルを経営している三井観光開発に譲渡した(有償であったと思われる)

1966年からずっと現在までパークホテルとグランドホテルは姉妹ホテルなのです。
フジサンケイグループはパークホテルを大型コンベンションホテルに改築すべく計画したがコロナ過のため延期中

延期が中止にならなければいいがと思いながらも
このままのホテルでいて欲しいなぁ

 

2021年1月、6月撮影

 

 

 

 

 

「旧札幌ロイヤルホテル」

 

所在地:札幌市中央区南7条東1丁目
建設年:昭和39(1964)年

 



旧札幌ロイヤルホテル(開業時は札幌ローヤルホテル)は、札幌資本として初めて建てられたシティホテル。

現存しているシティホテルは古い順にグランドホテル、パークホテルと続くが
ロイヤルホテルはパークホテル(開業時はホテル三愛)と同年の開業、しかも数か月早いので
本来は札幌で2番目に歴史のあるホテルであった。

場所は南7条東1丁目で創成川通りを南下し南7条橋を渡る手前にあった
現在は企業のリンナイとマンションが建っている。

その外観はパークホテル同様に屋上に大きな塔屋を設け角型の宿泊棟、3階にせり出す大宴会場を持っている
益々パークホテルとそっくりだが当時のホテル建築はこのような型が多いかと推察します。

設計はホテルオークラも設計した柴田陽三でした。

 

これらの写真は2007年8月に経営していた札幌国際観光が民事再生手続きをし、同年11月に恵庭開発が買収したあと
再オープンへ向けてのプレオープンに招待いただいたものだったと思う

 

パークホテル同様に回転ドアはあるが運転はしていない

札幌ではこの3強の時代があったが当時の資料、記録に
グランド、パークとのコンセプトの違いは「長靴でどうぞ」であった。

前2館が格式あるホテルを目指すのとは逆に市民に親しまれるホテルを目指していたのですね

正面玄関から入ったこの広いロビーが好きだった。


2階まで吹き抜けで中央に生花の装飾、大きなシャンデリア、わずかなソファスペース
古き良き時代のホテルらしいホテル。

 

ロビーラウンジは外庭があり明るい この日はフリードリンクだったと思う。

 

地下の和食レストラン ここも昼食をフリーで出してくれたような記憶が…

 

ブライダルには特に力を入れていましたな

 

この2階の中華レストランは何度利用しただろうか

 

2階から見下ろすロビー

ホテルの顔と言える「味」が抜群に良かった
グランド、パークが画一的なサービスのイメージがあり
ロイヤルは親しみやすく人に個性があったと思う。

そういえばこの建物は珍しく周囲を車でぐるっと廻れる
花火大会の時はビアガーデンを行っていたのを見た。

札幌資本で44年間も営業したそうだ
グランド、パーク同様に札幌市民にはたくさんの思い出があったホテルであろう。

 

2007年11月に再開し2008年の6月いっぱいで閉鎖になったのでわずか7か月の再オープンだった。

同時に買収された同経営で札幌駅前のセンチュリーロイヤルホテルは営業を続けてその後、釧路の企業に売却されている
そして函館に新ホテルを新築したりと好調である。

札幌ロイヤルホテルは
買収した企業が違っていたら建物もホテルも別の運命があったのかも知れない。


ホテルはその後放置されていたが2011年に解体された。

 

2007年11月撮影