札幌・北海道のレトロ建物大好きおぢさん日記

札幌(北海道)のレトロでモダンな建物を見たり撮影するのを趣味としています。

解体された建物 札幌市 ※1件を追加しました

2024-01-05 18:14:21 | 解体

2020年の8月くらいからレトロ・モダンな建物を撮影して来ましたが
この1年の間でも解体された建物がいくつかあります。

古い建物を中心に撮ってきたので解体されることが多いのは必然で
仕方がないと思いながらも素敵な建物が無くなるのは残念だなと思う。

このカテゴリーでは札幌市のそんな建物を記録していきます。

 

 

「K氏宅」 NEW

建設年:不明
撮影年:2020年9月
解体年:2021年7月までは現存、2022年9月には解体済
住 所:札幌市中央区南11条西16丁目

 

撮影時は車で通りかかり、独特の外観なのでおもわず撮影をした。

その後、何度か通りかかったが変わりはなく
いつ見ても素敵な家だなと思っていた
生活感もあったので家主さんが大事に暮らしていたと思う


別の建物をストリートビューで確認し、そのままスライドしたところ
建物が無い一角に気づく
この場所があの住宅と気づくのに少し時間がかかったくらいノーマークだった。


 

 

 

 

 

「O氏宅」

建設年:?年
撮影年:2021年1月
解体年:2021年2022年11月の間
住 所:札幌市中央区北6条西15丁目

 

桑園地区には古くからの一般住宅が市内の中では残っているほうだ
このお宅もその1軒で、撮影時も住まわれていて
きれいに使っているイメージだった。

今月、久しぶりに見に行ったら建物はすでに解体されて無かった
虫の知らせというか、もしかしてと思って見に行ったら
やはり無くなっていた。

 

 

 

 

 

「座忘庵」

建設年:?年
撮影年:2019年1月
解体年:2022年11月、12月
住 所:札幌市中央区

 

座忘庵は中央区、裏参道地域に合った「うどんと中華料理」の飲食店であった
2008年に移転し2022年10月いっぱいで閉店、14年間の営業とある
建物の契約満了での閉店なのでどこかで移転再開するものと思われる

※現在は「中国料理 山の座忘庵」として円山西町8丁目で開業した

 

古民家をリノベーションした店舗は裏参道の雰囲気にマッチし
内部の天井部分の梁など中々今では見れないので閉店は残念。

建物はすでに解体されており、跡地には来年にでも何か新築されそうだ。


 

 

 

2024年1月撮影

一帯が再開発されそうですね

1枚目の左にチラっと写っているのは「青玄堂」で1982年開業、2018年に惜しまれて閉店した
1982年と言えば「裏参道」ブームの真っただ中かな

2軒同じような建物がならぶ光景は
お洒落なビルが建ち始めた裏参道でも当時から有名だった
解体は同時に行われたようだ。 

 

 

「T氏邸」

建設年:?年
撮影年:2021年1月
解体年:2021年?月
住 所:札幌市中央区

 

市内住宅街を車で走っている時に偶然見つけた素敵な住宅
ピンク色の下見板張りに上げ下げ窓が印象的な住宅だった。

もはや中々このような住宅には巡り合えないだろう。


 

 

 

 

 

「中央図書館前の木造住宅」

建設年:?年
撮影年:2020年12月
解体年:2022年11月までに
住 所:札幌市中央区


木造下見板張りを綺麗に塗装し、また赤い屋根が印象的だった
市電通りから少し中に入るが写真のようによく見えていた。

数か月前に中央図書館へ行ったときにシートが掛けられていたので
屋根でも補修するのかなと思っていたが
今月、再度確認したら建物は無くなっていた。

ゲストハウスなどに使用していたのかも知れないが
それではインバウンドが少ない今は無理だろうが……


 



 

 

「定山渓グランドホテル別館 福寿苑」

建設年:1971年
撮影年:2021年1月
解体年:2021年?月
住 所:札幌市区


田上義也設計の福寿苑は定山渓の温泉街にあり、別館であったためか
立地は今一つ良くない。

また団体旅行が多い時代は良いが、個人旅行や高品質なホテルを求める客には合わない
インバウンドが増えるまでホテルは持たず、休業と従業員宿舎に使われていた。

定山渓は高単価なラグジュアリーホテルが増えているので、いつかは新しいホテルが
建ちそうだ。

いずれにしろ田上作品で札幌のホテルが無くなるのは残念だった。


 

 

 

 

「T氏邸」

建設年:1932年
撮影年:2020年9月
解体年:2022年?月
住 所:札幌市中央区


かつて中央区には花園地区と呼ばれた住宅分譲地区があり
現在も数軒が補修や管理をしながら当時の外観を保っている。

T氏邸はその中の1軒でとりわけ綺麗に管理されていたので
解体を知って驚いた。

木造下見板張りを綺麗に塗装し枠に使用された白色と赤い屋根がまぶしい家だった。

まだ現地には行っていないが、個人住宅が新築されることだろう。

 

 

 

 

 

「坂本直行邸」

建設年:1965年
撮影年:2020年10月
解体年:2022年1月
住 所:札幌市西区


坂本直行氏は1906年生まれ、北海道出身の画家で1982年に逝去されている。
北大卒業後に温室会社~牧場経営を経て北海道の自然を描いた風景画を描くようになる。

坂本氏はなんと言っても「六花亭」の包装紙を描いたのが有名で
中札内村にある六花亭の六花の森には坂本氏の記念館がある。

今回解体された住宅はアトリエなのか住宅なのかは未確認だが
更地になりその広い敷地に驚いた。

尚、この住宅の設計は田上義也氏である。


 

 

 

 

「北海道立衛生研究所」

建設年:1962年
撮影年:2021年5月
解体年:2021年11月、12月
住 所:札幌市中央区


この建物の情報はよく参考にさせていただいている「札幌ノスタルジック建築散歩」様からだ
いつもは頭に入れておいて機会があればなのだが、この建物は何故かすぐに見に行った。

すでに「旧」がつく建物には柵が出来ており近づけない
だが裏に廻ると面白い意匠があった こちらには柵は無かった
四角の突出した小さな窓が交互にしつらえており確かに今どきのビルには無いものだった。

そして同じく「札幌ノスタルジック建築散歩」様から解体の情報を得たが今度は行かなかった
本来、解体シーンを見るのは好きではないからだ。

これも余談だが北区に移った道立衛生研究所も私の営業先であった。

 

 

 

 

 

「居酒屋 燔」

建設年:大正~昭和初期
撮影年:2020年10月
解体年:2021年
住 所:札幌市北区


この居酒屋があった北8条西1丁目は大規模再開発の真っ最中
撮影時には置いていかれるようにポツンと1軒だけ残っていた。

やがて取り壊しになるの情報を得て撮影をしてきたが
解体後に、元は市場だったことを知った。

それにしてもこの再開発では、やはり歴史のある「石の蔵ぎゃらりぃはやし」も
先に解体されており、呉服店もあったのを思い出した。

きっとまた面白みのないマンションやビルになるのだろうなぁ。

 

 

 

 

 

「こども茶道教室の住宅」

建設年:1940年ころ
撮影年:2020年12月
解体年:2021年8月
住 所:札幌市中央区


場所は円山であった
古い街ゆえ以前からの家屋や商店が多く残っていたが
近年どんどん新しくなっている。

そんな中でもきれいに塗装された木造住宅はいやでも目に付く
裏通りではあるが人の往来が多いのでたくさんの人が知っていた住宅であったろう

同じく隣や近辺にあった昔からの建物が次々と解体されているが
管理がされているこちらは無縁かと思っていた。

FBの投稿によりこちらが解体されたのを知った
予想通り、跡地にはマンションが建つそうだ。

 

 

 

 

2024年1月撮影

 

 

 

「M氏邸」

建設年:?
撮影年:2020年9月
解体年:2021年4.5月ころ
住 所:札幌市中央区

M氏邸は中央区の北1条という立地にありながら
木造住宅であり、歴史を物語るような素敵さを感じさせた。

綺麗に管理された住宅はまだまだ現役で元気でいるだろうなぁと思っていたが
今年の5月末に通りかかって建物が無いことに気が付いた

まさかと場所を間違えたかと思ったが…
現在跡地にはマンションらしきものが建設中である

 

 

 

 

 

「カメラの川田」

建設年:昭和初期
撮影年:2020年9月
解体年:2021年上期と思われる
住 所:札幌市中央区

撮影時はカメラの川田であったが、建物の利用はそれ以前の「かやの茶屋」時代だった。
2014年のその頃はお店も末期でホール内の掃除もままならず埃やクモの巣まであった
閉店したらそのまま解体かと思うほどだった。

それからカメラの川田がきれいにリノベーションをして使用していたが
閉店にともない今度は本当に解体された。

正面からパっと見はそこまで古い建物には見えないし、ましてや歴史的なものにも見えない
ところが裏へ廻ると印象的なバルコニーがある

電車通りの南10条という一等地なので次の時代に譲るということだろう。

 

 

 

 

「H氏邸」

建設年:?
撮影年:2020年10月
解体年:2021年11月
住 所:札幌市中央区

札幌市の中央図書館をよく利用するが電車通りを挟んで斜め向かいのH氏邸が
解体されているのを見て驚いた

その時はすでに母屋は無く、お屋敷の別棟だけがちょこんと残っていた
建物があったであろう敷地には見事だった庭木が横たわっていた…

永らく街を見てきた古いお屋敷がまた一つ無くなった
個人住宅でもあり第三者から言えることはない

良き建物の写真を撮らせていただきありがとうしかないね。

 

 

 

 

 

「のや」

建設年:?
撮影年:2020年9月12月
解体年:2021年
住 所:札幌市中央区

2010年に発行された「店にレトロの風情あり」にレストランのや が載ってあったので
2020年の9月と12月に行ってみた。

良さげなお店だとはわかっていたが、ついぞ利用する前に解体になった
理由は苗穂地区の再開発だそうだ。

オーナーさんは東区で「プー横丁」を営業しており、そちらはタマネギ倉庫を改良したもの
こちらは築100年を超える質屋さんの住宅と石蔵を改築した
古い建物を見事に再生させたオーナーさん すごいね

お店の今後は移転先も決まったし、蔵は平岡に移築することが新聞に載っていた
解体の中でも最も良い方向の結末ではないか

 

 

 

 


*北海道新聞12月10日より

 

 

「北陸銀行札幌支店」

建設年:1966年
撮影年:2021年1月
解体年:2021年5月ころ
住 所:札幌市中央区

特異なデザイン性からもっと評価?されてよいと思う建物だった
北海道銀行と提携した北陸銀行はともに古い建物だが先に北陸銀行札幌支店を解体し
次に北海道銀行本店が解体を待っている

大通公園に面しており2024年には新築中のビルが竣工し支店は戻ってくるが
屋上にあった彫刻「鶴の舞」はどうなったのか興味がある。

 

 

 

 

 

「宮本氏邸」

建設年:1932年
撮影年:2020年8月
解体年:2020年9月
住 所:札幌市中央区

撮影後、わずか一月後の解体であった
自ら撮影した建物で初めて解体を見た建物であり、偶然に解体中に通りかかったもの

宮本氏邸は2階の窓と部屋がアーチ型になっておりモダンな印象であった
「札幌の建築探訪」にも記載されるくらいの住宅だ

家人からしても長い間ありがとうの気持ちだったかも知れない。

 

 

 

 

「T氏邸」

建設年:?
撮影年:2021年1月
解体年:2021年春ころ?
住 所:札幌市中央区

ある建物の撮影をしたときに手前にあったこの家の感じが良かったので
つい数枚だけ撮っていた。

その後、改めて目的の建物を見に行ったら、こちらのお宅はすでに無く
次の建物の建築が始まっていた。

現在は完成し保育所のようだが、やはり趣のあったT氏邸とは比べるまでもない
幹線道路に面していたいい住宅だった。

 

 

 


現在は保育園になった。

 

 

「札幌中央信組豊平支店」

建設年:1971年
撮影年:2021年2月
解体年:2021年4.5月ころ
住 所:札幌市豊平区

この建物は田上義也の設計と思われる
田上氏の金融施設建築は北海道銀行の各支店を1950年代から皮切りに
苫小牧信用金庫、弘前銀行、室蘭信組、そして中央信組の各支店があった。

豊平支店は田上氏の全金融施設建築の中でも数少ない現存店であったが
数年前に平岸店に統合され、閉鎖になっておりついに解体された。

豊平の36号線沿いは今も古いビルが多いが一つが抜けた感じになった。

 

 

 

 

 

「渡井医院」

建設年:1976年
撮影年:2021年5月10月
解体年:2021年10月~11月
住 所:札幌市中央区

最初に見たとき独特な玄関の意匠や待合室のステンドグラス、大きな庇やちょっとした曲線など
廻りが普通の住宅街なのでハっとした。

医院としては以前から閉院状態であったが、知り合いから解体していると聞いて再度行ってみた
建物を隠すごとく植えられた樹木がすでに抜かれており逆に新鮮に見えた。

閉院中にあった柵も外され院内のものが産業廃棄物的に置かれていた
まだ業者が中の片づけをしているような状態であったがこの様子では
今はもう建物は無いのではと思う。

病院は特に古いものに個性がありとても素敵なものが多い
札幌で木造の医院はとうに無いものと思うが60、70年代のモダンな病院が無くなるのは
やはり寂しいものだ。

 

 

 

 

 


解体された建物(札幌市・小樽市以外)※函館市で1件追加しました

2023-12-27 09:22:19 | 解体

2020年の8月くらいからレトロ・モダンな建物を撮影して来ましたが
この数年の間でも解体された建物がいくつかあります。

古い建物を中心に撮ってきたので解体されることが多いのは必然で
仕方がないと思いながらも素敵な建物が無くなるのは残念だなと思う。

このカテゴリーでは札幌市、小樽市以外でこれまでに撮影し、解体された古い建物を順次記録していきます。

 

 

 

NEW「ニチロビルディング」 旧日魯ビル

建設年:昭和9(1934)年
撮影年:令和4(2022)年6月
解体年:令和5(2023)年12月
住 所:函館市大手町5-10


今のマルハニチロになる前、「日魯漁業」の社屋だった建物。

1号館の竣工から94年が経ったそうだ
所有していたマルハニチログループのマルハニチロアセット(東京)が、9月30日付で同ビルを売却し、老朽化により解体が始まった。

かつて中には劇場があり日魯の社員ばかりではなく市民にとっても馴染みのあるビルディングであった。

最近では1階に人気のカフェがあり、客として入店すると
天井が高く照明にはメダリオン、アーチ型の大きな窓など
レトロな世界を味わえた。

また階段も個性があり、トイレを利用がてら撮影をした。

 

函館は至る所に古い建物が多くあり
常に建物の解体はある
遅きに失した訪問ではあったが一瞬でも見学が出来てよかった。


 

 

 

 

 

 


 

 

「新二岐駅舎」

建設年:昭和29(1954)年
撮影年:令和2(2020)年11月
解体年:令和5(2023)年2月
住 所:栗山町日出122


昭和50(1975)年4月1日の鉄道廃止から50年近くずっとこの地に駅舎は残っていた。

再活用も過去にはあったが、訪問時ではすでに廃墟になりつつある建物であった

その個性的な外観は鉄道マニアはもとより一部の建築マニアからも
注目されていたと思う。

鉄道は裏手にあった 
駅舎のわずかなホーム跡だけが鉄道があった証かも知れない。 

その駅舎が解体されたとのこと
老朽化により倒壊の可能性があるなら解体したほうがよいだろうの判断かと思う。

 

長く地域を見守ってきた建物が無くなるのは寂しいが
ここは、今までありがとう ではないか。

 

 

 

 

左端の公衆トイレは健在である。

 

※2023年5月ストリートビューより

 

「旧古平町役場

建設年:昭和2(1927)年
撮影年:令和3(2021)年8月
解体年:令和4(2022)年8月~9月
住 所:古平町浜町40-4


角地に合うように設計され2方向に入口がある
アーチ型の入り口と塔屋部分が印象的なこの役場は
北海道で最初の鉄筋コンクリート造による役場庁舎である。

古くからの漁場の町にこの役場が出現した時の住民の反応は
どうだったろうか

おそらく、おらが町にこんな立派で大きな建物が出来た
と町のシンボルを喜んだのではないか

 

しかし老朽化だろうが役場はきれいに解体された。
今は近代的なデザインの新役場に代わり
旧役場があった場所には「道の駅」を新設し、来春がオープン予定とのこと。

惜しい建物ではあるがこれも時の流れだろう。

 

 

 

 

 

 

 

※2023年ストリートビューより

 

 

「旧山口家記念資料館」

建設年:平成
撮影年:令和3(2021)年4月
解体年:令和3(2021)年5月以降
住 所:石狩市千代志別


ネットで偶然、この建物を見つけてすぐ行ってみた
千代志別の町はトンネルとトンネルの間にわずかだけ海に面しており
千代志別川に沿って集落があり最奥の旧小学校跡地で集落は終わる。

この建物は川の北側にあった唯一の建物で山のすぐ手前だった
なぜこんなところにお屋敷風の建物が?

先のネットでは千代志別出身の旧木の城たいせつの創業者
山口氏が新たに建てたようだと記載されている
なので建築年はおそらく平成 基礎のコンクリートが納得行く。

 

 

 

 


山口氏は自らの出身地に古き時代の記念館を作りそれをどうしようと思ったのか

ご自分が生まれ育った時代を記念館で再現したかったのかも知れない。

会社が倒産し、別の経営陣に代わった今では、ここは負の財産としてどうすることも出来ない
ただただ放置されている状態だった。

余談だが仕事の繋がりで何度か栗山本社や道場に伺ったことがある
山口氏とは奥様が亡くなられたときにお悔やみ申し上げたが
そのころには会社も厳しい状況だったのだろう。

その後、小学校の跡地を撮影に行った折、千代志別に点検に来ていた石狩市の職員さんから

「もう建物は壊して無くなりましたよ」と聞いて愕然とした。

 

 

 

「支笏湖ユースホステル」

建設年:昭和30(1955)年
撮影年:令和3(2021)年4月
解体年:令和3(2021)年10月~1月
住 所:千歳市支笏湖

北海道を代表する建築家、田上義也が設計した日本最古の建築で現存する最古のユースホステルであった。

長い間、支笏湖の歴史を見てきたが老朽化はいかんともしがたく
お疲れさまでしたというところだろう。

跡地には鶴雅グループの企画があるようだ。

 

機会があり閉鎖後、解体直前のホステル内を一人で自由に撮影出来たのは幸運以外何者でもない。

田上ファンの自分としては最も大事に取っておきたい記録だ。


 

 

 

 

 


*北海道新聞11月より

 


解体された建物 小樽市

2023-12-09 23:22:52 | 解体

2020年の8月くらいからレトロ・モダンな建物を撮影して来ましたが
この数年の間でも解体された建物がいくつかあります。

古い建物を中心に撮ってきたので解体されることが多いのは必然で
仕方がないと思いながらも素敵な建物が無くなるのは残念だなと思う。

このカテゴリーでは小樽市でこれまでに撮影したが、解体された古い建物を記録していきます。

 

 

「旧勢月菓子舗・いせや」

建設年:昭和3~4(1928~1929)年
撮影年:令和2(2020)年10月
解体年:令和5(2023)年11月~
住 所:小樽市錦町15

 

JR小樽駅前から小樽水族館へ行く道に個性的な建物があった。

旧勢月菓子補舗からいせやになったまでは確認できたが
店舗としてはかなり前から営業はしていなかったようだ。

残念ながら解体されたと小樽通のブログに載っていたので
忍路への帰途に寄ってみた。

建物はすでになく整地の段階であった
何らかの指定を受けていない建物は段々と減る一方だろう。

小樽の古い建物は運河近辺に集中しているが
旧手宮線を散策すると、小粒だが結構な古い建物がある。


 

 


2023年12月撮影

 

 

「三箇株式会社」

建設年:大正7(1918)年
撮影年:令和2(2020)年10月
解体年:令和5(2023)年9月~11月
住 所:小樽市色内1丁目8-22

 

旧越中屋ホテル(現UNWIND HOTEL&BAR小樽)とコインパーキングを挟んで並んで建っていた。

印象的なファサードとは別に横側にも特徴があった。

元々は「旧函館製網船具」として大正時代に建てられ、いくつかの補修、改修を経ている。

廻りには小樽を代表する大型建築物が多いので一役買っていたが
今年解体された。


 

 



2023年12月撮影

 

 

「旧上坂紙店」

建設年:昭和6~7(1931~1932)年
撮影年:令和2(2020)年10月
解体年:令和5(2023)年4月~7月
住 所:小樽市花園3丁目1-1-9

 

花園町は市役所や小樽公園、学校などの行政、教育施設が多いが
歓楽街や商店街も花園町の特色だ。

小さな店舗の集合体が多い中で上坂紙店の建物は異彩を放っていた。
スクラッチタイルが美しい独特のカラーとどっしりした玄関
奥行きは思ったよりあり最奥には三階建ての石蔵まであった。

解体後の訪問では石蔵のみポツンと残されていたが
現在はどうなっているのだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

2023年8月撮影

 

 

「旧銀の鐘2号館、3号館、4号館」

建設年:()年
撮影年:令和2(2020)年11月
解体年:令和5(2023)年6月~8月
住 所:小樽市相生町6-1

 

銀の鐘1号館は「旧中越銀行小樽支店」として大正時代に造られた
歴史的建造物であるが2号館~4号館は街並みに合わせたように後ほど建てられた。

小樽の観光店舗の一環として「銀の鐘」が増築した結果である
営業の方は結構前に休止していたと思ったが建物は新しく、
いずれ何かに転用されるかなと思っていた。


だが2号館~4号館が今年の夏にかけて解体された。
後から建てられたものだがデザイン性はあったのに
ほとんど撮影しなかったのは失敗であった。

 


左側が4号館~3号館~2号館となり境町通りに出る

 

 

「旧山室商店」

建設年:大正14(1925)年
撮影年:令和2(2020)年10月
解体年:令和5(2023)年3月
住 所:小樽市稲穂3丁目2-11

 

レトロ建物好きには小樽のこの建物は人気があった。

「小樽典礼斎場」の駐車場の間にポツンとたたずむ
とても気になる建物。

木造3階建てで腰折れ屋根と同じく窓型もそうだ
2階正面の壁にはうろこ状の模様になっておりあまり見ることがない
1階正面は商店の玄関と階上への入り口に見える。

側面と裏面は板張りとトタンになっているが、トタンは後貼りかも知れない。

小樽市の古い建築物の資料では「旧山室商店」の名になっていた
撮影時は3階の窓ガラスの割れた箇所から鳩が出入りしていたので
きっと中は惨憺たる状況だったのでは?

奥行きのある建物だったので余計に解体された正面部分が小さく感じた。

 

 

 

 

 

 


2023年12月撮影

 

 

「小町湯」

建設年:明治15(1882)年
撮影年:令和4(2022)年10月
解体年:令和4(2022)年11月~12月
住 所:小樽市信香


よく参考にしている小樽在住の方のブログで解体が判明した
もうすでに更地になっていると思ったが、まだ廃棄物は残っていた。
また奥の3階建て建物も併せて解体されていたので小町湯さんの所有物だったのかも?

それにしても魅力ある古い銭湯が廃業し解体されるのは辛いものがある
小樽には現役銭湯は他に5軒だそうだが、特徴あるレトロ建物ではなさそうだ。

小町湯は2021年10月に閉業していた。



2020年10月撮影



この日は工事は休みだった

2022年12月撮影

 

 

 

 

「旧小樽市立色内小学校」

建設年:昭和63(1988)年
撮影年:令和3(2021)年12月
解体年:令和4(2022)年11月~12月
住 所:小樽市稲穂5丁目17-1


色内小学校は明治34(1901)年に開校した歴史のある小学校
この校舎を解体して道営住宅を建設するのは当初の予定通りであった。

やはり多くの卒業生からすると寂しいことだろう
きつい勾配の坂道途中にあり、小樽駅前からも校舎に描かれた水色の壁画が見えていた。

学校はすでに平成28(2016)年に閉校している
趣きのある校門はどうなっただろうか。

 

 

 


2021年12月撮影

 

2022年12月撮影

 

 

 

 

「中央バス手宮ターミナル」

建設年:昭和40(1965)年
撮影年:令和4(2022)年3月
解体年:令和4(2022)年7月以降
住 所:小樽市手宮2丁目1-1


令和4年の3月いっぱいで廃止、待合室のみ6月まで使用可能であった。

ちょうど所用があったので現役の姿を収めに行くことが出来た。
多くの道路が交わる場所にあったのでターミナルとしての場所としては申し分なかった。

特別な造りの建物ではなかったが、以前からの利用客からすると無いとなにか変
そんな感情があったのではと思った。

 


2022年3月撮影

 

2022年12月撮影

 

 

 

「カトリック富岡教会 司祭館」

建設年:昭和4(1929)年
撮影年:令和2(2020)年10月
解体年:令和4(2022)年夏?
住 所:1丁目21-25

 

FBへの投稿によりわかった
教会自体は再塗装などで綺麗になっているが司祭館のほうは
以前から使用してなかったように見えた。

新築するのか倒壊防止かは不明
教会裏手にひっそりとあった司祭館だったが良さげな建物であっただけに非常に残念だ。

 

 

 

 

2023年8月撮影

 

 

「近藤商店」

建設年:大正初期
撮影年:令和2(2020)年11月
解体年:令和4(2022)年7月
住 所:小樽市稲穂2-13-15


近藤商店は小樽市のいわゆるガラス屋さんの草分けで
主に小売店や工務店にガラスを卸していた。

やがて板ガラスはサッシに変わり割れないものになった
一般のガラス屋さんは商売にならず、またそこに卸していた
問屋さんも苦しくなる。

元はガラス工場だったこの建物も平成3(1991)年にレトロ風建物に
改修されレストラン運営を始めたがここ数年は未使用のまま置かれていた。

現在は更地のようである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

隣の和田時計店と2店舗のファサードが変わっている造りだった

 

 

「仲谷工業」

建設年:?
撮影年:令和3(2021)年4月
解体年:令和3(2021)年
住 所:小樽市色内


こちらの情報はFBからの情報。

龍宮神社前の通り、龍宮通りに面している
ここは色内町で小樽市でも古くからの建物が多いところ

仲谷工業の建物は特に歴史的建造物に指定されているわけでもないが
外壁のスクラッチタイル、2階の窓越しに見える手すりの意匠など
個性があると思い撮影していた。

以前は両隣にも建物があったが、この仲谷工業が無くなったので
広く土地が空いた。

さらに心配なのは2軒隣の歴史的建造物、旧戸羽商店の動向である。

 

 

 

 

「旧H氏邸」

建設年:昭和11(1936)年
撮影年:令和2(2020)年11月12月、令和3(2021)年4月
解体年:令和3(2021)年
住 所:小樽市富岡


こちらの住宅の情報もFBによります
確か富岡教会を見に行った時に見えた、高台にあるこちらの住宅が気になった。

「売物」ののぼりがある和洋折衷の造りの家である
また山側には蔵もあり住宅同様に歴史的価値のある家と知った。

それが解体されたという
古い建物ゆえ住宅には価値を認めず土地の有効利用かも知れない
数か月後には結果が出ていることだろう。

 

 

 

2023年8月撮影

 

 

 

「米華堂」

建設年:昭和3(1928)年
撮影年:令和2(2020)年8月
解体年:令和3(2021)年6月~7月
住 所:小樽市花園


小樽の老舗洋菓子店、米華堂が2021年の3月に閉店した
営業している小樽の洋菓子屋で一番古いお店だった
その後数か月での建物解体は予定になっていたのだと思う。

撮影時は営業をしていたが利用をしなかったのが少し悔やまれる
というのも小樽の老舗では「館」や「あまとう」は結構利用しているが
米華堂は一度も利用したことが無かったからだ。

解体には両隣も一緒に取り壊わされた
左の「宮町富高堂」は移転、右隣りの「寿司屋すし勘」のその後は不明だ。

 

 

 

 

「旧小樽市立入船小学校」

建設年:昭和51(1976)年
撮影年:令和元(2019)年5月
解体年:令和3(2021)年10月~12月
住 所:小樽市入船

 

入船小学校は解体された色内小学校より後の昭和5年開校であり
平成18(2030)年に閉校している。

最後の校舎の竣工は昭和51年だが、この一つ前の校舎がデザイン性に富み素敵な校舎であった。

解体の理由は入船小学校のグラウンド上部に「低区配水池」があり
ここが築100年を超えており耐震化を含めた更新が必要であること。

小学校はすぐ近くであり敷地も十分であることから
跡地に「低区配水池」を新設することに決まった。

市民の大事な飲料水でありその役目は大きい
古く活用の目途が立たないのであればこのような用途で
解体するほうが良いのかも知れない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2021年12月撮影

 

 

 

先代校舎 昭和40年ころ